passionato~情熱的な(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

おねだりをしてピアノを弾いてもらった。



リストの『愛の夢第3番』



彼が一番彼らしい音を出せる曲。



もうこのピアノをこうして側で聴くことがあるんだろうか。


愛し合っていても


このピアノがもう私のそばからなくなってしまう。




そう思うと、もう言い様がないほどの寂しさが胸に迫り


私はまたたくさん泣いてしまった。





こうして私たちは


NYとウイーンに離れることになってしまった。



私は彼からもらった指輪を胸に抱いて、いつも彼を側に感じた。



つらいのは私だけじゃない。



今は自分ができることを頑張るしかない・・・・



私はいつも彼がウイーンで頑張っていると思うことで自分を奮い立たせた。





彼は父の紹介である『巨匠』とウイーンで出会うことになる。






「は? リヒャルト・シェーンベルグ???」



彼と離れて2か月ほど経った頃だろうか。



私は電話を受けた。




「そう。 フェルナンド先生が昔音楽院で教わってたって先生なんだけどさ。 それでその先生の居場所だけ教えてくれたんだけど。 すげー巨匠だからって。 んで、行ってみたんだよ。 したら・・すんげえヘンクツなジジイでさあ・・・」


彼はそのおじいさん(?)がどれだけ変人なのかを私にとうとうと説明した。



真尋が変人っていうくらいだからそうとうなんだわ・・・



私はそこに感心してしまった。



「おれは弟子はとらん!! って話も聞いてくんないの。 おれもどんだけの巨匠か知らねーけど、なんか悔しいじゃん? それでさあ・・・・」




彼の話の概要は



非常にドラマチックなものだった。




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「しつこいっ! わしはしつこいのが一番嫌いだっ!!」


巨匠はもうかなりご機嫌ナナメだった。



「とにかく! おれのピアノ聴いてくださいよ~~~。 フェルナンド先生から聞いてない?」


真尋は何とか食い下がった。


「知らん! なんか1週間前くらいにそんなような手紙は来ておったが、興味がないので捨てた。」


バッサリと切り捨てられた。



「もう、わしは家に帰る。 早く出て行け!」


と、レッスンスタジオを追い出された。




それでも


真尋はしつこくその巨匠の家路を追いかけた。



「犯罪だっ!」


シェーンベルグは持っていた杖をいきなり真尋の胸につきたてた。



「いきなり犯罪かよ・・・・。 ほんと、ピアノだけ聴いて下さいって、」


あまりのしつこさに嫌気がさしたのか


通りかかった広い公園で行われていた市民祭の様子を見たシェーンベルグはいきなり



「今、祭で市民参加の音楽コンクールをやってる。 それで優勝したら、ピアノだけ聴いてやる。」


杖でその方向を指した。



「は????」


さすがの真尋も驚いた。




離れ離れになったふたり。真尋は心機一転、『巨匠』に弟子入りを試みますが・・

しばらく『真尋 客観目線』でお楽しみください・・・


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