Sanftheit~優しさ(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

彼も息を荒くして、私の身体にぐったりと身を預けていた。




・・なんだったの・・・?


今の・・・・




私はその『初めての感覚』に呆然としていた。



しばらく何も言葉を交わさないまま、身体を合わせて。



「・・絵梨沙・・・」


冬なのに額に汗が光っている彼は、また愛しそうに私にキスをしてくれた。



私は


彼のものになり。



私も彼を手に入れた。






それからは。


彼の図々しいところやデリカシーがないところ。


気になる女性関係


ひっかかったけど。


それを忘れてしまいそうなほど


私は彼にのめりこんでしまった。



自分の気持ちに素直になってからは、なんの遠慮もなく彼のそばでピアノを聴いて。


そして、時々そんな彼の背中に抱きついて甘えたり。


学校に行く時は手を繋いで、ベタベタしながら歩いて。



本当にウソみたいだけど、私は丸っきり変わってしまった。




彼のレッスンが終わるのを部屋の外で待っていた。


そっと中を覗くと、父のレッスンがもう終わって話をしているようだったのでそっとノブを手に押してみた。



すると



「・・先生。 おれ・・・・絵梨沙とつきあってんだ、」


彼の声が聞こえて驚いた。



父は少しだけ驚いたような顔をした。



「おれは。 ずーっと絵梨沙のことが好きだったから。 ほんと。 ずうーっと。 あんなにかわいいのに、ピアノ以外のことは全然興味がなくて、意地っ張りで。 強がって。 でも、ほんとはナイーブで素直で・・思わず守ってあげたくなるような・・・」



私は彼の言葉を聞きながら赤面してしまった。



「・・・私は。 あの子と9年間離れていて。 娘といえども・・・何も親として言える資格なんかないと思ってた。 ただ娘には自分のやりたいことをやって幸せになって欲しい。 それだけで・・・」


父は重い口を開いた。



「たぶんね。 きみと絵梨沙のデュオを組ませたときから。 絵梨沙はきみに惹かれていくって予感がした。」



私はそんな父の思いを初めて知った。



「絵梨沙は本当にピアノのテクニックは申し分ないけど、なんていうか・・・伸びしろがないというか。 遊びの部分が全くなくて。 この先、きっと壁にぶち当たってしまうと思っていた。 きみは正反対だったから。 自由で、それでいていい意味での遊びもわかってる。 そんなきみと組ませたら、たぶん絵梨沙のピアノに対する考えが変わるんじゃないかって。 そう願っていた。」



「先生・・・」



「きみのピアノコンチェルトを聴いて、絵梨沙はもう号泣だったよ。 立ち上がれないくらい。 それを見て私は、『ああ、絵梨沙はもうきみのことが本当に大切な人になっているんだな』って思ったから。 遅かれ早かれ・・きみたちがそうなるんじゃないかと思っていた、」




私は父の思いに胸が熱くなった。



「絵梨沙をよろしく。 私では・・なかなか娘の気持ちに入っていけないから、」


父は笑顔で彼に言った。


でも。


「・・ただし。 部屋を一緒にしちゃ・・・ダメだよ、」


そう言って笑って彼に釘を刺していた。




こうして二人は恋人同士となってつきあうことになりました・・・ドキドキ



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