crescendo~だんだん強く(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

最後は。


彼のアレンジした『White Christmas』だった。



今日がイヴだということを思い出した。



彼と出会って、3ヶ月しか経っていないのに、本当にたくさんのことがあって


私は自分のピアノに対する考え方がものすごく変わって


ピアノだけじゃなくて、世の中にはもっともっと楽しいことがあるってことに気がついた。





わずか2時間弱のライヴは、あっという間に過ぎ去った。




アンコールまでしたりして、お客さんと会話をしながら、彼は本当に楽しそうだった。



店を出るお客さんからクリスマスプレゼントをもらったり、一緒にカメラに収まったり


もう本当にスターみたいで。



エレナが彼に抱きついてハグをしたあと、二人は挨拶のキスを交わしていた。


私は遠巻きにそんな姿を見ていた。


そこに入れなかった。



すると


彼が私に気づいて


「おーい! 絵梨沙~~!!」



と手を振った。


ドキンとした。


彼は二言三言エレナと言葉を交わして、手を振ってその場を立ち去った。



「絵梨沙が座ってるとこすぐわかったよ。」


スターがいつもの彼になった。


「・・・すごく。 よかった。」


私は少し微笑んでそう言った。


すると彼はふふっと笑って


「そのセリフ。 ベッドの中で聞きたかったな~~~~、」


私をからかってそう言った。



まだまだ彼の言っている意味がよくわかっていなかった私は



「はあ????」


また下品なことを言っている、とバッグで彼の足を叩いた。



「冗談、冗談。 ほんと、おれもすっげー気持ち良かった。 すげーな。 音楽は。 言葉がいらないし、」


真面目になってそう言った彼の言葉が胸にしみる。



ピアノをやっててよかった。



心からそう思えて。



「やっぱおれ。 こーゆーのが合ってるかもしんない。 学校の勉強よりもこうして、小さいトコでもピアノを弾く場をもらってお客さんに来てもらって。  ただ。 まだまだだからな。 ピアノも。 もちょっと勉強しないと、だけど、」



「・・モーツアルトもベートーヴェンも。 いつの間に練習したの?」



「先生んとことか。 課題でもやったし。 最初はもうぜんっぜんダメでさあ。 これだって1ヶ月以上かかってやっとだし。」



「・・・あとは。 ピアコンね。」



「うん。 オケとやるのは初めてだから。 ちょっとワクワクしてきたかな、」




イヴの夜は静かに更けていった。



もう絵梨沙は真尋のピアノに『毒され』て・・・



My sweet home ~恋のカタチ。






↑↑↑↑↑↑


読んで頂いてありがとうございました。

ポチっ!わんわん お願いします!


人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ


My sweet home ~恋のカタチ。