crescendo~だんだん強く(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

彼からそんなことを言われて


もうどうしていいかわからなくなった。



「な~~~、ゴメンって、」


そんな私を気にして彼はそう言った。



私は黙ってキッチンで食器を洗っていた。



19にもなって


こんなにも男性に免疫がない自分が恥ずかしい。



そんなことも考えてしまって彼の顔が見れない。



「動けねーんだからさあ・・・。 カンタンにそっちにも行けないんだからさあ、」



何が言いたいのかもわかんないし・・・・。



「・・私のこと。 バカにしてるんだから、」


私はまだメソメソしながらそう言った。


「え? バカになんかしてねーって・・・。」


「してるわよ! こんなことで動揺してる私のこと・・・バカにしてる、」


手を拭きながら言った。


もう彼に当たらないとやってられないくらいだった。



「そりゃあさあ・・。 おれが初めて会ったタイプの女の子だけど。 さっき言ったことはホントだよ。 おれ、マジ最初から絵梨沙のこと好きだったし・・・。 けっこう遠まわしに色々言ってたんだけどな~~~。 気づかれてなかったのもショック・・・。」




「からかわれてると、思ってた、」



「気を引こうと必死だったんだよ。 男心がわかってねーな、」




憎たらしい・・・・



私は黙ってしまった。



「だからさー。 おれとつきあって。 ね?」



強引だし。



「おれとつきあえば、絶対に楽しいって!」



もー・・ヤダ。




「よくわかんない・・・。 ピアノをやることと男の人とつきあうことを一緒にできるなんて・・思えない。 」


私は本当の気持ちを言った。



「えー? そんなの普通にさあ、考えればいいんだよ。 難しく考えすぎ、」


「あなたにはそうでも私にはムリよ・・・、」


「んじゃあ。 おれのことはどう思ってるの?」


その質問にも答えられなかった。




男性とつきあったことなんか1度もなかった私は


つきあったりすれば、彼の気持ちを繋ぎとめるために


すごく気を遣うんじゃないか、って


そういうことが煩わしいと思っていた。




「・・今は・・考えられない・・・」



私はすこしはぐらかせるようにそう言った。




「・・・ま。 慌てることもないか。 これからもこうやって『濃密』につきあってけば、いつかは絵梨沙だっておれのよさがわかるし、」



その自信もどっから来るのよ!!



しかも『濃密』ってなによ!!



私はそう反論したかったけど


その気力が残っていなかった。



イヤでも父が戻ってくるまではここにいなくちゃならないし。



向こうが動けないからいいものの。




私は本当に


戸惑っていた。



強引すぎる真尋からのアプローチ。ピアノひとすじに生きてきた絵梨沙は戸惑うばかりです・・


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