Ein Eindruck~感動(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「そう・・・彼のところ行ってみようかしら・・・」


エレナがそう言い出したので


私は瞬時に


「・・たいしたことないみたいよ。  自分で歩けるって言ってたし、」



まだ這って移動していたのだが、ウソを言ってしまった。



「そお? 彼もピアコン仕上げなくちゃならないし、大変よね・・・・」


話題がそれてホッとした。




なんで


ほっとしてるんだろう。



私が彼の部屋に居候していることを知られたくないという気持ちと。



そして



彼女には来て欲しくない、という気持ちがあった。


彼と私だけの空間に。



彼とひとつ屋根の下にいることが少し怖いキモチと


不思議なことに


少しだけ安堵感を感じている自分にうすうすと気づき始めたのは


この辺からだったかもしれない。




買い物を済ませてから戻ると


ピアノの音が聞こえて驚いた。



慌ててドアを開けると


顔をゆがめながら彼がピアノを弾いている。



本当に苦しそうに


脂汗を流して。



「ちょ・・ちょっと!」


私は慌ててそれを制するように駆け寄った。



その時初めて


私が帰って来たことに気づいた彼はハッとした。



「ダメじゃない! 無理をしちゃ・・・・。 そんなに苦しそうに・・・」


思わず彼の手の上に自分の手を乗せた。



座っていることさえたぶん大変だろうに。



「・・平気だよ、」



あのふざけた彼の表情とは全く別の


真剣な顔だった。



私の手を怖い顔で振り払って


まだ弾こうとしたので



「もう!」



私はその手をぎゅっと掴んでしまった。



「・・・ムリをしないで。 もっと悪くなったらどうするの?  今はちゃんと休んで。 あせる気持ちはわかるけど! あ、私が悪かったんだから!! 私の・・せいだから・・・」



私の必死の形相に


彼はふうっと緊張が解けたような表情に戻った。




「ごめん、」


彼は私にポツリとそう言った。


「え・・・?」



「もう、絵梨沙は責任なんか感じなくていい。 事故みたいなもんなんだから。 あの時はおれが絵梨沙をおぶっても連れて帰りたかったから。 自分がしたことだ、」



そして


優しく微笑んだ。




焦る真尋を必死に抑える絵梨沙。もう感情がどこに向かっているのかもよくわからずに・・



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