Es glitzert~きらめき(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

彼は私の存在など


これっぽっちも気づいていないようで。



あんなに来ていることを知られたくなかったのに


逆に寂しいと思ってしまう自分がイヤだった。



フランツにレモネードの代金をそっと払って、店を後にした。




歩いていると


視界が揺らいだ。



涙が出てきてしまった。



その涙がなんなのか。



息ピッタリの二人の演奏を聴かされて


いくら練習しても練習しても


合うことがなかった私たちのピアノがものすごく至らなく


惨めに感じた。



いや



今思えばそれだけではなかったのかもしれない。



まさか私が彼とエレナに嫉妬をしているだなんて


思いたくもなかった。






部屋に戻ってからも彼が帰る気配が気になって眠れなかった。


古い造りなので、玄関のカギを開ける音が夜中はけっこう響く。


ウトウトはしたけれど


その晩はとうとうその音は聞かれなかった。





自分が何に沈んでいるのか、


その原因は自分で知りたくなかった。



学校のカフェで今日の講義のノートをまとめていると



「あ、ここにいたの?」



ハッとして顔を上げた。


彼が笑顔で立っていた。



ドキンとして慌てて目をそらした。



「・・・・・・」



言葉が出なかった。


そんな私の空気を読めずに彼は前のイスに座った。



「昨日。 来てくれてたんだったら声掛けてくれたらよかったのに、」



いきなりそう言われて驚いた。



「・・・フランツが・・言ったの?」


「え? マスター? ううん。 違うけど、」



一度も目が合わなかったのに・・・


それに、私はカウンターの中のイスに座っていてピアノからはよく見えなかったはずなのに・・・



私が戸惑っていると



「絵梨沙がどこにいるか、いつも見てっから。」



彼は笑顔でそう言った。




その時


間違いなく私の心の中で何かが『化学変化』を起こした。



恋にオクテな絵梨沙は真尋の素直すぎる表現に心揺さぶられます・・・


My sweet home ~恋のカタチ。






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