Live for love(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「今、お生まれになりましたよ、」


看護師が二人の前ににこやかに現れた。



「え! ほんまですか!」


南はいつものよく通る声で思わず大きな声を出した。



「ええ。 元気な男のお子さんです。 とっても安産でお母さんも元気で、」



南は思わず真太郎の手を取り、


「やった! 男の子やって!! よかった~~~!!」


と、ぴょんぴょんとび跳ねた。



「早く斯波さんに連絡しなくちゃ。 きっと寝れないで待ってるよ、」


真太郎も嬉しそうに言った。


「うん!!」


南は携帯を握りしめて、その場を立ち去った。





「え・・・? 生まれたの?」


斯波はやっぱり寝ていなかったようで、電話にすぐに出た。


「うん! 元気な男の子やって! 萌ちゃんも元気やっていうし。 ほんまによかったね~~~~!」



斯波は感無量なのか黙ったままだった。



「斯波ちゃんもお父ちゃんやな。 あ~~、ほんま。 嬉しくて。 泣ける、」


南は目の端にたまった涙を手でぬぐった。



「・・ありがと。 ・・うん、ありがと。」


斯波はいつものようにボソっとそう言った。




しばらくして赤ちゃんは新生児室に連れてこられた。



「あ、あれや。」


南はネームプレートを確認して指差した。



「ほんとだ。 なんか・・・しっかりした顔してるなあ。 真鈴が生まれた時はほんと、サルって感じだったのに。」


真太郎は微笑んだ。


「みんな。 赤ちゃんはかわいいねん。 あんなちっさくても・・・手動かして・・・。」



南は今この世に生を受けたばかりの


頼りないばかりの赤ん坊を見て


胸がいっぱいになってしまった。




思わずハンカチで顔を覆った。



「・・ほんま。 命ってすごいな・・・・。 人が・・・この世に生まれてくるって・・すごいことやな、」



自分には叶わないことが


以前は『罪』のように思えたことも



人としてこの世に生まれてくるというこの奇跡のできごとは


本当に尊く。




人工授精を勧められたこともあったが


何だかそれは踏み切れなくて



それはやっぱり自分たちの子供、というよりも神様からの授かりもののような気がしたから。



「・・すごい。 すごいね、」



南はひとりごとのようにそう言って、また泣いた。




二人は生まれてきた新しい命に感動します・・・


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