Live for love(19) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

慌しく萌香が分娩室に運ばれて


また静寂が戻ってきた。




南は小さく息をついた。


後ろに気配を感じると、真太郎が立っていた。



何だかさっきの彼の言葉を思い出して赤面してしまう。



もう13年も夫婦として過ごしてきたのに。



「・・ここまでが長いんだなあ、」



真太郎は分娩室のドアを見ながらボソっと言った。



「・・・もうすぐや。 もうすぐ。 ・・あたらしい命が生まれる。」



南もひとりごとのようにつぶやいた。




「・・もう一度。 考え直してくれないか。」


真太郎は小さな声で言った。


「え、」


「おれは。 南と別れるつもりないから。 おれに必要なのは南だけだ。 南が嫌だって言っても。 いつまでもしつこく言い続けるから。」



南はくるっと彼に背を向けて



「もう・・・あたしの気持ちは切れちゃったの!」



少し意地を張るように言った。




真太郎は彼女の前に回りこんで



「そんなもん。 何度でも繋ぐ。 おれは男としてほんっとに甘ったれで半人前で恥ずかしい。 ダメなヤツだって思う。 でも・・・南といることでおれはいっぱい力をもらって、何でもできるって。 仕事だって・・・自信もってやっていけるってそう思ってる! 」



必死にそう言った。



きっと


もし、志藤ちゃんなら


回りくどいことなんか言わずに


抱きしめてキスして。



それで全てを解決してしまうんだろうけど。




真太郎はずっと話をしながらも南との距離を保っていた。




彼は


そんな狡猾な手を使うわけでもなく。


本当に真面目に真正面からぶつかってきて




「南に出会えたことだけで。 おれの人生は・・・もう大成功だったって。 思う。 」



「・・もう・・」



悔しいけれど涙が出てきてしまった。




言葉が


出てこない。



またシンとした空気が漂った。



その時だった。




真太郎は自分の気持ちの全てを南にぶつけます。 そのとき・・・


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