Live for love(7) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・夫婦って。 元は他人やんか、」



南はポツリと語りだした。



「ながーく連れ添った夫婦でも。 つながってるトコはたった一本の細い糸みたいなもんやんって。 何だか思えてしまって。」



少しだけ笑みを浮かべた。



「色んな繋がりってあると思う。 それは・・子供やったり。 お金やったり。 他にもいろいろ。 でも・・・あたしにはなんもないって。」



「え・・」



萌香は静かに顔を上げた。



「お金なんか。 別に自分ひとりになっても何とか暮らしていけるくらいは稼げるし。 子供も・・・いないし。 そしたら残るもんって・・・『愛』しかないやん、」



「愛・・・」



「結婚して13年になるとな。 『愛』っていうか・・・うん『信頼』かな。 萌ちゃんと斯波ちゃんはまだまだ・・ラブラブで愛し合っててって感じやけど、」



いきなり自分たちのことを言われて


「そ、そんな・・」


萌香は少しだけ頬を赤らめた。



「・・・あたしにとって『裏切り』が一番堪えるねん。 真太郎は・・ほんまにつらいことあって。 みんなの前から姿をくらまして。 あたしのところにも帰ってけえへんかった。 その事実が。 あたしたちの細い細い糸を切ってしまったって・・思った、」



萌香は少し息を荒くして



「・・そんなことで切れたりするような・・・お二人の関係じゃなかったはずです、」



涙をためた瞳で訴えた。



「それは・・・もう夫婦として過ごしてきたあたしにしかわからへんって思ってる。 あたしは・・真太郎が全てやった。 あの人がもしあたしよりも先立つことがあったら・・・追いかけて死のうって思えるほど。 あたしらには何もないねん。 『信じる』こと以外なにがあるって言うねん、」



南も涙ぐんだ。



夫婦は他人。



そう言う南の言葉は萌香の心に冷たく突き刺さった。



どんなに愛していても


ほんの少しのことで切れてしまう危うさをはらんでいて。




無口な斯波のことをわかりきれずに


心がモヤモヤしたこともある。


それでも、今幸せでいられるのは彼を信じ、そして信じられているという事実だけ。




「・・・切れた糸は。 結ぶコトだってできるはずです、」



萌香はさらに大きく息をしながらそう言った。



彼女の異変に



南は気づいた。



「・・萌ちゃん・・??」



「繋がっていたのは・・そんなに・・はかない糸じゃないって・・思うんです、」



萌香は大きくなったおなかをさすった。



「・・大丈夫? どないしてん?」


南は申し訳ないが彼女の言葉よりも、その様子の方が気になってしまった。



「いえ・・・、」


萌香はそう言いながら、少し顔をゆがめた。



「え? おなか・・・痛むの?」


南は慌てて萌香の横に座り彼女の背中に手をやった。



「痛いっていうか・・・なんか・・重苦しいっていうか・・」



彼女の身体に何かが起こっている気がして、



「病院に行かなくちゃ! ね、早く!」



南は慌てて萌香の腕を取って彼女を立ち上がらせる。



その時・・・・



萌香は必死に南を説得しようとしているときに・・・


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