Once again(15) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

またも斯波は『父親』的気分にどよんと浸かってしまった。



こうして婚姻届を目の当たりにすると、




ほんとにこいつら結婚するんだなあ。




なんてしみじみしてしまったり。




「やっぱり斯波さんに書いて欲しいんで。」



元気に言われると余計に、なんかヘコむ。



「ん・・」


斯波は証人の欄に名前をさらさらと書き、乱暴に引き出しを開けてハンコを取り出し


これも乱暴に押した。




「・・・・」



それを無言で返され、



「・・・怒ってます?」


夏希は彼のリアクションがわからなかった。



「怒ってるわけねーだろ・・・。 ま、頑張れよ。 いきなりこんなんなっちゃったけど、」


斯波は夏希から目を逸らしながらボソボソと言った。



「まあ。 隆ちゃんがゆっくり休んでくれればいいです。」

夏希は笑う。



「・・・高宮がいくらしっかりしてるって言ったって。 おまえだって主婦なんだから。 ちゃんと家のことをして、高宮は出張とかでいないことも多いだろうから、戸締りなんかもキチっとして。 前みたく部屋の中がめちゃくちゃになったりしないように・・・」



斯波は思わず細々と注意してしまった。



そして、ハッとして



「ま・・別におれがどうこう言うことじゃねーけど・・」


と、自分でしゃべるのをやめた。



夏希はいつもいつもこうして、ぶっきらぼうに自分を心配してくれる斯波が嬉しかった。



「ありがとうございます! がんばります!」

夏希はいつものように元気に言った。





そして。


『もう一人』の人物にサインを貰おうと、夏希は秘書課にそーっと入って行った。



きょろきょろしている夏希に


「なんやねん、」


志藤が彼女に気づいた。



「えっと・・南さんは・・」


「外出。 今日は何時に戻ってくるかわからへんで、」

書類を書き込みながら適当に言われた。



「そっかあ・・・。 どーしよ、」


夏希は婚姻届を見ながら困ってしまった。



「なに?」


志藤は顔を上げる。



「あの・・・。 実は。 ここにサインを貰おうと思って・・・」


「書類? 南のサインなんかいるんか?」


志藤がそれを覗き込んだ。




「え・・・・。なにソレ・・・。 ひょっとして『婚姻届』?」



志藤も驚いた。



「ハア。 紛れもなく・・」


斯波といい志藤といい、いちいち驚くのでなんだかめんどくさかった。



「へー。 籍入れんの。 ついに、」

志藤は腕組みをして感心するように言った。


「それで! 斯波さんにサインもらったから! もう一人は南さんにお願いしよっかなって、」


夏希はもうひとつ空欄になっている証人の欄を指差した。



斯波ちゃんもやっぱり心配しちゃってます。 そして、夏希は・・・


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