Once again(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・・なんで、謝るの?」


夏希はそんな彼に言った。




「・・・ほんっと。 あのドレス。 すんごい似合ってた。 キレイだった。 あれを着た夏希と一緒にバージンロードを歩きたかった、」



夏希は胸の前で拳を握り締めた。



「ちゃんと式を挙げて、披露宴もして。 誰にも恥ずかしくないようにして・・・夫婦になりたかった。 仕事は忙しかったけど、もっと自分の身体も気をつけなくちゃいけなかったのに。 ・・情けない、」



うつむく彼に



「・・もー・・・だから、いいのに・・」


何だか泣けてきそうだった。




高宮は同じ引き出しから1枚の紙切れを取り出した。


それを夏希に手渡す。





「・・・・」





それは


婚姻届だった。




もう高宮の名前が書いてあり、捺印もしてあった。




「・・これ・・」


夏希は高宮を見た。




「籍を・・入れよう。  式は正直言っていつになるかわからないから。  もう・・夏希と夫婦になりたい、」



高宮は小さな声で少し恥ずかしそうに言った。



「・・隆ちゃん・・・」




夏希はもう胸がいっぱいになって、どうしようもなくなって。





思わずその婚姻届を顔に当てるようにして泣いてしまった。




「夏希・・・」


「も~~~、何だかわかんないけど・・・。  なっ・・・涙が・・・!」


もう、箍が外れたようにわんわんと泣き出した。



「・・それは・・・OKってことなの?」


いまだに彼女の心が読みきれない高宮はいちおう聞いた。




夏希は婚姻届を顔に押し当てたまま、黙って大きくウンウンと頷いた。




高宮はそんな彼女の『答え』に、ふっと微笑んだ。



「あ~~、もう。 こんなの驚かさなくっていいから・・・。」


夏希はようやく届けを顔から離した。



「・・え?」


高宮は彼女の顔を凝視した。


「なに??」

鼻をすすりながら言う。



「鼻のアタマが黒くなってる・・」


「え??」


高宮はハッとしてその婚姻届を彼女から奪い取った。



見事に彼の記したサインが涙で滲んで、ぐちゃぐちゃになっていた。



「あっ!!! 消えてるっ!」


「は??」


夏希は慌ててそれを覗き込んだ。


よく見ると彼女のほっぺたも黒くなっていた。


「これさあ・・万年筆だったから! あ~~~、ダメだ、コレ。」


高宮は脱力してしまった。



結婚式は挙げられませんでしたが、高宮は夏希にきちんとケジメをつけようと思います。


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