Fly to the moon(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・・みんな・・・ほんまに頑張ってくれてんねん。 それなのに! あんたは逃げ出すようなマネをして!」


南は大きな声を出して彼をキッ睨みつけた。





「確かに。 お義父さんが真太郎と事だけ思い出せへんかったことは・・めっちゃ悲しいことやったと思う。 真太郎が今までどんな気持ちで頑張ってきたかとか、そんなん考えたら、もう胸が痛くて痛くて・・どーしようもなかった。 志藤ちゃんから真太郎が無事やって聞いても、真太郎が戻ってくる気になったらって・・・思ってしまって。 あたしも甘かったんや! だけどな、社長は・・病気やんか。」



南は機関銃のようにしゃべり始めた。




「病気で・・・一時的に記憶を一部無くしてるだけやんか! なんで真太郎のことだけ思い出せへんかったかはわからへん。 だけど! どんな理由があるにせよ、真太郎は会社を継ぐ決心をしたんやろ!? お義父さんを喜ばせるためだけに、継ごうって思ったの!? そんなんで・・・たっくさんいる北都の社員たちの生活まで負おうだなんて・・まさか軽い気持ちでいたわけやないよねえ??」



南の勢いに真太郎は押された。



「経営者って・・・そういうもんやろ!?  そんなんもでけへんようだったら・・もうあんた北都を継ぐ権利ないわ! もう諦めて、違う道行ったらどやねん!!」





もう

誰も何も


言えなかった。




「そんで・・・あたしのことが・・必要やないって思うんやったら! ・・・もう、出て行くから!」




悔しいけれど涙がこぼれてしまった。




「・・南・・・」




「でも! 今は仕事を放り出して行かれへん。 全部・・全部ケリついたら・・・。 あたしは出ていく! そんで真太郎も会社辞めたらええねん!!」



涙を手でぬぐいながら言った。






「半端な気持ちで・・・こんくらいのことで行き詰まってたら! 何しても生きていかれへんやんか!!」





もう叫びに近かった。




志藤も、そして真太郎も何も言えなかった。





いつだって


彼女はこうして身体全部で気持ちをぶつけてくる。




そんな彼女が大好きで。



こんなに人って好きになれるんだって


自分でも驚くくらいだったのに。





真太郎は長い長い夢から覚めた人のようにぼんやりとして



「・・・南・・」


涙をこらえた。




「・・・責任だけは。 きちんととらな。   みんな・・・あんたのために・・・ずっと、」


南は涙で言葉が続かなくなってしまった。





真太郎はスッと姿勢をただした。




真太郎は自分のことだけで、社員達のことを考えていなかったことに気がつきます・・・


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