Fly to the moon(8) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「なっ・・なにが・・どーなって・・・」


夏希は声を震わせながら言った。



「・・・あたしと話してたら・・急に咳き込んで・・・手に・・血が。 それで、胃の辺りを押さえて倒れて、」


まだ、経過がどうなっているのかわからないので簡単に説明した。



「血って・・・」

それが尋常でないことだけは、わかった。



「・・今、検査中やから。 少し時間かかるかもって・・」

南は小さな声でそう言った。




隆ちゃん・・・!!



夏希は頭を抱えるように壁にもたれかかった。





どう考えても


ヘンだったのに!!


無理やりにでも病院に連れて行かなくちゃ・・いけなかったのに!!




夕べのことも思い出し、夏希は彼の身体に起きていた異変を深刻に考えてなかった自分を、猛烈に悔いていた。



「加瀬、」


南は胸が潰されそうだった。



「あ、あたし・・ほんっと・・隆ちゃんになんもしてあげられなくって・・・。 体調がよくないんじゃないかって・・思ってたんだけど・・・。」


夏希はベソをかきながら言った。



「・・・加瀬は悪くないよ・・・・」

南は夏希の背中に優しく手をやりながらも





そうや。


全部・・・高宮が背負ってくれて。



一番、アカンかったんは・・・。




南は悔しさでいっぱいだった。




少しして、診察室から医師が出てきた。



「えっと・・高宮さんのご家族の方は・・・」


きょろきょろして言われて、ぼーっとしていた夏希に


「加瀬! ほら・・・ あんたが行かないと、」


南に背中を押された。


「えっ・・・」



あ、


そっか。


もうすぐ『家族』になるんだっけ・・あたしたち。



夏希はその言葉で、結婚式までも


もう時間がないことを思い出した。





夏希は説明室に通された。



「えっと・・奥さま、でいらっしゃいますか?」


カルテを見ながら聞かれ、


「い・・いえ・・。 あの、もうすぐ・・・結婚することに、」


戸惑いながら言った。



「婚約者の方、ですね。」


医師はなんだか色んな写真を夏希の前に差し出した。



その行為が


ものすごくドキドキした。




血まで吐いてしまった高宮ですが、病状は?


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