Close your eyes(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・・・すみません、」


消え入りそうな声がした。



「おれに謝る必要なんかない! だから・・」


志藤は必死だった。



「・・南には・・志藤さんから伝えてください。 ここにいることも、」



無機質な言葉と声だった。




女のところにいるって


おれの口から???



志藤はカッとなってしまった。




「あいつには! あなただけなんです!!  あなたが・・側にいないと・・・南は!!」


思わず壁をドンと叩いた。




しばらく沈黙があり



「・・・すみません、」



真太郎はまたそう言ってインターホンを切ってしまった。





志藤が放心状態のまま社に戻ると、シンとした秘書課に南だけがいた。



「あ・・・おかえり。 まだ帰ってへんかったん?」


少しだけ微笑んだ。



「・・・ん。」



「じゃあ。 あたしも今日は帰るね。 高宮も今、外出から戻ってきて・・・・彼も帰ったから。」


と、部屋を出て行こうとする南に



「・・ジュニアは・・無事や、」


志藤は背中に声をかける。



「え・・」


南は驚いて振り返る。



「真太郎に・・・会ったの?」


慌てて彼にすがるように言った。



「・・無事やけど。 まだ・・・帰れへんみたい。 気持ちが・・・まだ、」


志藤はもう心が痛くて痛くて仕方なかった。



「・・そっか・・」


真太郎が無事なことを知り、南は心からホッとしているようだった。



そして


「ど、どこに、」


と言われて



「・・・ホテルに、」


志藤はとっさにウソをついてしまった。



「どこの、」


と南は言いかけて、志藤の腕を掴んだ手をスッと離した。




「・・・戻れるなら・・・とっくに帰ってきてくれるよね。 だから・・あたしにも、言えへんねんな、」


寂しそうに自嘲した。



真太郎のいるところに行ったとして。


それが何の解決になるのか。



南はそう思った。




真太郎が無事なことを知り、南はホッとしますが自分の元に戻ってきてくれない彼に切なさだけが募ります・・


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