Only to you(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

真太郎は慌てて出かける仕度をした。



「どこへ、」


「シグマまで行ってきます、」

震える声で言った。




この音楽配信会社のシグマと北都の子会社ムーンリバーの提携話はもう3年前から持ち上がっていて、ようやく話がまとまりそうになっていた。



そこまできていた話を、いきなり翻された。



「おれも行きます。」


志藤も上着を手にした。






「ですから。 電話でお伝えしたとおり。 もうMITSUYAさんにお願いすることにしてしまったんですよ、」

シグマの紺野社長とは面会はできたものの、棚の資料を整理されながらの応対であった。


「それは結果じゃないですか。 経過の説明をお願いします、」

真太郎は必死に言った。



「MITSUYAさんのが条件良かったし。 よく考えたらホクトさんがらみで提携するのも・・ベストな選択じゃないと思いましたから。」



「条件面では納得されていたじゃないですか、」

志藤も言った。



「口約束ですから。 悪いけど。」


取り付くしまもなかった。



「それに。」


社長は続けた。



「北都社長、倒れて再起不能って噂、本当なんですか? まだ意識も戻らないとか、」


ようやく彼らの方に向き直って言った。



「え・・・」



「まあ・・息子さんである専務さんが跡をつぐんだろうってもっぱらの噂だけど。 正直、まだまだお若いし。 不安だよね、」




面と向かって

ダメ出しをされた・・・・。



「あ、南? おれ。  ・・・悪いけどジュニアと直帰するって秘書課に言っておいて。」


志藤はくわえたばこで電話をした。


「え、どーしたの・・?」


「いや、実はな・・」





「え、シグマが?」

南も驚いた。



「んで。 紺野社長に・・まだ若くて不安とか、面と向かって思いっきり言われて。 ジュニア、さすがにヘコんでる。」



志藤の話に南は胸を痛めた。



「ま、たまには飲みましょうよって。 社長が倒れてから、ジュニアもずっと気をはりつめてたやろうし。 飲んだって現実はかわらへんねんけど。 少しは気もまぎれるかもやし、」



「・・そう、」



「大丈夫やって。 心配すんな。 ちゃんと送り届けるし、」



志藤の明るい声に少し救われた。







とどめっぽい一言を言われて、真太郎は・・・・


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