Only to you(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「はあ? んでそこで3時間もかかっちゃったの?」


志藤はおかしそうに笑った。



「それがね。 どれにしようか迷ってるとかそういう次元じゃなくてね。 もうハナっからわかんないんですよ・・。どれがいいとかそういうのが。」


高宮は大きくため息をついた。



「やっぱ普通の女子とちゃうな~~。 加瀬は。 ジャージ見る目しかないんちゃうの~?」



なんて言われると悔しいが、あながち間違ってもいないので反論もできない。



「あ~~、なんか楽しみやな~~。 おまえらの結婚式。 おもろいこと起こりそうやし、」


「・・ワクワクしないでください・・」




「え、スピーチを?」


萌香は斯波にコーヒーを運んできた。



「絶対におれには振るなって言ったのに!」


斯波はものすごく機嫌が悪かった。


「そんなこと言っても。 あなたは加瀬さんの上司でしょう? 当然と言えば当然・・・」



斯波は二人の披露宴でスピーチを頼まれていた。



「加瀬はともかく! 高宮の方なんかなんかわからないけど、めっちゃ偉そうな人間ばっか来るみたいだし! そんな中でおれは何を言えばいいんだっつの!」


元々口下手な彼は、スピーチなんてことはできるだけ避けて今まで生きてきた。


管理職になり会議への出席も増えたが、絶対に自分から発言などしない。


誰も絶対に振ってくれるな、というオーラ満載でその場を凌いでいる。



「だいたい! こーゆー場合は加瀬を褒めちぎらないとならないんだろ? あいつのどこをそんなに褒めればいいんだっ!」


大きくため息をついて、額に手を充てた。


萌香はそんな彼がおかしくておかしくて笑いたかったが、怒られそうなので必死に堪える。



「・・普通に感じたままを言えばええんとちゃうのん? 加瀬さんだっていっぱいいいところあるし。 あたしはあの子のことたくさん褒める自信あるし、」


「・・そんな・・人前で、」


斯波は恥ずかしくなり口ごもった。



本当は。


彼女のことを今だって誰よりも心配をして。


高宮さんのご両親に会いに行く時だって、どうしても黙っていられずに乗り込んで行ってしまったし。


かわいくて仕方ないこともわかってる。


だけど、彼のことだから人前で・・しかもたくさんの人の前でそんなことを言うのは


何よりも恥ずかしいことに違いない。




全てもう彼の気持ちがわかってしまう。




「・・予定が早まらなければいいけど。 あたしも絶対に加瀬さんの結婚式には出たい。 みんなでちゃーんとお祝いしてあげないと。」



萌香は大きくなったおなかを撫でた。



「・・いたっ、」


彼女がおなかを押さえたので


「どした?」


斯波は心配した。



「もう最近すっごくおなかを蹴るんです。 今日もすごく動いてて。 男の子かもしれへん、」


萌香は幸せそうに微笑んだ。



「んー・・」


斯波は黙ってそっと彼女のおなかに手をやった。



信じられないけど


もうすぐ人の親になる。




少し怖いような


でも


やっぱりこそばゆいような嬉しさが沸いてくる。



大事な大事な


彼女と一緒にその小さな命を育んでいきたい。




斯波ちゃんは相変わらずです。 もうすぐかわいい赤ちゃんが二人の元にやってきます(^-^)/


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