Sometime that time(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

・・・さて話は13年前に戻ります・・・。




「え、志藤さんと食事したの?」



真太郎は南に振り返った。



「ウン。 ランチ。 今日、スタイリストさんとこ仕事で行ったから。 昼ごろ会社行ったらさあ。 彼、ひとりで暇そうやったから。」


「ふうん。」

と、またパソコンに向き直る真太郎に



「ね~~。 ヤキモチとか妬かないの~?」

南はオーバーに彼の後ろから抱きついた。


「志藤さんなら。 別に。 何となく・・・」


「あんなキケンそうな男なのに?」

彼の顔を覗き込む。


「なんでだかわかんないけど。 志藤さんと南は・・・別に大丈夫だと思う。」


「なにそれ。」



「なんとなく・・」




そして南は



「ねえ。 彼・・。 ひょっとしてゆうこのこと・・好きなんかな。」



南は唐突に言った。


「え・・」



真太郎は

予想外に驚いた顔をしたので南はそれに少し驚いた。



「なんか。 そんな感じした・・・」




南のその何気ない言葉に

真太郎は言いようのない動揺に包まれる。




「志藤さんが? そんなこと・・」


「めっちゃゆうこのことわかってるって感じやし。 すごく彼女のことを庇っている感じがしたし。」




それは

この前オケの練習を二人で見に行って

翔太の話をしたとき

真太郎も感じていた。



翔太がゆうこに対して

結婚まで考えている、と言った時

志藤はものすごく動揺していた。




「志藤さんて。 ほんと何考えてるかわかんないトコあるし。 ・・それに大阪での女性関係がすっごく派手だったらしいし。 白川さんとなんて、」

真太郎は思わずそう言ってしまった。


南はそんな真太郎の顔を見て



「・・めずらしな、」



ぽつりと言った。



「え・・」



「真太郎が人のことそんな風に言うなんて。」



ドキンとした。




「志藤さんは・・まあ、ようわからんとこもあるけど。 あたしはそんなに悪い人ちゃうと思うよ。 なんか・・・拘ってるような感じもあるけど。 クールなふりして、けっこう情が厚そうって言うか。」

南が志藤を庇うようなことを言ったので、


「でも! 志藤さんは白川さんに対しても失礼なことばかり言ったりしていたし。 そんなの、」



真太郎は

志藤を否定する言葉しか出てこない。




「どないしてん。 なんか・・おかしいよ。」

南は真太郎の『異変』に気づく。



「・・・・・・」




確かに

おれは

おかしい。




志藤さんが白川さんを好きでありませんようにって

思ったりしてる。




二人の位置関係が

少しずつ変わってきているのは

何となくわかっていた。




自分が彼女と距離を置こうと思ってから

すごく

二人の関係が気になる。


何だかわかんない

繋がりがあるみたいな気がして。


とても

嫌な予感がするのだ。




南は真太郎の気持ちが

少しだけわかってしまった。




彼は本当に思いやりのあるいい人だけど。



少しだけ

自分勝手。




ゆうこへの気持ちも

本当に複雑で。


あたしは

ちょっとだけ

妬ける。




それは誰にも触れられたくない真太郎の気持ちではありました・・・


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