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My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

栗栖は

会長の病気を知っていたのか?



そして

自分から戻った?



志藤は色んな考えが頭の中を渦巻く。



どうしても

本人と会って話がしたい・・



志藤はその衝動にかられた。



彼女の携帯に何度も電話をしてみたが、電源が切れているか、または呼んでいても自分からだとわかって出ないのかもしれないが、まったく繋がらない。



志藤は公衆電話から電話をしてみた。



すると

10回ほどコールした後だが、なんと電話が繋がった。



「もしもし・・・」



萌香の声だった。



「・・栗栖?」

志藤のほうが逆に驚いた。



「・・本部長・・ですか?」

萌香も突然の志藤の電話に驚いていた。



「切らないで! 聞いてくれ、」

志藤は必死に言った。



「おれ、今大阪にいる、」



「えっ、」

萌香は驚いた。



「おまえを探しに来た、」




そう言うと

しばらく黙りこくってしまった。



「こっち来ていろいろ調べて・・・。会長の病気のこともわかった。」




「・・本部長・・」



萌香は自分のためにそこまでしてくれた志藤を思うと胸が熱くなる。




「会って、もらえないだろうか? 無理におまえをつれて帰ることはしないから。 あんな手紙1枚で・・大事な大事な部下を辞めさせるわけにいかへんやろ!」


「でも・・」



「頼む! ・・・斯波もほんまに心配して・・、おまえが突然いなくなってめっちゃ取り乱して・・。 あんな斯波見たの初めてやった、」



斯波のことを言われると心が痛い。



「会って話をしてくれ、」



志藤はもう

これは萌香に会わずに帰ることはできないと思っていた。




ようやく

彼女と会えたのは

夜8時になったころだった。




待ち合わせをした喫茶店に萌香はうな垂れた様子で現れた。



「栗栖、」



萌香の姿を見て志藤はホッとした。



しかし萌香は

志藤に顔も上げられないほど、申し訳ない気持ちで



「・・本当に・・ご迷惑をおかけして、」

小さな声で立ったまま言う。


「もう、いいから。 座って、」

志藤はにこやかに言う。



そして、やってきたウエイトレスに

「コーヒーをもうひとつ、」

とオーダーをした。



萌香はまだ立ったままだった。



「ほんまに。 おまえの元気な姿が見れて、それだけで嬉しいから。」

いつわりない気持ちだった。



「本部長、」



萌香はもう

涙ぐんでしまった。




「事業部のことは・・いいから。 退職願はおれが預かってるし。」


「でも、」

萌香は顔を上げた。


「落ち着いて。 まあ、座って。」

志藤はいつもの笑顔でそう言った。




「いま、どこにいるの?」

志藤は優しくそう言った。


「会長の・・マンションです。 大阪にいた頃、私がずっと住んでいたところです、」

「そっか・・。 会長は入院しているの?」



ちょっと深い話に入っていった。



「・・はい。」

萌香は静かに頷いた。


「会長の病気、知ってたの?」


「・・・この前、電話があって。」



「電話?」



「その前から・・なんだか具合が悪そうで、病気なんじゃないかって聞いたんですけど、会長は答えてくれなくて。でも・・もう・・ガンで長くないと。 そう言われました・・」




萌香は半ば魂がここにないように

ポツリと言った。




ようやく萌香に会えた志藤でしたが・・・

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