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My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

隣の気配を

ずっと気にしていた。



10時ごろになり

隣の鍵が開く音が聞こえ、萌香はキッチンに置いてあった紙袋を手に出て行く。



戻ってすぐにインターホンが鳴り、斯波は不思議そうにドアスコープを覗く。

萌香が立っていたので、慌てて施錠を解いた。



「・・おつかれさまでした。 あの・・良かったらスープを作ったので、」

いつものように伏し目がちにそう言われて、


「あ・・ありがと・・。 メシ食ったの? よかったら・・一緒に、」

斯波はどぎまぎしながら、そう言った。


「はい、」

萌香は笑顔で頷いた。



なんだか

とっても

安心したような笑顔で。

斯波はそんな彼女の笑顔を見るだけで

嬉しくて

胸が高鳴る。




「・・うまい、」

彼女の作ったスープを一口飲んで、斯波はそう言った。


「骨付きの鶏肉をショウガと煮込んで、レタスと卵を入れました。 後は青ネギとゴマを・・。」

萌香はそのスープの説明をしてくれた。



「本当に・・うまいよ。」



それしか

コメントできない自分の語彙のなさが

情けない気もして。

斯波は黙ってしまった。



夜遅かったので

スープだけで食事を終え、萌香が食後のコーヒーを淹れて来てくれた。



本当に女性らしい気遣いのできる彼女に

斯波は

信じられない加速度で

惹かれていく自分が少し怖かった。



「どうぞ、」



とカップを差し出した彼女の手をそっと取った。

もう片方の手で彼女の頬に手をやる。



自然に

抱き合って

自分の唇を彼女の唇に重ねて。

萌香は彼の背中にスっと手を回した。



その手の感触が

自分を受け入れてくれた気がして。

たまらない気持ちになる。



何度も

何度も

キスをして。



ふっと唇を離した時

萌香は吐息交じりの声で




「・・抱いて・・ください。」




と耳元で囁いた。




「え・・」




心臓が

いや

内臓全部が

一気に緊張し。



その緊張を彼女は知ってか知らずか




「あなたが・・好きです。 ほんまに・・男の人を好きやって思えたのは・・初めて・・」




胸の内を

告白されて。



頭が真っ白になるとは

まさにこのこと

と思えるほどだった。




「・・私は・・好きな人に抱かれたこと・・ないから、」




そんな

悲しいこと

言わないでくれ・・

ほんっと

おれ・・もう。




彼女を抱きしめる手に力を入れて

さっきよりも

激しく

貪るような

キスをした。




彼女への想いが

溢れて

溢れて




そのキスが

唇から耳元にうつった。




「あ・・」




彼女の口から思わず漏れた

小さな声で

何かが切れていく。





萌香の哀しい『初恋』の行方は・・

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