A heart to believe(18) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

夏希は斯波に頼まれたコピーを撮っていた。


すると南がやってきた。


「高宮、京都なんやって?」

と言われて、


「ああ、そんなこと言ってましたね。 金曜日まで社長についてって。 ナントカってウチが出資してる劇場の打ち合わせとか・・・」


「ふーん・・・」



沈黙があり、なんとなく視線を感じて、

「なんですか?」

夏希は南に言った。


「や・・別に。 ねえ、高宮とうまくいってるの?」

身を乗り出されて、


「え、うまくいってるかって、言われると・・まあ、」

ちょっと照れて答えた。


「毎日会っちゃったりしてんの? 家も近くなったんやろ?」


「毎日なんて。 高宮さん、忙しいですから。 電話とかはしますけど、」


「え、デートとかせえへんの?」

さらに突っ込まれ、少しのけぞりながら、


「し、しません。 ゴハン食べるとか・・そんなで、」


「また、食いモンかあ。 しゃあないなあ。 色気なくて、」


「だいたい、あたしがおなか空いてるんで・・・」

情けなさそうに言う。



ぷっと吹き出しそうなのを堪えた。


「今度の日曜はお休みなんで。 どっかに行こうかって・・・」

夏希はさらに恥ずかしそうに言う。


「へ~。 そやな。 最初は昼間から始めないと。 夜ばっかじゃ、」


「夜って、」

ぎょっとした。



「遊園地デートとか初めてみれば? ボーリングとか、」

とからかうと、


「中学生のグループ交際じゃないですか?・・それ、」


「だいたい一緒やろ?」


「そんなの楽しいかなあ。」


「楽しいって! 加瀬と一緒やったらどっこでも嬉しいやんかあ、」



南の言葉に、


「そ、そんなあ、」

夏希は大いに照れてコピーのフタを思いっきりバカっと開けた。



すると・・・



「あっ・・・」



ウソのようだが

フタがバキっという音をたてて壊れた。



「どんだけ力出してんねん・・・」

南は呆れた。





「あ、斯波さん。 コピーなら秘書課でやらせてもらってください。 加瀬が壊したんで。」

八神がわざと大きな声で言う。


「壊したなんて! 人聞きの悪い!」

夏希は反論した。


「壊したんだろーが。 フタがぶらんぶらんになってたぞ。」


「いったい、何をしたんだよ・・・」

斯波は呆れた。




着るもの

ナイなあ。




夏希はジャージの山を見て恨めしそうに息をついた。

日曜は初めてって言っていいほどのデートなのに。

ちゃんとつきあいはじめてからは・・・・。



なんであたしジャージばっか?



自分が恨めしい。



スカートは1枚だけで。

この前、南につきあってもらって買ったものだけだった。




スカートかあ。



かなり短かったのでものすごく抵抗があった。

あとはジーンズばかりで。



買っちゃおうかな。



いや、こんなに食べることに困ってるっつーのに。

服なんか買ってる場合じゃない。



そこに電話が鳴った。

高宮だった。


「あ、高宮さん?」


「うん・・ゆうべも全然繋がらないから、」


「なんか電源落ちちゃってて、」


「なんだ・・・・」



「今、京都ですか?」


「うん。 明日の午後には戻るけど。 社長をお宅に送り届けてから社に戻る、」


「大変ですねえ、」


「ね、日曜日・・どこに行く? 遠出するなら車借りるし。」


「え、そんな遠出なんかしなくていいですよ、」


「行きたいところ、ある?」




「・・あの、やりたいことが3つあって。」


「は?」


「ひとつに絞っておきます。」


「なに? 気になるし、」


「や、口にだすほどのことでもないんで、」


「すんごく気になる、」


「そこに食いつかなくっていいですから。 ほんっと、」


「まあ、でも・・・・楽しみだな。」



「洋服がね、」


「え?」


「なくて。 気がついたら、ほんっとジャージばっかり。」


「ジャージって・・・」


「よそ行き用のジャージとかで済ませてたんで、」

それにはまた高宮はツボに入ってしまった。



「ジャージによそ行きがあるの?」


「え、ありますよ! 渋谷とかはそれで行ってましたから、」


「そうかあ。 いいよ。 ジャージでも。」


「え! さすがにジャージでは・・」

夏希はたじろいだ。


「よそ行きのジャージも見てみたい気がする。」


「や・・そんな見せるほどのもんでも、」



どうでもいい会話だが。

高宮はそういうのが楽しくてたまらなかった。



レックスの人にコクられたって話は



大いに気になるけど。

彼女が何も言わないのなら

深くは聞かないようにしよう。


おれのこと

『カレシ』って認めてくれたってことの方が

嬉しいから・・・・。



高宮は結局夏希がかわいくて愛しくてたまらないようでした・・

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