「ひよっこ」第60回~東京から帰ってきて知る、うぢの匂いと音 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「ひよっこ」 第60回
第10週 「谷田部みね子ワン、入ります」

東京から帰ってきて知る、うぢの匂いと音

 

 

みね子) ただいま! 
美代子) みね子?
茂) ほぉ、みね子が。
ちよ子) 姉ちゃん!
進) 姉ちゃん!

(みね子に飛びつくちよ子と進)
美代子) みね子!
みね子) 遅ぐなっちまってごめん!
     明けまして、おめでとう!

 

**********

 

みね子) うんめぇぇぇ!

茂) ヤギだな、まるで。

(笑い声)

ちよ子) 何?

 

仕事のことを考えると、

家にいられるのは一晩だけ。

それでもみね子は帰ってきました。

 

美代子) いがった。

(幸せそうにご飯を食べるみね子)

みね子) う~ん!

ちよ子) 続ぎ。

進) 続ぎ。

みね子) もう、わがったよ。

     …で、どこまで話したっけ?

茂) ヘヘッ。

  みね子が、すずふり亭に行ったとこだ。

みね子) そうだった。

茂) うん。

みね子) そんでね、おがみさんに、「これこれ

     こうで、仕事がないんです」っつったら、

     割とあっさりと、「うちで働く?」っつっ

     てくれて。もう私、うれしいより先にび

     っくりしちゃって。「えっ?」ってなって、

     「はい、お願いします」っていうことに、

     なったんだよ。

美代子) あぁ、そういうこどだったの。

みね子) そう。

茂) ありがてぇ話だなや。

みね子) そうなんだよ。

美代子) あのお店の方たぢは、うぢにとって

     は神様みたいなもんだね。お母ちゃん、

     お礼の手紙、書ぐね。

みね子) あら、ありがとう。

ちよ子) あれ? 笑える話は?

進) そうだよ、笑える話。

みね子) こっから。

     こっからが大変だったのよ、もう。

     そこのお店ね、最終面接っつうのが

     あって、そごを通んないと…。

 

お父さん…。

私は、夢中で話し続けました。

工場の仕事のこと、

乙女寮のみんなのこと。

それがら、すずふり亭のこと。

しゃべってもしゃべっても、

しゃべり足りなくて…。

 

みね子) 「おまんじゅうがおいしいです」っつっ

     たら、「まんじゅう好きって。「ご家族に

     よろしくね」って。それってさ、おまんじ

     ゅうを送れっつうことだよね。

美代子)あっ! んだね!

ちよ子・進) そうだね。

美代子) 大家さんに、

     おまんじゅう持っていがないとね。

     あと、お店の方たぢと、舎監さんと、

     アパートの人たぢにも…。

     忙しくなるね!

ちよ子) 私も手伝う!

進) 俺も手伝う!

みね子) ありがとう。

美代子) 何言ってんの。

 

**********

 

(雑煮のお餅をほおばるみね子)

みね子) うんめぇ!

(うれしそうに見ている茂)

 

**********

 

(みね子にくっついて眠るちよ子と進)

(2人の寝顔を見つめるみね子)

 

**********

 

美代子) 寝だ?

みね子) (頷く)

美代子) 離れなかったでしょう? ながなが。

     疲れたっぺ?

     ありがとうね。帰ってきでくれて。

みね子) ううん。疲れてなんかないよ。

     でもね、お母ちゃん。

美代子)ん?

みね子) 眠い。

(笑い声)

美代子) おやすみ。

みね子) うん。

美代子) どうしたの?

みね子) ちよ子も進もだけどさ。

     お母ちゃんも、じいしゃんも。

茂) 何だ?

みね子) 誰も、お父ちゃんのこと何にも聞か

     ないね。お父ちゃんいないことに、慣

     れてしまったのがね。私たち。そうな

     ってしまうのがね。

美代子) あれから、何にもないんでしょ?

みね子) うん。

美代子) うん。慣れてなんかない。

     お母ちゃんは、お父ちゃんのいない

     ことに、慣れてなんかないよ。ただ、

     口に出しても、どうにもなんねえし。

     悲しぐなっからしないだけ。

     お父ちゃんは、

     帰ってくるって信じてるよ。

みね子) うん…。

美代子) 寝なさい。

みね子) はい。

美代子) あっ、そのまま置いとげ。

みね子) ううん、大丈夫。

 

お父さん。

お母ちゃんの気持ちは、

それだけではないような気がしました。

でも、それ以上は聞けませんでした。

 

茂) あったかくしてな。

  東京より寒いんだからよ。

みね子) うん、わがった。おやすみ。

美代子) おやすみ。

 

**********

 

何だかとっても眠かったです。

私、初めて、

あぁ、うぢの匂いってあるんだな

って、思いました。うぢにいる時は、

思ったことなかったのに、東京から

帰ってきたら、匂いがあるんだなって、

思いました。音もあります。

乙女寮と寝てっ時の音と、全然違う。

そしてその音も、

とっても眠くさせるようです。

 

**********

 

ちよ子) お姉ちゃん、私が作った卵焼き

     見てびっくりすっかな。

美代子) 上手になったもんね。

ちよ子) 楽しみだ~。

茂) ほれ、大根。

美代子) あっ、すみません。

ちよ子) お~いっぱいだね。

進) 全然起ぎねえよ、お姉ちゃん。

美代子) そうけ? 疲れてんだよね。

     寝がしとけ。

ちよ子) うん。

進) つまんねえなぁ。

茂) 朝飯の匂いで、起ぎんでねえが?

ちよ子) かもね。

進) そうかぁ!

 

**********

 

(布団の横に雑煮を置き、

 うちわでみね子に匂いを送る進。

進) 動いた…。

(鼻だけひくひくさせ、

 寝返りを打つみね子)

茂) 何だ、まだ寝てんのか。

美代子) あの子もみんなで食べたい

     だろうし、起ごしますかね。

茂) んだな。あどで、「何で起ごしてくん

  ないの」って怒っかもしんねえかんな。

ちよ子) 確かに。

進) 姉ちゃん…。姉ちゃん!

美代子) ん? 起きた?

(雑煮を手に、居間へ移動する進)

(雑煮の匂いにみね子がついてくる)

ちよ子) 寝ながら…?

(目をつむったまま食卓につくみね子)

みね子) どうしたの? 食べねえの?

茂) ん?

みね子) 食べよう。

美代子) んだね。いだだきます。

一同) いだだきます。

ちよ子) お姉ちゃん、

     これ私が作ったんだよ。

(目をつむったまま卵焼きを食べるみね子)

みね子) う~ん。幸せだなぁ。

(笑い声)

 

**********

 

田神先生、

なかなかいい走りですよ。

どうしたんでしょう?

 

**********

 

宗男) お~い!

    明けましておめでとう~!

ちよ子) し~っ!

宗男) 宗男おじさんだ…。

    ん? 何だよ? どうしたんだよ?

美代子) みね子。

宗男) えっ? みね子帰ってんのか?

    あれま。ん? 何で、「し~っ」なんだ?

茂) 寝でんだ。

美代子) ず~っと。

宗男) えっ?

(奥の部屋をのぞく宗男)

宗男) あれぇ…幸せそうに寝でんねぇ。

美代子) やっぱしどっかで気ぃ張って

     んだろうね、東京では。

茂) んだっぺな。

宗男) なるほどなぁ。何だが、かっこいいな。

茂) ん? 何が?

宗男) いや、何か、都会的な感じがするわ。

    体だげでなく、心も疲っでるなんてよ。

    都会的だっぺ?

茂) 何だそりゃ。

 

**********

 

(台所でまんじゅうを作る美代子)

君子) おめでとさ~ん! 

    新年の挨拶に来たよ!

ちよ子) し~っ!

君子) どうしたの?

    あら~! みね子帰ってたの。

    時子は帰って…!

美代子) し~っ!

君子) 時子は帰ってこないよ。

美代子) 昨日、みね子から時子ちゃん

     のこどいろいろ聞いたから。

     話すから、こっちこっち。

茂) 時子、どうしてんだ?

君子) 時子は連絡なんかしてこねえよ。

    本当にあの子はよ。

きよ) おめでとう~!

三男) みね子、帰ってんですか!?

    さっき次郎さんがそう言ってたけど。

一同) し~っ!

三男) いや、何すか?

(三男をたたく宗男)

三男) うわっ、痛っ!

    えっ? 何ですか? それ。全然俺の

    聞いでる話から進んでるし、石けん

    工場に決まったとこまでしか。

宗男) お前は、遅れてっと、全てにおいて。

三男) え~?

宗男) うん。

美代子) そういうこどんなったんだって。

君子) だって。

田神) みね子~! 帰ってんですか?

    工場が潰れたって聞いたんだけど。

一同) し~っ!

田神) えっ? し~っ?

三男) 俺より遅れてるわ、先生。

田神) み…水…水…水…。

 

**********

 

お父さん…。

初めでふるさとに帰った思い出は、

よぐ寝だことしか残っていません。

とにかぐ、私は眠ってばかりで…。

 

そして私は、すっかり元気になって、

東京に戻ってきました。

これから、すずふり亭のお仕事と、

初めての一人暮らしが始まります。

どんな出会いが待ってるんだろう。

楽しみです。

**********

工場の仕事のこと、乙女寮のみんなのこと、すず

ふり亭のことを、しゃべってしゃべってしゃべりまく

るみね子。これが本当の、何よりのみやげ話だね。

 

奥茨城の家族の顔を見るだけで、何だか泣きたく

なるような気持ちになる。みね子はみね子で東京

で頑張ってきたように、奥茨城の4人もまた、毎日

を真面目にコツコツ暮らしてきたんだろうなあって。

何だかとっても眠かったです。
私、初めて、あぁ、うぢの匂いって

あるんだなって、思いました。

うぢにいる時は、思ったことなかったのに、

東京から帰ってきたら、

匂いがあるんだなって、思いました。

 

音もあります。

乙女寮と寝てっ時の音と、全然違う。

そしてその音も、とっても眠くさせるようです。

 

この、田舎に帰ると眠くなるってところ、ものすご

~く分かる。家にいる時は、毎晩夜遅くまで平気

で起きているのに、田舎に帰ると起きていられな

くなる。あれは本当に不思議。静かなんだけど、

逆に自然の音はあふれていて、鳥の鳴き声、虫

の音、風の音が、人を眠くさせるのかもしれない。

家の音も心地いいよね。子供の頃から馴染んだ、

家族が生活している音。ものすごく、安心する音。

 

東京で気を張って、田舎に帰り、安心して眠り続

けるみね子の眠りを守る家族の優しさに泣ける。

上手に焼けるようになったちよ子の卵焼き。なに

よりのごちそうだよね。幸せだな~って思うよね。

みね子を待っている家族、みね子の帰りを喜ん

でくれる人たち。心配して駆けつけてくれる先生。

愛されてるね、みね子。みね子には帰る場所が

ある。奥茨城はもちろんのこと、今は東京にも…。

 

さ~て来週のみね子ちゃんは…あかね荘の住人

との出会い、すずふり亭での仕事ぶり。多分…w



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