「ひよっこ」第59回~東京のお姉ちゃん、愛子からのお年玉 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「ひよっこ」 第59回
第10週 「谷田部みね子ワン、入ります」

東京のお姉ちゃん、愛子からのお年玉

 

 

お父さん…。

みね子は東京に、

自分の部屋を借りました。

 

(愛子に見守られ、契約書に

 名前を書くみね子)

 

みね子が借りた部屋は、

あかね荘の2階にある四畳半。

流しとお手洗いは共同で、お風呂はなし。

相場よりは安いとはいえ、家賃4000円は、

みね子にとってギリギリのお金です。

 

契約書に、判子を押しました。

何だか、気持ちが引き締まります。

すずふり亭の鈴子さんが、

保証人を、買って出てくれましたよ。

ありがたいです。

そういう人がいないと、

一人で暮らすこともできないもん

なんだなと、思いました。

 

富) じゃ、これ。

みね子) ありがとうございます。

(両手で鍵を受け取り、
 富に 頭を下げるみね子)

鈴子) あぁ、よかった。

愛子) ありがとうございます。どんな方が、

    住んでらっしゃるんですか?

鈴子) 部屋、いくつだっけ?

    5つだったっけ?

富) うん、そうね。

鈴子) …で、えっと、2階には、

    漫画家さんが住んでるのよね。

みね子) へぇ~!

愛子) 有名な方なんですか?

富) 無名。有名になりそうもない、無名。

愛子・みね子) そうですか。

鈴子) …であとは、女の人ね。髪の長い、

    事務員さんだったっけ? 25だっけ?

富) うん、ここんとこず~っと25。

  ちなみに、女事務員さんの田舎は、

  岩手の一関。お餅がとてもおいしいの。

鈴子) はい。

    え~っとあとは、大学生だったね。

富) そうね、慶應ボーイ、いい男。うん。

鈴子) 以上ね、富ちゃん。

富) そうね。

鈴子) はい、以上です。心配なことあっ

    ても、大丈夫だからね。目と鼻の

    先に、私がいるんだからね。

みね子) はい。よろしくお願いします。

愛子) どうか、この子を、

    よろしくお願い致します。

富) こちらこそ。

 

**********

 

1965(昭和40)年12月30日

 

お父さん…。

東京での初の年末は、

愛子さんと過ごしました。

 

お世話になった乙女寮の、

大掃除をしました。

きれいにしました。

もうすぐなくなってしまうけど、

2人で、きれいにしました。

 

みね子・愛子) フフフフ!

 

**********

 

愛子) ちょっと、こう…。

 

お正月の飾りもしました。

 

みね子) はい!

愛子) うん。いいみたい。

みね子) でもなくなっちゃうんですねえ。

     もうすぐ。

愛子) ん?

みね子) ハハハ…。

(中庭のベンチに座るみね子)

みね子) 悲しいなぁ、何だか。やっぱし。

愛子) そう? 私は、悲しくはないな。

みね子) ん?

愛子) 寂しいな~と思うけど、悲しくはない。

    ここも、何かに生まれ変わるんだよ。

    何が出来るんだろうね、ここに。

    ねっ、楽しみ。

みね子) はい。

愛子) ここに何が出来るのかは分からない。

    新しい工場かもしれないし、今はやり

    の団地かもしれない。そこに何かが生

    まれることは、すてきなことだよ。新し

    い場所で、また誰かと誰かが出会った

    り、暮らしたり、働いたりするんだから。

    ここで私たちが出会ったみたいにね。

(微笑むみね子)

 

**********

 

<大みそか>

 

テレビ) 第16回NHK紅白歌合戦。

    (ファンファーレ)

(こたつに入り、テレビを見ている

 愛子とみね子)

テレビ) ♪何も言わないでちょうだい

 

そして、私と愛子さんは、

2人で年越しソバを食べながら、

「紅白歌合戦」を見ました。

愛子さんは、倍賞千恵子が好きで、

私は、森繁久彌がよかったなぁと、

思いました。

 

テレビ) ♪恋せよ 乙女

みね子) ♪恋せよ 乙女~

テレビ) ♪紅き唇 あせぬ間に

    熱き血潮の 冷えぬ間に

    明日という日の ないものを

 

**********

 

(中庭に出て、夜空を見る2人)

(鐘の音)

愛子) 明けまして、おめでとうございます。

みね子) 明けまして、おめでとうございます。

     今年も、よろしくお願い致します。

     エヘヘ!

(顔を見合わせる2人)

愛子・みね子) 寒い! 寒い寒い寒い!

 

**********

 

<舎監の部屋>

 

(眠っているみね子の布団をかけ直し、

 みね子の寝顔を見ている愛子)

愛子) こんな娘がいても、

    おかしくないんだよね、私。

    ありがとう…楽しかった…。

寝言・みね子) お母ちゃん…。

(みね子の寝顔を見る愛子)

愛子) ごめんね。

    私につきあわせちゃったね。

 

**********

 

そして、昭和40年が終わり、

昭和41年、1966年に、なりました。

 

(目を覚ますみね子)

みね子) ん?

(机の上に「ちょっと出かけて きます。

 すぐ戻ります。愛子」と書かれたメモ)

 

**********

 

(中庭に出て、大きく伸びをするみね子)

みね子) 茨城も晴れてっかなぁ…。

(空を見上げ、ベンチに座るみね子)

みね子) あっ、お帰りなさい。

愛子) あっ、驚いた。

    こんなとこにいたの?

みね子) はい! いいお天気ですねえ…。

愛子) そうだね。

    晴れてよかったね、元旦。

    土手のとこでね、子どもたちが

    大勢凧揚げしてた。

みね子) へぇ!

愛子) 私、うまいのよ~。

(実演してみせる愛子)

みね子) 何か、思ったんですけど。

愛子) ん?

みね子) 愛子さん、

     お姉ちゃんみてえだなって。

     お母さん代わりじゃやっぱしなくて、

     東京のお姉ちゃんだなって。フフフ!

愛子) だから最初から言ったでしょう?

みね子) フフッ。でしたよねえ。

愛子) そう、よ…。

みね子) あ…。

愛子) これ、あの大家さんのまね。

みね子) あ~!

愛子) じゃ、お姉ちゃんから…。

    お年玉。

みね子) えっ!? 

     そんなんもらえるんですか? 私。

愛子) はい。

みね子) えっ? いいんですか?

愛子) 出してみて。

みね子) いいんですか? 中見て。

愛子) うん、いいの。

みね子) じゃ…。これ…。

愛子) 年越えちゃったし、

    とんぼ返りになっちゃうけど。

    報告したいこと、いっぱいあるでしょ?

(お年玉は、往復切符)

みね子) 愛子さん…。

愛子) あっ、ごめんね。

みね子) はい?

愛子) それ、乗るにはあんまり時間ないんだ。

みね子) えっ? あっ! あっ、本当だ!

     えっと! 支度してきます! あっ!

(振り向くみね子)

みね子) ありがとう、愛子姉ちゃん!

愛子) ほら! 急げ、みね子!

みね子) はい!

 

**********

 

美代子) さっ、

     あんたらはそろそろ寝っかね。

ちよ子) うん。

進) うん。

茂) 明日あだり、宗男来んでねえか?

美代子) あぁ、そうですね。楽しみだね。

ちよ子) うん!

進) うん!

みね子) ただいま! みね子だよ。

     ただいま! アハハ!

美代子) みね子?

茂) ほぉ、みね子が。

ちよ子) 姉ちゃん!

進) 姉ちゃん!

(みね子に飛びつくちよ子と進)

美代子) みね子!

みね子) 遅ぐなっちまってごめん!

     明けまして、おめでとう!


**********

あかね荘の他の住人は「有名になりそうもない無名

の漫画家さん」と、「ここんとこず~っと25歳だという

事務員の女性」と、「慶應ボーイ(いい男)」、らしい。

あの大家さんだけでも濃すぎるのに、住人もかなり

濃いというか…来週はあかね荘の住人たちの自己

紹介に次ぐ自己紹介、となるんだろうね、きっと…。

愛子) こんな娘がいても、
    おかしくないんだよね、私。
    ありがとう…楽しかった…。
寝言・みね子) お母ちゃん…。
愛子) ごめんね。
    私につきあわせちゃったね。

 

15歳から働いていて、戦争で恋人を亡くしていると

いうことは、若くても30代後半、40代半ばぐらいの

年齢なのだろうと思うけれど…。自分が、みね子ぐ

らいの娘がいてもおかしくない年齢だということを

思い知る瞬間。切ないなぁ。娘ぐらいの年の子に

やさしくされて、うれしくもあり、それ以上に申し訳

ない気持ちになるというか…。愛子のお年玉の中

身は、想像どおりだった。あの愛子さんならそうす

るよね。私でもそうすると思う。あんな寝言を聞い

てしまったら、この子を何とか故郷に帰してあげた

くなると思う。ああ…でも、やっぱり切ないなぁ…。

 

愛子さんが可哀想だとは思わない。そう思うのは

失礼だ。愛子さんはいつも前向きに、真面目にコ

ツコツ生きているから。愛子さんはいつか、びっく

りするほど幸せになるはず…だと思ってる。ただ、

誰にでも、あったかもしれない人生を思う時はあ

って、いろいろ考えてしまう時もあるよねえって…。

 

お母ちゃんでも、お姉ちゃんでもない。愛子さんは、

愛子さん。愛子さんのまま、幸せになってほしい。

愛子さんのお年玉はみね子だけじゃなく、視聴者

にとっても最高の贈り物。だって、私たちも会いた

かったんだもの。ちよ子と進に。奥茨城の人達に。

もうすっかり、故郷になっていたよ、奥茨城村は…。



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