「ひよっこ」第58回~涙のメニューと大昔きれいだった大家さん | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「ひよっこ」 第58回
第10週 「谷田部みね子ワン、入ります」
涙のメニューと大昔きれいだった大家さん

 

 

高子) あんみつ食べる?

みね子) え…?

鈴子) 高ちゃん! それって…。

省吾) 採用だな…。
みね子) やった! やった!

 

お父さん!

合格…です。

 

**********

 

みね子) では、よろしくお願いします。

省吾) おう、じゃあな!

(裏口から店を出るみね子)

みね子) 秀俊さん、よろしくお願いします。

秀俊) うん。よろしくね。

みね子) はい!

 

**********

 

みね子) 私、すずふり亭で働かせて

     もらえることになりました!

愛子) えっ?

みね子) そんで明日、

     アパート、紹介してくれるって。

愛子) 本当に?

みね子) はい! 本当なんですよ!

     響ぎますね、やげに。

愛子) そうだね。

    よかったねぇ、みね子さん!

みね子) はい。ありがとうございます。

愛子) 楽しそうなお店だもんね。

    話聞いてても。

みね子) はい。それに、ひょっとしたらです

     けど、いつかお父ちゃんが来たり

     すっかなと思ったりも。ちょっと。

愛子) そっかぁ…おめでとう!

    あ~よかったぁ。ほっとしたぁ。

    今日もいろいろあたってたんだけど、

    難しくてね。どうしたもんかなって思

    ってたんだ。

みね子) そうでしたか…。

     すみません、本当に…。

     ご心配おかけしました。

愛子) いいえ。

    あっ、明日行くって言ったっけ?

みね子) はい!

愛子) じゃ、親代わりとして、

    一緒にご挨拶、行かないとね。

みね子) あぁ、うれしいです。

     ありがとうございます。

愛子) よかったね、年内に決まって。

みね子) あっ、すぐ手伝いますね。

     あ~いい匂い。

(テーブルに食事を運ぶ2人)

みね子) 愛子さんはどうするんですか? 

     お正月とか。

愛子) あぁ、私はここで。1月いっぱいいられ

    るから。そこまではいようと思ってる。

    今度は、私が職探し。

みね子) ……。

愛子) どうした?

みね子) 年越し、私もいていいですか?

愛子) ん?

みね子) アハハ! やっぱし知んないアパート

     で一人年越し寂しいし、それに…。

愛子) 2人で、「紅白」見るか!

みね子) はい! 見ます!

愛子) うん!

(笑い声)

 

お父さん…。

私、自分のことばっかし考えてて、

本当に情けねえです。

もうちょっと、

愛子さんと一緒にいたいなと、思いました。

 

**********

 

次の日、すずふり亭に行く前に、

愛子さんと寄り道をしました。

 

愛子) ここで?

みね子) はい。確かに、お父ちゃんがいた、

     見たって人がいて。

愛子) そう…。

みね子) 結構赤坂から近いんですよ。

愛子) そうだね…よかったね。

みね子) はい。

(道に立ち、行きかう人々を眺めるみね子)

 

**********

 

みね子) ここです!

愛子) へぇ~あらすてき。

みね子) ですよね。

(ドアベル)

みね子) どうも~。

鈴子) はいは~い!

みね子) こんにちは、みね子で~す。

鈴子) アハハハハ! みね子ちゃん…。

愛子) 初めまして。私、この子が働いており

    ました、工場の寮で舎監をしておりま

    した永井と申します。この度は本当に、

    ありがとうございます。

鈴子) いいえ。

    本当に、大変でしたねぇ。工場ねえ。

愛子) はい…あ…。これ、あの、向島にある

    お店のものなんですけど、よかったら。

鈴子) いや、そんな気を遣わなくて…。

愛子) いえそんな。お口に合いますか

    どうか…。あっ、でも、2人でさっき

    選んだんです。ね?

みね子) はい。

鈴子) あら、うれしい。

(お土産を鈴子に渡す愛子)

鈴子) どうも。

愛子) 結構おいしいんですよ。それに安いし。

    すみません。

鈴子) それが一番ですよ。

    おいしくて安いのが一番。

    高くておいしいのは当たり前。

    自慢にもなりません。

    高くてまずかったら、これ一番、

    許せないでしょう?

愛子) そうですね。

鈴子) うちもね、できるだけ頑張って値段を

    ね、もう本当に、ギリギリのとこでやっ

    てんですけどね。物価は上がるし、仕

    入れの値段も上がるし。何年か前、も

    うどうしようもなくなって、値上げしたん

    ですよ。

愛子) ええ。

鈴子) …で、店を閉めたあと、メニューの値

    段をね、書き換えてたわけ。そしたら、

    何かね、涙が出てきちゃってねえ。

    何か、悲しくて、もう申し訳なくてね…。

    あっ、そうそう! メニューにね、何か所

    か、私の涙が、値段のとこに、滲んじゃ

    ってるとこあんのよ。

みね子) あっ!

鈴子) ここ…ね! ここここ。

みね子) あ~!

愛子) あら~。

鈴子) そうなの。涙のメニューなのよ。

愛子) 歌謡曲の題みたいですね。

    涙のメニュー。

みね子) 本当だ。

鈴子) ごめんね。余計な話ついぺらぺらと。

    ごめんね。大家さんのとこ行かなきゃね。

    アパート、アパート!

    あっ、そうだ!

    あの…永井さん、東京の人?

愛子) はい。

鈴子) ずっと?

愛子) はい。生まれも育ちも、はい。

鈴子) じゃあ…あの…。

愛子) はい。

    戦争中も、ずっと東京におりました。

鈴子) 大変でしたねえ、お互いに。

愛子) はい。

鈴子) よく、頑張って、生きたね。

愛子) はい。ありがとうございます。

鈴子) うん。行かなくちゃね。ごめんね。

    つい話が、どんどんどんどん

    飛んでっちゃって。

 

**********

 

(2人を連れ、裏口を出る鈴子)

鈴子) ここよ。

みね子) ここでしたか。

(広場を挟んだ向かい側に立つアパート)

鈴子) さぁ、さぁ、こっちこっち。こっち。

 

**********

 

鈴子) 管理人さん、まっ、大家さんなんだ

    けどね。富さんっていってね、まっ、

    この辺りの、主みたいな人ね。

みね子) はぁ。

鈴子) 昔は、赤坂一の、

    美人芸者さんだったのよ。

愛子) おきれいな方なんですね。

鈴子) 昔の話だけどね。

    あっ、昔じゃないね、ハハハハ!

    大昔! ハハハ…。

(たたく音)

鈴子) 富ちゃ~ん! 鈴子!

    富ちゃ~ん! 鈴子~!

富) そんなに大きな声出さなくても

  聞こえるわ。どうぞ。

鈴子) どうぞ。富ちゃん、昨日話してた…。

富) 大昔で悪かったわねぇ。大昔で。

鈴子) あら、聞こえてたの? やだね、もう。

    耳遠くなったって、言ってたじゃないの。

富) 自分のこと話してるのは

  どんなに遠くても聞こえるの。

鈴子) やだねえ、もう!

    あっ、こちらね、昨日話してた、今度

    お世話になる、谷田部みね子ちゃん。

みね子) 初めまして。谷田部みね子です。

     あの、よろしくお願いします。

富) はいはい。どこって言った? 田舎。

みね子) 茨城です。あの、北の方なんです

     けど、奥茨城村っていうところで…。

富) 何がおいしいの?

みね子) え~っと…。納豆とか、あと茶まん

     じゅうとか、おいしいですよ。

富) まんじゅうは好き。大好き。

みね子) へぇ、そうなんですね。

富) 田舎のご家族によろしくね。

みね子) はい。

鈴子) あの、こちらね、みね子ちゃんが

    働いてた工場の…。

愛子) 舎監をしておりました、

    永井と申します。

    これ、つまらないものですけど…。

富) あら、何?

愛子) えっ? あっ、中身ですか?

富) そう。嫌いだともらえないから。

愛子) 佃煮です…。

富) そう? ありがとう。

  (袋を覗いて)200円って、とこかしら。

愛子) あの…。当たりです。

富) そう、ありがとう。頂きます。

鈴子) もうもう、もうもう、富ちゃんと話

    してるとのんびりし過ぎちゃって、

    日が暮れちゃうわよね。

富) 人生の日も暮れてるわ、もう。

  大昔はきれいでね、大昔は。

鈴子) どうぞどうぞ。

富) 赤坂小町なんて言われてね。

みね子) へぇ。

富) で、今も、そこら辺のおばあさんに

  比べたら、もう問題にならないくらい

  きれいなんだけど。

みね子) はい。

愛子) はい。

富) 怒ると怖い顔になるらしいの。

  この間、腹の立つことがあって、

  私すごく怒ってたのよ。

鈴子) 何で?

富) えっ? 何でって…。それ話したら、

  あさってまでかかってしまうから、

  やめとくわ。

鈴子) その方がいいわ。

富) とにかく、怒ってて、町歩いてて、

  ガラスに映った自分を見て、恐ろしく

  て叫んじゃったの。「キャ~!」って!

鈴子) ハハハハ!

富) それでね、大昔の話だけど…。

鈴子) 細かい話は、後にしてね。

    みね子ちゃん、部屋見たいでしょ?

みね子) あっ、見てもいいんですか?

鈴子) 部屋どこ? 富ちゃん。

富) え~っと、2階の…。

鈴子) 5号室ね、はい。

富) あのね、鍵は、開いてるわ。

鈴子) あっ、そう。じゃどうぞこちらへ。

    みね子ちゃん、こっちよ。

みね子) はい。

鈴子) はい、気を付けてね。

    はい、ここここ。はい、行っといで。

みね子) はい。

 

**********

 

(2階の5号室の中に入るみね子と愛子)

みね子) わぁ!

愛子) わぁ。いい部屋じゃない?

みね子) すごいですね。

     何か、変な気持ちです。

愛子) ん?

みね子) 自分の部屋があるとか、

     生まれて初めてで。

愛子) そっか。

(窓を開けるみね子)

みね子) わぁ!

(キャバレーの看板の向こうに東京タワー)

 

お父さん…。

この見える景色の中に、

お父さんはいますか?

みね子は東京に、

自分の部屋を借りました。

**********

久しぶりの愛子さん。2日間顔を見なかっただけで、

そう思えるほど愛子さんの存在は大きくなっている。

向島電機編の核は愛子さんなんだなぁ…やっぱり。

 

ず~っと気になっていた愛子さんはどうするのか?

問題は、これから職探しだと本人から語られ、自分

のことしか考えていなかったことに気付いたみね子。

うん。若いって…未熟なひよっことは、そういうもの。

自分のことでいっぱいいっぱいなのは、しかたない。

それでもいつか、余裕ができたら、自分の未熟さに

気付けたらいいね。気付くことで大人になればいい。

 

大みそかは、愛子さんとみね子が一緒に過ごすと

分かっただけで、今からハンカチの用意をしとかな

くてはと思う私。向島電機の本当のラストが、愛子

さんとの別れになるはずだから。付き合いはずっと

続くとしても、工場も、寮も、なくなってしまうから…。

 

昨日から、月に一度会うだけではわからない鈴子

の一面が描かれ、すずふり亭編のニューキャラ紹

介が続いているのだけれど…ここが肝心なところ。

新しい登場人物がどんなキャラなのかを印象づけ

ておかないと、キャラの性格前提で進む話につい

ていけなくなる。丁寧に脇キャラが描かれてこそ、

第一印象では見えなかった魅力が見えてきた時、

愛さずにはいられなくなってしまう罠に落ちるのだ。

 

大家さんの中の人のオーラがすごすぎて、一気に

物語が違う世界に突入したことを自覚させられる。

愛子とも鈴子とも違う、新たなるめんどくさい女性。

可愛い女の子を描くのも上手だけど、めんどくさい

年配の女性を描くのも上手すぎて、そのへんはも

ういいからって、ちょっと思ってしまったりして…w

 

視聴者がここ数日感じている違和感は、もしかした

ら、みね子が感じているはずの違和感なのかもね。

みね子も新しい環境、出会いに戸惑っているはず。

 

生まれて初めて自分の部屋を手に入れたみね子。

窓から見えた東京タワーに、ようやくトキメキを感じ

た。東京らしさが、やっと感じられたというか。羨ま

しいぞ、みね子。東京タワーが見える部屋なんて。

また一段、大人の階段を上ったみね子なのでした。


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