「てるてる家族」(再放送)第109回 | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「てるてる家族」 第109回

オリンピックに出場した春子(紺野まひる)は、
26位という成績に終わった。照子(浅野ゆう子)
は、時には赤字で苦しめられてきた「シャトー
梅田リンク店」を手放す決心をする。一方、宝
塚音楽学校での卒業記念文化祭が間近に迫
り、冬子(石原さとみ)ら本科生(2年生)は毎
日朝早くから夜遅くまでレッスンに励んでいた。
疲れ果てて帰って来た冬子は、売れ残った公
演のチケットを秋子(上野樹里)に売ってもらう
ことにするが…。

**********

昭和43年2月、
冬季オリンピックグルノーブル大会に、
春子姉ちゃんは出場しました。

結果は、26位という成績でした。

それと時を同じくして、
お母ちゃんは、あまり儲けが出ず、
時には、赤字を出して、
苦しめられ続けてきた、
シャトー梅田リンク店を、
ようやく手放したのでした。


**********

(リンクで滑る少女を見て微笑む照子)

**********

そして私は…

(ダンスのレッスンをしている冬子たち)
(床に倒れこむ冬子)

冬子) はあ…もうあかん…。
理江) 私も…。
    もう休憩にして…!
麻子) まだ駄目! まだまだそろってない!
    岩田! あんたが一番できてへん!
冬子) ちょっと休憩! 一生のお願いや!
麻子) まだ早い!
恵美子) はい! 立って立って!
理江) よし! 頑張ろ!
冬子) 鬼や…。
麻子) 鬼? 岩田。あんたは甘いんじゃ!
冬子) はい…。
麻子) いくよ!


卒業記念文化祭が、間近に迫り、
毎日早朝から夜遅くまで、
私たちはレッスンに励んでいました。


麻子) 岩田~!

**********

(疲れ切ってヨロヨロしながら帰宅する冬子)

**********

秋子) 指圧の心は姉心!
冬子) うう~。
秋子) 押せば命の泉湧く!
冬子) うう~っ! 何やの? それ。
秋子) 知らんの? はやってんねんよ。
    ほんまは「母心」言うねんけど。
冬子) ああ~。だんだん慣れてきたわ~。
秋子) おばあちゃんが生きてたら
    鍼うってもらえたのにな!
冬子) うわ! 鍼より姉心の方がええわ。
秋子) ほな私が鍼うってあげよか?
冬子) 嫌や。
秋子) そしたら、あとは湿布貼ってと…。
    よいしょ。はい。
冬子) ああ~気持ちええ。
秋子) あとちょっとやろ? 頑張りや。
冬子) うん。…あっ、そや!
    あんなあ、まだ座席券売れ残ってんね。
秋子) まだ残ってんの!?
    冬ちゃんが持ってる分やの?
冬子) 友達に会いに行く時間
    あらへんねんもん。
秋子) ほな私が売ってあげよか?
冬子) えっ、ええの?
秋子) ええよ。残ったらもったいないやんか。
冬子) ありがとう。ほんまに秋ちゃんは、
    何から何まで、ありがたい姉心やわ!
    あっ、けど、近所の人はやめてな。
秋子) 何で?
冬子) 舞台で失敗したら、
    一生何か言われそやねんもん。
秋子) 弱気やねえ。冬ちゃんらしないなあ。
冬子) いや、ちょっとは自信ついてからて思
    てたら、こんな目の前になってしもてん。
秋子) まだ自信ないの? 2年も通てて…。
冬子) 言わんといて。
秋子) うん。分かった。今の冬ちゃんを
    知らん人に売ったらええねんね?
冬子) うん。ありがとう。


**********

米原) 分かりました。
    喜んで見に行かせてもらいます。
    じゃ、娘と2人で、2枚!
秋子) はい。ありがとうございます!
    800円です。はい。
浪利) 何や冬ちゃん、水くさいなあ…。
    直接僕に電話でもええから
    言うてくれたらええのに…。
秋子) 照れてんのやて!
浪利) えっ…。冬ちゃんにそんな繊細な
    ところがあったんですか?
秋子) 浪利君、口軽いやろ。
浪利) うん。
秋子) 冬ちゃんの活躍してる舞台見たら
    あっちこっちで自慢するやろ?
浪利) そらしますよ。そんなん、世界中に
    自慢したいくらいですわ。
秋子) 冬ちゃん、それが恥ずかしいね。
浪利) えっ? ヘヘヘ…。よし。
    みんなに言うたろ。自慢したろ!
    秋ちゃん。おじい様の分と2枚、下さい。
秋子) どうぞ。
浪利) 毎度。
秋子) 800円です。
浪利) 800円ですか。


**********

松本) おお~いよいよやなあ。
    いよいよ冬ちゃんがその才能の
    ベールを脱ぐ訳やな!
秋子) 思いっきり脱ぐらしいで。
松本) ホホホ…!


**********

都子) 宝塚の文化祭?
    ああ~定休日やったらなあ。
秋子) 日曜日は忙しいもんな~。
    しゃあないわ…。ほなね。
寺井) いや。あの冬ちゃんがそこまでやる気
    になってんのやったら、なんとかせなあ
    かんやろ!
秋子) ほんま!?
寺井) ああ。
都子) そらそやわなあ。天才と秀才の、姉に
    囲まれて、それでもめげずに、明るく生
    きてる冬ちゃんの頼みや。これ聞いて
    やらんでどないすんの!?
秋子) 冬ちゃん喜ぶわ! おばちゃんみたい
    な目の肥えた人には必ず見てほしい
    て言うてたし。
都子) ほんま!?
秋子) ほんま!
都子) よっぽど自信あんねんな?
秋子) あるある!
都子) あんた! ここは一発、
    散髪屋の意地見せんとな!
寺井) どんな意地やね?
    けど、おっちゃんら行くで。冬ちゃんに
    「楽しみにしてる」言うといて。
秋子) ありがとう!


**********

秋子) こんにちは。
萩原) 秋ちゃん、どっから先回りしたん!?
秋子) おっちゃん、宝塚のな…。
萩原) ああ~! 文化祭やろ? あのな、おっ
    ちゃんな、そんなん見てもな、分からへ
    んしな。あっ、どっちかいうたら新喜劇
    の方がええわ。
秋子) そんなん鏡見てたらええやん!
萩原) えっ!?
秋子) こんな機会でもなかったら、
    一生見られへんで~。
萩原) か…鏡て…。


**********

春男) そんで、その就職試験はいつや?
和人) 来週です。
春男) そうか…頑張りや!
和人) ほんまはもっと早よ決めなあかんかっ
    たんすけど、僕はぐずぐずしてしもて。
春男) 大丈夫や。まだ間に合うて。
    学校の成績かて、悪ないんやろ?
和人) いや…そんな、ええいう訳でも…。
春男) 自分にできるだけの事やったらええね。
和人) でも、面接いうたら、何聞かれるか…。
春男) 聞かれてまずい事でもあんのか?
和人) いや、ないっすけど…。
春男) そやろ? 堂々としてたらええね。まあ、
    いっこぐらいあかんかっても、世の中会
    社なんかなんぼでもある。日本の経済
    かてこれからまだまだ上向きや。どこか
    てお前みたいなやつ、ほっとかへんて。
和人) はい。
春男) なっ。
    あっ、そやそや。今度の日曜、和人も
    冬子のやつ行ってくれんのやろ?
和人) あっ、文化祭? はい、行きます。
春男) あいつもな、頑張ってんね…。まあ、
    歌って踊って、まあ、気楽なもんやろ
    けどな。ハハハ。


**********

(ダンスの途中で床に倒れこむ冬子)
麻子) 岩田! 自分に負けるな!
冬子) あかん。負けそや…。
理江) 冬ちゃん、頑張ろ!
冬子) 頑張ってんねんけど…負けそや。
麻子) ほら! 立って!
    あんた一人で踊ってごらん!
冬子) …ええっ!?
麻子) みんなで教えてあげるから。
冬子) そんなん悪いわ…。
麻子) あんた一人に足引っ張られんの
    嫌だからね、みんな。
恵美子) ほら冬ちゃん!
     あとちょっとやねんから、頑張ろ。
一同) 冬ちゃん、頑張ろ!
理江) ほら、冬ちゃん。
麻子) 甘やかさない!
    あんたの根性たたき直したる!
冬子) もう…。昔…春子姉ちゃんも夏子姉
    ちゃんも、こんなふうに言われてたん
    やろな、お母ちゃんに…。
麻子) 何ブツブツ言うてんの?
冬子) いや…。
麻子) ほら、行くよ!
冬子) はい…。

(踊り始める冬子)
麻子) 踏み出しが遅い!
一同) 冬ちゃん、頑張って!
麻子) 手、伸ばして!


**********

照子) はあ…。それで冬子。
    出番は多いんやろねえ?
冬子) えっ…? うん…まあまあ。
照子) お母ちゃんに恥かかさんといてや。
弘子) おかみさん!
春男) そんな言い方ないわ。
    今更冬子にそんな事言うたって…。
冬子) 今更!?
春男) こりゃ失敬。
秋子) 冬ちゃんも頑張ってんねから!
冬子) ねえ!
秋子) ねえ!
照子) 頑張んのは当たり前や。
    みんな頑張ってはるんやろ?
冬子) うん。ものすご頑張ってる。
    私はまだ出番少ないけど…。
照子) 少ない?
冬子) え…。いや…少ない事もないけど…。
照子) セリフはあんのやろねえ?
冬子) そらあるよ! ぎょうさんあるで!
照子) ほんま?
冬子) あるて…。
    「…(てんてんてん)」はセリフやろか?
春男) けったいなセリフやな。
冬子) 何も言わへんとこやね。
照子) それはセリフとは言わへんわ。
冬子) けど、書いてあるで。
秋子) あ…そしたらセリフや。
春男) 何でもええわ、もう…。
照子) もう、頭が痛い!
春男) どないしたんや?
照子) 毎日暇でもう頭痛いわ~。
冬子) ごちそうさま。
春男) 早よ2階行った方がええで。
    暇つぶしにされるさかい。
冬子) うんうん。
弘子) はあ…。


**********

冬子) はあ…もう嫌~! う~ん…!
秋子) 冬ちゃ~ん。
冬子) うん?
秋子) 座席券みんな売れたよ。
冬子) えっ!? ほんま?
秋子) うん。はい! これ売り上げ。
冬子) ありがとう!
    ほんますごいな、秋ちゃんは…。
秋子) みんな楽しみにしてるて。
冬子) みんなて?
秋子) 米原さんやろ、浪利君、佐藤さん、
    寺井のおっちゃん、おばちゃん、
    松本書店に萩原のおっちゃんも。
冬子) 何で!?
秋子) もうこれで逃げられへんよ。
    頑張りや、冬ちゃん。
冬子) ひどいわ、秋ちゃん!
秋子) 大丈夫! 冬ちゃんやったら、きっと
    みんなを楽しい気持ちにさせられるて!
    私が保証したげる! 失敗なんか恐がっ
    たらあかん。冬ちゃんが一生懸命頑張
    ったら、それはみんなに伝わんね。みん
    なはそれがうれしいねんて。冬ちゃんに
    は、そういう魅力があんねんから。
冬子) そやろか…?
秋子) 私も楽しみにしてる。
冬子) 分かった。ありがとう、秋ちゃん。


**********

(仏壇に手を合わせる冬子)
冬子) おばあちゃん…。頑張るからね。
 
**********

さて、本番がいよいよ近づくと、
私たちは、化粧講習というのを受けます。
宝塚歌劇団の先輩に、
メークのしかたを教えてもらうのです。
文化祭まであと、あと3日。
私たちは、初めてタカラジェンヌの
顔になるのでした。


**********

昔昔のオリンピック映像が懐かしかった。そう、
あの頃は、日本のフィギュアスケートの選手が
表彰台に上る事など夢だと思っていたっけ…。
春子も、照子も、長い間頑張った。お疲れ様! 

宝塚の文化祭が近づく中、ダンスのレッスンで
ヨレヨレになる冬子がツボ。そういえば、昔はも
っと下手くそで、ぎこちなさすぎる動きがたまら
なく可愛かった冬子。それがタカラジェンヌとな
るべく頑張ってるなんてねえ…。感慨深いよ…。

若い人にはもう何の事やらと思うだろうけれど、
「指圧の心は母心、押せば命の泉湧く」の浪越
徳治郎さんといえば…あのマリリンモンローに
素手で触って指圧した唯一の日本人。久々に
「指圧の心は~」を聞いたけど、「姉心」もなか
なかの威力だと思うよ。指圧の心は愛だから。
たとえ「…」でも、セリフはセリフ。頑張れ冬子!


「てるてる家族」関連ブログはこちらから↓
「てるてる家族」関連ブログリスト