「てるてる家族」(再放送)第97回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第97回

新学期を迎えた冬子(石原さとみ)だが、冬休み
にパン作りにかまけていたため同期生との技術
の差がますます開き、このままでは落第もあり
得ると講師に言われてしまう。一人で自習する
冬子のもとに大勢の同期生がやって来て、課題
をクリアするまで応援し、つきあってくれた。一方、
春子(紺野まひる)は国体で見事に優勝。照子
(浅野ゆう子)の頭の中には、「国体で勝ったら
会ってほしい人がいる」という春子の言葉がよぎ
っていた。

**********

昭和42年1月

私は、宝塚音楽学校の
新学期を迎えていました。


講師) 岩田さん。
冬子) はい。
講師) あなた、冬休みにどれだけ
    レッスンしてきたんですか?
冬子) あ…毎日2時間ぐらい。
講師) あなた、ろくに基本もできずに
    入ってきたわよね?
冬子) はい。
講師) クラシックバレエは、基本をしっかり身
    につけるのに、みっちりやって3年はか
    かるのよ。それをあなたたちは、この学
    校にいる2年の間に、人に見せて楽しん
    でもらえるだけの踊りに高めなければな
    らないの! それもバレエだけをやれば
    いいという訳にはいかないのよ。ここに
    は、子どもの頃からバレエを習っている
    人、基本は身についている人、初心者
    に近い人もいます。でも、いずれはみん
    な同じ舞台に立って、調和を乱さずに踊
    らなければならないの。できない人がで
    きる人についていこうとしないでどうする
    んですか!
冬子) はい、すみません!
講師) 岩田さん。あなたは何のために
    この学校に入ったんですか?
冬子) え…みんなと一緒に、楽しくて、
    素敵な舞台を作るためです。
講師) 今のあなたに、それが作れると思いま
    すか? 今のままだったら、落第する事
    もありますからね。明日までに、ピルエッ
    トの2回転ができるようにしておきなさい。
冬子) はい。


**********

(一人バレエの練習をしている冬子)
冬子) ほっ! 痛っ…。
    ああ…もう…体重たい…。
    パンの食べ過ぎや。

(ドアが開く音)
冬子) えっ? あ…どないしたん?
麻子) 一緒にやろ! 教えてあげるから。
冬子) えっ…?
麻子) ほら! 立って!
生徒) さっ、冬ちゃん。
生徒) やろう。
冬子) うん。
麻子) プリパラシオン!
    4番プリエから。…はい!
    違う! また左に傾いてる!
    ここに力を入れて! 自分の重心が
    どこにあるか分かる?
恵美子) 体で覚えなきゃあかんよ。
冬子) 分かった。
一同) 頑張れ!
麻子) プレパラシオン! 
    4番プリエから。…はい!
冬子) …あっ!
一同) 惜しい!
麻子) お尻が出てる! 重心をつま先に
    乗せて! 背筋伸ばして!
    顔もちゃんとつけて!
    自分の間合いでやってみい。
一同) 頑張って!
冬子) あっ…。

(声援)
冬子) (すすり泣き)
麻子) …こら! 泣いてる暇ないよ!
冬子) ごめん…。みんなありがとう。ごめん…。
生徒) 冬ちゃん。そんな事気にせんと。
生徒) 一緒に頑張ろう!
一同) 頑張ろう!
生徒) みんなかてうまくなりたいんやから。
生徒) 冬ちゃんを落第なんか
    させられへんもん。
一同) そやで!
麻子) そや! いい? 私らはみんなで一緒に
    初舞台立って、最高のロケットダンスを
    見せないかん! 同期になったのも運命
    や。私は、自分の運命は、自分で切り開
    くたちや! だけん、あんたの為と違う!
    くじけたら私が許さないからね!
生徒) 頑張れ!
生徒) 頑張ろう、一緒に!
冬子) (すすり泣き)
麻子) ほら! 続けて!
一同) 頑張れ!

**********

麻子) 4番プリエから。…はい!
一同) ああ~!
生徒) 惜しいよ!
生徒) 頑張れ!
麻子) ケガはない? プリパラシオン。
    4番、プリエから。…はい!
    何か…今、できたんちゃう!?
恵美子) うん、できた!
冬子) やった…。やった! やった!
    やった! みんな、ありがとう!
    ありがとう! ほんまにありがとう!
生徒) 何かお腹すいた~!
生徒) 私も。
生徒) ペコペコや~!
生徒) 今何時?
生徒) 何時かな~?
冬子) あっ…そや! 今度、
    みんなにパン、持ってきます!
    私が自分で焼いて!
麻子) へえ! あんたパンなんか焼けんの?
冬子) うん。冬休みにな、ず~っと習ててん。
    ものすごうまなってんで! おいしいで!
麻子) あんた…そんな事してた…。
冬子) 堪忍…。


**********

そして、その翌日です。

講師) プレパラシオン。
冬子) はい。
講師) 4番のプリエから。
    ピルエット アンディオール。はい!
    うん…。もう一度!
冬子) はい!
講師) プレパラシオン。
冬子) はい。
講師) 4番のプリエから。
    ピルエット アンディオール。はい!
    顔のつけ方がまだまだね。
    けど…よく練習した! これからも
    そうやって努力なさいよ!
冬子) はい!


これが、宝塚音楽学校、
予科生、同期の力であります。


講師) 今日から、
    ピルエット アンドゥダンに映ります。
一同) はい!


**********

(拍手)

さて、そのころ春子姉ちゃんは、国体で、
最終日のフリーに出場していました。


(拍手と歓声)

(回想)
春子) あのな、お母ちゃん…。今度の国体で
    勝ったら…1位になったら…会うてほし
    い人がいてんねん。


照子) …跳び! 春子!

**********

冬子) はあ…いや、理江ちゃん!
    どないしたん? みんなと一緒に
    自主レッスンせえへんの?
理江) 冬ちゃんは、
    よく落ち込まずにいられるね。
冬子) えっ?
理江) 私は駄目。
冬子) 何が?
理江) …もう、駄目みたい。


**********

電・春男) 優勝? 国体で優勝したってか?
電・照子) 勝ったんよ。あの子、勝ってん!
電・春男) やった! やったな~!
      ほな気ぃ付けて帰ってくるんやで。
      春子、ねぎらうたってな。
      うん…うん…ほな待ってるで!
春男) はあ~。
松本) おめでと~!
    春男ちゃん、よかったな~!
弘子) 大将、おめでとうございます!
松本) 娘さんがね、フィギュアスケートで優勝
    したんですよ! 優勝したんです、国体
    で! よかった~! よかった~!


**********

記者) 優勝して、今のお気持ちは?
春子) ほんまに、うれしいです。
記者) 周りの選手も好調でしたけど、やはり、
    勝つ自信はあったんでしょうか?
春子) 自分のスケートを楽しみました。
記者) コンビネーションジャンプが、
    見事に決まりましたね。
春子) ありがとうございます。
記者) 素敵なコスチュームですが、ご自分で 
    選ばれたんですか? …岩田さん?
照子) 春子!
岡谷) 春ちゃん! ちょっとすみません!
    すみません! やったな、春ちゃん!
    おめでとう!
春子) ありがとう! うれしいわ! えっ…。
記者) 表情がよかったですけど、
    何か秘訣はあるんでしょうか?
春子) えっ、何ですか?
記者) 来シーズンのオリンピックに…。


**********

理江) 私には何にもないもの。
冬子) 何が?
理江) きっと、才能なんかないし、冬ちゃんみ
    たいにみんなからも好かれてないし。
冬子) そんなん一緒やんか。理江ちゃんに
    才能があらへんのやったら、私にかて
    ないわ。
理江) けど、冬ちゃんは明るいもん。
冬子) それが問題なんやわ、きっと…。
理江) 私は、明るくなんてできないよ。影が
    薄いし…私ができなくても、先生あん
    まり注意もしないし。
冬子) よかったやんか。
理江) そんなふうに思えないよ。私…この学
    校に入ったら、明るくなれるって思って
    たんだよね。中学生の頃は、楽しい事
    なかったし…。中2の時にね、初めて
    宝塚見て、憧れて。ここに合格した時
    はうれしくて、「自分にも才能がある」っ
    て、信じられたんだよね。
冬子) まだ諦めんの早いわ。
理江) 駄目だよ、私なんか…。
冬子) 理江ちゃん。そんな事言うてたら、
    明るうなられへんよ。「明るうなろ」
    思たら、自分で自分を明るうしてい
    くしかあらへんね。
理江) 冬ちゃんは逃げてるだけじゃない。
    自分の駄目なところから。
冬子) えっ?
理江) 私にはそう見えるよ。成績が悪くても、
    ヘラヘラ笑ってるなんて最低だよ!
冬子) ヘラヘラ…。
理江) 成績が悪かったら、
    人よりいい役なんてもらえないんだよ! 
    人より目立てないって事なんだよ!
    結局…才能がないって事じゃない。
    それでもここにいる意味ってあるの?


**********

和人) お帰り。
冬子) あ…ただいま。
和人) どないしたん? 元気ないやん?
冬子) うん…。
和人) あ…冬ちゃん、知ってる?
    春子さんな…。
秋子) 冬ちゃ~ん! 和ちゃ~ん!
    いくで~! ほい!
冬子) あっ! 何これ!? 秋ちゃん!
秋子) フフッ。ライト オン!

(「春子ねえちゃん 国体優勝おめでとう!!」
 と書かれた垂れ幕)
冬子) ほな…勝ったんやね?
    春子姉ちゃん!
秋子) 優勝やよ!
冬子) やった~! や…やった!
    やった! すごい、すごい!
    やった、やった! すご~い!
    優勝や! ハハハ!


**********

弘子) あっ。
照子) ただいま…。
春男) あっ、照子。
    帰ってくんの明日と違たんか?
弘子) おかみさん?
照子) 私一人で帰ってきたんや…。
春男) どないしたんや?
    照子。何かあったんか?
照子) あんた…どないしよ?
    …春子が行ってしまう。
春男) ど…どこへ? オリンピックは
    まだ気が早いで?
照子) そやない! 私から行ってしまう…。
    遠くに行ってしまう…。
春男) えっ?
照子) どないしよ?


**********

冬休みの間、ずっとパン作りばかりしてきた冬
子。同期は、その間もずっと熱心に自主レッス
ンをしてきたはずで、ただでさえ成績が悪い冬
子がレッスンを怠けたら…大きく差がつくのは
当然のこと。そんな冬子を同期みんなで応援
する様子はまるで熱き青春ドラマのようだった。

冬子の明るさは救いだけれど、いつもヘラヘラ
していて、人によっては、腹がたつキャラかもと
思わなくもない。私は、全くそう思わないけれど。
だって、素直で、可愛いんだもの~! 何でも許
せてしまう~。どこぞのヒロインとは比べものに
ならないんだもの~。愛されキャラに説得力が
あるし! だから、友達の言葉に凹む冬子が愛
おしい。大丈夫だよ~。明るさは、冬ちゃんのい
いところ。成績が悪くても平気というより、そこに
いることが楽しいんだもの。冬子は、いつだって
そこにいる自分を楽しめる才能がある人だから。

そして春子は国体で優勝! 衣装がすごく似合
っていてきれいだった~。誰よりもうれしいはず
なのに、岡谷の存在に気付いた照子は、しおし
おと一人帰ってきて…。愛が重過ぎるよ、照子。
照子がこれじゃ、春男は一体どうなってしまうの
か…。親の愛が深すぎると、面倒だ…って話?


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