プレミアムよるドラマ「ふれなばおちん」第5回~帰したくない | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

プレミアムよるドラマ
「ふれなばおちん」



第5回~「帰したくない
 
龍(成田凌)の舞台公演に、夏(長谷川京子)は
久しぶりにお洒落をして出かける。龍のコメディ
-タッチの芝居に大笑いする夏は、思い切り解
放感を味わう。公演終了後、龍は夏を食事に誘
い、その席で今晩は帰したくないとささやく。突
然の言葉に動揺する夏は、席をはずしてひとり
思い悩む。一方、自宅では夏の遅い帰りを、夫
の義行(鶴見辰吾)が不審に思いながら待ち続
けていた――。

**********

みどり) 来てるよ。
龍) えっ? マジで?
みどり) 出番前に客前に出ちゃダメでしょ。
龍) 分かってるよ。
みどり) 参観日の小学生みたい。
龍) シゲさんが羨ましいですよ。
みどり) えっ? シゲさん?
龍) 誰の事も気にせずに好きな人を誘える。
  2人きりで会える。でも今の俺にはできない。
  それがルールなんでしょ?
みどり) そうよ。


**********

(ロビーにいる夏を見つける龍)
龍) だから…今日ぐらいしかないんだ。
(夏のところへ歩いていく龍)
龍) 来てくれたんですね。
夏) はい。
龍) あの…今日終わったら…。
優美香) お母さ~ん! 遅れてごめん。

(良と一緒にやってくる優美香)

2人で会う。
たったそれだけの事も、
私たちには簡単じゃない。


**********

(舞台上で芝居をしている龍)
電・龍) やっぱり俺…好きだ。じゃあ。
男性) どうだった?
龍) 留守番電話だった。
男性) 留守電かよ! めっちゃ
    喋ってたじゃねえかよ!
龍) そうなればいいなと思ったんだよ!
男性) 思っただけで長い時間ペラペラ
    ペラペラ喋りやがってよ!
龍) 長くねえよ! 長いっていうのはな、
  なっが~~~~~。
男性) 言えてねえじゃねえかよ!
龍) いった~~~。

(笑い声)

**********

優美香) すごい楽しかったです。面白かった。
シゲ) 本当? よかった。
夏) 本当、ありがとうございました。じゃあ。
龍) じゃあ、ここからは大人の時間という事で。
  君らもう2人で帰れるでしょ?
良) えっ…。
優美香) 別に大丈夫ですけど。
龍) ここの2人が飲まなきゃ
  帰れないタイプだから。
みどり) ここ一緒にしないでよ!
夏) あ~でも、私は…。
龍) いいじゃないですか!
  行きましょうよ! 4人で。ねえ!
シゲ) ああ、ああ、そうだな。たまにはお母
    さんも息抜きさせてあげないとな。
    お前らも2人の方がいいだろ?
良) えっ…。いや…。
優美香) しょうがあいな。じゃあ先帰ろっか。
夏) ちょっ…。
優美香) ああ…お父さんにはメールしとくね。
夏) あっ、ねえ…ねえ。あの…気を付けてね。
  人がいるとこ歩いてね。
優美香) 行こう。
良) ああ。
優美香) 早く。
夏) 大丈夫かなあ。
  この辺、夜になると雰囲気変わるし。
龍) 大丈夫ですよ。もう中3でしょ?
  それに、しっかりしてますよ、あの2人。
夏) まあ…そうなんですけど。
龍) じゃあ、どこ行きますか? 若林さん。
夏) えっ?
龍) あれ?
夏) あれ? どこに…?
龍) あ~。あ~もうやる事早えな!
夏) え?
龍) シゲさん、ちょっと若林さんの事狙ってて。
夏) エヘヘヘ。そうなんですか?
龍) 「もういいから2人で行こう」とか
  言ったんですよ。
夏) まあ、そういう事なら、私達がいてもねえ。
龍) そりゃ、2人の方が…。いいですよ。
  じゃあ…。
夏) 帰りましょうか。
龍) そう…ですね。


**********

シゲ) おいおいおい、そこは行けよ、お前。
みどり) ねえ、いきなり2人にしちゃまずい
     でしょう。
シゲ) だってあいつの顔見た?
みどり) 顔?
シゲ) 必死じゃん。あの奥さん引き止めるのに。
    あの龍が。まさか、そこ行くとはね。
みどり) 必死なんだ…。


**********

龍) 一杯だけ…飲んでいきませんか?
夏) はい?
龍) 一杯だけつきあってもらってもいいで
  すか? この時間をずっと待ってました。
夏) ああ…でも…でもちょっと…ちょっと…
  真樹夫の体操着干しっ放しだし、優美香
  の、夏期講習の書類書かなきゃいけな
  いし…。あっ、そう! そう…牛乳! 牛乳
  買って帰らないと、明日の朝…。

(夏の手を掴み、歩きだす龍)
龍) 行こう。
夏) えっ? ちょっ…ちょっ…。


**********

ずっと忘れてた。
こういう街の空気。
音やにおい。
恋をしながら、歩く夜。


龍) ダメですか? こういうの。
夏) 大丈夫ですよ、一杯ぐらい。
  だから、普通に行きましょう。
龍) そうですね。


今更、夜の空気に酔うような年じゃない。
私は、大丈夫。


**********

龍) そっか…。うちの芝居、最後は泣ける
  って評論家も言うんだけどな。若い子と
  かポロポロ泣くし。
夏) ごめんなさ~い。ず~っと笑ってました。
龍) まあそれもいいんすけどね。
夏) でも、泣けたからいい芝居って、評論
  家も違うと思うな。泣きたい人が見たら、
  何見たって泣いちゃうし。
龍) 意外と、毒舌。酔ってきたんですか?
夏) 酔ってませんよ。どっちかっていうと、
  こう…うわ~って。
龍) うわ~?
夏) 胸の中がざわざわして、うわ~って、
  なる方が私は好きです。
龍) ああ…うん。
夏) うわ~って、なりましたよ。
  今日の佐伯さん見てて、うわ~って。
龍) えっ?
夏) ちょっとあの、昼ドラの青柳を思い
  出しちゃったとこもあったけど。
龍) どんだけ好きなんすか、青柳。
  いいな~青柳は。
夏) 佐伯さんは、何で役者さんに?
龍) 何で? 何か…笑わないでよ。
夏) 何、何?
龍) 自分とは、違う人間になった時だけ、
  「うそついてないな、俺」ってなる時が
  あって。あっ、引いてる。
夏) 引いてない。引いてない。
龍) 俺うそつくんですよ。子供の頃から。
  適当にうそついて、うまくやって。
  でもどっか、苦しくて…。
  傷つけたくないから、
  平気でうそばっかりついて。
  それで逆に女の子を泣かせたり。
夏) いっぱい泣かせてそう。
龍) たまたま、役をやる日があって。俺、
  生まれて初めて、「ああ、初めて、本音
  でもの言えた」って。…で、何となく。
  まあ今俺、芝居やるなら、ちゃんと飯
  食えるようにならなきゃなと思って。
  仲間たちも。
夏) うん。そっか。
龍) ああ…何か…。
夏) よかった~。青柳元気でいてくれて。

(お酒を飲みほす夏)
夏) 飲んじゃいましたね。
龍) もう一杯だけどうですか?
夏) 約束ですから。行きましょうか。
龍) 大人ですね。

(夏の手に自分の手を重ねる龍)
龍) 今日は一緒にいませんか?
  分かってますよ。いろいろ。でも…。
  帰したくない。これは本音ですよ。
夏) あ…あの…。ちょっと…お手洗いに。
  ごめんなさい。


**********
 
夏) どうしよう。どうしよう。
  どうしよう、どうしよう、どうしよう。
  どうしよう。どうしよう。でも…。

(トイレから出ようとしてまた戻る夏)
女性) なに、あの人。
    めちゃくちゃかっこいい~!
女性) あ~やっぱ見てた?
    ネイビーのジャケット着た人でしょ?
女性) 隣の女、だいぶ年上だったよね。
    見た? 結婚指輪してたの。
女性) え~? なに、不倫? ずるいよね~。
女性) どんだけ欲しがんのって。
女性) まあ、カモられてんでしょ。
    大体若い男に行くおばさんって、
    本気でまだイケるとか思ってんのかね!
    肌見りゃ分かるのにね。
女性) …っていうか、まず見せんなよって。
    誰も見たかないって。

(笑い声)
女性) 周り引いてんの、分かんないんだよ。
(笑い声)
女性) 怖い、おばさん。

**********

龍) ここにいた女性って…。
店員) お帰りになられましたよ。
龍) えっ? すいません、お会計…。
店員) あっ、頂いてます。
龍) え~? くそ~。
店員) 大丈夫ですか?


**********

(お風呂に入っている夏)
優美香) お母さんさ。
夏) ん?
優美香) もうちょっとちゃんとしたのつけなよ。
夏) え?
優美香) ブラ。何これ、ボロボロじゃん。
夏) いいのよ。お母さんはもうそれで。
優美香) え~? 胸下がるよ。
夏) もう手遅れよ。
優美香) まあそれもそっか。おやすみ~。
夏) おやすみ。
  「もう手遅れ」はないんじゃない?
  あれ? 何で? やだ~。
  天井のカビ見ても涙出ちゃう。
  もうやだ…。


下着は、
わざと古いのを選んでいったんだ。
ある訳ないって思いながら、
でも最後は、踏みとどまれるように。


(回想)
龍) 今日は一緒にいれますか?
  帰したくない。


夏) バカ…。なに思い出してんの!

うれしかった。

夏) バカだ…。(泣)

**********

(体に触れて来る夫を払いのける夏)
夏) 優美香、まだ、起きてるから。

何で逃げたんだろう。

**********

電・莉絵) それっきり? 2週間も?
電・夏) うん。
電・莉絵) 顔も見てないの?
電・夏) よかったのよ。
電・莉絵) なっちゃんは、引き返したって事?
電・夏) そうね。


**********

電・義行) お前だけ出てこれる?
電・夏) えっ?


**********

私たちはいつからか、
並んで歩かなくなった。
夫はいつも一人で前を歩いて、
私は子供たちとついていく。

別にそれが寂しいとか、思ってない。
そして2人になると、話す事がない。


夏) 私たち喋らないから、
   料理なくなるの早い。
義行) そうか。
夏) ペースも早い。もう酔ったでしょ。
義行) もう一本頼むか。
夏) いつもこういう所で飲んでんの?
義行) みんな金ないから。
夏) 偉いね。世の中のお父さんたちは。
義行) あ~酔ったな。すきっ腹だったから。
夏) ほら。
義行) 昔は大人の酒っていうともっとこう…。
夏) かっこいいと思ってた?
義行) あったよね。ウイスキーの、恋は
    遠い日の花火じゃないっていう。
夏) う~ん。CM。
義行) 氷の音が、カラカラとかってしてさ、
    会社の若い子に憧れられて、恋は
    遠い日の花火じゃないとかって。
夏) 遠い日の花火がいいのよ。遠くなっちゃ
  ったから、落ち着いて見られるし。
  「ああ…きれいだな」って。だからいいのよ。
義行) まあそっか。
夏) ここ、おいしい。ん~? これで480円?
  お刺身も頼んじゃおっかな。
義行) おお、こっち。
店員) いらっしゃいませ。
義行) どした?
夏) えっ…何で…佐伯さん?
義行) いいから。ほら、お前席こっち。
    こっちこっち。

(龍を呼ぶ義行)
義行) 悪かったね、急に。
龍) いえ。遅くなってしまって。
義行) ビールでいい?
龍) はい。
義行) すいません。ビール追加で。
    あっ、生にしよう。生3つで。
店員) 生3つで。はい。生3つ入りま~す!
義行) さてと…そろったね。


何これ?
これが2人で会った罰なの?


**********

帰る言い訳を捜す夏の手を掴み、歩き出す龍。
手をつないで夜の街を歩きながら、忘れていた
遠い日の花火…のような時間を、思い出す夏。
好きな人と手をつないで歩いた夜の、ドキドキ
しながらも、嬉しくて、体がフワフワする高揚感。

結婚して、子供ができて、オシャレしてわざわざ
洒落たバーで飲むなんてこともなくなって…。だ
からといって、それが不満なわけでもない日々。
でも…若くてカッコイイ男の子と、そんな時間を
過ごして、「帰したくない」、なんて言われたら…。

娘を誘い、ボロボロの下着をつけなければ抑え
きれないほど、危うく、揺れまくっていた恋心を、
一瞬で冷めさせたのは、他人の、若い女たちの
容赦ない目と言葉。釣り合わないと自分でも思
っているところに、その事実を突きつけられてし
まうと、耳をふさいで夢の中にい続けることはで
きなくなってしまう。少しでも、きれいな自分を見
てほしいから…。きれいだと思ってほしいから…。

ただ、原作ではこのシーンに説得力があるのだ
けれど…。ドラマの夏は、バーにいた若い女の
子たちより、夏のほうがずっと綺麗に見えてしま
ったところはやっぱりちょっと…残念だったかも。

そして、夫に夜の誘いをかけられて、とっさに拒
否してしまう夏。女の人は、心より体のほうが正
直だから…。夫が嫌いなわけではなく、夫より好
きな人が、触れてほしい人ができてしまったって
こと。夏の心より、体の方が、ずっと恋に正直だ。

龍とは並んで歩いた夏が、夫とは並んで歩かな
い。居酒屋で話す事がない。そんなふうになる
夫婦もあれば、そうならない夫婦もある。けれど
もたぶん、体の距離は、心の距離に比例しやす
い。ふれなばおちん…。触れれこそ…触れてか
ら…心は、気持ちは、動いていくのかもしれない。

夫に限らず、妻も、パートナーと触れ合うことを
怠けていないだろうか…。年をとっても、手をつ
ないで歩けたらいいなと思う。当たり前のように。


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