「てるてる家族」(再放送)第84回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第84回

東京の斉藤(伊藤正之)から、夏子(上原多香
子)が撮影現場からいなくなった、という電話が
入る。照子(浅野ゆう子)は、東京に行って夏子
を探すと言いだす。一方、夏子は夕暮れの路
地をさまよううちに一軒のパン屋に気づき、そ
こで「てるてるパン」を見つける。店主(水野晴
郎)は「大阪に行ったときに見つけて、面白そう
だからまねして作ってみた」と言う。その「てる
てるパン」を買って、夏子は撮影現場に戻る。

**********

夏子) お母ちゃんのアホ!
    アホ…! (すすり泣)
    私は…誰のためにやってんの?
    (すすり泣)
    私は…スターなんてもうなりたない。
    お母ちゃんのアホ!
    (すすり泣)


**********

電・夏子) いなくなったってどういう事ですか?
電・斉藤) 突然、「トイレに行く」と言ったまま、
      行方が分からなくなってしまって。
多分仕事上の悩みだとは思うんですが。
電・夏子) 「できない」て言うたんですか?
      あの子が…。
電・斉藤) そのようです。「震えていたみたい
      だ」と…。とにかく、捜します。そちら
      に連絡があったら、すぐ事務所に知
      らせて下さい。
(受話器を置く照子)
春男) 夏子どないしたんや?
照子) いてへんようになったって…。
    コマーシャルの撮影所から…。
春男) 何やて…?
ヨネ) …何かありましたんか?
冬子) おばあちゃん! 夏子姉ちゃんが、
    いてへんようになったて!
ヨネ) 夏子が!?
冬子) うん。

**********

照子) とにかく…こないしててもしゃないわ。
春男) どないする気や?
照子) 東京に行く。
ヨネ) 行ってどないしますね?
照子) あの子を捜します。
ヨネ) 心当たりでもあるんかいな?
照子) ありませんけど…。
春男) 今から行って、
    間に合う話でもあらへんやろ?
照子) 「間に合う」って何が?
春男) 仕事や。お前、それが心配なんやろ?
    ええやんか。別にサボったくらい。
    夏子かて、やりたない時かてあるわ。
    責任やったら、俺らが取ったらええねん。
照子) どないして責任取んの?
春男) どないするかは分からへんけど…
    とにかく、謝ったらええねん。
照子) あの子への責任はどないすんの!?
春男) あ…?
照子) あの子は…「でけへん」て言うたんよ。
    「でけへん」て…。
春男) でけへん?
照子) あの子ず~っと苦しんでたんや。
    仕事で苦しんでたんや…。
    せやのに、私は…。


(回想)
照子) あんたはもう、子供やないし。こういう
    こと分かる思うから話すんねんやけど。
    結構なお金がもらえるんよ。
    今度のコマーシャルで。
夏子) そうなんや。
照子) あんたが頑張ってくれるおかげで、
    冬子も頑張れるわ。春子かてそや。
    新しいスケート靴も買う
てやりたいし、
    試合の衣装かてもっと
華やかなん
    作ってやりたい。秋子かて、
来年は
    大学受験やし…。

照子) 何であんな事…。なんちゅう無神経な
    事言うてしもたんやろか…。
春男) 何やよう分からへんけど、ただ
    サボったいう事とちゃうねんな?
照子) そうや…。あの子はものすごい
    傷ついてしもたんや。
春男) ほな…すぐ東京行きい。
照子) えっ?
春男) 何でもええから早よ行くんや。お前が
    行って慰めてやるしかあらへんやろ?
    俺が行ってもどないもでけへん。
    お前やないと、あかんやろ?
照子) うん。
ヨネ) ちょっと待ちなさい。東京行ってる間に、
    夏子見つかったらどないしますね。
照子) それでもあの子のそばに行って
    やりたいんです。
ヨネ) 明日…
    冬子の入学式と違いますのんか?
冬子) ええよ、私は…。私は大丈夫や。
    お母ちゃんは、夏子姉ちゃんのそばに
    行ってあげて。
照子) …堪忍やで。
冬子) 大丈夫やて。あっ、お母ちゃん、夏子
    姉ちゃんから、もし連絡あったら、「お
    母ちゃんが東京行った」て、「すぐそっ
    ちに行くから」て伝えとくから。
照子) 頼んだで。そしたらお母さん、
    すいませんけど、行ってきます。


**********

秋子) 行方不明か…。
    そやけど夏子姉ちゃん、何でここに
    電話かけてけえへんのやろ?
春男) …えっ?
秋子) 東京で夏子姉ちゃん、どこにも行くとこ
    あらへんのやろ? 撮影所からいてへん
    ようになったっていう事は、荷物も何も
    持ってへんという事になるやろ? そした
    ら、最後は困って、仕事場に戻るか、家
    に電話かけてくるか、どっちかやて思う
    ねんけど。
春男) …そうやな。
秋子・冬子) うん。
冬子) そのうち、かけてくんのと違う?
春男) …そうやな。
秋子・冬子) うん。
ヨネ) お金持って出たんやろか?


**********

(公衆電話から電話をかけようとする夏子)

(回想)
照子) あんたが頑張ってくれるおかげで、
    冬子も頑張れるねん。
    みんな、あんたを応援してんねん。


(応援してくれた家族を思い出す夏子)
(電話するのをやめる夏子)

**********

(パン屋を見つけて中に入る夏子)

夏子) あ…。うそや…。何で?
    すいませ~ん! すいません!
男性) はい。あっ、いらっしゃい。
夏子) すいません。
    これ…このパン、どうして…?
男性) ああ、てるてるパンね。
    これなかなか面白いんだよ。
    去年ね、大阪へ遊び行った時にね、
    見つけてね。中にね、磯辺餅が入
    ってんの。これがなかなかイカスん
    だよね。それでね、マネして置いち
    ゃった。いや~大阪の人って本当
    に、面白い事考えるよね。どう?
    一ついかがですか?
夏子) はい。ありがとうございます!


**********

斉藤) 夏子ちゃん!
夏子) どうも、すいませんでした!


**********

電・春男) あっ、斉藤さん。…戻った?
      …元気に。ほんま、元気に、戻った
      んですか? …すんませんでした。
      あっ、それで、今、夏子と、話できま
      せんでしょうか?
電・斉藤) すみませんが、今、撮影中なので。
      なんとか待ってもらっていた撮影時
      間に、ようやく間に合ったところなん
      で…。本当に、よかったです。
春男) ほんま…すんませんでした。
    あの…よろしゅうお願いします。
    今、照子が、そっち向かってますんで。


**********

(うさぎの着ぐるみを着ている夏子)
夏子) お疲れさまでした!
    すいませんでした! お疲れさまでした!
    すいませんでした! お疲れさまでした!
斉藤) お疲れさま。
夏子) お疲れさまでした! 斉藤さん、
    本当に、すいませんでした。
斉藤) みんな撮影には、満足したみたいだよ。
    OKが出てよかったね。
夏子) はい。
斉藤) さっき、事務所の方に、大阪から
    お母さんが来たそうだ。
夏子) お母ちゃんが!?
斉藤) 社長やみんなの前で、土下座してね、
    謝ったそうだよ。「どうしてもあの子が
    『できない』って言うなら、今度の話は
    なかった事にしてほしい」って言ってね。


**********

夏子) お母ちゃん…。
照子) 夏子…。
夏子) お母ちゃん! ごめんなさい!
    お母ちゃん…。ごめんなさい…。
照子) ごめんね…。夏子、ごめんね…。
    堪忍してね…。夏子…。夏子…。


**********

(制服にブラシをかけている冬子)
春男) 冬子!
冬子) えっ?
春男) ちょっと来てみ。
冬子) 何?
春男) ええから。
冬子) えっ? ちょっと、お父ちゃん…!


**********

冬子) 何や、和ちゃんもいてるやん。
和人) これ届けに来てん。
    ごめんな。遅くなって。
冬子) 何やの?
和人) ケーキ。喜介さんとこで、喜介さんと
    工場長と僕で作ってん。冬ちゃんの 
    お祝いに。
一同) うわ~!
春子) すごいかわいらしいやん!
秋子) きれいやな!
春男) こら、入魂の作やな。
和人) 「みんなで届けよう」て言ってんけど、
    喜介さんも工場長も恥ずかしがって、
    「お前が持っていけ」て。
冬子) ありがとう。和ちゃんも、喜介さんも
    工場長もありがとう。
春男) よかったな、冬子。
冬子) うん。
春子) 冬ちゃん、早速食べへん?
秋子) こんな時間に食べたら胃もたれるやん。
春子) かめへん。
    ハードな練習してきてんで、私は。
春男) 一晩ぐらい飾っておいたらどないや?
    苦労して作ったもんやで。
冬子) 私も今食べたい!
春男) もろた者がこれや。
和人) ほんじゃ僕切ります。
秋子) あっ、お皿、お皿。

(電話の呼び出し音)
電・春男) もしもし? 夏子!?
      お父ちゃんやで! …えっ?
      冬子? 冬子、ここいてるで。
      お父ちゃんはもうええんか?
      あ…そう…。ちょっと待って。
春男) 「出てくれ」て。
電・冬子) えっ? もしもし、夏子姉ちゃん?
電・夏子) 冬ちゃん? あんな…ひと言、
      お礼が言いたかってん。
電・冬子) お礼? 何の事?
電・夏子) 冬ちゃんのおかげで、
      「頑張ろう」思えてん。
      急に、自分が恥ずかしなってん。
      ありがとう。
電・冬子) なあ、何の事?
電・夏子) まあ、ええやん。
      今度、ゆっくり話するわ。
      明日、入学式やろ?
電・冬子) うん。
電・夏子) おめでとう。しっかり頑張りや。
電・冬子) うん。夏子姉ちゃんも。
電・夏子) うん。一緒に頑張ろうな、冬ちゃん。
電・冬子) うん。


**********

こうして私は、たった一人で、
入学式に向かったのでした。


冬子) おばあちゃん!
ヨネ) 間に合うたみたいやな。
冬子) 来てくれたん!?
ヨネ) うん。
冬子) ありがとう! うれしい!
ヨネ) ア~ハハハ…!
    (リボンが)曲がってしまうで。
    シャンとしい。ほな行こか?
冬子) はい!


私の新しい学校生活が、
始まろうとしています。

**********

♪ケ・セラ・セラ なるようになるさ
 先のことなど わからない 
 ケ・セラ・セラ なるようになるわ
 先のことなど わからない わからない
 ケ・セラ・セラ

子供のころ、冬子が歌っていたのを思い出す。
そう、なるようにしかならない。子供は育てたよ
うに育つ。春子も夏子も秋子も冬子も、誰が一
番得をしてるとか損してるとかいうものでもなく、
それぞれに、得たもの、失っているものがある。
オリンピック選手、歌手と普通の生活、タカラジ
ェンヌと、全てを同時に手にすることはできない。
それぞれに、自分だけが持っているものがあり、
手に入らないもの…足りないものがある。分か
っていても、羨んでしまうこともあるし、恨んでし
まうこともある。だって、人間だもの~! 冬子が
考えた「てるてるパン」を、東京で見つけた夏子。
冬子が一生懸命、家計を助けようと考えたパン。
自分のために土下座してくれた母。心から応援
してくれている家族。一人じゃない。自分だけが
損してるわけじゃない。冬子にお礼の電話をす
る夏子がいい。1番近い存在の家族だからこそ、
ありがとうとごめんなさいはちゃんと言わないと。
意味は分からなくても、夏子の、「ありがとう」は、
冬子の心に刺さった小さなトゲを溶かしたと思う。

夏子を心配する気持ち、冬子を心配する気持ち、
親を思う気持ち、子を思う気持ち…それぞれの
気持ちが分かるだけに、なるようにしかならない
切なさに泣けて泣けて…。試験の時も、入学式
も、親子連れが学校に向かう中、いつも一人凛
と歩く冬子の隣を一緒に歩いてあげたかったよ。
だから、そこにヨネさんが現れた瞬間に、冬子と
一緒に心が跳ねた。ツンデレヨネさん大好き~。
(お年玉はくれなくても、愛情はくれるもんねw)
家族っていいなって思う。見たいものを見せてく
れる。いや~ドラマって本当にいいもんですね!


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