「てるてる家族」(再放送)第78回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第78回

工場をやめる日、喜介(有薗芳記)は4種類の
「てるてるパン」を焼き、冬子(石原さとみ)た
ちに披露する。それは四姉妹をイメージした
春夏秋冬のパンだった。しんみりとなった一
同は「イースト菌の歌」を歌って別れを惜しむ。
大みそか、初めてカラーで放送される「紅白
歌合戦」を楽しむ人々でシャトーはにぎわう。
食い入るように見ていた照子(浅野ゆう子)は
春男(岸谷五朗)に、いつか紅白に夏子(上
原多香子)を出す夢を語る。

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喜介) …出来た~。出来た出来た~!
    フウ~! きれいに出来ました~!
一同) おお~!
冬子) かいらしいてるてるパンや!
春男) 喜介が考えたにしては、きれいやな。
辰造) 何や? この表面のザラザラは。
喜介) 何や思います? 去年から日本でも売り
    出されたコーンフレークいうやつですわ。
辰造) コーンフレーク?
喜介) アメリカの朝飯ですわ。俺は何や餌み
    たいで好きやなかったんですけど、うち
    の子供、よう食べてますね。
冬子) 学校の友達もよう食べてるみたいやわ。
    牛乳かけて食べんねんて。
喜介) そのコーンフレークを、細こう砕いたも
    んですわ。中はモチモチ、表はサクサ
    クしたら面白いんやないか、思いまして。
春男) なるほど! そらええ考えや!
秋子) かわいらしい帽子かぶってるやん!
喜介) これはチョコレート。色は4つ。
    つまり、4種類あるいう事ですわ。
春男) 4種類て中に入ってる物ちゃうんか?
喜介) はい。春夏秋冬。つまり、岩田家の
    四姉妹をイメージして作った、
    てるてるパンですわ!
冬子) うわ~! ええなあ!
喜介) これは春。
    大福餅がまるまる入ってます。
冬子) 大福?
辰造) 餅ごと入ってんのか?
喜介) へえ。
和人) あんこだけやったら分かりますけどね。
喜介) そこがてるてるパンのええとこや
    ないか! モチモチが~!
冬子) ああ、そやそや!
喜介) さっ、食べてみて下さい。
辰造) はい。
冬子) う~ん!
辰造) うん。いけてる、いけてる。
冬子) おいしい。
秋子) うん。
喜介) そやろ?
秋子) おいしい!
喜介) 次は夏子ちゃん。しゃれた感じで
    中にクリームチーズを入れてみました~。
    食べてみて!
一同) うん。
辰造) うん…。
冬子) うん! うん! これおいしいわ!
和人) こんなパン、初めて食べた。
喜介) そやろ? こら流行ると思うんや~。
秋子) あっ、喜介さん!
喜介) うん?
秋子) 私は何やの?
喜介) 秋ちゃんか? 秋ちゃんはほんまええ子
    やさかいな。何も悩まへんかったわ。
秋子) はあ…私らしいな。
喜介) 中身はすぐ決まったんですけど、
    どないして中に収めたらええか、
    一番苦労しましたわ。
秋子) えっ! 中に何が入ってんの?
喜介) サツマイモ。
秋子) サツマイモ?
一同) なるほど!
秋子) うわ~! 食べてええ?
喜介) はい。こないして、サイコロ状にして
    入れてみたんや。
冬子) うん! 甘うておいしいわ。
秋子) ほんまやね。
辰造) うん…。練り込んで、あんこみたいして
    ないとこが、ええかも分からへんな。
喜介) そうでっしゃろ?
春男) うん。うん…。はあ…何や、喜介…。
喜介) ど…どないしはりましてん?
春男) お前には、パン屋の才能があんのかも
    分からへんなあ。
喜介) 14年も一緒にやってきて
    何言うてますね! 今頃~!
和人) 14年ですか…。
    それが、今日で、終わりなんですね…。
喜介) やめえ、やめえ!
    そんな湿っぽい最後は一番苦手や。
冬子) 何や、寂しいなあ。喜介さんでも…。
喜介) 「でも」て冬ちゃん。
辰造) フフッ。
喜介) あっ、冬ちゃんのパンはもちろん、
    いそべ焼きが入ってんねんで~。
    へへへ!
冬子) みんな…
    いてへんようになってしまうんやな…。
喜介) 工場長は、どないしはるんです?
辰造) わしか? わしは来年の春まで
    お世話になる事にしたわ。
    調理学校始まるまでや。
喜介) そうですか。
春男) …まあ、喜介も工場長も、
    そう遠くへ行く訳やないねんから。
喜介) そや! ちょくちょく見に来るで。
    和人の成長ぶりをな!
和人) 僕も文房具屋にちょくちょく
    買い物行きます。
喜介) 別にええよ。パン屋になんねんから。
春男) よし! ほな、この4つのてるてるパン、
    喜介んとことシャトーんとこで、
    大々的に売り出してみよか!
喜介) はい!
冬子) ええなあ。てるてるパンの四姉妹や。
喜介) そしたら、皆さん、長い間、お世話に
    なりました! 最後に、一緒に、「イース
    ト菌の歌」、歌てもらえませんか?
春男) …ああ! 歌おう!
    これで、イースト隊も解散やな。
喜介) はい!
一同) ♪おいらは 町のイースト菌
    みんなが寝てる間に せっせと働く   
    小麦のあの娘に 恋をして
    汗水たらして 一緒に添い寝  
    あの娘の幸せ ふくらめば
    おいらは黙って消えるのさ
    バイバイキン バイバイキン
    バイ菌とちゃう
    おいらは あくまでイーストよ


**********

稲本) はい、手の位置ここ! 脚! …そう。
    はいもう一回! スピードつけて!

(春子にスケートの指導をしている稲本)
田中) 滑り納めですか?
照子) そうやの。稲本先生にやっとまた見て
    頂けるようになって…。春子よりも優秀
    な選手は、いっぱいいてんのにね。
田中) 日本で断トツトップの福島選手の
    コーチもしてはる人ですから。
照子) 春子は、福島選手やほかの選手みた
    いに、恵まれた環境にいてる訳やあら
    へんから…。
田中) 恵まれた?
照子) フィギュアスケートはほんまにお金がか
    かります。コーチのレッスン料かて、上級
    になるほど高なるし。試合やいうたら、コ
    ーチの交通費から宿泊費、食事代、付き
    添い料もみんな出さなあかん。そやけど
    春子は、そういう事みんな諦めて、私だけ
    が試合に付き添うてきました。幸い稲本
    先生は、その辺のとこ分かって下さって、
    いろいろ気ぃ遣てもろてます。ほかのみん
    なみたいに、お金持ちの子やったら…。
    もっと早ように勝てたかも分からへん。
    才能はあんのに、不憫な子ぉやわ。
田中) いや。
    それが春ちゃんの才能なんですよ。
照子) えっ?
田中) そういう環境が、春ちゃんのスケート、
    支えてるんです。誰よりも恵まれてるて、
    僕なんか思いますよ。
照子) …そうですやろか?
田中) ええ。

**********

照子) 稲本先生、年の瀬のこんな遅い時間ま
    で、ほんまにありがとうございました。
稲本) そんな気にしないで下さい。
    お正月に向けてこっちに、
    里帰りに来てるんですから。
照子) あっ、そしたらまた、東京にお戻りに
    なる前に見て頂けるんですか?
稲本) そのつもりですよ。
照子) ああ! ありがとうございます。
稲本) ところで春子さん、
    来年はどうされるんです?
    大学へは行かれるんですか?
照子) はい。あの…同志館大学から誘われ
    てますので、行かせようて思てます。
稲本) そうですか。それはよかった。じゃ、そこ
    で、4年後の…いえ。もうほとんど3年後
    のオリンピックを目指す訳ですね?
照子) はい。そうです。
稲本) その時春子さん、22歳ですか…。選手
    として、ピークで迎えるには最後のチャ
    ンスかもしれませんね。
照子) …はい。
春子) お母ちゃん。お待たせ。
照子) お疲れさん。
春子) 稲本先生。
    今年一年、ありがとうございました。
稲本) うん。来年も、ビシビシ鍛えますよ。
春子) はい。よろしゅうお願いします。
照子) よろしゅうお願い致します。
稲本) 頑張れ! 大阪人!
春子・照子) はい!
3人) フフフ…!


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翌日の大みそかは、
とてもいい天気でした。


(おせちを作っているヨネと弘子)
弘子) う~ん。どうです?
ヨネ) ん…?
弘子) 熱いですよ。
ヨネ) ん…。うん! ええわ。
   弘子ちゃんうまなったなあ。
弘子) フフフ…!
ヨネ) すっかりコツ覚えましたな。
弘子) 年季入ってしもて。
ヨネ) ほんまや。岩田家の味は、
    弘子ちゃんが受け継いでしもたな。
弘子) はい。光栄です。
ヨネ) うんうん。

(玉子焼きに手を伸ばす冬子)
弘子) あっ!
ヨネ) うん…? これ!
弘子) 冬ちゃん!
ヨネ) 何やの、泥棒猫みたいに。
冬子) ハハハ…。


**********

松本) ああ~。
    また戻ってきてしもたんかいな~。
    困ったなあ。よしよし。

(猫を抱き上げる松本)
秋子) おっちゃん、どないしたん?
松本) 猫や。いっぺんミルクやったら戻って
    きてしもたんや。すまんなあ。その気
    もないのに情けかけてしもて…。
    おっちゃんな、もう猫飼えへんね。
    そう決めたんや! さ…行き!
    ええ人に拾われるんやで~!
秋子) おっちゃん…人は別れを惜しむから、
    出会いに切なさ覚えんのやろな…。


**********

寺井) へえ。「紅白歌合戦」も今年から
    カラーで放送すんのかいな。
春男) そやねん。それで照子、
    朝から張り切ってんね。
都子) またまた商売繁盛やなあ。ほんなら、
    私らも、売り上げに協力さしてもらい
    に行かんとな? あんた。
寺井) そうやな。


**********

そうです。
この年のおおみそかは、
初めてカラー放送された
「紅白歌合戦」に、
みんな酔いしれていました。
でも、夏子姉ちゃんは、
お正月の舞台を間近に控えていて、
大阪に戻ってくる事はできませんでした。

昭和39年が、終わろうとしていました。
私たちの昭和30年代は、
こうして過ぎようとしていました。

だけど、お母ちゃんの夢は、
まだまだ果てしなく続きそうです。

そして、私たち家族の時間も、
途切れる事なく、続いていく事でしょう。
この先、何が起ころうとも。


**********

照子) ねえ、あんた…。「紅白歌合戦」、
    いつか夏子も出られたらええね。
春男) 何言うてんね。
    期待し過ぎはお前の悪い癖や。
照子) ええ癖やん!
春男) もし…そんな事になったら…奇跡やな。
照子) はあ…。
    ほんまにあんたは、あかんたれやな。
春男) せやから、お前とつきおうていけんね。
照子・春男) フフフ…。

(除夜の鐘)

**********

冬子) はい。

(パンを和人に渡す冬子)
和人) ありがとう。
冬子) 和ちゃん。
和人) ん…?
冬子) 私、宝塚、受かると思う?
和人) さあ…分からへんな。
冬子) 和ちゃんて、お調子で、物言えへん
    ねんな。たまには、言うてほしい時か
    てあるんやで。やっぱり、ローリーや
    ないとあかんか、それは…。
和人) 人が思てても、しゃあないやん。
    冬ちゃんが、受かるって思ってんの
    やったら、僕も一緒にそう思う。だか
    ら、そんな事もう人に聞かんとき。
冬子) 分かった。そうする。ありがとう。


私は思うのです。
これからの人生に、
きっと青空がありますように。

来年も、きっと天気にな~れ!


**********

工場のムードメーカーだった喜介さんが、四姉
妹のてるてるパンを作って置き土産に。最後に
みんなで「イースト菌の歌」を歌いたいと言いだ
すところも喜介さんらしい。♪バイバイ菌~バイ
菌とちゃう。さよならのバイバイ。バイバイ喜介
さん。四姉妹のパン、どれもおいしそうだった!

人は別れを惜しむから、
出会いに切なさ覚えんのやろな…。

秋子が、何気なく言ったセリフが心に沁みたよ。
出会いがあるから別れがあり、別れがあるから
出会いがある。うれしくもあり…切なくもあり…。

春子はオリンピックを、夏子は歌手になって紅
白歌合戦を、秋子は普通の人を、冬子は宝塚
を夢見て…。照子の野望は続くよ、どこまでも。

冬子と和人のやりとりが微笑ましくて。和人の
クールな対応に、言ってほしい事を言ってくれ
るローリーの存在意義を感じる冬子。よかった
ね~ローリー! 冬子が君のいいところに気付
いたよ! でもやっぱり和ちゃんなんだけどね。
「冬ちゃんが、受かるって思ってんのやったら、
僕も一緒にそう思う」
って…。和ちゃんもなかな
か言うじゃないか~。可愛いカップルに萌え~。

やっぱり朝は、涙色より、サンサンサ~ンと晴
れた青空がよく似合う。来週も天気にな~れ。


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