「てるてる家族」(再放送)第59回 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「てるてる家族」 第59回

家に帰ってきた秋子(上野樹里)は冬子(石原
さとみ)や春男(岸谷五朗)たちに絵と手紙に
ついて問われる。秋子は、手紙については自
分が書いた創造物だと言い、また絵のモデル
は米原(近藤芳正)の母親を描いたものだと
言うが、冬子らにはその説明がとても理解し
難かった。そして、秋子の行動を心配した冬
子と浪利(杉浦太陽)は秋子といっしょに米原
の部屋を訪ねる。すると、そこには米原の妻
と娘の姿があった。

**********

秋子) ハハハ…!
春男) 何がおかしいねん!?
秋子) ハハハ…! ほんまに信じたん!?
    これが私な訳あらへんやんか!
春男) …違うのんか?
秋子) 当たり前でしょう! この絵は、ちゃんと
    描いた人からもろてきたもんなんやから。
冬子) け…けど…ほな、この手紙は何?
秋子) あ…。冬ちゃん、
    また人の手紙読んだんやね?
冬子) えっ?
秋子) 人の手紙読むやて、卑劣な事なんやで。
冬子) いや…そ…そやけど…。
秋子) 前にも読んだでしょ? 私の手紙。
    そやから今度はわざと書いた。
春男) 「書いた」て…どういう事や?
秋子) そやから、この手紙は私が書いたんや。
    前のもそう。
冬子) 何で!?
秋子) 日記や。初めは日記の代わりやってん。
冬子) 日記て…。
秋子) 人からもろた手紙の中に自分の気持ち
    が書いてあったらドキドキするやろ?
冬子) けど、何でうそ書いたん?
    「万引きした」やなんて…。
秋子) この手紙は、あくまでも私の、創造物
    やねん。生活の中の表現やん。嘘や
    空想も、私の生活の一部やろ?
    それを表現しただけ。それを勝手に
    覗かれて騒がれて、ええ迷惑やわ…
    わ…わ…。
冬子) え…? な…な…何や? え…?
    私が、悪いいう事…?
春子) どうもそうみたいやで。
夏子) 話が難しいて、よう分からへん。
秋子) そやけど…これがほんまに私て
    信じるとは思わへんかったわ!
弘子) もう…ほんまにほっとしたわ!
浪利) そしたら、それは誰なんでしょうか?
春男) どうでもええねん、そんなん…。
秋子) この絵描いた人のお母さん。
    その人は4人兄弟の末っ子なんやて。
ヨネ) ほら、見てみい! そやから言いました
    やろ。どない見ても、子供2、3人は産
    んだ女の人のお乳やて。
春男) もう、お乳、お乳、言わんとき。もう…。
夏子) けど…そんなん生まれた時の事なん
    か覚えてられるはずあらへんやろ?
一同) うん。
秋子) 心を純粋にしたら、自然とどんな
    事かて思い出せるもんなんやて。
    世間体や見えを取り除いたら、
    人間の本性は芸術家なんやて。
    みんな天才なんやて!
ヨネ) その人…
    宗教のお坊さんか何かかいな?
秋子) ううん。ただのな、普通の人。
    フフフ…。


**********

その次の日のことです。

秋子) 冬ちゃ~ん。何やの?
    私がどこ行くか気になんの?
冬子) 絵描きさんのとこ?
秋子) そうや。冬ちゃんらも来る?
冬子) えっ!?
冬子・浪利) 行ってもええの!?
秋子) 構へんよ。一緒に絵、
    描かしてもろたらええわ。
冬子) え~っ! えっ、行く行く!
浪利) 僕も会うてみたいわ! その人に!


**********

(ボールを拾って子供に渡す秋子)
秋子) はい。
京子) ありがとう!
幸子) 京子。行くわよ。
京子) はい。バイバ~イ!
秋子) バイバ~イ。
浪利) バイバ~イ。
秋子) あ…こんにちは!
冬子・浪利) こんにちは!
秋子) 妹の冬子と、その友達です。
米原) あ…ああ…ど…どうぞどうぞ。
浪利) お邪魔します。
冬子) お邪魔します。


**********

浪利) うわ~! ファンタスティック!
冬子) うわ~!
秋子) あの…さっきの人…。
米原) ああ…。
秋子) もしかして、葉書の人ですか?
米原) ああ。そう。君に出してもらった葉書を、
    受け取った人です。妹って言ったのは、
    嘘です。妻です。妻と、娘です。
    まさか…突然訪ねてくるとは
    思いませんでした。
秋子) 何で、一緒に暮らさへんのですか?
米原) 東京にいるんです。僕は、そこから
    逃げてきました。普通の生活から逃
    げ出してきたんです。秋子さん。それ
    が僕の本当の姿です。
秋子) 何で…? 何でですか?
米原) …何だか息が詰まってしまってねえ。
    毎日ものすごい満員電車に乗って会社
    と家を行き来して、スモッグだらけの街
    を一日中歩いて…。「今どき、マイカー
    は常識ですよ」、なんて、自分では買え
    ない車を売り歩いて…。ちっとも売れな
    くてね。成績悪くて上司に怒鳴られ、そ
    れでも何とかやってきたんです。家に帰
    っても、絵を描く場所なんかなくてね…。
    もともと、学生の頃から、画家を目指し
    てたんです。もちろん、妻や娘には、何
    の罪もありません。頑張ってこられたの
    は、妻と娘がいたからです。だけど…
    「もしいなかったら」と思うとね…。
冬子) ひどい…。
米原) ひどいね。
秋子) それで逃げてきたんですか?
米原) ある日曜日、部屋で転がってテレビ見
    てたら、テレビで林家三平が、「どうもす
    いません、どうもすいません」て繰り返し
    てました。それ見てたら、もう、何だか居
    ても立っても居られなくなりましてね…。
    月曜日になったら、また自分を殺さなけ
    ればいけないのかと思うと、急に怖くな
    ったんです。それで…タバコ買いに出て、
    そのまんま…。
冬子) そのまま、大阪に…?
米原) そう。大阪駅に着いて、家に1本電報
    打ちました。それっきりです…。
冬子) 奥さんは、どう言うてはるんですか?
米原) 何にも…。もう、こんな男とは口をきく
    のも嫌だったんじゃないのかな…。
秋子) 私も米原さんと同じ。
冬子) えっ?
秋子) 私も…何で自分が勉強してんのか、
    よう分からへんかってん…。「ほんま
    は何のために、こんな事してんのや
    ろか?」て…。ずっと分かってへんね。
冬子) 秋ちゃん…?
秋子) そやから、ずっとここに逃げてきててん。
米原) ありがとう。だけどそれは違う。君と
    僕とでは全然違う。君の迷いは正しい。
    誠実に生きている人間ならみんな抱え
    る悩みだ。僕のように間違ったらいけ
    ません。自由と身勝手をはき違えたら
    駄目なんです。君ならきっと本物の芸
    術家になれます。普通に生きてる人の、
    喜びや悲しみを、その手ですくい取る
    事ができるはずです。別に絵を描くな
    んて事は大事な事じゃない。大事なの
    は、そういう感情を、手放さずに生きて
    いく事なんです。
浪利) あの…あの、これ、何ですか?
    何か、8ミリの映写機みたいですけど。
米原) ああ…8ミリの映写機です。
浪利) へえ~。
米原) 秋子さん。君はこれからなんです!
    まだまだいっぱい悩みも
    あるかもしれない…。
浪利) あの…見てもよろしですか? これ。
米原) …えっ?
浪利) あのこれ…見てもよろしですか?
    何か、フィルムも1本だけ残ってる
    みたいやし。
米原) どうぞ。妻が持ってきたんです。
冬子) えっ…東京からこれ、
    わざわざ持ってきはったんですか?
米原) それだけは、僕がわがまま言って
    買ったもんだから。そばに置いとき
    たくなかったんじゃないのかな?
浪利) 使うてへんカンバスありますか?
米原) えっ…? いや、あるけど…。


**********

(8ミリ映写機の映像を見る4人)
米原) 去年のクリスマスだ。
冬子) 何で奥さんは、こんなもん置いて
    いきはったんやろ…?
米原) これは…僕の描いた傑作ですね。
    これが僕の…最高傑作だったんだ…。

**********

(自分の絵を燃やしている米原)
冬子) おじさん…東京へ帰んの?
米原) 許してもらえるかどうか分かりません
    けど、許してもらえなくても、できるだ
    けの償いはするつもりです。
冬子) きっと大丈夫やわ。
米原) ハハハ。そうかな。
秋子) 冬ちゃん、何でそう思たん?
冬子) 私…ずっと考えててん。何で奥さんは、
    あのフィルム置いていったんかて…。
浪利) 何で?
冬子) あれは、去年のクリスマスやろ?
    奥さんは、あれがまたやりたいねん。
    そやから、今年のクリスマスまでに帰
    ってきたら、許してあげるいう事やわ。
米原) そう思いたいね。
冬子) 大丈夫! 私の勘は当たんねん!
秋子) ほんま?
冬子) うん。
3人) フフフ…!
米原) さてと…。
    これだけ持って東京行きます。
秋子) うん!
米原) 今度こそ秋ちゃんの言うように、
    普通に生きている人間にしか描け
    ないものを、描くつもりです。
秋子) さよなら!
米原) さよなら。

(握手する秋子と米原)
米原) じゃ…。
冬子・浪利) さよなら!
米原) さよなら。

**********

春男) そうか…。
    その人…そんな人やったんか…。
    いろんな人がいてるもんやなあ。
冬子) うん…。秋ちゃん、最後は明るうして
    たけど、何やかわいそうやったわ…。
春男) もう、大丈夫なんやろ?
冬子) うん。大丈夫やと思うけど。
春男) 家族かて…
    分からへん事ばっかりやもんなあ。
冬子) うん…。

**********

秋子) 冬ちゃん…。
冬子) 何?
秋子) マンボ教えてあげようか?
冬子) えっ、マンボ?
秋子) 教えたる!
冬子) うん!


**********

(冬子にマンボを教えている秋子)
秋子) ハイハイ!
冬子) ハイハイ!
秋子) キュッキュッ!
冬子) キュッキュッ!
秋子) ハア~! ウ~ッ!
冬子) ハア~! ウ~ッ!
秋子・冬子) ハア~! ウ~ッ!

(楽しそうに踊る2人)
秋子・冬子) ♪チャッチャッチャッ 
       チャッチャッチャッ
       チャッチャッチャッ
       チャッチャッチャッ


**********

(2階で踊っている振動で揺れる天井)
春男) 何や!?
ヨネ) これもあの子の勉強なんやろ?
春男) 電気の下、危ない。
ヨネ) うん?

**********

(マンボを楽しそうに踊る4姉妹)

**********

その晩私たちは、
死ぬほどマンボを踊りました。
それは、お母ちゃんの知らない、
私たちだけの、
情熱的な夏の出来事でした。

その翌日から秋子姉ちゃんは、
脇目も振らずに、
受験勉強を始めました。


**********

(ノック)
照子) はい。
冬子) お母ちゃん、元気?
照子) 冬子。お母ちゃんね、今、ちょうど
    あんたの事考えてたんや。
冬子) えっ、私の事!? 
照子) うん。
冬子) ほんま?
照子) お母ちゃんね…夢見てん。
冬子) 夢…?

**********

こらこら、冬子。人の手紙を勝手に読んじゃダメ
だってば~という視聴者が気になるところをちゃ
んとハッキリ指摘してくれたので、スッキリしたw
なるほど、米原からの手紙と考えるには内容が
変だと思っていたら、一種の日記であり冬子へ
のトラップでもあったんだね~。やるね~秋子!

普通の生活から逃げ出して、画家になりたかっ
た自分を思い出し、もし画家になれていたらと、
そうなっていたかもしれない生活の中に身を置
いてみたものの、妻子と過ごしたかけがえのな
い時間こそが、自分が描いた最高傑作のゲー
ジュツだったと気付く米原。ついつい、「普通」と
言ってしまうけれど、本当は、「普通」というもの
が何なのか、誰も分かっていなかったりして…。
平均値を出すことはできても、本当の「普通」な
んてものがあるとしたら、それこそある意味、み
んなが夢見ている共有幻想なのかもしれない。

自由と身勝手をはき違えたら駄目なんです。
君ならきっと本物の芸
術家になれます。普通
に生きてる人の、
喜びや悲しみを、その手で
すくい取る
事ができるはずです。別に絵を描
くな
んて事は大事な事じゃない。大事なのは、
そういう感情を、手放さずに生きて
いく事なん
です。


自由と身勝手は違う。自分の感受性は自分で
守る。そして、決して、手放さない…人でありた
い。さて、秋子はどんな大人になるのでしょう。

四姉妹で楽しそうにマンボを踊る姿が可愛い。
ラジオ体操のようなぎこちない動きの冬子が少
しだけ、ダンスが上手くなっていて、ちょっと寂し
かったり…。(あの変な動きの動画が欲しいw)
可愛い女の子が元気に笑顔で動いているのを
見ているだけで、元気がもらえる気がする~♪


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