「世界一難しい恋」第３話～ひねくれ社長が新人に恥ずかしすぎる告白恋愛スイッチオンの秘策とは

「世界一難しい恋」

第３話
ひねくれ社長が新人に恥ずかしすぎる告白
恋愛スイッチオンの秘策とは

零治）　いい名前を思いついたって言ってたじ
　　　　ゃないか？あんな思わせぶりなこと言
　　　　われたら、誰だって気になる。
美咲）　五助です。
零治）　五助？どうして、その名前を？
美咲）　戦国武将の湯浅五助から取りました。
　　　　主人との約束を守るために、自らの命
　　　　をささげた、忠誠心の強い人です。それ
　　　　に五助っていう響きも、あのコにぴった
　　　　りだと思いまして。
零治）　日本史が好きなのか？
美咲）　はい。ギリシャ神話やシェークスピアの
　　　　登場人物の名前も考えたんですけど。
　　　　あのコには漢字の名前のほうがしっくり
　　　　くるかと思いまして。

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村沖）　犬はダメです。
零治）　どうしてだ？こんな素敵な名前が
　　　　あるのに飼わない手はない！
村沖）　先日も言いましたが、社長には犬の
　　　　扱いは向いておりません。石神さんに
　　　　は懐いていましたが、社長には全然
　　　　懐いていなかったじゃありませんか。
零治）　犬がいればセキュリティーも安心だ。
村沖）　社長の家のセキュリティーは
　　　　日本最高水準です。
零治）　犬のぬくもりが、忘れられないんだよ。
村沖）　ぬくもりなら人間に求めてください。
　　　　犬を飼うと結婚が
　　　　遅れるのは有名な話です。
零治）　犬を飼ってなくても遅いヤツは
　　　　遅いじゃないかよ。
村沖）　それは、私のことですか？
零治）　いや…
　　　　一般論として、言ってるだけだ。
石神）　さぁさぁ、まいりましょう！
零治）　おう！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

零治）　違ったら違うではっきりと言って
　　　　ほしいんだが。俺と柴山美咲は、
　　　　もう既に付き合ってんじゃないか？
村沖）　は？何を言ってるんですか？
零治）　じゃあどうしてあいつは俺の気持ち
　　　　を知りながら、ジムに来るんだ？
村沖）　逆です。気持ちを知らないから
　　　　２人きりになっても平気なんです。
零治）　気持ちを知らない？
　　　　そんなはずがあるか。
村沖）　まだ彼女に気持ちを伝えて
　　　　ないんですから当然です。
零治）　あいつを元気づけるために、
　　　　苦手な牛乳を２本も飲んで、
　　　　「犬の名前を一緒に考えてくれ」
　　　　とまで言ったんだぞ？それでも
　　　　まだ伝わってないっていうのかよ？
村沖）　それを自分への好意だと感じ
　　　　取れる女性はほとんどいません。
　　　　ましてや社長と新入社員という立場。
　　　　社員を思う気持ちと受け取られる事は
　　　　あっても、それが異性に対する思いだ
　　　　と受け取られる事はまずあり得ません。
　　　　恋愛とは、好きになるかなられるかの
　　　　どちらかからしか始まりません。

零治）　そんなことは分かってるよ。
村沖）　好きになった方は、恋が勝手にスタート
　　　　しますが。好きになられた方は、相手に
　　　　気持ちを伝えられなければ、動きようが
　　　　ありません。相手の気持ちにスイッチを
　　　　入れるためにも伝えなければなりません。
　　　　社長のお気持ちを。

零治）　それは…どうしてもか？

村沖）　ええ。どうしてもです。

零治）　ムズい。相当難しいミッションになる。
村沖）　ええ。でも社長ならできます。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

零治）　そうか。分かったぞ。
　　　　あいつが本当に好きなのは、
　　　　うちの会社じゃない。
村沖）　えっ？
石神）　どういう事でしょうか？
零治）　あいつが本当に好きなのは、俺だ。
村沖）　え？どうしてそうなるんですか？
零治）　考えてもみろ。宮崎駿先生は、
　　　　スタジオジブリという会社で、「トトロ」や
　　　　「ラピュタ」、「紅の豚」を作った。俺が鮫
　　　　島ホテルズで、５か所のホテルを運営　
　　　　してることと状況一緒だ。
村沖）　一緒ではないと思いますが。
零治）　まぁ、もちろん、スタジオジブリが、好き
　　　　な客もいるが。大半は個々の作品、すな
　　　　わち、それを作った作者を、愛してんだ。
村沖）　そうでしょうか？
零治）　じゃあ何だよ。「トトロ」や「ラピュタ」が
　　　　好きで、宮崎駿先生が嫌いってヤツに、
　　　　会ったことあるか？
石神）　会ったことありません。
　　　　宮崎作品を好きな人はすべからく、
　　　　宮崎駿先生を愛しています。
零治）　つまり、俺が手掛けたホテルを愛して
　　　　やまないヤツは、俺のことも、愛してや
　　　　まないことになる。
石神）　どうして今までこんな簡単な公式に
　　　　気が付かなかったんでしょう。
零治）　村沖の言葉を借りれば、あいつの
　　　　恋愛スイッチは、うちに就職する前
　　　　から、すでに、入ってたんだ。
村沖）　では社長から気持ちを伝えれば
　　　　成功は間違いありませんね。
零治）　そんなリスクを冒す必要はない。
　　　　俺がこれまで通り真面目に働いてさえ
　　　　いれば、向こうからあふれる気持ちを、
　　　　ぶつけて来る。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

音無）　妻にしてみれば、手塩にかけて育てた
　　　　我が子を褒められるということは、自分
　　　　を褒められることよりもうれしかったよう
　　　　で。向こうのほうから、「いい家庭をつく
　　　　りましょうね」って。
零治）　なるほど。そういう伝え方もあるのか。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

零治）　店の名前は、すでに、決めてあるんだ。
美咲）　え？そうなんですか？
零治）　うん。五助だ。
美咲）　えっ？
零治）　フレンチレストラン、五助。
美咲）　私は、ただあのワンちゃんに
　　　　ぴったりな名前だと思っただけで。
零治）　湯浅五助が、主人を支えたように、この　
　　　　レストランが、ホテルを支える存在になっ
　　　　てほしい。そういう願いを込めた。それに
　　　　俺は、この名前が、単純に好きだ。これ
　　　　ほどまでに、俺の心をわしづかみにした
　　　　名前は、いまだかつてなかった。君が、
　　　　手塩にかけて、育てたこの名前が、かわ
　　　　いくて仕方がない。
美咲）　そんな、手塩にかけたつもりは…。
零治）　とにかく、俺は、この五助という名前が、
　　　　君が付けてくれたこの名前が、
　　　　好きなんだ！
美咲）　そこまで気に入っていただけて、
　　　　うれしいです。絶対にいいホテル、
　　　　つくりましょうね。
零治）　もちろんだ。協力してくれるか？
美咲）　もちろんです！
零治）　うん…。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

まひろ）　最近、うちの高校時代の親友が、
　　　　　入社１か月でそこの社長に見初め
　　　　　られて婚約までしちゃった…ってい
　　　　　うんですよ。羨ましくないですか？
丸田）　やっぱりそういうの憧れるんだ。
まひろ）　そりゃあ女ならそうですよ。
　　　　　ねぇ、美咲さん？
美咲）　え？私は気持ち悪いと思う。
まひろ）　えっ、どうしてですか？
美咲）　だって、入社１か月の新入社員を、
　　　　その社長は、恋愛対象として見た
　　　　わけでしょ？う～ん…。
　　　　やっぱり気持ち悪いかな。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

零治）　俺は、明日からしばらく出張に出る。
村沖）　出張？どちらに？
零治）　誰からも傷つけられない場所だよ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

まひろ）　美咲さんは？
美咲）　私は、自分のホテルを
　　　　建てようと思ってる。
まひろ）　え？建てるんですか？
美咲）　何年かかるか分かんないけど、それは
　　　　小さい頃からの変わらない夢だから。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

和田）　「社長が新入社員に手を出すのは
　　　　気持ち悪い」って言われたんだって？
零治）　そうやって、傷口に塩を
　　　　塗りにきたんですか？
和田）　いいか？今から大事な事を言うぞ。そ
　　　　ういう発言をする女ほど、落としやすい。
零治）　は？
和田）　どうしてそういう発言をするかというと、
　　　　予防線を張って自分にストップをかけて
　　　　いるわけだ。すなわち、そういう状態に
　　　　陥る危険性があることを、本能的に分か
　　　　ってるってことだね。
零治）　それはどうでしょう。
和田）　柴山美咲はまさにそういうタイプの女だ。
　　　　それは俺が保証する。
零治）　そういう女かどうかは、問題じゃないん
　　　　です。彼女は、社長と新入社員の恋愛が
　　　　そもそも、気持ち悪いって言ってるんです。
和田）　だから言ってるだろう。そういう発言を
　　　　する新入社員は、落としやすいんだよ。
零治）　何を根拠に言ってるんですか？
和田）　鮫島君、俺を誰だと思ってんの。
　　　　社内恋愛のエキスパートだよ？
零治）　エキスパート？
和田）　これまで何人の社員に手を
　　　　出したと思ってんの？
零治）　社長の発言とはとても思えない。
和田）　入社１か月の新入社員。
　　　　笑わせるんじゃないよ。
　　　　俺は１か月も待たないよ。最短で１週間。
零治）　１週間？
和田）　恋愛に役職の壁なんて誰がつくった？
　　　　好きになった女がたまたま部下だった。
　　　　それの何が悪いんだ？俺達は社長で
　　　　ある前に、１人の男なんだよ。そうだろ？
　　　　おい、どうしたんだよ。泣くなよ。
零治）　だって、まさか、和田さんも同じ志を
　　　　持った人だと思わなかったから…。
和田）　俺はお前のこと見直したんだぞ。
　　　　新入社員に惚れるなんて、器の小さい
　　　　社長には出来ない事なんだから。
零治）　師匠って呼んでもいいですか？
和田）　呼びたいように呼べよ。とにかく、俺の
　　　　言う通りにすれば、間違いないから。
零治）　はい。師匠！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

いや～もう、とにかく大野くんの顔芸、いや顔の
演技が素晴らしい！まさに気持ちが顔に描い
てある状態というか、いちいち面白くて和む～。
村沖さんのママぶり、石神さんのパパぶりがも
う！この２人がいるおかげで、めっちゃ楽しい。
バカな子ほどカワイイっていうか、仕事以外は
幼稚園児レベルの零治。ほっておけないよね、
バカでバカでもう～バカなんだから～って、頭
くしゃくしゃに撫でてあげたくなるよ。変に自信
を持ったかと思えばすぐにへこむし、美咲の笑
顔に、今にもとろけそうなおバカ顔が愛おしい。
いや～、これはもう、大野智を愛でる、大野君
を堪能するドラマかもしれない。別にファンとい
う訳ではないけれど、こんな可愛げを見せられ
たらまんまと見守らずにはいられないというか。
敵対視していた和田を師匠と呼ぶ零治が、子
犬のようで、君に五助と名付けてあげたいよ！

社長が新入社員に手を出すのは気持ち悪い。
そうそう、途中で、まさにそう思って見ていた。
この状況、社長が大野君じゃなかったら、ドラ
マのように背景が分かっていなかったら、これ
って相当気持ち悪い話なんじゃないかって…。
全く興味がなくて、全くタイプじゃない社長にい
いよられたら、相当面倒だなって。セクハラパ
ワハラになる世界だよな～と。そこのところが
ちゃんと指摘されたのはよかった。そこはちゃ
んと認識しておいてほしいところだからね～。

恋愛にはとことんおこちゃまだけど、師匠和田
によって、変わっていくのか？怪物くん…じゃ
ない、王子…鮫島社長！応援してるなり～♪

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