「あさが来た」第142回~あきらめられない仕事、あきらめきれない千代の縁談 | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「あさが来た」 第142回
第24週 「おばあちゃんの大仕事
あきらめられない仕事、あきらめきれない千代の縁談


新次郎) おお、お母ちゃん。
     えらい朝早起きて、珍しい事だすなぁ。
よの) うちな、今から、東京行ってきますわ。
新次郎) はぁ?
     何ムチャな事を。脚悪いゆうのに。
よの) もう、諦められしまへんのや!
新次郎) はぁ…お母ちゃん、おおきにな。
     まあ、せやけどなぁ。
よの) ん?


**********

千代) 何だすの? これ。
あさ) 何だすのて、
    お見合いのお相手のお写真だすがな。
さち) こっちは、うちの実家の紹介でな、
    こっちは、旦那様が保険の取引先で、
    どないやて薦められたお方だすのや。
榮三郎) うん。みんな次男か三男で、婿養子に
     なりたいて言うてくれてはるお人ばっかり
     だす。安心して、選んだらよろしさかいな。
千代) おおきに。榮三郎おじちゃん。さちさんも。
榮三郎) いいや。ほんならお姉さん。
あさ) へぇ。ほな、また戻ってきますさかいな。
    さちさん、よろしゅう。
さち) へぇ。
千代) ゆっくり見さしてもらえ言うたかて…。


**********

榮三郎) …で、お姉さん、話いいますのは?
あさ) へぇ。うちな…炭鉱売ろ思てますのや。
亀助) へ!? 何だすて?
あさ) この分やったら、不景気は更に進みます。
    御一新以来の大きい波が来てしまうかも
    分かれへん。そうなる前に、資金、作って
    おきまひょ。
榮三郎) ちょ、ちょっ…ちょっと、待っとくなはれ。
     なぁ。そない言うても、石炭の採掘量は
     うなぎ登りだっせ。苦労して、
     ようよう優良事業になったとこだすのに!
あさ) せやさかいだす。政府の製鉄所が今、
    原料確保のために、喉から手が出る
    ほど炭坑欲しがってますのや。
    今ならきっと高う売れます。
榮三郎) いや…。
あさ) うちも寂しいけどな、亀助さん。
    ここまで育てたら、きっとみんな、
    もううまい事やっていけます。
亀助) へぇ…。
榮三郎) へぇさん! また美和さんとこでお昼な
     んか食べてる場合やあらしまへんで!
     今お姉さんがな…。
平十郎) へぇ。それが、
     食べられる雰囲気やなかったんです。
榮三郎) え?


**********

啓介) お手紙、ありがとうございました。
新次郎) こっちこそ。こっちから、出向こう思
     てましたのに。わざわざ大阪まで出
     てきてくれはるとは思いまへなんだ。
啓介) お会いして、謝りたいと思っていました。
    しかし…。
新次郎) いいや。うちとこが勝手に大隈様に
     お頼みしただけで…。
啓介) いいえ!
    今日は、殴られる覚悟で参ったのです。
新次郎) は? 殴る?
啓介) はい。さぞ嫌なやつとお思いでしょう。
    一度は快諾のお返事をしたというのに、
    本当に失礼な事を…。男親なら、殴って
    やりたいと思って当然です。
新次郎) いやいやいや。わてなぁ、そない威勢
     のええ男親やあらしまへん。ただなぁ、
     じかに、話聞かしてもろて、納得できた
     らて思ただけだすのや。
     ひょっとしたらなぁ、啓介さん。わての嫁
     のあさの事、とんでもないおなごや思い
     はったのやあらしまへんのか?
啓介) え?
新次郎) いや、そらなぁ、お武家様のお家柄の、
     東柳さんにしてみたらびっくりぽんや思
     いますわ。おなごが威張りくさって、男言
     い負かして…。そやけどなぁ、それは…。
よの) そうだす。千代はな、ちっとも、あささんみ
    たいなおなごやあらしまへんのやで。おと
    なしゅうて、控え目で、おしとやかでなぁ。
かの) ほんにほんに。
新次郎) お母ちゃん。ついてきてもええけど、
     黙って聞いてるいう約束だしたやろ!

(口をつまむよの)
啓介) いいえ。僕は、う~ん…。
    昔風の、「男女七歳にして、席を同じゅうせ
    ず」などという愚論は支持しておりません。
    かのナポレオンも、国を改良するのに大事
    なのは、よき母であると言っています。確か
    に驚きはしましたが、女性が自分の考えを
    持つ事が、悪い事だとは思いません。  
新次郎) ほう。
啓介) 大隈様にお返事を致したのは、父です。
    父は、大変ありがたいご縁だと喜んでお
    りました。僕だって、本音を言ってしまえ
    ば…千代さんを好まない訳ではない。
よの・かの) おっ!
啓介) しかし、僕は、商家や銀行で働く自らを
    想像できません。ずっと、卒業したら政府
    で働くつもりで、官吏として、日本を動かし
    たいという夢を、諦める事はできませんで
    した。本当にすみません。
新次郎) そうだすか。今の言葉聞かしてもろた
     だけでも、千代も少しは、胸のつかえ、
     下りるやろ思いますわ。
よの) それやったら…お宅に、
    お嫁に行くのやったらよろしのか?
新次郎) は?
よの) うちに婿に来るんやのうて、お嫁に、
    来るんやったら、よろしのか? え?
新次郎) お母ちゃん、何言うてますのや。
     ずっと昔から跡取り跡取り言うてたの
     はお母ちゃんやあらしまへんのか?
よの) そうだすがな。そやけどまあ…
    千代の、事を思たらなぁ。
かの) へぇ…。
新次郎) こら八代目が聞いたらえらいこっちゃ。
よの) お願いだす…なぁ。もういっぺんだけで
    ええさかい。考えてみてくれはりまへん
    やろか。なぁ。
啓介) いや、僕は…。
新次郎) お母ちゃん。
よの) お願いします。お願いします…。
新次郎) もう、無理言うたらあかんて。

(啓介を拝むよの)

**********

新次郎) すんまへんだしたなぁ。
啓介) 今日は、何と言うか…。
新次郎) いいや。
     時間つくってもろておおきにな。
あさ) 旦那様。
新次郎) ああ…。こら、家内のあさだす。
     こちらさんが、東柳啓介さんや。
あさ) 初めまして。千代の母でございます。
啓介) 東柳です。この度は…。
新次郎) あ…せや。そないゆうたら昔なぁ、
     わてらの友達に、
     トモちゃんいうお人がいてたんだす。

**********

新次郎) トモちゃんいうのはなぁ、
     新政府で働いてましたのやけど、中央
     にいてたらしがらみばっかりででけへん
     事がある言うて、
権判事辞めて、大阪で
     お商売始めました
のや。商いの力で日
     本変えるのや言うて
なぁ。鉱山や、紡績、
     商船…いろんなお商
売やって、ほんま
     に大阪の町や、日本中
のいろんな事変
     えてしもた。
あさ) そうだしたなぁ。
    あと、株式取引所や、商法会議所やなぁ。
啓介) もしかして、そのトモちゃんというのは…。
新次郎) 啓介さん。
     わてらにはな、今の政府よりず~っと
     昔から守ってきた、のれんがあります。
啓介) のれん?
新次郎) 江戸の世も御一新の時も、明治の御世
     になっても、この世がどないに変わろうと、
     加野屋ののれんは、270年ずっと、懸命
     にこの国、裏から支えてきましたのや。
     な~んてな。ハハハ。わては商い苦手や
     よってなぁ、な~んもしてしまへんのだす
     けど。それでも、今になって、ようよう思
     います。このあさや、一家みんなで、加野
     屋ののれん守っていくいうのは、厳しくも、
     幸せな事やなぁて。
あさ) 啓介さん。この度の事は、
    ほんま申し訳ございまへなんだ。
啓介) はい?
あさ) 大隈様のような、力のあるお方にお頼み
    してしまいましたさかい、お断りになんの
    も、難儀な事やったんやないか思います。
    うちは、夫とは、小さい頃からの許嫁だし
    たさかい。娘に思うお方ができたやなん
    て聞いたら、うれしなって。こらどないか
    してあげたいやなんて思てしもて。
    つい突っ走ってしまいましたのや。
    ほんま親バカで、あいすまん事だす。
啓介) いいや。そんな事は! こちらこそ。
あさ) お会いできてよろしおました。
    どうか…どうかええお役人さんに、
    おなりになっとくれやす。


**********

あさ) 何や嫌みの一つでも言うたろか思て
    ましたのに。言われしまへなんだわ。
新次郎) ほんまだすわ。
     かっこつけて、ええ事ばっかり言うて。
あさ) 旦那様こそ。
    そやけどえらい真面目そうなお方で…。
新次郎) せやろ? 惜しいなぁ。
あさ) ほんま惜しおますなぁ。


**********

そして、日はたち…。

あさ) へ? 銀行、辞めなあかんて?
ツル) はい。縁談が、決まりまして。
    嫁いでからも働きたい言うたんですけど。
    体裁が悪いて言われてしもて。
あさ) そうだすか。そら、しょうがありまへんな。
サカエ) 実はうちも…
     父が、「今年中には神戸のお方と」て。
あさ) サカエさんも?
サカエ) 何べんも断ってきましたんやけど、
     父も年取りましたし。
     もうわがまま言うてられません。
あさ) そうだすなぁ。工藤様、えらい前から、
    お嫁入りの心配したはりましたもんなぁ。
ハト) 私も親が、もう辞めなさいて…。
平十郎) しかし、奥さんがあれだけ、いろいろ
     懇切丁寧に教えて下さったというのに、
     おなごは長い事働く事はできへん。
     もったいない話です。
サカエ) そやけどもし…
     もし、大学校が出来たら、うちらは無理
     でも、この先のおなごの働き方は、もっ
     ともっと変わるかも分かりません。
ツル) そうです。奥さん、どうか頑張って下さい。
あさ) おおきに。
    そうだすなぁ。きっと変わります。
    みんなこれからも、頑張りまひょな。
(ツル・サカエ・ハト) はい。


**********

そして…

絹田) 初代校長は、成澤泉氏で、
    異論はございませんな?

(拍手)
成澤) ありがとうございます!

女子大学校は、
本格的に動き始めました。


**********

夏となり、和歌山では、
栄達が亡くなって
ひとつきがたとうとしていました。


藍之助) ただいま。
はつ) 藍之助。
    お父ちゃんがちょっと、話あるて…。
藍之助) 実は僕も、話あるんです。


さて、藍之助の話とは…

**********

千代のお見合い相手候補の写真が、ずら~っと!
最後に置かれた写真だけ、毛色が違っているとい
いますか、かな~り年齢が離れているような気が。
たぶん榮三郎の保険関係からの候補者がこちら。



で、たぶんこちらが、さちさんの実家からの紹介。



飴と鞭? 最後のお方はかなりの資産家なのか?
啓介さんと比べて結婚を考えるには、ちょっと力不
足な面々。何しろ加野屋の女子は面食いだから!

あさが炭坑を売ろうとする理由は、不景気がさらに
悪化して、現金を引き出そうと人々が銀行に殺到
してくることを想定しているのだと思われ…。高く売
れるうちに売って現金化しておいたほうがいいだろ
うと、商売人の勘が働いてのことかと。どん底を見
てきたあさらしいというか…。備えあれば憂いなし。

そして、啓介がお見合いを断った理由は、義理の
母となる、あさのせいではなく…自分の夢のため。
官吏として、日本を動かしたいという夢を、諦める
事はできないという、実に帝大生のエリートらしい
野望といいますか、大きな夢が、その理由。まあ、
そういう夢を持っている人が、婿養子となって、商
いをする自分をイメージする事なんてできないか
もね。千代を好まないわけではなく、夢をあきらめ
たくないのだと言われてしまうと、さすがにそれ以
上無理強いはできず、好青年ぶりに負ける2人w

その人柄の良さに、逃がした魚は大きい状態とい
うか、あきらめきれない気持ちも大きくなる新次郎
とあさ。それでも、嫌味を言うよりも、ある意味ジワ
ジワ利いてきそうな、お商売で日本を動かそうとし
た2人のお友達、「トモちゃん」の話をさりげな~く
啓介に聞かせる新次郎の内助の功ならぬ、男親
の功。朝ドラのお見合いは、一度は壊されるもの。
さて「トモちゃん」のお話は啓介の心に響くのか…。

お年頃なのは千代だけじゃなく、女子行員もまた、
結婚で、銀行を辞めなければいけないというお話。
結婚、出産と、女子の場合、今も昔も仕事を続け
るためには、理解と周囲の協力が必要なのは、変
わらず…。へぇさんの「もったいない話です」という
セリフに、何かね、女性が仕事を続けたくても続け
られない困難が今でも続いているだけに、いまだ
に女性はしんどいんだなぁと、しみじみ思ったり…。
女子大学校ができるまでの困難、今も続く困難と。
九転び十起き! あさを見習って頑張らなきゃね!

和歌山では、藍之助が何やら小瓶を持っていたけ
れど。何か、お商売の秘策を思いついたのかな?
おそらくは、世間の評判を聞いて心を痛めつつも、
演技の修正をしてきたんじゃないかなと思われる、
藍之助の中の人。セリフ回しが自然になってきて、
頑張ってるな~と。大丈夫だよ~いい感じだよ~。
朝ドラは、役者にとっても成長の場。頑張ってる人、
努力の人は温かく見守ってあげたいと思うこの頃。


「あさが来た」関連ブログはこちらから↓
「あさが来た」関連ブログリスト

●「あさが来た」HP


ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村


連続テレビ小説 あさが来た Part1 (NHKドラマ・ガイド)/NHK出版
¥1,188
Amazon.co.jp

NHK連続テレビ小説 あさが来た 上/NHK出版
¥1,404
Amazon.co.jp

広岡浅子 明治日本を切り開いた女性実業家 (星海社新書)/講談社
¥929
Amazon.co.jp

文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 (潮文庫)/潮出版社
¥734
Amazon.co.jp