「あさが来た」第105回~ぎょうさん学ぶ事は、いろんな道に進むためのテケツ | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第105回
第18週 「ようこそ! 銀行へ
ぎょうさん学ぶ事は、いろんな道に進むためのテケツ


新次郎) なぁ、あさ。あさはこれから、
     千代にどないなってほしい思てますのや?
あさ) へぇ。うちは…やっぱりいつかは、ここで
    一緒に働いてくれたらて思てしまいます。
新次郎) うん。やっぱりそうだすか。
あさ) へぇ。そやけどそれは、うちの勝手な願い
    だす。藍之助の言うてたとおり、自分の道
    は選ばしてあげなあかん。そのためにも、
    千代には女学校行ってほしいと思てます
    のやけどな。
新次郎) 女学校?
あさ) へぇ。ぎょうさん学ぶ事は、きっとこの先、
    千代がいろんな道に進むための、テケツ
    になる思うんだす。

**********

あさ) 進路…そう、進路だす!
    うち、さっき聞いた、進路いう言葉の事、
    ずっと考えてましたんや。
新次郎) ああ、進む路て書いて、進路、だしたな。
あさ) へぇ。思い浮かべてみとくなはれ。ここに、
    港があって、船がぎょうさん並んでるとこを!
    今までのおなごの道いうたら、お嫁さんにな
    って、お家守るか、家業を手伝うか、芸で身
    を立てるか、あるいは、女中奉公ぐらいしか、
    進む道あらしまへなんだ。そやけど今は、お
    なごにもいろんな航路が開かれるようになり
    ました。家の中にいてて、働くだけの昔とは、
    ちょっとずつ違てきたんだす。
新次郎) ふんふん。それで、その船たちは、
     海に出て、一体どこに進んでいきます
     のやろなぁ?
あさ) へぇ。例えばだすけど…。
新次郎) うん…(妄想する新次郎) おっ!
あさ) 東京に出来た官立の音楽学校に入ったら、
    ピアノ弾きや、バイオリン弾きになれるかも
    分からへん。
新次郎) はぁ…(妄想する新次郎) はっ!
あさ) 師範学校で学んだら…。
    学校の先生にかてなれるやろし…。
新次郎) はぁ…(妄想する新次郎) はっ!
あさ) 勉強して、医術試験に合格したら…。
    お医者様にかてなれるかも分かれへん。
新次郎) (妄想する新次郎) はっ!
あさ) ほかにも…。看護婦。

**********

千代) どないしたんだす? うめ。
うめ) シッ。
    おあさ様の様子がまたけったいなんだす。
藍之助) あっ、うめさん。掃除やったら僕が…。
千代) お母ちゃんがけったいやなんて、
    今に始まった事やあらへんやろ。


**********

あさ) 高等小学校を出ただけでも、十分にテケツ
    は持てます。せやけど、将来のために、より
    ぎょうさんの道に進むためのテケツを持つ
    には、やっぱり、高等女学校は出といた方
    がええんだす。
新次郎) なるほど。
あさ) 文明開化で、新しい産業もぎょうさん興って、
    働く機会や場がみんなに開けるようになりま
    す。そもそも、おなごの方が向いてる仕事か
    て、ぎょうさんあるはずだす。そないな道を自
    分で選んで進めるやなんて、なんて夢のある
    事だすやろ。
千代) それはお母ちゃんの夢だすやろ!
あさ) 千代。いつからいてましたんや?
千代) うちは、そないなテケツ要りまへん!
    女学校へ行く気も、お家の仕事を手伝う
    気もあれへんよって! うちのことやのに、
    勝手に自分の夢膨らまして…。
    もう勘弁してほしいわ!
あさ) 千代。
新次郎) いいや。ここは、わてが行きまひょ。
     またケンカになったらあかんさかい。
     けどまあ、あさはテケツのない時代に
     生まれたゆうのに、ようけなげに船、
     漕ぎ出しましたなぁ。
あさ) いや…。まあ、せやけど、
    難破船にならんと、ほんまよかったな。

(笑い声)
あさ) 難破船? うちが、難破船…?
うめ) そうだす。おあさ様みたいに、女だてらに
    自由勝手に漕ぎ出す船なんか、いつ難破
    船になって海の底に沈んでもおかしなかっ
    たんだす。そないならへんかったんは、ご
    先代様や、新次郎様、今井のご両親や、
    ようけのお方のお導きがあっての事だす。
あさ) ほんまそないだすなぁ。
    お父様、五代様、大勢の皆様…ほんま助け
    てくれはって、おおきにありがとうございます。


**********

千代) お母ちゃんはほんま分かってへん。おなごで
    高等小学校出てからもまだ学ぼうとする人や
    なんて、ほとんどいてしまへんのやで!
新次郎) まあ、そうだすな。
千代) 学校で、
    1人か2人いてるかどうかやいうのに。
新次郎) 男かて、上の学校行くのは、
     20人に1人いてるかどうかだすわな。
藍之助) 僕はその、20人に1人になりたかったけど
     な。まあ、うちの田舎で言うたら、高等小学
     校出ただけでも、十分な学歴なんです。けど、
     世話になってる庄屋さんとこの子が、中学出
     て、東京の学校へ行った。それが、ほんま羨
     ましゅうてたまらへんかったんです。
千代) それは…藍之助おにいちゃんが男の子や
    さかいだす! 男やったら、学べば重宝され
    るかも分からへんけど、おなごが孔子や孟
    子やて習ても、へ理屈ばっかり言うようにな
    ってて、嫌われてしまうて…。
藍之助) ふ~ん。
千代) うちは、おなごやさかい…。せや!
    うち卒業したら、花嫁修業がしとおます!
    前から言うてますとおり、ええお嫁さんに、
    ええお母ちゃんになりたいんだす!
藍之助) そうかな…?
     僕は、お嫁さんでもお母ちゃんでも、
     孟子や孔子の話できた方がええけどなぁ。
千代) へ? 何で…何でだす?
藍之助) 何でて…
     そら、その方が一緒にいて楽しいやんか。
     社長。失礼致します。
新次郎) うん。
千代) 何や、ちょっとおにいちゃんや思て偉そうに。
新次郎) 藍之助はな、学校で、一番の成績やったん
     やて。せやけど、お家の事情で、中学には行
     かれへんかった。ああやっていつも無邪気に
     してるけど、自分の道の事、懸命に考えてま
     すのや。
千代) そうだすか…。

**********

千代) うちやけど…よろしい?
よの) どうぞ。
千代) おばあちゃん、一緒に寝てもええ?
よの) もちろんやがな。ハハッ。
    こっちおいで。よいしょ。
千代) よいしょ。
よの) うん。フフッ。
千代) うちのお母ちゃんて、ちょっとも殿方に
    好かれそうなお人やあらしまへんわなぁ?
よの) はぁ~そないゆうたらそうだすなぁ。
    …てなんて事言いますのや。自分の親の事。
千代) そやけど、お父ちゃんとは、仲よろしなぁ。
よの) うん。まあな、あんたのおじいちゃんと、
    うちほどではあらしまへんけどな。
千代) はぁ、そやの!?
よの) うん。新次郎たちかてな、
    うちら夫婦には勝てしまへ~ん。

(笑い声)
よの) なぁ? お前様。
千代) もう、おばあちゃんいうたら。
よの) せやけどな、あの人かて、2番目に好きや
    ったんは、あささんみたいだすのや。もうな
    ぁ、好きで好きでなぁ。ほんまの娘みたいに、
    大事にしてはりましたんやで。
千代) へえ~。


**********

あさ) う~ん…。
(うなされているあさ)

(回想・夢)
玉利) あんた…ええ?
    もうじき、日本一の、女商人になるで。

福沢) あなたはいつか、おなごの社長になりなさい。

新次郎) 難破船にならんと、ほんまよかったな。

うめ) おあさ様みたいに、女だてらに自由勝手に
    漕ぎ出す船なんか、いつ難破船になって海
    の底に沈んでもおかしなかったんだす。

あさ) はっ!
(大声を出して目覚めるあさ)
新次郎) はぁ~っ! な…何や?
     何が起きましたんや? あさ。
あさ) はぁ…すんまへん。
    船が、難破する夢、見てしもて…。
新次郎) 何や、夢かいな。勘弁してぇな。
あさ) そやけど、うちの船は、これから、
    どこ行ったらええのやろか…?
新次郎) はぁ?
あさ) いいや。おやすみなさい。


**********

藍之助) おおきに。ありがとうございました。
平十郎) しかし藍之助君は、
     実に気持ちのええ働きっぷりですね。
あさ) へぇ。働く姿勢がよろし。
    見込みあるて思います。
平十郎) はい。
あさ) 真面目できっちりして…
    どっちに似たんやろか? それにしても何で
    うちの千代は、働きたいて思わへんのやろ?
平十郎) どっちに似たんですかね?
あさ) そないいうたら、そうだすなぁ。
佑作) おおきに。ありがとうござぃました~。
あさ) ん? 佑作さん、今のご挨拶は何だす!?
佑作) はい?
あさ) 「ござました~」やなんて、
    鼻風邪でも患うたみたいな声出して。
    「おおきに。ありがとうございました」、だす。
佑作) へぇ。すんまへん。
あさ) それにおじぎの仕方も、ちゃんと、ここまで
    曲げるようにて、へぇさんが寮でも教えてく
    れはりましたやろ?
佑作) せやけど、さっきの若い客は、十銭を細かい
    のに換えてくれいう儲けにもならへん客で…。
あさ) そないちょっと寄ってくれはったお客さんほど
    大事にせなあきまへんのや!
佑作) へぇ。
あさ) みんなもよろしか? 何べんも言います。
    人様の大事なお金扱ううちらに、大事なんは
    真心だす。一人一人が、加野銀行の顔だす。
    頼りにしてますさかいな!
一同) へぇ!
弥七) 任しといとくれやす。よっしゃ。
あさ) 弥七さん!
弥七) ん?
あさ) ここ、数間違てます。
弥七) あっ、しもた。すんまへん!
藍之助) おいでやす。

こちらの紳士は…

あさ) ああ、工藤様。おいでやす。

工藤徳右衛門という、
加野銀行に巨額の預金をしているお客様です。


榮三郎) お待ち申しておりました。
工藤) やぁ、頭取、すんまへんな。お手間とらして。
榮三郎) 何をおっしゃいますやら。
     わざわざおいで頂いて…。
     先に言うといてもろたら、
     私の方からお伺いしましたのに。
工藤) いや、今日はちょっと頭取に、
    お願いがあって来ましたんや。
榮三郎) ああ。
工藤) どこぞに、ええ縁談の話、
    ないやろか思いましてな。
あさ) 縁談?


**********

そのころ、
和歌山に住むはつの家に、
あさからの手紙が届いていました。


栄達) あ…藍之助の居場所、分かったてか?
惣兵衛) へぇ。
     大阪の加野屋さんとこにいてましたわ。
菊) あ…へぇ…。
惣兵衛) はつ。そないな顔すんな。
     あいつの話、もっとちゃ~んと聞いた
     られへんかった、わしらも悪いんや。
はつ) いいや。うちは…。

**********

ぎょうさん学ぶ事は、きっとこの先、
千代がいろんな道に進むための、
テケツになる思うんだす。

何がしたいか、何ができるのか、分からない時こそ、
まずは知識を持つこと、勉強することが大事な訳で。
勉強したくてもさせてもらえなかったあさには、その
大切さが身にしみているけれど、最初から選択肢が
与えられている千代には、そのありがたみが分から
ない。持てる者には持たざる者の気持ちが想像でき
にくい。千代には、藍之助の苦労が実感できないん
だよね。憧れのはつおばさんがどんな生活をしてい
るのか、百姓の暮らしがどんなものなのか、分かっ
てはいないんだよね。藍之助が千代の恵まれた環
境をどれほど羨ましく思っているか想像もできない。

まあ、あさも、自分が恵まれていることを自覚しては
いるけれど、まだまだ本当には分かっていない感じ。
あさが感じている10倍は、まわりのみんなのおかげ
だと思うけれど…結構すぐに忘れてしまうようなので、
千代のことはあまり言えないような。頑固だし、本質
的には似た者親子なのかもw 子供って結構保守的
な生き物だから、よそとは違う親のカッコ良さがわか
るようになるには、大人になって、いろんな価値観に
触れないと難しかったりするし。ないものねだり、隣り
の芝生が青く見えるのが世の常で、自分が持ってい
ないものの方が良く見える。ということで、千代ちゃん
は女学校に行くことで、視野が広がっていくのかな?

昔は、いろんなところに行けそうで、どこ行きのチケッ
トにしようか、選び放題のような気がしていたけれど。
気付けば今いる場所は、あの時思っていたような未
来なのか、全く違う場所なのか…。今となっては何が
正解だったのか、行きたかった場所に自分がいるの
かも分からないけれど…。後悔はないな~とは思う。
もっと勉強すればよかったとは思うけど、きっと昔に
戻ってもやらないとは思うので…そう思うんだったら、
今、勉強しろって話なんですけどねw 反省、反省…。

恵まれすぎて、逆にあまのじゃく化した千代ちゃんは、
あさの示す方とはとにかく反対の方に行く!とでも言
いたげな、歪んだ反抗期の真っただ中にいるようで。

久々に登場した惣兵衛さんが色っぽくて、ドキドキ…。
肝っ玉お母ちゃんになったはつと、藍之助のバトルが
楽しみです~。「はつが来た!」が、本格始動しそう♪


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●「あさが来た」HP


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