「あさが来た」第99回~うめと猫と雁助の噂・・・事業の躍進、父との再会 | 日々のダダ漏れ

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「あさが来た」 第99回
第17週 「最後のご奉公
うめと猫と雁助の噂・・・事業の躍進、父との再会


雁助) よしよし…。よしよしよし。



(猫の鳴き声)
あさ) はれ? 雁助さん?
(猫を抱き上げる雁助)
雁助) (小声で) おいで。よしよし…。

**********

うめ) また猫に餌やってましたんか?
(猫の鳴き声)
うめ) じき女子衆が起きてしまいます。外出さんと。
雁助) そない言うてもなぁ…。



(回想)
雁助) わてと一緒に、この家出ぇへんか?
うめ) へ…?



**********

新次郎) へぇ。
平十郎) へぇ!


加野屋の事業は、躍進を遂げました。
あさは銀行に先駆け、
まず新次郎を社長とした、
加野屋の商業部門を担当する、
加野商店を設立し、炭坑に通い詰めて、
その規模を更に拡大し、
出炭業は今までの5倍となりました。

(回想)
友厚) 加野屋には、あなたという、
    ファースト・ペンギンがいてた。
    恐れを見せず、前を歩む者が!


**********

あさ) よろしゅうお願い致します。
榮三郎) へぇ。かしこまりました。


亡くなった五代の言葉を胸に、
加野屋は、大阪港の海防工事に、
3,500円という大金を寄付しました。


榮三郎) 港の発展が、大阪、ひいては、日本の
     発展につながれば、うれしい思てます。
     大阪という町に支えられて、ここまでやっ
     てこれた、せめてもの恩返しのつもりで、
     さしてもらいました。
新次郎) わても、そない思てます。

**********

そして、いよいよ。

雁助) 来年開業の予定だすのや。どうぞよろしゅう。

**********

あさ) 定款。株主名簿。
平十郎) へぇ。
あさ) 設立時銀行役員名簿。
平十郎) へぇ。
あさ) はぁ…。とりあえず提出するのは、
    これでよろしおますやろか?
平十郎) ここのはんこが抜けております。
あさ) ほんまや。さあ、お願いします。
平十郎) へぇ。これで、大蔵省と、大阪府に、
     正式に設立願の届を出して、無事に、
     認可が下りましたら、準備完了です。
あさ) はぁ~。ようやっとここまで来ましたなぁ!
平十郎) いいえ。大変なのはこれからです。
あさ) ん?
平十郎) 預金集めや貸付先の開拓、そのための諸
     会社や、資産家への挨拶回り、公債、投資先
     株式などについての知識集め、銀行業者同
     業組織である、大阪同盟銀行集会所への加
     盟に、為替など、他銀行への取り引き開始の
     挨拶回り、新聞などの開業広告などなど…。
     フフフ。心躍る、業務がたくさん待ってます!
あさ) へぇさんて、話す時はえらい楽しそうに
    話しはりますのやなぁ。
平十郎) へぇ。
新次郎) へえ~。へぇさんいうたら、こないな時は
     まるで、「竹屋の火事」だすわ。
あさ) ん? 「竹屋の火事」?
新次郎) 「ポンポン言うてる」、言うてな。
平十郎) そない言うんでしたら、私の言葉なんか、
     「やもめの行水」ですわ。
新次郎) ん?
平十郎) 「勝手に、湯(ゆう)とれ」、言いましてね。
新次郎) はぁ~! こら一本、取られましたなぁ。
     ハハハハハ!
あさ) 何の話だす? さっぱりぽんや。
新次郎) あさ。ほな、ぼちぼち行きまひょか。
あさ) あ…そうだした。ほな。へぇ!
平十郎) へぇ。
新次郎) ほなほな。


**********

新次郎) はぁ、ほなな。
あさ) ほな、行ってまいります。
店の者) 行っといでやす。
千代) 行ってまいります。


あさと新次郎は、
千代を連れて東京に向かいました。
東京で、あさの父、
今井忠興の祝賀会に招待されたのです。

**********

よの) はぁ…千代がいてへんとさみしいなぁ。
さち) へぇ。今井銀行さんのお祝いの会いうたら、
    さぞ豪華なんだすやろなぁ。
よの) そうだすやろなぁ。政府とかのお偉いさん達
    がぎょうさん集まりはるみたいだすしなぁ。
榮三郎) 御一新からもう20年か。ハハッ…。結局
     商いの世界で言うたら、今井の独り勝ちみ
     たいなもんだしたさかいな。お姉さんは…。


(回想)
あさ) 頭はええし、小さい頃からお商売には熱心
    やし、ほんまに榮三郎さんは、うちの弟の
    久太郎とはまるで違て立派やて。


榮三郎) …なんて言うてはったけど、弟の忠嗣さん
     いうたら、今井家の跡取りやいうだけやのう
     て、今や鉱山最大手の社長さんだす。かな
     うはずあらしまへん。
さち) まあ。
よの) 何を弱気な事言うてますのや! 榮三郎。
    あんたかてもうじき、頭取さんだすがな!
榮三郎) そらそうだすけど…。
かの) 大奥様。そないいうたら、ちょっと弥七さんが
    お話ししてたの耳に挟みましたんやけどな。
よの) ん? 何だす?
かの) 大番頭さんの事なんだすけどなぁ。
さち) 大番頭さん、今日風邪で休んではりますなぁ。
かの) へぇ。その大番頭さんに近頃度々、
    手紙が届いてるみたいで。
榮三郎) 雁助に手紙が?
かの) へぇ。それで、大番頭さんここ辞めて、
    違う所に移る支度してはるんやないかて、
    噂になってるそうだす。
よの) あれまあ!
榮三郎) ごちそうさん…!
さち) 旦那様…。

**********

弥七) 大番頭さんもなぁ。
榮三郎) 弥七! 雁助の噂いうのは、
     ほんまの事だすのか?
弥七) へ? あっ、かのさんだすなぁ…。
    あのおしゃべりめ!
榮三郎) 弥七も大概だすがな!
     …で、その手紙いうのは?
弥七) あ…へぇ。それが、差出人も聞いた
    事あらへん名前やし、中身もよう分か
    らしまへんのやけどなぁ。
榮三郎) 何や中途半端な噂やな。
平十郎) しかしそれはあきません。
     大番頭さんはこの加野屋にとっての、
     財産です! 失うと、そろばんでは
     はじききれんほどの損失になります。
弥七) はぁ~さすが極め付けの始末屋や。
    考える事が違てますなぁ。
平十郎) それに、自分の右腕となる有能な
     働き手を連れて、一緒に出てしまう
     という、おそれもありますから。
クマ) 有能な働き手?
佑作) もしかして、
    弥七さんの事やあらしまへんのか?
弥七) は? いやいやいや、そんな、わ…わては、
    この加野屋に、恩義がありますしやなぁ。
    フフフフフ。


**********

それから数日後。

雁助) はぁ?
    外務大臣の、井上馨様と話しはったて?
あさ) へぇ。そうだす。大蔵大臣の松方正義様や、
    ほんまようけのお方とご挨拶さしてもろて…。
    ありがたや、ありがたや。
新次郎) 何が「ありがたや」や。自分から人 
     見つけてはどんどん挨拶しに 行って
     しもて、わてヒャ~ッとしたがな。

(笑い声)
榮三郎) 目に浮かぶようだすなぁ。
新次郎) 振り回されてもうクタクタだすわ。
よの) …で、今井のお父様には
    きちんとご挨拶できましたのか?
あさ) へぇ。ほんま忙しみたいで。聞いてみたい
    銀行の話なんか一つもでけしまへんだした
    けど。ようやっと千代の顔だけは、見せる事
    がでけました。
よの) うん。そらよかったこと。
あさ) あの時のお父はんの顔いうたら…!


(回想) 
千代) おじいちゃん。

忠興) あさ…!
(子供の頃のあさが見えて、目をこする忠興)



忠興) わぁ…。
千代) お初にお目にかかります。千代でございます。
忠興) なんと!



新次郎) びっくりしはんのも当然だす。
     小さい頃のあさとは似ても似つかへん、
     お利口さんな挨拶やったさかいな。
あさ) はぁ?
よの) そうだすやろなぁ。あ…ああ! あささんが
    初めてうちに来た時の挨拶ゆうたら…!
    ハハハハ!


(回想)
あさ) 加野屋さんのために、その…
    ええお嫁さんになれるように…
    な…なれるやろか? その…。


雁助) 懐かしおますなぁ。(くしゃみ)
あさ) 雁助さん、大丈夫だすか?
雁助) へぇへぇ、
    ただの風邪の治りかけでおますさかい。
榮三郎) お兄ちゃん、ちょっと、よろしおますか?
新次郎) ほう。
榮三郎) (小声で) ちょっと…。
新次郎) 何だすやろ?
平十郎) 奥さん、お帰りやす。
あさ) ただいま戻りました。
    あ…せや。それでその席で伊藤様に、本気
    で銀行やるならまずは、渋沢栄一様に教え
    請うた方がええて言われたんだす。
平十郎) はぁ!?
よの) その、渋沢さんってどんな人なんだす?
平十郎) へぇ。渋沢栄一様は、「西の五代、東の
     渋沢」といわれまして、銀行の神様と呼ば
     れたお方です。私の、昔々の上司です。
あさ) へぇ。五代様とおんなじで、政府のお仕事
    辞めて、日本の経済のために尽くしたはる
    お方だす。あ…そやさかいその、伊藤様の
    紹介で早速会いに行きましたんやけど。
    お忙しいお方やさかい、さすがにお会いで
    きまへなんだ。
よの) へぇ。そりゃ、新次郎も千代も、
    クタクタになるはずだすわ。ハハハハ。
雁助) いやいやいやいや…いや、あの…
    その前に、伊藤様て…内閣総理大臣の、
    伊藤博文閣下だすか?
あさ) へぇ。その伊藤博文閣下だす。
    えらい親切で朗らかなお方で!
よの) ほう、その伊藤さんいう人も、
    お偉い人なんだすか?
雁助) い…いや、偉いいいますか…。
    はぁ~さすがおあさ様や。
あさ) せやさかい、渋沢様に会えるように、
    お手紙書いてみよて思てます。

**********

よの) 千~代! あんたのおじいちゃんに、
    お会いでけたてなぁ。
千代) へぇ。そやけど、あんまり立派な雰囲気
    のお方やったさかい、何や緊張してしもた
    んだす。けったいな子やて、思いはったん
    と違うやろか?
よの) ハハッ。今井のおじいちゃんやで!
    あんたのお母ちゃんを育てたお方だす。
    もうちょっとやそっとでそないな事…。
    けったいな子やなんて思わはるはずが
    ありません。こないなかわいらしいのに!
千代) ほんまに?
よの) うん! ほんまほんま。お父ちゃんもな、
    「お利口さんなご挨拶やったで~」言うて、
    言うてはりましたで。
千代) そやったらええのやけど。せや。
    おばあちゃんにお土産買うてきましたのや。
    見て、これ。
よの) あ~れ~あらあら、かわいらしいこと。まあ!
千代) なあ!
    おばあちゃん、気に入りはるて思いましてん。



**********

新次郎) 雁助…まだ、迷てるみたいだすなぁ。
     榮三郎が改めて話したけど、
     はっきりした返事せぇへんかったらしい。
あさ) そうだすか。
    榮三郎さんも、心配したはりますやろなぁ。
新次郎) うん。誰か一緒に連れ出すこともあんの
     やないかて、そないな心配してましたわ。
     …とか言うても、わては雁助は、もう出て
     いくて心決めてるて思いますのやけどなぁ。
     ん? 何で泣きそうな顔してますのや?
あさ) いいや。何も…。
新次郎) しゃあないなぁ。

あさはこの時、
つらい決断をしたのでした。


**********

うめと猫と雁助と…あんなうめの顔を見てしまったら…。
夫婦のように、やさしく寄り添う2人を見てしまったら…。
もう十分守ってもらったものね。うめにも幸せになってほ
しいよね。大好きなうめの幸せを願わないはずはなく…。
あさはつらい決断をしたようですが、気になるのはあの
手紙の主。恐らくは雁助の…。ハラハラするけど、脚本
を信じて…雁助さんを信じて…展開を待とうと思います。

東京での父・忠興との再会は、同じ顔なのに中身が違
う孫の姿に驚き、そして嬉しそうなお顔が印象的でした。
久々に見比べると、髪型、着物の色、そして何より、ほ
くろのあるなしで2人の違いを表していたのが分かりま
す。ほくろがあるだけで、大分印象が変わるし、立ち居
振る舞いの違いも大きいし。顔は同じでも、中身が違う
女の子を上手に演じているなぁと。さすが梨央ちゃん!

こちらがちびあさ↓



で、こっちが千代↓



あさだったらおばあちゃんにカエルをおみやげに渡し
てしまいそうだけど、千代ちゃんはかわいいお人形
を選ぶあたり、本当に女らしいタイプの優しい女の子。
おばあちゃんがまたかわいらしい人だから、影響され
ているのかもですが。お人形をもらったよのさんが嬉
しそうで、中の人を見ていてもいつも思うのだけれど、
あんな風にかわいらしく年を取っていけたらいいなぁ。
あんないい笑顔を見ちゃうと、退場が近いんじゃない
かと不安にもなってきたりして…。加野屋からなじみ
の顔が減っていくのが寂しくてたまらないこの頃です。


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●「あさが来た」HP


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