「あさが来た」第51回~学問だけではどうにもならない現実の壁 | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「あさが来た」 第51回
第9週 「炭坑の光」
学問だけではどうにもならない現実の壁


あさ) 亀助さん。ほんまは、うちな…。
亀助) はい?
あさ) ほんまは、人並みに、旦那様のそばにいてて、
    お世話したり、いつか、ややこを育ててみたい
    て、思う事もあるんだす。
亀助) え?
あさ) せやけど何やろ? 今は、気張れば気張る程、
    旦那様から離れてしまうみたい…。
    旦那様は、一つも悪い事あれへんのだす。
    うちが、旦那様の優しさに甘えてますのや。
    お母はんは、「胸張って生き」て言うてくれは
    ったけど。このままやったら…このままやった
    らうち、嫁失格やなて。あ…嫌や。堪忍!
亀助) いや、堪忍なんて、何も…。
あさ) 堪忍。亀助さんに、
    けったいな事聞かしてしもたな。
亀助) けったいなんて何も…。
あさ) 忘れとくなはれな! さあ、今は炭坑、炭坑。
    坑夫さんの事だけ考えな!
亀助) いいや、若奥さんかて、人の子だすがな!
    そないにいつも、真剣に坑夫の事ばっかり
    考えんかて!
あさ) いいや。うちは、坑夫さんの事も、
    家の者みたいに大事に思てんのやさかい。


**********

(そっとカズの肩を抱こうとする治郎作)
カズ) ああた…。

**********

手紙・亀助) 「おふゆちゃん。大阪はどないだすか?
       今頃は、道頓堀で、大歌舞伎の船乗り込
       みとか、やってる頃だすやろか。こっちは、
       そないな華やかさとは無縁の、男の世界
       だす。おふゆちゃんには、思いもつかへん
       やろけど、炭坑は、何百尺いう計り知れへ
       ん地ぃの底で働くのだす。わても、自然に、
       キリリと気の引き締まる覚悟で…」。

(物音)
亀助) わ~っ! 
    はぁ…何や、若奥さんかいな。
    びっくりしたがなぁ。
あさ) おはようさん。
亀助) おはようさんだす。


まだ暗闇ではありますが、
朝がやって来ました。
炭坑の朝は早いのです。

**********

サトシ) おい、起きろ!
     ほれ! さっさと起きて、山に入れ!
     起きんかい。何ブラブラしようとか!
     日が明けるったい。
坑夫) 腰が痛かとです。今日は休ませち下さい。
サトシ) ああ? 何ちゃきさん!
     今頃になって仮病ば使いよって、
     俺をごまかす気か。こん横着者が!
あさ) あ、あの…体きつかったら、今日は…。
サトシ) (大声で) よそ者が邪魔しよんなあが!
     そげんなまやさしか事すりゃ、山ん坑夫た
     ちゃすぐにみんな甘えて、スカブラすっぞ!
     バカたれが!
あさ) ス…スカブラ?
治郎作) 若奥さん。余計な事しなんな。
あさ) へ? あっ…。


**********

サトシ) ブラブラすんな! 早せえ!
あさ) すんまへん、親分さん。そやけど…。
治郎作) スカブラっちゅうのは、怠けるっちゅうこと
     っちゃ。ヘヘッ。俺でん分かる。あん坑夫は、
     怠け癖のついとっとたい。やけんサトシが、
     厳しゅうしよるったい。坑夫も坑夫たい。
     人んよか納屋頭だと、逆に、なめられて押し
     が利かん。確かに、サトシはようけポンハネ
     しとる。ばってん、できの悪か納屋頭じゃあ
     なか。山には山のやり方があるったい。うか
     つに変えられんとよ。
あさ) 親分さんも、 
    改革はせん方がええ思いはりますか?
治郎作) いつかはせんといかんのかもしれん。
     けんど、それが今かどうかは…分からん。
あさ) うちは、今や思うんだすけど。


**********

福太郎) ちょっ…姉御! やめちくれんね。
     怪我でんされたら困るばい。
あさ) みんながこないして働いてんのに、うちだけ
    何にもせぇへん道理がありますかいな。
    それに、怪我して困んのは、
    うちも皆さんもおんなじだす。
福太郎) ハハッ。さすが、姉御たい。
伊作) 岡出し姿も板に着いてきたごとある!


**********

あさ) よりようけの石炭を採った組の坑夫さんには、
    加野屋からじかに、ご褒美を差し上げます。
    これは、皆さんのための、新しい制度だす。
    みんな平等にええ思いして、この炭坑で働く
    事に、この先生きてく事に、夢、持ってもらい
    たいんだす。

(ざわめき)
あさ) 納屋頭さんのお仕事も、何も、のうなる訳や
    あらしまへん。皆さんには、これからも現場
    仕切ってもろて、そのお手当も、加野屋が十
    分にお支払いしよ思てます。どうか、分かっ
    とくなはれ。
伊作) 今ん話はどげん意味なん?
紀作) ピンハネが、のうなるっちゅう事か。
坑夫) そりゃえらい儲けが増える事になるばい。
亀助) え~もし、異論がないみたいだしたら、早速…。
サトシ) みんな! だまされたらつまらんぞ。みんな
     平等なんちうまい事言うて…。この世に平等
     なんちあるか。その証拠に、掘っとるのは俺
     らやいうのに、立場が強いんは、銭持っとる、
     あんたら加野屋さんたい。世の中銭たい!
     銭持っとる者が強いとたい。
     みんな、だまされたらつまらんぞ。こいつら、
     俺たち弱い者を、少ない銭で働かしち、
     ボロ儲けしよ思うとるとたい!
あさ) そんな…うちは、皆さんのためにて…。
サトシ) (大声で) 何が平等か!
     お前んだち金持ちの理屈を、勝手に
     こん山に持ち込まれてたまるか!
福太郎) そうちゃ、そうちゃ。俺だちにゃ、
     俺だちのやり方があるったい。
サトシ) そうたい! お前だちゃ、加野屋と俺と、
     どっちがお前だちの味方やち思う?
     お前だちが、こいつらの言う事聞く言うなら、
     どげんこつなるか…。覚悟しとけよ!
伊作) そ、そ…そげな、
    か…金持ちの話、聞く訳なかろう!
紀作) そうちゃ。納屋頭の言うとおりたい。
カズ) やっぱり…。
宮部) 言ったとおりっちゃ。誰も聞きゃせんて。
亀助) なんちゅうこっちゃ。
あさ) 何でだす? 何でだす!?
    今のままで、ほんまにええんだすか?
    何で勇気出して、今を変えようとしはれへんの
    だす? うちは…うちはみんなに、その日暮らし
    やのうて、夢持って働いてもらいたいて…。
サトシ) 夢なんかいらん。
     そんなん、金持ちのみるもんちゃ。
     おい、行くぞ。
坑夫) へぇ。
あさ) (ため息)

**********

手紙・亀助) 「若奥さんが、みんなのためにと
       考えた申し出は、坑夫たちの耳には
       届きまへなんだ」。

正吉) う~ん。苦労かけてるなぁ…。
ふゆ) 「まだ、しばらく帰られへん」て書いてあります。
うめ) ほんなら、新次郎様のお三味線の会が…。
    おあさ様えらい楽しみにしてはったのに。
新次郎) ハッ。
     わての道楽なんぞ、どないでもよろし。あさは、
     お家のために頑張ってくれてますのや。
うめ) そらそうだすけど…。
新次郎) ええのやて。けど、ふゆちゃん宛てに
     手紙まで書いてくるやて、亀助もなかな
     かやりますなぁ。
ふゆ) 新次郎様…。
正吉) (ため息)

**********

(仲の良い男女の姿を寂しげに見ている新次郎)
新次郎) (鼻歌)
(物陰から新次郎の様子を見ているよのとかの)

**********

美和) ♪港入り 新造船
大久保) さすが、
     かつては大阪で一番といわれた芸子だ。
美和) おおきに。
    美和と申します。どうぞよろしゅう。
友厚) よろしゅう。私は…。
美和) 五代友厚様。大阪の恩人さんだすなぁ。
    大阪の人間で、五代様のお名前を
    知らん者はいてしまへん。
大久保) お~さすがじゃのう!
     美和。この男は、大阪の恩人であるだけ
     でなく、日本の恩人じゃ。五代友厚がおら
     なんだら、日本の金銀は、外国に全部か
     すめとられておった。
友厚) 大げさな。
大久保) 戻ってきてくれ、五代君。東京に来て、
     我が国の、大蔵卿になってくれ。


**********

(本を読むあさ)
あさ) (ため息)

そして、あさは、
学問だけではどうにもならない、
現実の壁に、突き当たっていました。

**********

亀助にもらしたあさの本音は、亀助のいうとおり、人
の子なら当たり前に望む事。四男坊やら、ヒゲの若
奥さんと揶揄される男まさりのあさだって、人間だも
の、中身は誰よりも女らしい、おなごさんだもの~!
それでもまだ…本音を言える人が、亀助がいてくれ
てよかった。女子力高めの亀助だからこそ、あさも
気を許せるのかもしれません。丸こい文字で、ふゆ
に手紙を書く亀助の乙女心に萌え♪ 亀助の恋心を
見抜く新次郎のセリフには完全スルーで、新次郎し
か目に入らないおふゆちゃん。そんなふゆを鋭い視
線で牽制するグッジョブなうめ。頼りがいあるよね~。

それにしても、「家政婦は見た」もびっくりぽんな、も
う最近ではお約束の、「よのは見た」が再び…。どん
だけ家の中やら外やら見張っているんだ、よのさん。
寂しげな息子の姿を見て、よのさんが動く…のか?
よからぬ事を、やらかしそうで、やらかさない。いや、
やらかさないで欲しいのだけれど、よのさんが気に
なって仕方がない。とっととイケズやってくれ~(違)。

あさの提案は、ピンハネされた賃金より、あきらかに
儲かるはずなのに、無茶苦茶なサトシの言い分に言
いくるめられる坑夫たち。大声出したもん勝ちなのか、
サトシがよほど怖いのか…。夢は金持ちがみるもの。
そういえば、貧乏で夢嫌いの女の子がいましたね…。
学問だけではどうにもならない現実の壁。何しろ相手
は学問を知らない。実感できる、分かりやすさが必要。
相撲では解決しそうにないしねえ…。どうする、あさ?


「あさが来た」関連ブログはこちらから↓
「あさが来た」関連ブログリスト

●「あさが来た」HP


ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村


連続テレビ小説 あさが来た Part1 (NHKドラマ・ガイド)/NHK出版
¥1,188
Amazon.co.jp

NHK連続テレビ小説 あさが来た 上/NHK出版
¥1,404
Amazon.co.jp

広岡浅子 明治日本を切り開いた女性実業家 (星海社新書)/講談社
¥929
Amazon.co.jp

文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 (潮文庫)/潮出版社
¥734
Amazon.co.jp