「あさが来た」第21回~あさは加野屋の働き手に。世は徳川から新政府に | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「あさが来た」 第21回
第4週 「若奥さんの底力」
あさは加野屋の働き手に。世は徳川から新政府に


侍) 泊まれる場所はここしかない。どうじゃ?
あさ) はぁ~びっくりぽんや。
侍) さあ、悪い事は言わん。もう帰って…。
あさ) お邪魔申します。ごめんやす。
うめ) おあさ様! おあさ様! お待ち下さい。
    ほんまにこんなとこで、
    寝泊まりしはる気だすか?
あさ) へぇ。表より、ずっとよろしで。
    風も雨も、避けられるし…。
    よいしょっと。うめは、もう帰っとくれやす。
    旦那様たちに、うちは帰らへんけど、
    心配あらへんて伝えてもらいたいのや。
うめ) そやけど…。
あさ) 心配あらへん。
    ここは、うちと亀助さんで十分だす。
亀助) いやいやいや…十分な事あらしまへん!
うめ) 承知致しました。
亀助) へっ?
うめ) ほな、すんまへん。お先に。
亀助) いやっ…お伝えならわてが!
    ああ…行ってしもた。
あさ) 亀助さん。早こっち!
亀助) すんまへん。すんまへん。
    えらいすんまへん。
男) 何じゃい?
亀助) ごめんやっしゃ。
    そやけど若奥さん、何でこないな事まで
    しはるんだすか?
あさ) 何言うてますのや。これは好機だす!
亀助) は?
あさ) 今まで門前払いやったのが、こないなとこ
    まで入れて頂けたんだす。
きっと、うちの事、
    ちょっとは認めて
くれはった証拠だすがな。
亀助) 「こないなとこ」て、加子部屋だっせ。
あさ) へえ~加子部屋いいますの。
    こんばんは。うち、お武家様のお屋敷、初めて
    入りました。えらいぎょうさんで一緒に寝はりま
    すのやなぁ。
こないな季節は、その方が寒のう
    てよろしなぁ。
侍) あきれた…。勝手にしろ。
あさ) はれ?
亀助) 認められたんやおまへん。
    あきれられただけだすがな!
あさ) さあさ、ほんなら、寝ましょか。
亀助) へっ、寝てしまいはるんだすか!?
あさ) へぇ。いつまで待たされるか、分からへんの
    やさかい。
今のうちに、休んでおきまひょ。
亀助) いやっ、そやけど…。
あさ) ほな、おやすみなさい。
亀助) はぁ~なんてお人や。

**********

侍) おう、どうじゃ? 
あさ) う~ん! あ~よう寝た。

**********

新次郎) ああ…あ~帰ってけぇへんがな!
正吉) 男のくせに、落ち着きなはらんかいな!
    いっぺん任してしもたんやったらもう、そら…
    嫁はんを信じて、ドンと構えときなはれ。
新次郎) お父ちゃんかて、
     さっきから何べんそろばん入れてますのや!
正吉) 何べん入れても合わへんのや!
新次郎) わてのせいや…。わてが商売なんか
     興味あれへん言うて逃げてしもたさかい、
     あさに無理さしてしもたんや。
榮三郎) へぇ、お兄ちゃんがそないな事
     言うやなんて、珍しいなぁ。
新次郎) こんなんやったら、わてがついてたったら
     よかった。いや…やっぱり無理やな。わては
     何があっても、加子部屋なんかに寝とうない。
     金輪際寝られへん!
雁助) そらそうでおますわなぁ。
うめ) それでも心配ではございますけど、
    今のおあさ様は、大坂に来て
    一番生き生きしておられます。
新次郎) 生き生き?
うめ) へぇ。そやからお金の事は分かりまへんけど、
    お体だけはきっと、ご無事で戻られると思いま
    す。ご存じのようにおあさ様は、かわいらしい
    だけのお嬢様さんじゃございまへん。
雁助) それもほんまそうでおますわなぁ。
弥七) 新次郎さ~ん! 若奥さん、お帰りだす。
新次郎) ほんまか!
正吉) おっおっおっ…。
新次郎) どけ!
正吉) どこや? どこや?
新次郎)  どこや? どこにいてんねん?
正吉) え?
あさ) 旦那様~!
新次郎) おおっ、あさ!
うめ) あっ、また大股で、もう…。
あさ) はぁ~!
    お父様、旦那様、返して頂きました!
新次郎) へ?
正吉) 返してもろた!?

**********

あさ) これだす。まだ、お貸ししたお金全部の、
    十分の一にもなりまへんけど。

(感嘆の声)
榮三郎) うわっ、お金や!
正吉) これ、どないして返してもらいましたのや?
あさ) どないして? いや…格別な事は、何も。
雁助) 寝泊りしただけで十分格別だっせ。
亀助) そのとおりだすわ。
    朝になって、ようようお勘定方のお人が出て
    きはって、「これ以上この若奥さんに居座ら
    れては、かなわん」言うて返してくれはったん
    だす。
正吉) へぇ。お…お侍さんが、
    おなごのあさちゃんに負けたんかいな!
亀助) 根負けだすわ。しかも、返してもろた途端、
    「おなかすいた。おなかすいた」言うて、
    使用人たちと朝ご飯まで食べて。
あさ) へぇ。大変おいしゅう頂きまして。
うめ) あ~ぁ、京都の旦那様、奥様、
    お許し下さい!
新次郎) はあ~あ、勘弁してぇな。
     わてがどんだけ心配したか…。
あさ) 心配かけてすんまへんだした。
    それでもこれで、ようようお役に
    立てたと申しますか…。
新次郎) アホ! わてが心配してたんは
     お金やあれへん。あんたや。
あさ) へ?
新次郎) あないなとこに女一人で…。ええか? 
     いざとなったら、お金なんかどうでもええんや。
     大事なんは、あんたの身ぃやで。
あさ) はぁ…身ぃだすか。
新次郎) (ため息)
     もうええわ。風呂でも入ろ。
榮三郎) ゆうべから風呂も入らんと、
     待ってたんだす。
あさ) そうだしたか…。旦那様、堪忍。


**********

正吉) ようやってくれはった。ご苦労さん。
あさ) へぇ。そやけど、何や、
    やり過ぎてしもたみたいで。
正吉) ハハッ。そうやなぁ。まあ、けど…
    「泳ぎ続けるもんだけが時代の波に乗って
    いける」。そういう、事かもしれまへんなぁ。
あさ) 泳ぐ? はれ? またサンマの話だすか?
正吉) あんた今日から、
    正式に加野屋の働き手の一人だす。
    どうぞ、よろしゅうお頼申します。
あさ) へぇ。もちろんだす。
    こちらこそ、よろしゅうに!


**********

それからというもの、あさは、
正吉から頼まれた、
藩の蔵屋敷を回り、
少しずつではありますが、
借金を回収していきました。

水を得たように魚のように働く、
あさとは対象的に、はつは…。


(井戸を見ているはつ)
ふゆ) おはつ様。
(物音)
(まき割りをしている栄達)
はつ) あきまへん。お父様がそないな事を…。
栄達) かまへんかまへん。
    近頃店の者が減ってしもたからな。
    これぐらい自分でやらんと。
はつ) そやけど、まき割りやなんて…。
栄達) わしはもともと、この家の、番頭だす。
    こないな事、慣れてますのや。ほら。
ふゆ) まあ、立派なタコ。
はつ) ほんまに。
栄達) すまんかったな。
はつ) へ?
栄達) いや…この店に嫁いできた事、
    ほんまは、後悔してるんやないかと思てな。
はつ) いいえ、そないな事は…。
栄達) ハハッ。ええねんで。わしかてそうや。
    先代に認められて、丁稚から番頭、それから
    入り婿って、とんとん拍子に進んだけど…。
    今が一番きつい。何せ、嫁はんがあれや。
    アハハハハ! せやけど、あいつはあいつで、
    ご先祖様から引き継いだこの家を守ろうて、
    必死なんや。悪う、思わんといてや。
はつ) へぇ。
栄達) どないしたんや、惣兵衛。
惣兵衛) えらいこっちゃ。
     徳川様の幕府が…のうなってしもた。

(よろめく惣兵衛)
はつ) あっ、旦那様!

**********

1868年(慶応4年)

亀助) ああ~っ、徳川様が戦に負けて、
    大坂城に逃げ帰ってきたて!
雁助) 徳川様が負けたやて!
あさ) えっ、何で!?
弥七) ばばばば…番頭さ~ん!
    えらいこっちゃ! 外が騒がしい思たら…。
亀助) 何や?
雁助) 何や?

(半鐘の音)

こうして、
激動の時代は幕を開けたのです。
大坂にとっても、あさにとっても…。


(大坂城炎上)
あさ) 大坂城が…。
    大坂は、どないなってしまうのやろ…。


**********

徳川幕府に代わって政権を握ったのは、
薩摩藩と長州藩を中心とした、新政府でした。


正吉) 大阪の商人皆集まれてのは
    一体何だっしゃろな?
栄達) ろくな事やあれへんに、決まってますわ。
    お~怖っ。


**********

あさ) お父様が、二条城に?
よの) そうだす。新政府から何たらいう、
    新しいもんに呼び出されてなぁ。
    何なんやろなぁ?
あさ) 新政府…。


**********

正吉) ハッ…。ハッハッハッ…。ヘッヘッ、ハァ…。
亀助) どないしはりました?
正吉) みみみ…水!
亀助) 誰か、旦さんに水!
雁助) 水。水、早う!
正吉) お家の…お家の一大事や!
    ああ、おおきに。
亀助) 旦さん?
正吉) う~っ!
亀助) だ…旦さん! 大丈夫だすか?
雁助) 旦さん?
正吉) はぁ~痛~い! 


**********

雁助) 10万両!?
正吉) そや。この加野屋に、10万両を調達
    せえという、ご沙汰が下ったんや。
よの) 十万両いうたら、どんだけ?
あさ) 千両箱で数えたら、100箱だす!
よの) ひゃっ…100!
亀助) 数字に強いなぁ、若奥さん。
榮三郎) そないな大金、
     聞き間違いと、違いますのか?
新次郎) せや。なんぼなんでも無理がすぎるわ。
正吉) 新政府はなぁ、更に江戸に向こうて討幕の
    兵を進めると言うて、その軍資金に10万両。
    そんなもん支払える訳…!
あさ) お…お父様!?
よの) お前様!
正吉) あかんあかん…。
亀助) 旦さん、旦さん!
あさ) お父様!
よの) しっかりしなはれ!
亀助) 旦さん!
よの) しっかりし!


**********

前半は借金回収コント♪ まるで動じないあさと、貞操
の危機に怯える(嘘ですw)亀助さんの対比に笑った。
あさの場合は、知らない強味と言いますか、世の中を
とにかく肯定的に受け止める素直さが、何よりの武器
なのだと思う。それは、疑うことを知らない育ちの良さ
であり、ありのままの自分を愛されてきた人間の強さ。
躾として、怒られたり叱られたりはするけれど、とんで
もない子だと言われつつ、その人間性が否定されたり
することもなく、みんなに愛されてきたあさだからこそ、
自分が信じるままに真っ直ぐに行動できるのだと思う。

新次郎はもちろんのこと、義父にも、店の者たちにも、
みんなに愛されているあさ。雁助さんの流れるような
ツッコミと、平静を装いつつ、あさが帰ってきたと聞い
た時の店の外に飛び出す姿には、雁助さんの隠しき
れないあさへの愛情を感じて顔がにやけてしまった。
男くさ~い加子部屋で、ぐっすり眠って、朝ご飯まで
食べてくる大物ぶりには…女でも惚れてまうやろ~。

そして、ついに徳川幕府が倒れ…新政府から呼び出
されて帰ってきた正吉さんの、動揺ぶりが半端ない!
10万両調達しろって言われても…。千両箱100箱って
言われても…蔵の中はガラガラなのに~。新政府は
鬼だね! 幕末ものといえば、侍から見た幕末ばかり
なので、町人・商人視点での幕末は、とても興味深い。
そりゃあ、お武家さんたちも大変だっただろうけれど、
考えてみれば、一般市民もかなり大変だったはず…。
260年あまり続いてきた政権が変わるって、凄いよね。

キングコブラの夫、栄達さんが悪い人ではないことが
知れてよかったけれど、キングコブラがお家のために
頑張ってきた事も理解できるけれど…。やっぱりはつ
が心配です。キングコブラのご乱心があるんじゃない
かと、ついつい、余計な心配が頭をよぎってしまって。
あさがいるからきっと大丈夫~とは思っていますけど。
幕末朝ドラ、思った以上に新鮮で、面白いです(*^^)v


「あさが来た」関連ブログはこちらから↓
「あさが来た」関連ブログリスト

●「あさが来た」HP


ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村


連続テレビ小説 あさが来た Part1 (NHKドラマ・ガイド)/NHK出版
¥1,188
Amazon.co.jp
NHK連続テレビ小説 あさが来た 上/NHK出版
¥1,404
Amazon.co.jp
文庫版 小説 土佐堀川 広岡浅子の生涯 (潮文庫)/潮出版社
¥734
Amazon.co.jp