グレーテルのかまど （10月17日放送）
漫画家・いくえみ綾のドーナツ
こんがりきつね色に揚がったドーナツ。
懐かしい素朴なおやつとして、
お馴染みですよね。そんなドーナツが、
物語の重要なカギを握る人気漫画が、
いくえみ綾の、「（きよくやわく）」。
こんがりきつね色に揚がったドーナツ。
懐かしい素朴なおやつとして、
お馴染みですよね。そんなドーナツが、
物語の重要なカギを握る人気漫画が、
いくえみ綾の、「（きよくやわく）」。
大切な人を失い、心に傷を抱えた若者達が、
支え合って生きていく姿を描いた、
青春物語です。ここに登場するドーナツ。
人を励ます、とっておきのアイテムなんです。
今日は、漫画家・いくえみ綾が描いた、
ドーナツの、癒やしと再生の力に、迫ります。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
潔く柔く。ＡＣＴ６。
主人公は、高校生の、赤沢禄。
小学生の頃に暮らしていた町へ、
母と共に東京から戻ってきました。
禄は、幼い頃、心に深い傷を負い、
今も引きずっていました。
それは、禄が小学４年生の時の事。
学校の、遠足での出来事でした。
幼なじみの、希実と歩いてると、
クラスメ―とに冷やかされます。
おまえ離れろよ。
え？
そこに、一台の車が。
（衝突音）
この事故で、禄は、
一命を取り留めましたが、
希実は帰らぬ人に…。
以来、禄は、
自分のせいで、希実が死んだ、と
自分を責めて生きていました。
ある夜の出来事。
禄の夢の中に、希実が現れます。
あの頃と変わらない、無邪気な希実。
そんな希実を前に、禄の心に、
おばあちゃんの作るドーナツを
食べさせたい、という気持ちが募ります。
ドーナツは？
たべたい！
すげえぞ
ものすごい砂糖のカタマリがのっかってんだぞ
うわ～～～ たべたい たべたいっ
ばあちゃんっ
ハイ おかえり～
ドーナツつくって！
チョコとかハデな砂糖のついた 激甘の アレ！
更に、おばあちゃんにこんな注文も。
一個、犬にして
希実が、可愛がっていた愛犬のロクを、
かたどってほしいとリクエスト。
この、ちょっと変わったおばあちゃんの
ドーナツこそ、禄の心の温かさ、
精一杯の、希実への気持ちだったのです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
作者・いくえみ綾さんは、なぜ物語にドーナツを登場
させたのでしょう？ そのココロ、漫画の読者には、お
なじみの姿で、いくえみさん自身に語って頂きます。
（いくえみ綾）
ドーナツは、やっぱり素朴さが一番でるかなって
いうのがあります。手作りの素朴さが、一番ドー
ナツな感じですよね。
確かに、ドーナツといえば、昔からお母さんや
おばあちゃんが作ってくれるおやつってイメージ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
例えばこちら。大正時代の雑誌。
クリスマスのおもてなしに、
ドーナツケーキですって！
続いてこちらは、昭和５年の新聞。
子供向けのヘルシーおやつとして、
さつまいもを使ったドーナツが紹介されています。
なるほど。ドーナツは、
まさに手作りの温かさ、って感じですね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
とにかく、
ドーナツが大好きないくえみさん。
３食全部ドーナツでもいい、
というほどの大好物なんです。
中でも好きなのは、全体をグレーズドした上に、
更に、アイシングしたドーナツ。
甘ければ、甘いほどいいんだとか。
（いくえみ綾）
なんかこういうグレーズドしてあるのが好きなんで
すよね。スイーツといって甘さ控えめっていうのが
本当に腹が立つんですよ。全然ダメなんですよ。
でも、一番好きなのは、
昔ながらのオールドファッションなんですって。
（いくえみ綾）
なんか、一番安心して、いつでも食べられるってい
うか、外側がこう固くて、生地自体もちょっと甘いの
がいいんですけど、なんかこう、安心しますよね。
食事でいう、白米みたいな感じです。
そんないくえみさんから、
リクエストを頂きました！
（いくえみ綾）
ヘンゼル君、かまどさん！
ぜひ私の大好きな、ゴツゴツした食感の、
オールドファッションを試してみて下さい！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ちょっと一息Tea Break！
最新の個性的なドーナツの数々を紹介しちゃいます。
まずは、
クロワッサン生地のドーナツ。
薄い生地が何層も重なって、
サクッとした歯応えなんですって。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続いて、こちらは焼きドーナツ。
揚げずに、型に生地を流し込んで焼いてあるので、
ケーキのようにふわふわ、もっちり。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
そして、こんな変わり種も。
ムースをリング状に固めた、冷たいドーナツ。
とろけるような口当たりが、特徴なんです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
いろ～んなバリエーションが生まれていますが…
ドーナツをドーナツたらしめるのは、
真ん中に、穴の開いた独特の形よね。
でも、その昔オランダで、
ドーナツが生まれた時、
その形は、まん丸のボール状。
まだ、穴は開いていませんでした。
このまん丸のお菓子が、
イギリス人の手で、アメリカに渡り、
家庭の味として広まっていったのですが…。
時は流れて19世紀半ば、ドーナツに大事件が！
そう、真ん中に、穴が開いたんです！
いや～ボール状のドーナツ。実は、真ん中が、
生焼けになりがちだったんですって。
それで、えいっと、穴を開けちゃったとか！
かくして、リング状になったドーナツ。
アメリカでは食べ方も劇的進化！
こちらをご覧あれ！
1930年代の、ハリウッド映画。
２人の食べ方にご注目。
ドーナツをちぎり、
コーヒーに浸して食べるこのスタイル、
ダンク・インっていうんです。是非お試しあれ！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
いくえみ綾が、愛してやまない、
素朴で、懐かしい、ぬくもりあふれるドーナツ。
艶やかなアイシングと、
ヘンゼルの力作、犬型ドーナツ。
これできっとグレの心も、
ほっと温まるんじゃない？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
癒やしと再生の物語、「潔く柔く」。
ドーナツのエピソードは、こんな風に続きます。
希実の死で、心に傷を負ったのは、
禄だけではありませんでした。
希実の姉・愛実も、悲しみに暮れる両親のもとで、
つらい日々を過ごしていたのです。
何をニコニコへらへら
笑ってるんだ おまえは
妹が死んで悲しくないのか
悔しくはないのか！
愛実の心の傷を知った禄は、
夜遅く、２人で、小学校の教室に…。
この時、愛実の心を癒してくれたのが、
おばあちゃんのドーナツでした。
２人とも、穏やかな顔してますよね。
（いくえみ綾）
ドーナツって元気にはなりますよね。
食べると元気になるし…。
だから、食べてたら幸せですよ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ヘンゼル） ドーナツは、いくえみさんの描く作品の
中では、家族のつながり。僕にとっては、
友人とのつながりです。ドーナツは、そん
な人と人とのつながりの輪の象徴なので
はないでしょうか？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
いくえみ綾さんの漫画は、心の柔らかい部分に沁み
てくる癒やしと再生の物語が多いような気がします。
適度な距離感を保ちつつ、遠すぎず近すぎず、けれ
ども、離れていても、心はどこかで繋がっているよう
な、指先が触れあっているような近しさがある関係。
登場する男の子も、女の子も、不器用で、愛おしい。
決して取り返しのつかない、過去の記憶。その痛み
の切なさに泣きながら、登場人物が少しずつ癒され
ていく物語に、読む自分も癒やされていくような…。
心がホッとする重要アイテムのドーナツは…そういえ
ば、子供の頃、最初に自分で作ってみたお菓子だっ
たかも。ものすご～くシンプルな、ふつ～のドーナツ。
あの穴が空いている、リング状のお菓子が、なんとも
言えないワクワクを、子供心にくれたものでした。どう
してあんなに美味しかったんだろう？ まだ、ドーナツ
屋さんはなかったから、手作りの出来立てっていうと
ころがポイントというか、美味しかったんだろうなあ♪
残念ながら、私はいくえみさんが大好きな、甘くデコ
レートされたドーナツは苦手なのだけれど…。眺め
るだけなら、そういうドーナツも好きというか、飾りつ
けられたドーナツの姿は、幸せの象徴っぽいかもと。
あ～でも、今こういうドーナツを見たら、つい買ってし
まいそうな…。うわ～甘い～って言いながら、苦いコ
ーヒーを飲みたいような…。ハリウッド映画のマネを
して、コーヒーにドーナツをインして食べたいような。
とっても身近なスイーツだけに、ドーナツ欲がとまら
なくなりそうで、怖い、怖い。素通りする自信…なし！
「いくえみ綾」関連ブログ↓
「いくえみ男子 ときどき女子」 Bitter Sweet Voices いくえみ綾 名言集
「ジェネレーション天国 」～必見!!マーガレット＆別マ50周年コラボSP
漫画家・いくえみ綾のドーナツ
「グレーテルのかまど」関連ブログはこちら↓
支え合って生きていく姿を描いた、
青春物語です。ここに登場するドーナツ。
人を励ます、とっておきのアイテムなんです。
今日は、漫画家・いくえみ綾が描いた、
ドーナツの、癒やしと再生の力に、迫ります。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
潔く柔く。ＡＣＴ６。
主人公は、高校生の、赤沢禄。
小学生の頃に暮らしていた町へ、
母と共に東京から戻ってきました。
禄は、幼い頃、心に深い傷を負い、
今も引きずっていました。
それは、禄が小学４年生の時の事。
学校の、遠足での出来事でした。
幼なじみの、希実と歩いてると、
クラスメ―とに冷やかされます。
おまえ離れろよ。
え？
そこに、一台の車が。
（衝突音）
この事故で、禄は、
一命を取り留めましたが、
希実は帰らぬ人に…。
以来、禄は、
自分のせいで、希実が死んだ、と
自分を責めて生きていました。
ある夜の出来事。
禄の夢の中に、希実が現れます。
あの頃と変わらない、無邪気な希実。
そんな希実を前に、禄の心に、
おばあちゃんの作るドーナツを
食べさせたい、という気持ちが募ります。
ドーナツは？
たべたい！
すげえぞ
ものすごい砂糖のカタマリがのっかってんだぞ
うわ～～～ たべたい たべたいっ
ばあちゃんっ
ハイ おかえり～
ドーナツつくって！
チョコとかハデな砂糖のついた 激甘の アレ！
更に、おばあちゃんにこんな注文も。
一個、犬にして
希実が、可愛がっていた愛犬のロクを、
かたどってほしいとリクエスト。
この、ちょっと変わったおばあちゃんの
ドーナツこそ、禄の心の温かさ、
精一杯の、希実への気持ちだったのです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
作者・いくえみ綾さんは、なぜ物語にドーナツを登場
させたのでしょう？ そのココロ、漫画の読者には、お
なじみの姿で、いくえみさん自身に語って頂きます。
（いくえみ綾）
ドーナツは、やっぱり素朴さが一番でるかなって
いうのがあります。手作りの素朴さが、一番ドー
ナツな感じですよね。
確かに、ドーナツといえば、昔からお母さんや
おばあちゃんが作ってくれるおやつってイメージ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
例えばこちら。大正時代の雑誌。
クリスマスのおもてなしに、
ドーナツケーキですって！
続いてこちらは、昭和５年の新聞。
子供向けのヘルシーおやつとして、
さつまいもを使ったドーナツが紹介されています。
なるほど。ドーナツは、
まさに手作りの温かさ、って感じですね。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
とにかく、
ドーナツが大好きないくえみさん。
３食全部ドーナツでもいい、
というほどの大好物なんです。
中でも好きなのは、全体をグレーズドした上に、
更に、アイシングしたドーナツ。
甘ければ、甘いほどいいんだとか。
（いくえみ綾）
なんかこういうグレーズドしてあるのが好きなんで
すよね。スイーツといって甘さ控えめっていうのが
本当に腹が立つんですよ。全然ダメなんですよ。
でも、一番好きなのは、
昔ながらのオールドファッションなんですって。
（いくえみ綾）
なんか、一番安心して、いつでも食べられるってい
うか、外側がこう固くて、生地自体もちょっと甘いの
がいいんですけど、なんかこう、安心しますよね。
食事でいう、白米みたいな感じです。
そんないくえみさんから、
リクエストを頂きました！
（いくえみ綾）
ヘンゼル君、かまどさん！
ぜひ私の大好きな、ゴツゴツした食感の、
オールドファッションを試してみて下さい！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ちょっと一息Tea Break！
最新の個性的なドーナツの数々を紹介しちゃいます。
まずは、
クロワッサン生地のドーナツ。
薄い生地が何層も重なって、
サクッとした歯応えなんですって。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
続いて、こちらは焼きドーナツ。
揚げずに、型に生地を流し込んで焼いてあるので、
ケーキのようにふわふわ、もっちり。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
そして、こんな変わり種も。
ムースをリング状に固めた、冷たいドーナツ。
とろけるような口当たりが、特徴なんです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
いろ～んなバリエーションが生まれていますが…
ドーナツをドーナツたらしめるのは、
真ん中に、穴の開いた独特の形よね。
でも、その昔オランダで、
ドーナツが生まれた時、
その形は、まん丸のボール状。
まだ、穴は開いていませんでした。
このまん丸のお菓子が、
イギリス人の手で、アメリカに渡り、
家庭の味として広まっていったのですが…。
時は流れて19世紀半ば、ドーナツに大事件が！
そう、真ん中に、穴が開いたんです！
いや～ボール状のドーナツ。実は、真ん中が、
生焼けになりがちだったんですって。
それで、えいっと、穴を開けちゃったとか！
かくして、リング状になったドーナツ。
アメリカでは食べ方も劇的進化！
こちらをご覧あれ！
1930年代の、ハリウッド映画。
２人の食べ方にご注目。
ドーナツをちぎり、
コーヒーに浸して食べるこのスタイル、
ダンク・インっていうんです。是非お試しあれ！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
いくえみ綾が、愛してやまない、
素朴で、懐かしい、ぬくもりあふれるドーナツ。
艶やかなアイシングと、
ヘンゼルの力作、犬型ドーナツ。
これできっとグレの心も、
ほっと温まるんじゃない？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
癒やしと再生の物語、「潔く柔く」。
ドーナツのエピソードは、こんな風に続きます。
希実の死で、心に傷を負ったのは、
禄だけではありませんでした。
希実の姉・愛実も、悲しみに暮れる両親のもとで、
つらい日々を過ごしていたのです。
何をニコニコへらへら
笑ってるんだ おまえは
妹が死んで悲しくないのか
悔しくはないのか！
愛実の心の傷を知った禄は、
夜遅く、２人で、小学校の教室に…。
この時、愛実の心を癒してくれたのが、
おばあちゃんのドーナツでした。
２人とも、穏やかな顔してますよね。
（いくえみ綾）
ドーナツって元気にはなりますよね。
食べると元気になるし…。
だから、食べてたら幸せですよ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ヘンゼル） ドーナツは、いくえみさんの描く作品の
中では、家族のつながり。僕にとっては、
友人とのつながりです。ドーナツは、そん
な人と人とのつながりの輪の象徴なので
はないでしょうか？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
いくえみ綾さんの漫画は、心の柔らかい部分に沁み
てくる癒やしと再生の物語が多いような気がします。
適度な距離感を保ちつつ、遠すぎず近すぎず、けれ
ども、離れていても、心はどこかで繋がっているよう
な、指先が触れあっているような近しさがある関係。
登場する男の子も、女の子も、不器用で、愛おしい。
決して取り返しのつかない、過去の記憶。その痛み
の切なさに泣きながら、登場人物が少しずつ癒され
ていく物語に、読む自分も癒やされていくような…。
心がホッとする重要アイテムのドーナツは…そういえ
ば、子供の頃、最初に自分で作ってみたお菓子だっ
たかも。ものすご～くシンプルな、ふつ～のドーナツ。
あの穴が空いている、リング状のお菓子が、なんとも
言えないワクワクを、子供心にくれたものでした。どう
してあんなに美味しかったんだろう？ まだ、ドーナツ
屋さんはなかったから、手作りの出来立てっていうと
ころがポイントというか、美味しかったんだろうなあ♪
残念ながら、私はいくえみさんが大好きな、甘くデコ
レートされたドーナツは苦手なのだけれど…。眺め
るだけなら、そういうドーナツも好きというか、飾りつ
けられたドーナツの姿は、幸せの象徴っぽいかもと。
あ～でも、今こういうドーナツを見たら、つい買ってし
まいそうな…。うわ～甘い～って言いながら、苦いコ
ーヒーを飲みたいような…。ハリウッド映画のマネを
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