「花子とアン」第122回~歩が大好きだったラジオの仕事に挑戦!の巻 | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「花子とアン」 第122回
第21週 「ラジオのおばさん誕生
歩が大好きだったラジオの仕事に挑戦!の巻


黒沢) 村岡花子先生。
    是非我々のラジオ番組に出演して下さい。
花子) てっ…。ラ…ラジオに?
黒沢) はい。今度、「コドモの新聞」という番組が始ま
    るのです。子供たちにニュースを分かりやすく
    伝える番組なんですが。
語り手がアナウンサ
    ーだけでは堅苦しい。そこで誰かいないかと探
    していたんですよ。
花子) あ…いいえ…でも…。
蓮子) はなちゃん。この界隈では、
    お話のおばさんと呼ばれているのよね。
花子) 蓮様…。
黒沢) 先ほど、子供たちに本を読んでやってるところ
    を拝見して、確信しました。村岡先生が引き受
    けて下されば、きっと全国の子供たちが、あん
    な風にラジオの前に釘づけになると。
花子) ちょっと待って下さい。
子供たち) おばさん凄い!
       ラジオに出るの? すご~い!
花子) ああ…無理です。私には!
蓮子) はなちゃん。どうして?
花子) 蓮様もよくご存知でしょう。私、ひどくあがり症
    で、緊張するとへまをするって。
蓮子) ああ…。
    フフフ…あの時は、楽しかったわね。
花子) 蓮様、笑い事じゃありません。今思い出すだ
    けで、足が震えて、変な汗かくんですもの。
蓮子) 20年も昔のことじゃない。
    今のはなちゃんなら大丈夫よ。
黒沢) とにかく、一度局に見学がてらいらして下さい。
花子) いやいや、
    あの…本当に、お役に立てないと思います。

**********

英治) やってみればいいのに。ラジオの仕事。
    前から思ってたんだけど、花子さんの話す声
    は、人をほっとさせる。特に、子供たちに話し
    てる時の声は、愛にあふれてて、温かくて…。
花子) そんな事初めて聞いたわ。
英治) もしナマケモノのお母さんが喋ったら、
    きっとそういう声に違いないな…。
花子) はっ?
英治) あ…褒めたつもりなんだけど…。
花子) 褒められてません。
    やっぱり明日断ってくるわ。
英治) 花子さん。緊張して失敗するのが嫌なのか?
花子) それもあるけど…。
    今は翻訳の仕事で手いっぱい。ラジオに出る時
    間があるなら、面白い物語を一つでも多く、日本
    の子供たちに伝えたいの。


**********

漆原) その村岡先生っていうのは何者なんだ?
黒沢) 児童文学の翻訳をなさってる、
    村岡花子先生です。
漆原) 花子? 女?
黒沢) はい…。
有馬) 漆原部長、断りましょう。いくら子供向けの
    番組とはいえ、素人のご婦人を起用するな
    んて無謀です。
漆原) そうだな。
黒沢) しかし、もう局長の承諾も頂きました。
漆原) 何?
黒沢) 村岡先生が翻訳なさった、「王子と乞食」
    を、局長のお孫さんが愛読なさってるそうで、
    ぜひ出演して頂けと。


**********

花子) 来てくれなくてもよかったのに…。
英治) ラジオ局ってどんな所か、
    一度見たかったんだよ。
花子) そう…。
漆原) ようこそ。JOAK東京放送局へ。
    制作部長の漆原です。
花子) ごきげんよう。はじめまして。
    村岡花子でございます。
英治) はじめまして。夫の、村岡英治です。
漆原) まあ、どうぞ。
英治) 失礼します。
漆原) 番組の内容は、黒沢から説明があったとおり
    です。出演して頂けますよね。
花子) いえ。今日はお断りするために伺ったんです。
漆原) どうしてですか?
花子) ラジオの向こうの大勢の人たちにお話しする
    と考えただけでも震えて、身がすくんでしまう
    んです。
漆原) まあ、そう仰らずに。うちの局長も乗り気です
    ので、引き受けて下さいよ。山岡先生。
黒沢) 村岡花子先生です。
漆原) 失礼。これから放送がありますので、我々は
    スタジオに行きます。どうぞ、一緒に、見学に
    いらしてください。
黒沢) さあ、スタジオへどうぞ。

**********

黒沢) さあ、どうぞ。ここが指揮室です。ここから放
    送が出ます。これからテストをして、本番が始
    まります。
有馬) あえいうえおあお、かけきくけこかこ。
漆原) うちの看板アナウンサーの有馬次郎です。
花子) はあ…。
有馬) JOAK東京放送局であります。

(回想)
歩) あ~あ~。あ~あ~。
  JOKA東京放送局であります。
  次は、村岡歩先生のお歌であります。
  ♪こっちがマ~マのダアリング。
  こっちがパ~パのダアリング。

男性) 本番5秒前。4、3、2、1。
有馬) JOAK東京放送局であります。東北、北海道
    地方の、列車時間短縮は、かねてから、仙台、
    札幌、両鉄道局で計画していました。現在走っ
    ている急行列車の速度を…。

**********

一同) お疲れ様でした。
漆原) 今日も大変結構でした。
黒沢) いかがでしたか?
花子) 本番で、よくあれだけ落ち着いていらっしゃれ
    るものですね。私は、ここで聞いているだけで
    足が、震えました。
漆原) そうですか。
花子) でもやってみます。
漆原) はっ?
花子) 私でよければ、やらせて下さい!
黒沢) では…引き受けて下さるんですね?
    ありがとうございます!
花子) よろしくお願いします。


**********

花子) 英治さんの言いたい事は分かるわ。
    「断りに来たんだろう。君は酷いあがり症なの
    に大丈夫なのか?」って言いたいんでしょう。
    はあ…全くそのとおりよね…。
英治) いや、僕は君の勇気をたたえるよ。
    よく引き受けたね。
花子) えっ?
英治) 歩も、きっと天国で喜んでるよ。
    あの子は、ラジオが大好きだったからな。

**********

黒沢) 村岡先生。早速ですが、マイクの前で声を出
    してみて下さい。これ、最初の放送で読んで
    頂く予定の原稿です。
花子) はい。
黒沢) では、お願いします。
英治) へえ…。
花子) 英治さん、お仕事でしょう?
英治) 一人で大丈夫?
花子) ええ。
英治) じゃあ、頑張って。
花子) はい。


**********

花子) た…て…大切な…
    て…帝国議会の…おし…お話…。
黒沢) 村岡先生。テストですからそこまで硬くならず
    に。一度深呼吸してみましょうか。
花子) はい。

(深呼吸する花子)
花子) はい…。
黒沢) では、どうぞ。
花子) 帝国議…帝国議会とは…尋常6年の…と…
    と…読本…巻の12と…修身の本には出ており
    ますように…。
有馬) 部長。本気でこの人に
    番組をやらせるおつもりですか?
漆原) 局長がそう言ってるなら、
    しょうがないだろう…。
花子) す…すいません。緊張してしまって…。
漆原) いいえ。なかなか結構でしたよ。あっ、あなた
    と、1週交代で、語りを担当してもらう事になっ
    た、有馬次郎アナウンサーです。
    あとは、2人に任せるから。
有馬) そんな…部長。
黒沢) 村岡先生。今から特訓を受けて頂きます。
花子) はい。よろしくお願いします。

**********

有馬) では、どうぞ。
花子) はい。通貨収縮策によって、
    不景気退治を計画し…
有馬) おかしな抑揚をつけないで下さい。
    JOAKは無色透明でいいのです。
花子) はい。
    今度は通貨膨張策によって、
    景気の再建を図る、ようになり…。
有馬) 発音、滑舌、何もかもがなってません!
    まずは早口言葉。はい、3番。
花子) はい。久留米のくぐり戸はくぐ…
    久留米のくぐり戸は栗の木のくぐり戸
    くぐりつけりゃくぐりいいが…。
有馬) 遅い!
    それでは時間内に原稿を読み終わりません。
    武具馬具ぶぐばぐ三ぶぐばぐ。
花子) 武具が…武具馬具ぶぶぐ…武具が…
    武具馬具ぶぐばぐ三ぶぐばぐ。
    合わせて武具馬具六ぶぐ…。
有馬) 遅い!

**********

花子がボロボロになりながら
特訓を受けている頃…

蓮子) はなちゃんならきっと大丈夫。
(戸をたたく音)
雪乃) ごめんください。ごめんください!
浪子) どなた?
雪乃) あの…こちら、宮本先生のお宅ですよね?
    先生いらっしゃいますか?
浪子) どういうご用?
雪乃) 先生に会いたいんです。会わせて下さい!
浪子) 蓮子さん。蓮子さん!
蓮子) はい。どうなさったんですか? お義母様。
    ごきげんよう。どちら様ですか?
雪乃) 雪乃と申します。
浪子) まさか…龍一の女じゃ…。
蓮子) まさか…。


さて、この色っぽい女の人は
何しにやって来たのでしょう?

ごきげんよう。さようなら。

**********

鉱石ラジオからの流れで、花子がラジオの仕事に挑
戦しようと思い立つところまでの流れ。日本中の子供
たちに物語を届けようと思ったのも、ラジオをやって
みようと思ったのも、すべては愛する息子・歩のため。
とても辛く悲しいことだけれど、歩の死によって、花子
は、本当に、「村岡花子」になったんだなあと…。歩が
花子の心にともした母性の火は消えることなく、花子
の創作の力となっていったのですね。息子に聞かせ
てあげたかった物語を、日本中の子供たちのために
翻訳して届けてくれたんだなあと。昨日これから翻訳
したいと言っていた「小公女」も「秘密の花園」も大好
きなお話だったので、何だかとっても感慨深くて…。

さて、ラジオのお仕事を引き受けた花子の特訓が始ま
りましたが、早口言葉はやっぱり必須なんですね~w
武具馬具のほうは知っていたけれど、久留米の~は、
初めて聞いた早口言葉でした。物語の読み聞かせだ
とばかり思っていたのだけれど、番組の名前は「コドモ
の新聞」ですもんね。ニュースを子供にもわかりやす
く伝えたり、ついでにお話もあり~な番組なのでしょう。

久留米のくぐり戸は栗の木のくぐり戸、
くぐりつけりゃくぐりいいくぐり戸だが、
くぐりつけなきゃ、くぐりにくいくぐり戸だ。

武具馬具、武具馬具、三武具馬具、
合わせて武具馬具、六武具馬具。

早口言葉のサイトを見ていたら、ちょっと面白い
ものがあったので、おまけで載せておきます。↓

ブタがブタをぶったら、
ぶたれたブタがぶったブタをぶった。
ぶったブタとぶたれたブタがぶったおれた。

こういう早口言葉、一体誰が考えるんでしょうね?w

そして今日は壇蜜さんが登場。甲府に現れた女性同
様、龍一の女?と煽っていましたが、全くミスリードさ
れる気がしない~w いつも嫉妬する側だった龍一君
なので、たまには蓮子に嫉妬させるのもいいかもねw


「花子とアン」関連ブログはこちらから↓
「花子とアン」関連ブログリスト

●「花子とアン」HP


ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪


にほんブログ村


連続テレビ小説 花子とアン Part1 (NHKドラマ・ガイド)/NHK出版
¥1,155
Amazon.co.jp
アンのゆりかご―村岡花子の生涯 (新潮文庫)/新潮社
¥788
Amazon.co.jp
『赤毛のアン』と花子: 翻訳者・村岡花子の物語 (ヒューマンノンフィクション)/学研教育出版
¥1,365
Amazon.co.jp
村岡花子と赤毛のアンの世界/河出書房新社
¥1,680
Amazon.co.jp
アンを抱きしめて―村岡花子物語/NHK出版
¥2,100
Amazon.co.jp
花子とアンへの道: 本が好き、仕事が好き、ひとが好き/新潮社
¥1,470
Amazon.co.jp
村岡花子: 「赤毛のアン」の翻訳家、女性にエールを送りつづけた評論家 (KAWADE夢ムック .../河出書房新社
¥1,260
Amazon.co.jp