「花子とアン」第109回~関東大震災から半年・・・それぞれの春 | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第109回
第19週 「春の贈りもの
関東大震災から半年・・・それぞれの春


関東地方南部に、
壊滅的な被害をもたらした大震災から半年。
人々は悲しみを乗り越え、
復興に向け、歩き始めていました。

1924年(大正13年)・春―

村岡印刷は全焼し、
英治は工事現場で働いています。


花子) 英治さん。力仕事はお腹がすくでしょう?
    ご飯ぎっしり詰めといたから。
英治) ありがとう。
花子) お父ちゃま。こぴっと頑張って。
    行ってらっしゃい。
歩) いってらっしゃ~い。
  おとうちゃまいってらっしゃ~い。


**********

親方) 奥さん! 奥さん!
花子) 英治さん、どうしたの? 大丈夫!?
かよ) お義兄さん。
親方) 申し訳ねえ、奥さん。足場から落ちちまって。
花子) 落ちた?
親方) 申し訳ねえ。


**********

英治) ただの捻挫さよ。
    親方いい人なんだけど、ちょっと大げさで。
    心配かけてすみません。
平祐) 慣れない力仕事なんかするからだ。お前まで
    いなくなったら、私はどうしたらいいんだ。
英治) 父さん。僕たちは、
    一日も早く、会社を再建したいんです。
花子) 郁弥さんの遺志を継いで、
    「王子と乞食」の単行本を作りたいんです。

(回想)
郁弥) 「王子と乞食」を、一冊の本にしませんか?
    装丁に工夫を凝らして、今までの日本にない、
    美しい本にしようよ。イギリスに負けないくらい!
英治) そうだな。やってみるか!
郁弥) うん!


花子) 郁弥さんからもらった、「王子と乞食」の原書
    のおかげで、私は、翻訳の仕事を続けてこら
    れたんです。だから、恩返しのためにも是非、
    実現させたいんです。
英治) 銀行もいろいろまわったけど、このご時世で、
    どこも融資してくれません。会社を再建する
    お金が貯まるまで、仕事を選んではいられな
    いんです。
かよ) おら、明日早いので。お義兄さん、お大事に。
英治) ありがとう。
花子) おやすみ、かよ。


震災で家を失くしたかよは、
大森の家で一緒に暮らしながら、
食堂で働いていました。

**********

一方、あの駆け落ち事件から2年半。
苦難を乗り越えて、
幸せな家庭を築いた蓮子ですが…。

(純平のおむつを替えている龍一)
蓮子) 龍一さん、お上手。
龍一) 村岡家の人たちに、特訓してもらったからね。
蓮子) よかったわね。
浪子) 蓮子さん! 蓮子さん!
蓮子) はい!


蓮子にとって、次なる苦難が…。

浪子) 全くもう…。遅い…遅い…遅い~!

この家の実権を握る、姑の浪子です。

蓮子) お呼びでしょうか。
浪子) 何時間かかってるの?
蓮子) 申し訳ございません。
浪子) もっと早くしゃべって!
蓮子) 申し訳ございません。
浪子) 蓮子さん。あなたねえ、伯爵家から、正式に
    籍を抜かれて、もう華族様じゃないのよ。
蓮子) ええ。私、平民になりました。
浪子) では、こちらも平民として扱います。蓮子さん
    に家事一切を譲って、私は楽隠居させてもらう
    から。しっかりおやりなさい。まずはお掃除から。


**********

浪子) あっ、な…何、その絞り方は!
    もっとちゃんと絞って!
蓮子) はい。お義母様。

(廊下を拭き掃除する蓮子)
浪子) お…遅い…。
    遅い~…もう、イライラするねえ~…。
龍一) 蓮子は育ちが違うんだから。急には無理だよ。
    家事なんかやった事ないんだし。
浪子) 家事も満足にできないような嫁は、
    出てってもらうよ!
蓮子) はい! お義母様!
浪子) まだあんなとこだよ。はっ!


**********

花子) じゃあ、歩。お昼ご飯にしましょうね。
歩) は~い。
かよ) ただいま。
花子) おけえり。かよ、今日は早かったじゃんね。
かよ) お姉やん。
    宇田川先生から、手紙が来てただよ。
花子) てっ…。こないだ、「働き口紹介して下さい」っ
    て、手紙書いたさ。こんなにはあく返事が来る
    なんて!

宇田川) (手紙) 「前略。私、昨年9月、素晴らしい
     出会いがあり、結婚致しました」。

花子) てっ!
宇田川) (手紙) 「あの震災で火の海となった町を
     逃げている最中、たくましい男性に救われ、
     やがて私たちは、恋に落ちました。震災で多
     くの雑誌は廃刊に追い込まれ、私もあらゆる
     出版社との関係を断ちましたが、今は、主人
     のおかげで、幸せでとろけそうな毎日を送っ
     ております。…という訳で、仕事の件はお役
     に立てませんので、ほかを当たって下さい」。

花子) はぁ…。
(ぼんやりと郁弥の写真を見ているかよ)
花子) かよ…。
かよ) あっ、お姉やん。
    おら、今夜から、屋台で働く事にしただ。
花子) 屋台?
かよ) 今働いてる食堂の人に頼まれたから、
    引き受けただ。
花子) かよ…働き過ぎだよ。ちっと体休めんと。
かよ) 居候は、はあくお金貯めて、
    引っ越ししんきゃね。ほれじゃ、行ってきます。
花子) ほんな無理しなんでも…。
かよ) 無理なんかしちゃいんさ。

**********

梶原) やあ、かよちゃん。
かよ) どうも。梶原さん、お久しぶりです。

聡文堂が焼けて、梶原は、
古巣の出版社に戻りました。

梶原) じゃ。

**********

梶原) うちの社長に相談したら、君を雇う余裕はない
    が、翻訳の仕事なら回せるからと。
花子) てっ…ありがとうございます。助かります。
梶原) 堅苦しい本なんだけど。
花子) 是非やらせて下さい! 印刷会社を再建する
    ために、少しでも仕事を増やしたいんです。

(郁弥の写真を見る梶原)
梶原) 本当に寂しくなったね。
花子) 梶原さん…もう一つお願いがあります。
    梶原さんのところで、「王子と乞食」の単行本
    を出して頂けないでしょうか。
梶原) あの震災さえなかったら、聡文堂から出す
    はずだったんだ。是非力になりたい。でも僕は
    今、学術書担当の、一編集者にすぎないんだ。
    それに今、小説や、児童文学は歓迎されない
    からね。引き受けてくれる出版社を探すのは
    難しいだろう。


**********

英治) ただいま。
花子) お帰りなさい。
歩) おとうちゃま、おかえりなさい!
英治) 歩~!
花子) あっ、英治さん。今日、梶原さんがいらして、
    翻訳の仕事を頂けたの。
英治) そうか! よかったね。
花子) ええ。それから、梶原さんと話してるうちに思
    いついた事があるの。村岡印刷を再建するな
    ら、いっそ出版社を兼ねた、印刷会社にしたら
    どうかしらって。そうすれば、「王子と乞食」の
    単行本も出版できるでしょう。
英治) そうか、確かに。その手があったな! 
    郁弥が生きてたら、「グレートアイディア」って
    叫んだだろうな。よし。じゃあ、出版と印刷の両
    方ができる会社を作ろう。
花子) ええ。
平祐) 何を言ってるんだ。
    あの恐ろしい震災からまだ半年しか経ってない
    んだぞ。住むところも、着るものも、何も足りて
    いないのに。誰が、物語の本なんか買うんだ。
英治) 父さん…。

**********

それから、数日後の事でした。

かよ) いらっしゃい。…てっ!
蓮子) かよちゃん。ごきげんよう。
かよ) 蓮子さん! さあ、どうぞ、座ってください。
客) ああ…どうぞどうぞ。
蓮子) 恐れ入ります。
    まあ、おいしそう。とりあえず、冷やを。
かよ) はい。
蓮子) 頂きます。…おいしい。
かよ) 蓮子さん。龍一さんと、純平君は?
蓮子) お姑さんと、おうちにいるわ。
かよ) ひょっとして、家出でもしてきたですか?
    まさかですよね。
蓮子) その、まさかなの。
かよ) てっ?
蓮子) 私…今夜は、帰りたくない。

主婦になった蓮子に、一体何があったのでしょう?

ごきげんよう。さようなら。

**********

相変わらずめまぐるしく話が進んでいくわけですが…。
今日は何だか「デジャブ~」な画面がちらほらと。ケガ
して運ばれる英治の姿や、嫁いびりされる蓮子の姿に、
嫌~な記憶が蘇ってしまう~(苦笑)。郁弥の遺志を継
ぐためと、会社再建に燃える花子と英治。郁弥を亡くし
た哀しみに脱力しているかよと平祐。それぞれの立場、
関係性で、哀しみ方も、哀しみを乗り越える方法も、人
それぞれだから。すぐに動き出せる人もいれば、なか
なか立ち上がれない人もいる…。かよのように愛する
人を失ってしまった人もいれば、宇田川先生のように、
震災がきっかけの出会いで、幸せでとろけそうな人も。
ここで宇田川先生のエピソードが必要かは謎ですが。

謎といえば…蓮子と姑のエピソードも必要? 主人公
が嫁いびりされる話ならまだしも…っていうか、そもそ
も嫁いびりというより、あれは単なる家事指導だし~。
蓮子の優雅な仕草…といえば聞こえはいいけど、の
ろまな仕草には、一般ピープルならイライラするはず。
蓮子を仕込むのは大変そう。ものすご~くイライラし
そうだから、私には無理。あの流れでは、かよが蓮子
に家事を教える事になるのでしょうね。目的があって、
人が動くという法則が、露骨にわかりすぎてしまう「花
子とアン」の脚本というわけで。それをいかに自然に
見えるように見せるかが、腕の見せどころなのだけれ
ど(言わぬが花w)。 「私、今夜は、帰りたくない」って
…酔ったフリして、男を口説く女の常套句かっ!(爆)
ここは、笑うところでいいのかな? いいんだよね?w

もうね、いいかげんに白蓮のお話はこれ以上引っ張
らない方がいいと思うんだけどなあ…。人気の伝様
を引っ張り出すためなんだろうけど…。ちとウンザリ
…(ぼそっ…)。龍一君と幸せになるまではいいけど、
嫁姑問題に悩む白蓮なんて、観たくないのよお~!
もう2か月しかないんだから花子の話にしてくりょう。
変に面白くしようとしなくていいから、こぴっと村岡花
子の人生を見せてほしいんだけどなあ、そろそろ…。


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