「花子とアン」第110回~本っちゅうのは、読むもんを、夢見心地にするとやろね | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「花子とアン」 第110回
第19週 「春の贈りもの
本っちゅうのは、読むもんを、夢見心地にするとやろね


かよ) 蓮子さん。ひょっとして、
    家出でもしてきたですか? まさかですよね。
蓮子) その、まさかなの。
かよ) てっ?
蓮子) 私…今夜は、帰りたくない。ねえ、かよちゃん。
    私って、そんなに、しゃべるの遅い?
かよ) ああ…お姑さんに言われたですか?
蓮子) 私って、そんなに、遅いかしら?

確かに、速いとは言えませんね。

蓮子) これでも、精一杯、急いでやっているのよ。
    お掃除もお炊事もお洗濯も。
かよ) でえじょうぶ。家事は慣れです。
    そのうち、できるようんなりますよ。
蓮子) そう? ねえ、かよちゃん。
    私の、先生になって下さらない?
かよ) てっ…先生?
蓮子) ねっ、私に、家事を教えて。


**********

(洗濯物をたたく音)
かよ) こうすると、しわが伸びるですよ。
蓮子) そうなのね。

(洗濯物をたたいてみる蓮子)
蓮子) 面白い。
(大根を切る蓮子)
かよ) 蓮子さん。左手は、軽く丸めて押せえると、
    切りやすいですよ。
蓮子) あっ、本当だわ。

(味見をするかよ)
かよ) うん。
蓮子) よかった…。かよちゃんのおかげで、今夜は、
    お義母様のお小言、聞かなくて済みそうだわ。
    ねえ、これから、ちょくちょく来て。
かよ) はい。昼の仕事が休みの日なら。
蓮子) あ…でも、夜も屋台で働いてるのに、
    大変じゃないかしら。
かよ) やるこんがある方がありがたいです。なんか
    して体動かしていんと、つい考えちまって。
蓮子) 郁弥さんの事?


**********

花子) お口に合いませんでした? 明日はお義父様
    の好きな、ライスカレーにしますね。
平祐) 明日は必ず来るもんじゃない…。
    郁弥を失ってから、強くそう感じるようになった。

**********

蓮子) あんまり上手にできすぎると、
    誰かに作ってもらったってわかっちゃうかしら。
浪子) もう分かっちゃいましたよ。
蓮子) お帰りなさいませ。お義母様。
    随分お早かったんですね。
浪子) どなた?
蓮子) ああ…こちら、私の女学校時代の友人の、
    はなさんの妹さんで…。
浪子) 手短に言ってちょうだい。
かよ) かよと申します。
蓮子) お料理を習っておりましたの。
浪子) あなたにも学ぼうなんて気持ちがあるのねえ。
    てっきり料理なんて使用人がするもんだって、
    バカにしてるんだと思ってましたよ。
蓮子) そんな事ございません。私だって…。
浪子) 言い訳は結構。

(料理の味見をする浪子)
浪子) あら。かよさんとやら。
かよ) はい。
浪子) この人大変だと思うけど、せめてこれくらいま
    ともな料理が作れるようになるまで、せいぜい
    気長につきあってやってちょうだい。
蓮子) かよちゃん! お義母様もそうおっしゃってるし、
    また来てね!
かよ) はあ…。


**********

花子) 「王子はトムに言いました。『お前は、髪の毛
    といい、目つきといい、声から、動作から、姿、
    形、顔つきまで、私と瓜二つだ。もしも2人が
    裸で出ていったなら、誰ひとり、見分けられる
    者はないだろう』」。
歩み) おうじとトム、そんなににてるの?
花子) そう! そっくりなの。
英治) 花子さん。こういうのはどうかな?
花子) 単行本の装丁?
英治) ああ。
歩) おうじとトムだ。
子供たち) え~!
花子) ほら。
子供たち) わあ~!
英治) みんな、「王子と乞食」の本が出来たら、
    読んでくれるかな?
子供たち) うん!
花子) うれしい。

**********

かよ) ただいま。
英治) お帰り。
花子) おけえり。ねえ、かよ、見て。英治さんが「王子
    と乞食」の装丁描いて下さったのよ。こういうしゃ
    れた装丁なら、郁弥さんも喜んでくれるらね。
かよ) ほんなこんしても意味ないじゃん…。
花子) かよ。
かよ) おやすみなさい。


**********

英治) 君も、無理するなよ。
花子) ありがとう。
英治) かよさんは、「王子と乞食」の単行本を作る事、
    反対なんだな…。
花子) 私もこのまま進めていいのかどうか、
    分からなくなったわ…。


**********

蓮子) お水に、お酢を少~し入れるといいなんて、
    知らなかったわ。…かよちゃん。
かよ) あっ、ごめんなさい。
蓮子) 何か、あったの?
かよ) お姉やんたち、「王子と乞食」の単行本を作ろ
    うとしてるです。お姉やんたちは、郁弥さんの夢
    をかなえようとして頑張ってる。ほれでも、郁弥
    さんは…。郁弥さんの時計は、あの日から、ず
    っと止まったまんま…。前に、進まんきゃいけ
    んのかな…。おらは…このまま止まっていてえ。
    郁弥さんのいた時間に…。
蓮子) かよちゃん…。


**********

男性の声) ごめんください。
花子) はい。

(戸を開ける花子)
花子) てっ!
嘉納) はなちゃん、久しぶりやね。


**********

嘉納) ここんちは、無事やったようで、何よりばい。
花子) 今日は、どうなさったんですか?
嘉納) あんたに、頼みがあって、来たとばい。
    おい、あれを。
    はなちゃんは、英語ん翻訳が、でくるとやろ?
花子) あ…ええ。
嘉納) それを、日本語に、直しちゃってくれんね。
かよ) 英文のお手紙ですか?
嘉納) ああ。
花子) 分かりました。
嘉納) おう。よろしく頼むばい。

(英語の手紙を読む花子)
嘉納) なんな?
花子) いえ…では。
    「最愛の伝助様。お慕いしております。アメリカ
    に帰っても、あなたの事は、わ…忘れません。
    あなたと過ごした、神戸での熱い夜…」。
嘉納) 分かった! もうよか!

(咳払い)
嘉納) え~…神戸の、博覧会で会うた、
    金髪の、踊り子たい。
花子) これくらいなら、お安いご用なので、
    いつでもどうぞ。
嘉納) ああ、助かるばい。
    はなちゃんは、また、本を書いて出さんとか?
花子) ええ…。出したいと思っているんですけど、
    このご時世ですから、なかなか難しくて。
嘉納) 蓮子は…あんたの本を読みよる時が、
    一番ご機嫌やったばい。
    俺は、無学で字が読めん。ばってん、あいつ
    が読みよるのを見て、分かった。本っちゅうの
    は、読むもんを、夢見心地にするとやろね。
花子) はい!
嘉納) 東京は、こげなありさまやき、こげん時こそ、
    あんたの本を待っちょる人が、ほかにも大勢、
    おるとやろね。
花子) 嘉納さん…。

伝助の言葉に力づけられた花子でした。
ごきげんよう…。
おや?


嘉納) もう一つ…聞きたい事がある。
花子) てっ…。な…な…何でしょう?


石炭王は一体何を聞きたいのでしょうか?

ごきげんよう。さようなら。


**********

明日は必ず来るもんじゃない…。

身近な人の死を経験すると、それが突然の別れにな
ればなるほど、そういう思いは強くなって、今を大切
にしようと、目の前にいる人を大切にしようと思う気持
ちが強くなる。自分の後悔が少しでも少なくなる様に。

おらは…このまま止まっていてえ。
郁弥さんのいた時間に…。

なるほど。かよは、前に進みたくないと。郁弥の時計
のように止まっていたいと。郁弥がいた時間の中に、
自分もまだ一緒にいると思っていたいんだね。郁弥
のいない時間を進めてしまったら、本当に郁弥がい
なくなってしまう気がしちゃうんだね…。まだ半年か、
もう半年か。それは人それぞれに思う感覚だから…。
いつかは前に進まなければいけなくなるけれど、もう
少しだけ、かよの好きなようにさせてあげたいような。

蓮子の嫁姑問題は、かよに家事を教わることであっ
さり解決。一方伝様は、ラブレターの翻訳を花子に
頼み、さりげなく花子を勇気づけるという大役。伝様
がもう一つ聞きたいことなんて、決まってるじゃんね
え~。最近のナレーションは、わかりきった事ばかり
何でしょうね~?と言わせているのが何だかねえ…。

伝様と金髪の踊り子さん…神戸の熱い夜の続きが
知りたかったなw こっそり視聴者に教えてくりょう!


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