「あまちゃん」第121回~オーディション、知らなかった親の事 | 日々のダダ漏れ

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「あまちゃん」 第121回
第21週 「おらたちの大逆転」
オーディション、知らなかった親の事


大吉) ばっぱ! 夏ばっぱ! 夏さん!

**********

電・春子) もしもし!
電・大吉) 嘘じゃねえって、今度は!
      夏ばっぱ、呼んでも返事しねえんだよ!
      もしもし。春ちゃん!

アキ) どうしたの?
    ねえ、ママ。ばっぱどうしたの?
春子) うん。あんたは気にしなくて大丈夫だから。
    私、ちょっと行ってくるわ。
正宗) おはよう
水口) おはようございます。
春子) おはよう。水口君、今日、頼むね!
水口) えっ、どうしたんすか?
正宗) うん。お母さんが倒れたらしいんだ。
水口) え!?
アキ) おらも行ぐ!
春子) アキ!
アキ) 夏ばっぱのそばにいでえ。おらも帰る!
春子) おばあちゃんには、
    ママがついてるから大丈夫。アキは、
    アキの今やるべき事を、頑張んなさい!

**********



嘘だったらいいのに。
ママは希望を捨てでいませんでした。
あの時みたいに。

(回想)
春子) ホントは元気なんでしょ?
    バレバレだよ、大吉さん。
    お昼ご飯の支度しようと思ってて。
    鍋でお湯沸かして味噌汁作ろうと
    思ったけど、ちょうどワカメ切らしてて…。
    「しょうがない。これは、取りに行って
    くるか」ってことだね、これは。

大吉) 春ちゃん。
春子) 夏さんは?
大吉) まあ、落ち着け。
    大筋は、電話でしゃべったとおりだ。
春子) どうせ嘘なんでしょ?

**********

大吉) しばらくは、元気だったんだよ。
    今年は、水温も冷てえし、歳も歳だし、
    無理すんなって言うのに、週に4日も潜ってさ。
春子) 早く病院連れてってよ。
大吉) いや、今行っても会えねえ。手術中だ。
    バイパス手術っつうのか? それ自体は難しい
    もんじゃねえって医者は言うが、時間もかかる
    し、
体力がもつかどうか…。何しろ、心臓だか
    らな。
あれ? 春ちゃん、アキちゃんは?

**********



「太巻、映画撮ります」。



荒巻太一 初監督作品
潮騒のメモリー
~母娘(おやこ)の島~
2011年春 公開

太巻) 物語は、前作の15年後、主人公、
    ひろ美の
その後の人生を描きます。

「主演」



鈴鹿) 鈴鹿ひろ美です。鈴鹿ひろ美です。
    私の、大切な大切なデビュー作のリメーク、
    新しいヒロインを迎えるということで…。



太巻) こちらにおられる鈴鹿さんと、
オーディション
    を勝ち抜いた娘役、のダブル主演となります。
    ダブル主演となります。

**********





オーディション会場はこちらになりま~す。
オーディション会場はこちらになりま~す。
そのまままっすぐお進みくださ~い。
オーディション会場はこちらになりま~す。
そのまままっすぐお進みくださ~い。





正宗) どうした?
アキ) やっぱ、怖えな。
水口) 俺も、クビになって以来だよ、ここ来るの。
正宗) やめるか? アキ。



アキ) 今さらビビっててもしかたねえ。
    おらには夏ばっぱがついてる。



**********

アキ) スリーJプロダクションの、天野アキです。
スタッフ) そちら胸につけて下さい。
      空いてる席どうぞ。
河島) え~中に入ったら、簡単な自己PRをして頂き
    ます。その後、こちらの、セリフを
読んで下さい。
    持ち時間は、一人3分になります。
小野寺) アキちゃん。
アキ) 小野寺ちゃんも一次がら?
小野寺) うん。真奈ちゃんも、しおりちゃんもだよ。



アキ) じぇじぇ~。GMTも一般も一緒が。
小野寺) お互い、頑張っぺ! じゃあ。
アキ) 相変わらず、めんこいな。

「母ちゃん、親孝行できなくてごめんなさい」。

そこに、何気なく書かれた1行のセリフのせいで、
おら、また夏ばっぱの事、思い出してしまいました。



**********

大吉) 春ちゃん、来た。春ちゃん、みんな、こっち。
春子) あっ、ああ…。
弥生) 早がったな。
春子) 何か、お騒がせしてごめんね~。
かつ枝) アキは?
大吉) 大事なオーディションだど。
かつ枝) ああ、オーディション。
大吉) どうだ?



長内) うん。さっきから看護師が、
    出たり入ったりしてたけど…。
弥生) 春ちゃん、座っぺ座っぺ。
春子) あ~ありがとう、ありがとう。
美寿々) 夏ばっぱ、
     ホントはとっくに引退する歳だもんな。
かつ枝) んだ。なんぼ元気だって、66だもの。
弥生) 急に東京さ行ぎだいって言ったのも、
    今思えば、虫の知らせだったかもしれねえな。
長内) やめろ。縁起でもねえ。
かつ枝) もう、やり残した事ねえって言ってたもんな。
長内) やめろって!
    このメガネ会計、ネガティブばばあ!
ユイ) だから、橋幸夫に会いに行ったのかな。
長内) ユイちゃんまで。最後まで希望を捨てるな!
    …最後まで?
    いやいや、最後でねえど! 途中だ!
春子) 橋幸夫って?
ユイ) え? 
春子) 何? 橋幸夫って。
ユイ) えっ? 春子さん知らないの?
春子) え?
かつ枝) 会ったんだと。東京で。橋幸夫に。
春子) 知らないよ、何それ。えっ、知ってた?
大吉) ごめん。春ちゃんには死んでも言うなって、
    口止めされてたもんで…。
春子) 何よ、何それ~。
弥生) おらたちも、よく覚えてねえんだけんども、
    夏ばっぱが、二十歳そこそこの頃、橋幸夫
    が、リサイタルで来たんだと。そん時、夏ば
    っぱ、
花束渡したんだって。
かつ枝) そんでほれ、
     吉永小百合の代わりに、歌ったんだと。
春子) え?
美寿々) 写真見てみるが? 勉さんが持ってだの。



春子) え? え!? 何何? 全然…
嘘でしょ?
大吉) んで、ほれ、鈴鹿ひろ美さんが間さ入って
    よ、アキちゃんと一緒に会いに行ったんだど。
大吉) 春ちゃん?
春子) 何? ごめん。聞いてなかった。
    …っていうか、かわいいね、夏さん。
    ちょっと、アキに似てる。
かつ枝) え~んだが?
ユイ) フフッ、そうかも。

**********

太巻) はい、ありがとう。
女性) ありがとうございました。
太巻) 236番の方。
アキ) 236番、天野アキ。東京都出身18歳です。



アキ) 
えっと、高2の夏から、岩手県北三陸で、
    海女
さんを、やってました。なので、
    素潜りには自信
あります。尊敬する人は、
    おばあちゃんと、鈴鹿ひろ美さんです! 
アキ) 「潮騒のメモリー」を見て、
    鈴鹿ひろ美さんに
憧れて!
鈴鹿) ごめん! 時間ないから、そこまで。
アキ) ありがとうございました。
太巻) それじゃあ、次。セリフいってみようか。
    229番の方から。
229番) はい!
    母ちゃん、親孝行できなくて、ごめんなさい。

**********



春子) 私…何にも知らないよ、
夏さんのこと。
    娘なのに、何にも知らないわ。
    笑っちゃうぐらい知らないわ。



春子) 18で、家出るまでの、夏さんのことしか
    知らないもんね。いや、それも怪しいな。
    何が好きかとか、何が嫌いかとか、
    全然
知らないんだわ。



春子) だって、橋幸夫とデュエット
とかさ、何これ。
長内) しゃあねえべ。口数の少ねえ人だから。
春子) 違うね。私が知ろうとしなかったんだね。





春子) 自分の事ばっかでさ。
夏さんのこと、口やか
    ましい母親としてしか
見てなかったんだわ。
    夏さんの、母親じゃない部分、  
    見ないで
来ちゃったんだね。

**********



小野寺) 母ちゃん、親孝行できなくて、ごめんなさい。

真奈) 母ちゃん、親孝行できなくて、ごめんなさい。

しおり) 母ちゃん、親孝行できなくてごめんなさい。
     ありがとうございました!



太巻) はい、ありがとう。次。

**********

春子) 大っ嫌いだったのよ、私。
    あの歌、「いつでも夢を」。毎年さ、海開きの
    朝には
ほら、漁協の、音の割れたスピーカー
    から
聞こえてくるでしょう。



スピーカー・かつ枝) 
おはようございます。
          本日は7月1日、
          袖が浜海岸、海開きです。
海女たち) ♪いつでも夢を~ いつでも夢を~

春子) うんざりすんのよね、あれ聞こえると! 
いい
    歳したおばちゃんたちがさ、何朝からはしゃい
    じゃってんのって。アハハッ。ごめ
んね、ごめ
    んね。でも、今聞いたら、たぶ
ん違うんだろうな。
    夏さんがさ、橋幸夫のファンだって、
    知ってたらさ、
ちょっと、ニヤニヤしながら、
    聴けたような気がするの。





春子) 何か、そういうの、いっぱいあるんだろう

    って
思ったら、何か悔しくなってきちゃった。



春子) どうしよう…。
    もし、このまま目覚めなかったら、私
    夏さんの事知らな過ぎて泣けないわ。
    情報量少なすぎて、涙も出ないわ。





弥生) ♪星よりひそかに 雨よりやさしぐ~



春子) え~。
弥生) ♪あの娘は~
一同) ♪いつも 歌ってる~



春子) ちょ、ちょ、ちょ…ここ病院だから。
    うるさいといけない…。
弥生) 春ちゃんも一緒に歌うべ!
春子) 知らないし。今、嫌いだって言ったじゃん。
弥生) んじゃ、ユイちゃん!
春子) ユイちゃんも知らないから…。
ユイ) ♪声がきこえる~



春子) じぇじぇ。
一同) ♪淋しい胸に 涙に濡れた この胸に~



**********

太巻) はい、ありがとう。
女性) ありがとうございました。



太巻) 次。



アキ) 母ちゃん、
    親孝行できなくて、ごめんなさい!





**********

一同) ♪言っているいる お持ちなさいな
    いつでも夢を
ユイ) ねえ、見て!







**********

春子の言ったことは、家出した春子に限らず、ず
っと一緒に暮らしていても、思い当たる人は多か
ったんじゃないかな。子どもの頃っていうか、若い
時は、今や未来のことの方に関心があって、まし
て親の過去なんて考えもしないというか、生まれ
た時からそこに親がいるわけで、それ以前の親
の過去なんてものには思い至らないというか。親
に限らなくても、誰だって、身近な誰かが急にい
なくなってしまうなんて考えないし、ずっとそばに
いると思ってしまう。話なんていつでも聞けると思
ってしまう。好きなものも嫌いなものも、離れて暮
らしていると、お互いに味覚や嗜好が変わってい
ても、聞かないとその変化に気づかなかったりす
る。あまりに近すぎて、何も聞かなくてもわかった
気になってしまうのが・・・親子なのかもしれない。
ユイもまた、自分の事ばかりで母の事を知らない
自分に気づいたという表情だったのがよかった。

親の過去は、実は自分のルーツでもあること。そ
う思うようになって、親の世代がわかる分だけで
もと家系図を作ってみたり、昔の話を聞くようにな
ったのは、本当につい最近の事。自分も歳をとっ
て、ようやく気づき始めたというか・・・。昔話という
か、昔語りというものは、大事なことだったんだな
あと今さらながら思う今日この頃。物語は、語ら
れて、受け継がれていくものなのだと・・・そう思う。

クドカンが雑誌に連載している記事を、たまたま
読んで共感したというか、なるほどと思ったのが、
花巻さんの口癖、「わかる奴だけわかればいい」
という言葉は、わかる人だけがわかればいい、と
いう意味で書いていたわけではなくて、わからな
ければ聞けばいい、と思って、書いたということ。
そう、わからないことを聞いて、コミュニケーショ
ンの手がかりにするというか、違う世代同士、互
いに知らない情報を分かち合えればいいと・・・。
80年代のことなんか知らない、AKBなんて知ら
ない、で終わらせるより、親世代に聞いたり、子
供、孫世代に聞いたり、祖父母の世代に聞いた
り、わからなければ、互いに聞けばいいじゃない
かって・・・。ああ、ホントにそうだなあって。そこ
から広がる話が絶対あって、親の、そのまた親
の、昔話を聞くことがそこからできるかもしれな
い。今の若者たちの本音も聞けるかもしれない。
「わからない」で終わらせないで、「わかろう」とす
ることは、世界を少しだけ広くするんじゃないか。

知らない、わからない小ネタもたくさんあるけど、
それを調べたり、聞いたりすると、へ~そうなん
だ、そういう人がいたんだ~って知識が広がる。
つまらない知識でも、いつか、話のタネに、誰か
と話せるきっかけになる。ホント、「わからなけれ
ば聞けばいい」んだよ!って思う。聞かないで、
わかったつもりになるより、わからないってふて
腐れるより、聞いちゃえばいい。そこに人がいる
かぎり。母親や父親の青春の話を、この機会に
聞いちゃおうよ! と声を大に言いたい気分・・・。
そして案外、自分が小さい頃の話も、聞いてみ
ないとわからないし、忘れてることも多いので、
ドラマをネタに、聞いてみるのも楽しいかも~♪


2015年の再放送時の感想はこちら↓
あまちゃん日記(121)~第21週「おらたちの大逆転」

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