「しろくまカフェ」 さよなら、常勤パンダさん | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪


まさかまさか、しろくまカフェで、それも、あの「パンダくん」
に泣かされる日がやってくるとは・・・。しかも号泣。感動の
涙を流す日がやってこようとは、うれしい誤算でありました。

それは、第44話 「いつもの動物園」「雨の動物園」のお話。

「いつもの動物園」

いつも通りのパンダ館。パンダくんは一日中、ゴロゴロ、ダ
ラダラ。常勤パンダさんは、こっそり内職。けれどもその日
は、なんだかいつもと、ちょっとだけ様子が変わっていた。




常勤パンダさん) いや~、いい汗かいたねぇ。
パンダくん) ありがとう。常勤さん。
常勤パンダさん) ええ?
パンダくん) 常勤さんがいるおかげで、
       ボクの可愛さが引き立っちゃうよ。






パンダくん) んん? どうしたのぉ?
常勤パンダさん) ああ、なんでもないよ。
パンダくん) ああ。そうだ。ねえねえ、常勤さん、
       二人でゴロゴロしようよ。
常勤パンダさん) ハハハハハ。しょうがないなあ。




パンダくん) 一人でゴロゴロするのも楽しいけど、
常勤パンダさん) うん。
パンダくん) 二人でゴロゴロするともっと楽しいよねえ。
常勤パンダさん) そうだねえ。じゃあ、次は・・・
           二人で内職しよう。
パンダくん) ええー。また内職? やだよぉ。
       お客さんがいない時は、
       プライベートで
ゴロゴロするんだもん。
常勤パンダ) パンダくん、
        二人でやったら内職も楽しいよ。
パンダくん) 一緒にやると作業みたいじゃなぁい?
常勤パンダさん) 一緒にやりたいんだ、今日は。
パンダくん) ボクはここで見てるよ。
常勤パンダさん) 内職っていうのは、
          参加することに意義があるんだよ。




半田) だから、内職はダメですよ。
常勤パンダさん) じゃあどうやって
          暇をつぶせばいいんだい?
半田) 仕事してください。
常勤パンダさん) ねえ、パンダくん、一緒にやろう。
パンダくん) ええ~。
半田) いいですよ。
常勤パンダさん) あれ? 半田さん、いいの?
桐野) いいんですか?
半田) いいんだよ。
パンダくん) んん~?
常勤パンダさん) 悪いねえ。ほら、パンダくん。
パンダくん) わかったよ。

**********
 
常勤パンダさん) お疲れ様、パンダくん。
パンダくん) またね~。



常勤パンダさん) パンダくん。
パンダくん) なあに?
常勤パンダさん) いや、なんでもない。またね。
パンダくん) ん? またね~。
常勤パンダさん) うん。またね。



**********

パンダくん) あれえ? 常勤パンダさん、遅刻かなあ。
       あ・・・しょうがないなあ。暇だから手伝って
       あげよう。フーフフンフン♪ フーフフン♪



パンダくん) ああ、半田さん。常勤さんは? 遅刻?
半田) えっと・・・
パンダくん) ん?
桐野) 先輩。
半田) うん。
    常勤パンダさん、シンガポールに行ったんだよ。
パンダくん) 
シンガポール?
半田) うん、外国だね。
パンダくん) ふーん、いつ戻ってくるの?
半田) いや、外国へ転勤になったんだよ。
    もう、この動物園には戻ってこないんだ。



パンダくん) ええ?
半田) これ、常勤パンダさんから。





半田) 辞令は、ちょっと前に出てたんだけど、常勤パンダ
    さんがパンダくんには言わないでくれって。
パンダくん) 常勤パンダさんがいないと、
       ボクの可愛さが引き立たないよ?




**********
 
 


パンダくんへ
何も言わないでいなくなってゴメン。
あたし、急に転勤が決まってねえ。
シンガポールの動物園で働くことになったんだ。



半田さんたちには、パンダくんに言わないでって
あたしがお願いしたんだ。
あたしのワガママなんだ。
だから、半田さんたちを責めないでほしい。
最後の日まで、
いつも通り二人で楽しく過ごしたくてねえ。




パンダくんとは、動物園で週2日しか会わなかった
けど、
君がいてくれてずいぶん楽しかったよ。



それから、シンガポールは暑いだろうから、
こたつ置いてくね。良かったら使ってよ。





あと、あたしの内職道具も置いていくから。
暇ならやっていいよ。




もっと二人でお客さん喜ばせたかったなあ。
ありがとう、パンダくん。ありがとう。

**********



常勤パンダさん) パンダくん、
          二人でやったら内職も楽しいよ。



バイト) あ、すみません。いりませんでした?



パンダくん) 常勤さんがいないと、ボク・・・
バイト) ん?
パンダくん) 常勤さん・・・



バイト) あ、あの・・・あ、あの・・・大丈夫ですか?



**********



ペンギンさん) どうしたの? パンダくん。
シロクマくん) そっとしておいてあげて。
ペンギンさん) えぇ? うん。





**********

「雨の動物園」

いつも通りしろくまカフェでくつろぐペンギンさん。ペンギン
さんは、パンダくんが、動物園でのアルバイトにはげんで
いると聞いてびっくり! がんばるパンダくんを心配するみ
んなに「パンダくんに甘すぎる」と言ってはみるけれど・・・。








カップル・男) なんか、寝てばっかで動かねえな。
        何だよ、あのパンダ。つまんねえ、行こう。
ペンギンさん) つまんないって何?




ペンギンさん) つまんないって何―――?
         確かにパンダくんはね、普段週二日しか
         働かないだらしない奴だよ。
カップル・男) な、なんだよ。
ペンギンさん) パンダくんは、何かあるとすぐにバイトを
         代わってもらおうとするし、
ゴロゴロして仕
         事はさぼるし、朝の満員電車がキライで、
         いつもいつも
さぼることばっかり考えてて、
         働くのが大キライで、カフェでダラダラす
         るのが大好きな奴なんだよ!

         ホントに最高にダメな奴なんだよ。
         そのパンダくんが、どれだけ頑張ってる
         か知ってんのかよ! 
知ってんのかよ!
         つまんないとか言うなよぉー!!!
カップル・男) なんだこいつ。



ペンギンさん) パンダくんの親友だよーー!!

カップル・男) おい、行こうぜ。
カップル・女) うん。


 

 


**********

笹子さん) へえ~、パートのパンダさん決まったの。
パンダくん) うん。やっぱり週二日だと、
       人生の充実感が違うよ。
シロクマくん) はい、パンダくん、これ。
パンダくん) 
んん? 
       なに? たのんでないよ。
シロクマくん) 
サービスだよ。



ペンギンさん) あ・・・
パンダくん) ああ、ペンギンさん。
ペンギンさん) ・・・・・・。
        やあ、パンダくん、来てたんだ。
パンダくん) 半田さんに聞いたんだけど、
ペンギンさん) は?
パンダくん) こないだ動物園で怒ってたらしいねぇ。
       日常のストレス?
ペンギンさん) はぁ? ボ、ボクは君を・・・
パンダくん) んん?
ペンギンさん) まあ、いいや・・・
シロクマくん) はい。



ペンギンさん) あぁ? たのんでないよ。
シロクマくん) 
サービスだよ。
ペンギンさん) そうなのぉ? ありがとう。
パンダくん) フンフフンフーン♪




パンダくん) 美味しいねえ、ペンギンさん。
ペンギンさん) うん。
パンダくん) ねえ、ぺんぎんさん。
ペンギンくん) なに?
パンダくん) 久しぶりに、
       どうでもいい話をたくさん聞かせてよ。
ペンギンさん) 話したくなくなる言い方だけど、
         うん、話そうか。
パンダくん) ああ、そうだ!
ペンギンさん) えーっと・・・スルーかい?
パンダくん) ペンギンさん、これ見てよ。
ペンギンさん) なに?



パンダくん) ほら、絵葉書が来たんだよ。
ペンギンさん) 常勤パンダさんから?
パンダくん) うん。
ペンギンさん) あぁ・・・
パンダくん) シンガポールにも、内職があるんだって。
笹子) へえ~。
シロクマくん) 元気そうだね、常勤パンダさん。
パンダくん) これからときどき、絵葉書送るって。



ペンギンさん) よかったね、パンダくん
パンダくん) うん!

**********
 
記事を書くために見直すたびに号泣。このお話は、
私の号泣アニメ、殿堂入り決定! 常勤パンダさん
のように、パンダくんの頭をナデナデしてあげたい。
パンダくん、常勤さんが大好きだったんだね。大好
きだったから、安心して甘えていたんだね。「あの」
パンダくんが、週7日も働いてしまうほど、悲しくて、
辛かったんだね。ワガママで、ぐうたらで、自分大
好きでマイペースなパンダくん。でも、みんなに愛
されるのは、パンダくんも「大好き」をいっぱい持っ
っているから。口が悪くても、誰よりもパンダくんを
心配して、喧嘩して、傘を差し掛けるペンギンさん。
さりげなく、「サービス」してくれて、やさしく見守っ
てくれているシロクマくん。何かを声高に叫ばなく
ても、みんなの想いがじんわりと伝わってくる、と
てもいいお話でした。「いつもの動物園」、「雨の動
物園」と、静かに静かに、大好きな人と別れること。
でも、離れていても繋がっていること。いつも通り、
毎日を過ごしていくことの中で、大切なことを描い
ていて(ああ・・・また涙があふれてしまう~)、これ
は間違いなく名作です。ぐうたらで、吸われるパン
ダくんが大好きだったけど、もっともっと、大大大
好きになりました。パンダくん、好きだよーーー!


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