イコライザーを使う上で個人的に良いと思う練習方法を
1つご紹介したいと思います。


方法としてはミックス時にイコライザーの周波数やブースト、カットの値を
ほとんど見ないというやり方なのですが、
周波数やゲイン値を見ないことでより感覚を重視して音作りをするということと、
耳を鍛えるという意味でこれはとても有効です。


人に寄るかもしれませんが、
ネットや本などの情報もある意味有益ではあるものの
やはり最後は自分の耳なので先入観に一切囚われることなく
EQのパラメーターを見ないでやる方が
良い結果が出るかもしれません。


どんなイコライザーでもそういったミックスのやり方は可能ですが、
何Hzを何dBブーストしたとか、カットしたとかは気にせずに、
思うがままやるということです。


GUIを見る以上どうしてもある程度は目に入ってしまいますが、
自分が常識的だと【勝手に思っている】やり方ではあり得ないイコライジングや
本やネットで見たやり方と著しく異なるやり方になっても
そこは気にせず自分が良いと思った音が良い音と割り切って
ミックスしていくわけです。


McDSP 4020 Retro EQ


4020 Retro EQ辺りはまさにそんな感じで、
いま買おうどうか体験版を使いつつ迷っているところですが、
このEQにはそもそも周波数やブーストorカットのdBが
ものすごく大雑把にしか書いてありません。


RTAS、AAX、AU対応なので、
PROTOOLS以外にはLOGICなどでも使えますが、
体験版を使っていて、
音も太くなるし、感覚重視せざるを得ないGUIなので
「これは良いなぁ」と思いつつ使っています。


ハイシェルフ部分の拡大

ハイシェルフ部分やフィルター部分の拡大画像を見ると
ゲインは0と15しか書いていませんし、
周波数も4k、8k、16kしか書いてありません。




よく雑誌などで5kHzを3dBブーストして~とか、
2.7kHzを4dBカットして~などのように書かれていますが、
このGUIだとそういった細かい数字を設定することが出来ずに
直感に頼らざるを得ないミックスになってきます。


ローシェルフとフィルター部分の拡大


ローシェルフやフィルター部分も同様に大雑把な値しか書いていないので、
ベースやキックなどで低音の音作りや整理を行うときも
必然的に耳を頼りに行わざるを得ません。

あくまで数値は「おおよそ」「だいたい」「大雑把」です。


「具体的な数値を気にせずに耳を頼りにイコライジングする」ということですが、
この点については「それ、もうやってるよ!」という方もいらっしゃれば
「本とかネットの情報を参考にしてるから、具体的な数字が見えないのはちょっと…」
という方もいらっしゃると思います。


何が正しいか、自分に合ったやり方なのかは
結局、個性の現れの一つなので一概には言えませんが、
個人的には常識や先入観よりも自分の耳を信じてやったほうが
より音楽としては良い結果が出せるのではないか?ということを言いたいわけです。


もちろんこのやり方でやったら大失敗したということもあると思います。
単にモニター環境が悪いせいだったり、
そのときは良いと思ったけれど、翌朝聴いたら「あれ~?」となったりすることは
誰にでもあります。


しかし具体的な数値を気にせずに耳を頼りにイコライジング出来ないということは
言い換えれば自分の耳を信用出来ないということであり、
最初は苦戦することがあったとしても
どう考えても最終的にはこの方法の方が
ミックスが上手くなるのではないかと思っています。


人によっては劇的にイコライジングが上手くなる人もいるでしょうし、
失敗したミックスになってしまう人もいるでしょうが、
自分の感覚を信じて行った結果であれば
失敗も財産になります。


自分で良かれと思ったやったことの一体何が駄目だったのか?
それを省みることで成長していくわけですから、
むしろ最初からいきなり上手くやろうとせずに
試行錯誤を繰り返しつつ「感覚重視で」経験を積んでいったほうが
長い目で見れば最終的には良いミックスが出来るようになるのではないでしょうか。



Focusrite Liquid Mix 


個人的にはliquid mixラブ状態なので、
ヴィンテージ色の強いものが好みなのですが、
概ねヴィンテージと呼ばれるプラグインには
このような傾向が強く感覚重視にならざるを得ないものがたくさん存在します。
(全部が全部ではありませんが)


Avalon VT-747SP


liquid mixには色々なコンプとEQが揃っているので
色々使うのですが、例えばAvalon VT-747SPのEQ部分を使うときは
実機は見ての通りグライコの数値が書いてありません。


Avalon VT-747SP グライコ部分の拡大


もちろん説明書には書いてあるでしょうし、
liquid mix上ではプラグインとして動くので数字を見ることができますが、
数字を見てツマミを動かしているのではなく、
音を聞いてツマミを動かすことの方が圧倒的に多いです。


耳を信じて、感覚を頼りにやっていく方法は
特にミックスの初心者にとっては大変かもしれませんが、
慣れてくるとこの方が楽だと思いますし、
ネットや雑誌の情報もある意味有益ではあるのですが、
経験の中でそれらとは異なる自分なりの方法論を見つけることが
出来ると思うので
「なるほど、面白そうだ」と思う方は是非やってみて下さい。


上手くいかないときはなぜ上手くいかないのか?を省みることで
失敗は大きな財産に変わっていきます。


理屈や常識、あるいは他人の方法も大事ですが、
もっと大事なのは自分の感性なので、
たくさんのミックスの中で失敗しつつ、成功しつつ、経験を積んでいくのが
上達のためには遠回りのようで実は一番近道だったりします。


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実際に読みながら付属のMP3を聴き、
また自分でも手持ちのプラグインでポチポチと
設定を真似ていると非常に勉強になります。



どんなところが勉強になるのか?というと、
プラグインの設定そのものではなく、
エンジニアさんが何を考えてその設定にしているか?の解説が
とても含蓄に富んでいてためになりました。


設定そのものは二の次で、
「何がしたくて」「どういう目的で」「どういう効果を狙って」「どういう意図があって」
どのパラメーターをどのように動かしているのか?というのが
最も大切なことであり、
具体例はあくまで一つの具体例に過ぎず、
ケースバイケースの一例に過ぎません。


よくEQなどの解説でべースは〇Hzを〇dBをブーストして~
などど具体例が書かれている書籍があって、
それはそれで初学者の方にとってある意味参考にはなるのでしょうが、
どうしてそのようなことを行ったのかの意図を
深く理解していないと
結局実際の作品で取り扱うベースの音は千差万別なので、
十分な学習効果とは言えません。


元の音が違えば
同じことをしても逆に音が悪くなったり、
不要である場合も多々あるからです。


空間系はコンプやEQに比べるFairchildやpultecのように
銘記と呼ばれるようなヴィンテージ機種が比較的少ないので、
人気がないためか、
適当に、なんとなく、それっぽくなれば良いという感じで
プリセットを選んでいる方が多いのでないかと思うのですが、
この本はかなり詳しく空間系エフェクトについて述べられているので、
初学者にとっては非常に有益な本だと思われます。


もちろん本書内で書かれていることは
著者さんの考え方であり、これもあくまで一例に過ぎませんが、
これから勉強する方にとってはとても良い取っかかりの一つだと思います。


少なくともリバーブのダンピングの調整とか
ディレイの後にEQ入れて音を作っていくとか
そういった初歩的なことが曖昧な方にとっては
基礎から学習するという意味でとても良書であり、
ミックス中級者くらいの方は前半半分くらいは知っていることばかりかもしれませんが、
中盤以降は飛び道具的な設定もたくさんあって、
BGM系の楽曲で使えそうな音作りのヒントになるアイデアがたくさん掲載されています。


私としては15年とか20年前に読みたかった…と思えるくらい良い本で
特に初心者に優しく書かれているのではないでしょうか。


私が長い時間掛けて試行錯誤してきたことが
わかりやすく書かれているのを見ると、
これから勉強する若い世代の方たちは勉強するのが楽でいいなぁ~と思います。


こんな本が当時あったらどれだけ便利だったか思うことしきりで
近年ミックスの勉強を始める方は
情報が氾濫し過ぎて取捨選択に困るかもしれませんが、
良い本や情報と出会えれば有益に活用できますので、
私やそれより前の世代の方たちよりもずっと勉強が楽になっているのではないかと思います。


20年前はこういった本の内容は私が知る限り、
サンレコなどの雑誌にチョロチョロっと載っているくらいで、
あとはエンジニアの方や先輩に直接習うくらいしか方法がなかったけれど、
今は当時に比べて遙かに開かれています。


当時は勉強することそのものよりも、
情報を集めることの方が大変だったのですが、
今は逆で情報が多すぎて、
正しいもの、自分にあったものを選ぶのが難しくなってきています。



①ミックスにおける音像に明確なイメージを持つこと、
②そしてその具体化の手段を知ることの二段階が必要な過程ですが、
この学習過程を実例を山ほど出しつつ、エンジニアの意図を述べ、
段階的に教えてくれる内容になっているので、
少なくともお値段分の価値は間違いなくあります。


結局ミックスはケースバイケースなので、
実際の曲の中でどうするべきかは千差万別であり、
まさに其処こそが個性の発揮のし所なのですが、
其処に至る道としてはなかなか空間系について
まとめられた本は少ないと思うのでお勧めです。



作曲が専門でミックスはあまり得意でもないし、
将来エンジニアになりたいわけでもないけれど、
コンペにエントリーしたり、BGMを作るのにミックス技術が必要だから上手くなりたい…
でも空間系のエフェクトはあまり整理して勉強したことがない。
という方にお勧めできます。


此の一冊のみで空間系がすべて完璧になるとは言いませんが
一つの整理された書籍として、また一つのアプローチとして有益なので、
興味があれば本屋さんなどで覗いてみて下さい。


また本書でフリーソフトとして使われている
soundhackの+DELEYもお勧めです。

SoundHack Delay Trio


フリーウェアですが、非常に優秀である意味、
WAVESなどのシェアウェアではできないことも一台で出来たりする優れものです。


DLはこちら

PROTOOLS11はAAXのみなので使えませんが、
PROTOOLS10以前であればなんとRTASにも対応しています。


使っているうちに普段はWAVESなどのディレイを使っていたのですが、
おもいのほかこのディレイが優秀で、
フリーソフトではあるもののメインで使うディレイの仲間に入ってしまいました。


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