BGMを作るときに、一般的なよく知られたエフェクト、
つまりディストーション、コーラス、ディレイ、フランジャーなど
ギターのコンパクトエフェクターにあるようなものではなく、
もっと飛び道具的で劇的なエフェクターが欲しいときに
LinPlugのrelectroがお気に入りです。


LinPlug relectro


なかなか分類が難しいのですが、
シンセサイザーのオシレーターがないようなイメージの
エフェクターで主にフィルターやLFOなどを駆使して
ハチャメチャな音が作れます。

参考動画
http://vk.com/videos149086558?z=video149086558_168050744%2Fpl_149086558


Linplugは日本では唯一の国産DAWを作っている
インターネット社と提携?しているのか
インターネット社のDAWを買うと
Linplugのいくつかのプラグインや音源が付いてきたのですが、
ABILITY2.0からはrelectroも無料で付いてくるようです。


Linplugは個人的には結構気に入っていて、
SSW時代から付いてきた音源なども
VEproで使いたいという理由から個別に買っていたりしました。


テクノ系やダンス系全般で
「この音どうやって作ってるの?」
というなんだこれ??という音を簡単に作れます。


リズムパートやシンセ、あるいは一発ものの効果音に掛けたりして
かなり独創性の強い音を作れるあまり同類の製品のないプラグインで
曲調が合えばかなり使えるプラグインです。
とにかく面白い音が作れます。



フィルター系の面白いエフェクターというコンセプトなら
soundtoysのfilterfreakもたまに出番があります。

soundtoys filterfreak




relectroとはちょっと方向性が違い、
フィルターの可能性を追求したようなエフェクターですが、
これもなかなか面白い音が作れます。


常用するものではなくて飛び道具的なものですが、
こういったエフェクトがあると、
曲の細かいところで興味深い変化が付けられますので、
普通のエフェクターに飽きてしまった人にお勧めです。


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Boz Digital LabsのT-Boneを
随分前に購入しました。

Boz Digital Labs【T-Bone】


ティルトタイプのEQで、
なるべく音を崩さずに簡単にハイもしくはローを
バランス良く調整出来ます。


ティルトEQとは簡単にいうと遊具のシーソーみたいなもので
片方が上がると片方が下がってバランスを取る動きを自動で行うタイプの
イコライザーです。




動画の中ではオケにティルトEQを掛けていますが、
通常のティルトEQのみならず、
レゾナンス機能+HPF&LPF+アナログシミュレーター+ABスイッチ(設定保存)
パラレルイコライザー+MS処理(但し使えるのはMかSどちらかのみ)という
機能を持っており、
イージーアクセスでさっと使えるのが気に入っています。


パラレルEQでEQ音と原音のバランスを取れる


MS処理可能(但しMのみ、Sのみの片方)


真空管シミュレーター

大きな特徴としてはMS処理(ティルトでMSはあまりやりませんが)や
パラレルイコライザー機能でしょうか。
(原音とEQ音のバランスを取れます)


softube Tonelux TILT

ティルトEQと言えばsoftubeのTonelux TILTも持っていますが、
こちらはなんだかあんまり使う気になれず、
これを使うくらいな普通のEQを使うよ…という感じだったのですが、
T-Boneの方は割と出番が多いです。


スペクトラムをグラフィックで見られる点が大きいのかもしれませんが、
ソフト音源で作曲していく最中に
簡易的な音作りとしてとりあえず挿しておくEQとしては非常に便利です。



パラレルEQもなるべく音を崩さずに、
とりあえず作曲・編曲しやすい音にするのには有効で、
最終的に追い込むためのEQではなく、
あくまで作曲時の音作りに使う大雑把な音色調整のためという感じです。


しかしながら実際の作業ではすべてのトラックに
緻密なイコライジングが求められるわけではなく、
T-Boneで作った音でそのままOKという場合もあるので、
ティルトタイプを今まで使い込んで来なかったこともあり、
選択肢の一つとして購入してみました。



ミックスにあまり時間を掛けたくない、
でも手軽に良い結果が欲しいというときの
選択肢の一つとしてはありだと思います。



昨今はWAVESのSIGNATUREシリーズやTOONTRACKのEZ MIX2を始め
お手軽ミックスツールが増えてきましたが、
将来エンジニアになりたいならば、
こういったものに頼るべきではないと思いますが、
本業は作曲や編曲で将来エンジニアを目指しているわけではない
作曲家志望の方や作家志望の方はどんどん使って行けばいいのでは?と思います。


もちろんこういうものに100%頼ればすべて上手くいく、
というほど甘いものではなく、
現実問題として色々な基礎的・応用的なテクニックを知らないと
ミックスは上手くならないのが現実だとは思いますが、
ある程度のレベルに達している方が「楽を出来る」というのは
ガチンコのエンジニアを目指しているわけではないけれど、
自分の作った曲は自分でミックスしなければいけないという方にとっては
便利なツールになり得ます。


ティルトEQはパライコでちょこちょこ弄るのとは
また違った音になりますし、
ミックスにおいてティルトで超大雑把にイコライジングすると
どういう結果をもたらすのか?
そのメリットとデメリットを感じさせてくれるイコライザーです。


最後までお読み頂き有り難う御座いました。


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ずっと昔にSPL Vitalizer mk-2の使い方の記事を書きましたが、
アナログ感の付加やブラッシュアップに結構使えるプラグインなので
改めてもう少し掘り下げてみたいと思います。


変則的・複合的なプラグインではありますが、
基本コンセプトとしてはイコライザーと考えて良いと思います。

Stereo Vitalizer Mk2-T

Model 9530 Tube Vitalizer


現行のVitalizerは実機に2タイプありますが、
プラグイン化されているのは廉価版の1Uの方です。


自宅では2UのModel 9530 Tube Vitalizerを使っていますが、
こちらよりは設定できるパラメーターの数は減るものの、
プラグインも基本コンセプトは全く同じで出来ています。


今回はスペクトラムに焦点を当ててみていきます。

デフォルト(クリックで拡大)

デフォルトの画像です。
プラグインの目盛りとスペクトラムを対応させてみて下さい。

通すだけでは何も変化はありません。


○MID-HI TUNEとPROCESSとハイシェルフと
60Hz付近の低音コントロール

基本はMID-HI TUNEとPROCESSで音作りを行っていきます。

MID-HI TUNE「3kHz」 PROCESS「5」(クリックで拡大)

MID-HI TUNEを3kHz~8kHzあたりにして
PROCESSを回していく使い方を私はよく行いますが、
60Hz辺りが3dBカットされ、
画像では3kHzからシェルビングでハイがブーストされているのがわかります。

MID-HI TUNEはハイのシェルビングを行う周波数を何処にするのか?を
決めるパラメーターと考えてOKです。

60kHzがへこむのはMID-HI TUNEを何kHzに設定しても変わりません。


マスタリングでこの設定のまま使うと低音を支えるベースの基音や
キックの成分が減っていくため重心が上がっていきます。

微調整の仕方は後述しています。

MID-HI TUNE「1,1kHz」 PROCESS「18」(クリックで拡大)

わかりやすくするために極端な設定にしていますが、
MID-HI TUNEを1,1kHzに下げると
シェルビングの開始周波数も1.1kHzまで下がっています。

60kHzのカット部分は周波数に変更はありません。

PROCESSのパラメーターを「18」と極端ですが、
これはそのままMID-HI TUNEで設定した周波数からの
ハイシェルビングと60Hzのカットをどれくらい強烈に
行うかというパラメーターになります。

ハイシェルビングと60kHzのカットは2つセットで連動します。


MID-HI TUNE「8kHz」 PROCESS「18」(クリックで拡大)

MID-HI TUNEを8kHzに上げると
シェルビングのスタート周波数も当然8kHzになりますが、
周波数が上に上がれば上がるほど単なるシェルビングではなく、
MID-HI TUNEで設定した周波数より低い周波数が
広めのQ幅でカットされているのがわかります。

画像では1kHz~8kHzあたりまで広めのQ幅で
やんわりカットされています。


普通のイコライザーのように杓子定規に動くのではなく
スペクトラムカーブの動きはやや変則的で
このあたりがsplの宣伝文句である
「音響心理学と聴力検査の原理を活用したプロセッサー」
ということなのでしょうか。

音響学的にベストな音像をsplなり研究した結果を
簡易的に使うことの出来るプラグインという感じです。

基本はハイファイなサウンドになっていきます。


○LC-EQ とINTESITYはハイシェルフ

LC-EQ 「HIGH」  INTENSITY「MAX」(クリックで拡大)

LC-EQは高域のブーストの位置(周波数指定ではありません)を決め、
INTENSITYはブースト具合を決めます。

LC-EQの値がHIGHだと2.7kHzあたりからシェルビングでブーストし、
2kHzあたりが少しカットされています。

LC-EQ 「LOW」  INTENSITY「MAX」(クリックで拡大)

LC-EQの値がLOWだとだと1.9kHzあたりからシェルビングでブーストが開始しています。
(その少し下の周波数はへこんでいます)

つまりLC-EQはおおよそ1.9kHz~2.7kHzからの
シェルビングの開始位置を決めるパラメーターになるわけですが、
MID-HI TUNEもハイのシェルビングを決めるパラメーターですので、
MID-HI TUNEをを補強するような形で使い事が多いです。


○BASSは低音作り

MID-HI TUNE「3kHz」 PROCESS「4」(クリックで拡大)

前述の通り60Hz付近の低音は
MID-HI TUNE とPROCESSの値によって連動しています。

BASSだけを動かしても意味はありません。

MID-HI TUNE とPROCESSによって作られた60Hzの
イコライジングカーブに対して低域をよりシャープにするか
モワっととブヨブヨにするかを決めるのがBASSのパラメーターです。

絵柄のイメージでなんとなくわかりますが、
■側に回すと低域がシャーブに、●側に回すと丸みを帯びてきます。


具体的には以下のようになります。

(クリックで拡大)


●側に回すと45Hzあたりがブーストされているのがわかります。
このあたりはキックよりももう少し下の可聴周波数ギリギリのちょっと上あたりなので
超低音がモワっとします。

よく言えば低域がふくよか、悪く言えば低域がだらしないという感じでしょうか。

■側に回すと45Hzあたりが逆にカットされて、
超低域がスッキリして、その上にあるキックやベースがより
シャープな感じになっていきます。

BASSのパラメーターを弄らなくても
60Hz付近は少しカットされてしまうので
この辺りを触りたくない場合は
●側に時計の10時半くらいに回すと
多少の変化はありますがなんとかバランスがとれます。

(クリックで拡大)

あるいは■側に最大してわりとフラット気味になります。

(クリックで拡大)

この設定ならまぁ少しくらい動いてもいいか…という感じです。
MID-HI TUNE とPROCESSを使いたいけれど
低域を完全にフラットにしたり、低域に影響を与えないようにすることは
Vitalizerでは出来ません。

低域を全くいじらずに高域だけの音作りをしたいなら
LC-EQ とINTENSITYで行います。


しかしミックスで使う場合はそれほど問題にはならず、
●と■を調整して「これでいいかな?」という風に耳で調整していけば
多少ローが弄られてもVitalizerの持つ効果と差し引くと
十分にプラスになります。



○DRIVEは効果の強さ

MID-HI TUNE「8kHz」 PROCESS「18」+「DRIVE-20」


MID-HI TUNE「8kHz」 PROCESS「18」+「DRIVE+6」

DRIVEのパラメーターは上の2つの画像を見比べてわかる通り、
その設定の効果をどれだけ強調するか?です。

MID-HI TUNE、 PROCESS、LC-EQ、INTENSITYを動かしても
DRIVEを最低の-20にしてしまうと
ほぼバイパスと変わらなくなります。


MID-HI TUNE、 PROCESS、LC-EQ、INTENSITYで作った設定を
微調整するのに使えます。

実機のVitalizerは真空管機材ですし、
DRIVEというと歪みを付加するというイメージですが、
このプラグインのVitalizerにおけるDRIVEのつまみは
純粋にEQカーブのコントロールのみのようです。

1kHzのサイン波にDRIVEを最大にした倍音付加の画像


VitalizerのDRIVEを最大にして1kHzのサイン波を通してみましたが、
基本的に倍音の付加がないことがわかります。


また述べていませんが、ステレオエキスパンダーも付いています。


○まとめ

非常に変則的ではありますが、
MID-HI TUNE とPROCESSによって中高域と同時に低域も作るのが
Vitalizerのコンセプトなので、
もの凄い不自由なイコライザーだけれども
型に嵌れば凄く良いイコライザーという風にとらえても良いかもしれません。

ミックスの中で似たような処理を行うことは多いので、
その代替えとして使うことも出来なくはありません。

しかし現実には単純なイコライザーというよりは
音作りに使えるエフェクターという位置づけになっています。


基本的に細かい周波数設定をしたりするのではなく音をハイファイにしたり、
マイクでレコーディングしたような空気感やアナログ感、
奥行きなどが生まれる効果を求めて使うことが多いので、
イコライザー○○Hzを○dBブーストしたい」というときは
普通にイコライザーを使ったほうが便利です。


また単にスペクトラムだけに注目して記事を書いていますが、
公式に書いてあるようにマスキングされた音を取り戻したり、
奥行きを出す効果はスペクトラムには現れない処理をしているということなので
アナライザーには映らない部分もたくさんあるのでしょう。

複雑なアルゴリズムが組まれているはずです。


ハードウェアのModel 9530 Tube Vitalizerの方は
高級機を通したときのような立体感・空気感・奥行きみたいなものが
出るのが顕著にわかりますので、
周波数スペクトラムだけがすべてではなく、
むしろトラックに立体感を出したり、ハイファイにするために
ミックスやマスタリングで使うのが私個人の用法です。


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イコライザーを使う上で個人的に良いと思う練習方法を
1つご紹介したいと思います。


方法としてはミックス時にイコライザーの周波数やブースト、カットの値を
ほとんど見ないというやり方なのですが、
周波数やゲイン値を見ないことでより感覚を重視して音作りをするということと、
耳を鍛えるという意味でこれはとても有効です。


人に寄るかもしれませんが、
ネットや本などの情報もある意味有益ではあるものの
やはり最後は自分の耳なので先入観に一切囚われることなく
EQのパラメーターを見ないでやる方が
良い結果が出るかもしれません。


どんなイコライザーでもそういったミックスのやり方は可能ですが、
何Hzを何dBブーストしたとか、カットしたとかは気にせずに、
思うがままやるということです。


GUIを見る以上どうしてもある程度は目に入ってしまいますが、
自分が常識的だと【勝手に思っている】やり方ではあり得ないイコライジングや
本やネットで見たやり方と著しく異なるやり方になっても
そこは気にせず自分が良いと思った音が良い音と割り切って
ミックスしていくわけです。


McDSP 4020 Retro EQ


4020 Retro EQ辺りはまさにそんな感じで、
いま買おうどうか体験版を使いつつ迷っているところですが、
このEQにはそもそも周波数やブーストorカットのdBが
ものすごく大雑把にしか書いてありません。


RTAS、AAX、AU対応なので、
PROTOOLS以外にはLOGICなどでも使えますが、
体験版を使っていて、
音も太くなるし、感覚重視せざるを得ないGUIなので
「これは良いなぁ」と思いつつ使っています。


ハイシェルフ部分の拡大

ハイシェルフ部分やフィルター部分の拡大画像を見ると
ゲインは0と15しか書いていませんし、
周波数も4k、8k、16kしか書いてありません。




よく雑誌などで5kHzを3dBブーストして~とか、
2.7kHzを4dBカットして~などのように書かれていますが、
このGUIだとそういった細かい数字を設定することが出来ずに
直感に頼らざるを得ないミックスになってきます。


ローシェルフとフィルター部分の拡大


ローシェルフやフィルター部分も同様に大雑把な値しか書いていないので、
ベースやキックなどで低音の音作りや整理を行うときも
必然的に耳を頼りに行わざるを得ません。

あくまで数値は「おおよそ」「だいたい」「大雑把」です。


「具体的な数値を気にせずに耳を頼りにイコライジングする」ということですが、
この点については「それ、もうやってるよ!」という方もいらっしゃれば
「本とかネットの情報を参考にしてるから、具体的な数字が見えないのはちょっと…」
という方もいらっしゃると思います。


何が正しいか、自分に合ったやり方なのかは
結局、個性の現れの一つなので一概には言えませんが、
個人的には常識や先入観よりも自分の耳を信じてやったほうが
より音楽としては良い結果が出せるのではないか?ということを言いたいわけです。


もちろんこのやり方でやったら大失敗したということもあると思います。
単にモニター環境が悪いせいだったり、
そのときは良いと思ったけれど、翌朝聴いたら「あれ~?」となったりすることは
誰にでもあります。


しかし具体的な数値を気にせずに耳を頼りにイコライジング出来ないということは
言い換えれば自分の耳を信用出来ないということであり、
最初は苦戦することがあったとしても
どう考えても最終的にはこの方法の方が
ミックスが上手くなるのではないかと思っています。


人によっては劇的にイコライジングが上手くなる人もいるでしょうし、
失敗したミックスになってしまう人もいるでしょうが、
自分の感覚を信じて行った結果であれば
失敗も財産になります。


自分で良かれと思ったやったことの一体何が駄目だったのか?
それを省みることで成長していくわけですから、
むしろ最初からいきなり上手くやろうとせずに
試行錯誤を繰り返しつつ「感覚重視で」経験を積んでいったほうが
長い目で見れば最終的には良いミックスが出来るようになるのではないでしょうか。



Focusrite Liquid Mix 


個人的にはliquid mixラブ状態なので、
ヴィンテージ色の強いものが好みなのですが、
概ねヴィンテージと呼ばれるプラグインには
このような傾向が強く感覚重視にならざるを得ないものがたくさん存在します。
(全部が全部ではありませんが)


Avalon VT-747SP


liquid mixには色々なコンプとEQが揃っているので
色々使うのですが、例えばAvalon VT-747SPのEQ部分を使うときは
実機は見ての通りグライコの数値が書いてありません。


Avalon VT-747SP グライコ部分の拡大


もちろん説明書には書いてあるでしょうし、
liquid mix上ではプラグインとして動くので数字を見ることができますが、
数字を見てツマミを動かしているのではなく、
音を聞いてツマミを動かすことの方が圧倒的に多いです。


耳を信じて、感覚を頼りにやっていく方法は
特にミックスの初心者にとっては大変かもしれませんが、
慣れてくるとこの方が楽だと思いますし、
ネットや雑誌の情報もある意味有益ではあるのですが、
経験の中でそれらとは異なる自分なりの方法論を見つけることが
出来ると思うので
「なるほど、面白そうだ」と思う方は是非やってみて下さい。


上手くいかないときはなぜ上手くいかないのか?を省みることで
失敗は大きな財産に変わっていきます。


理屈や常識、あるいは他人の方法も大事ですが、
もっと大事なのは自分の感性なので、
たくさんのミックスの中で失敗しつつ、成功しつつ、経験を積んでいくのが
上達のためには遠回りのようで実は一番近道だったりします。


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DTMマスタリングのやり方

DTMミキシングのやり方



前回の記事で鍵盤が反応しなくなった
MIDIキーボードを自分で直してみたが、
今度はポータブルレコーダーである
RolandのR-09が電池の液漏れで
壊れてしまったので、
またまた分解し洗って直してみた。

Roland R-09

携帯用のポータブルレコーダーとしてはかなり利便性が良く
48KHz/24bitで録音できるので、
(今はもっと良いのがあります)
かなり重宝していていた。


もう何年も使っているので、
型遅れになってしまったが、
電池を入れっぱなしにして保管しておいて、
ある日、久々に使おうかなと思って出したら、
電池が液漏れして電源が入らなくなってしまった。

電池は長期間放置すると液漏れするらしい。

使用途中の電池は内部のガス圧が高まってくると
安全のために自ら液漏れするようになっているそうだ。

参考サイト


ギター・ベースのコンパクトエフェクターとか
アクティブタイプのギター・ベースの電池、
あるいはそれ以外でも様々な環境で電池を使うことが多いけれど、
長期間入れっぱなしにしておいて
液漏れで機材が故障という目に初めて会ったので勉強になった。
長期間使わないときは電池は抜いておくべきだ。


子供のおもちゃや電池を使ったちょっとした
家電なんかも電池の液漏れで故障してしまうことが多いらしい。


液漏れした電解液が回路や電気の接点部分に
ドバっと掛かってしまって通電しなくなるのが
主な故障の原因のようなので、
駄目元でバラして洗浄したらなんと直ってしまった。


こちらのサイトが参考になった。


マイク部分を濡らさないように水に付け置いたり、
水道で流したりして、
乾燥した電解液が付着した金属部分はカッターやヤスリで
丁寧に磨いて組み直しただけで
特別なことは何もしていない。


水が完全に乾くまで一晩くらいはかかるので
直ぐに電源を入れては駄目なのがポイントらしく
濡れた状態で無理やり通電させると
故障の原因になるらしい。


その点は注意が必要だが、
基本ただの掃除のみなので
こんなに簡単に直るとは思ってもみなかった。


Roland R-09HR


正直後続機種のR-09HRを買おうかと思っていたが
これでまた暫く使えそうだ。


なんでもやってみるものだ。

ただ複雑な構造の機械だとバラして戻せなくなったり、
形だけ元に戻しても組み方が悪いと正常に動作しない場合があるので
やっぱりこの辺は自己責任だが、
「このまま捨てるなら駄目元でやってみるか」
くらいの気持ちで挑戦してみるのは良いかもしれない。


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最近elysiaのalpha compressorが気に入っている。

elysia alpha compressor


元々はマスタリング用に新しいものが欲しいなぁと思って
購入したものだけれど、
付属で付いてくるミックス用の簡易バージョンが結構良い感じだ。


elysia alpha compressor

簡易バージョンと言ってもマスタリングで必要になるであろう
MS処理のモードがないだけで、
後はマスタリングバージョンとほとんど同じだ。


前の記事でも書いたけれど、
このコンプの主な特徴である以下の機能は
ミックス用の簡易バージョンでもそのまま使える。


・フィードフォアード・モードによる圧縮動作ののリアルタイム可変。
・HPF or LPFを用いたサイドチェインコンプレッション。
・セミオートのアタックとリリース設定
・原音と圧縮音を任意にミックスできるパラレルコンプレッション。
・ウォームボタンによる歪み。



上記の機能のどの辺が具体的に良く作用しているのかは
上手く表現できないけれど、
とても自然な感じでコンプが掛かる。


やはりレシオ可変、アタック・リリースセミオートという
その都度最適な圧縮を行うことの出来る機能や
原音とコンプ音のミックス量の調整やサイドチェインが
良く作用しているのだと思う。


このコンプレッサーの紹介動画があったので
良かったら見て下さい。




動画からもかなり自然な感じのコンプレッションが伝わるはず。


「ただ単に潰す」とか「潰し方にヴィンテージな味がある」とか
そういった感じではなくて、
レシオ・アタック・リリースが可変となっている知的なコンプなので、
自然な感じのコンプレッションを求めるなら
よくこのコンプの出番がある。



WAVES CLA-2A

WAVES CLA-76

ヴィンテージ系で気に入っているのが
WAVESのCLA-2A CLA-76
昔ながらの機種だけれど今でもかなり出番はある。


Sonalksis SV-315


ほかにもヴィンテージでもモデリングでもないけれど、
SonalksisのSV-315も良く使う。


コンプはどれも味があって、
荒々しいドラムや迫力のあるディストーションギターの音が欲しい時や
パンチのあるベースの音が欲しい時、
柔らかい感じのストリングの音が欲しい時など
時と場合によって使い分けているけれど、
elysiaのalpha compressorは味みたいなのはあまりないけれど、
自然で緻密な動きをしてくれる素晴らしいコンプレッサーだと思う。

個人的には特にボーカルに最適と感じている。



そもそもコンプの使い方の妙技は
レシオやアタックやリリースの設定を如何にソースと自分のイメージに合わせて
設定出来るか?が肝であるのに
それらをコンピューターがセミオート(大体のアタリは手動です)でやってくれるので、
ある意味ではとても便利だ。


高性能化したパソコンやプラグイン開発メーカーの
技術力アップあってこそのものだが、
最近はこういうのがたくさんあって
DTMを楽しむというだけでなく、
頑張ればプラグインだけでも相当いいものが作れるようになってきた。


良い時代になってきたと思う。



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SPL 【Passeq】を導入した。


SPL 【Passeq】プラグイン版


Pultecタイプと同じくイコライザ-の中では少数派の
パッシブイコライザーだが、
マスタリング専用という感じの作り込まれた出来になっている。


Puletec EQP-1A


以前書いた記事の「PultecタイプのEQ考察」にも掲載されているが、
このEQもブーストとカットが同時に出来るタイプの作りなので、
慣れるまではマスタリングで使いにくい感じだったが、
慣れてしまえばこれはこれでアリだと思えてきた。


Puletec EQP-1Aは全く同じ周波数のブーストとカットだったけれど、
Passeqは微妙にずれている。


またPuletec EQP-1Aはハイとローの2バンドしかなかったが、
Passeqはハイ、ミッド、ローの3バンドをブースト3つ&カット3つで合計6バンドとなり、
MS処理にも対応し、それぞれのバンドもかなり細かく動かすことが出来る。

ブースト用に3バンド、カット用に3バンド。合計6バンドのEQです。


Passeqはマスタリングを意識して、
細かいところまで追い込むことができるようになっているが、
単純に微調整という点なら、
昨今のグラフィカルタイプで細かくQ幅が変更できるタイプの方が優れている。



パッシブイコライザーのメリットを活かしたマスタリングでのEQ処理と
大雑把なイコライジングで使っているが、
慣れれば使い勝手も良く、
これはハードウェア版が欲しくなってきた。


Passeqはハードウェア版passeqのプラグイン化されたものだが、
ハードウェア版はお値段も凄い事になっている
まさにスタジオ専用機器といった感じだ。


SPL 【Passeq】ハードウェア版


しかしパッシブイコライザーのメリットである
「トランスによるによって歪みなしのブーストが出来る」
「電子的な制限を受けないのでノイズがない」などの
パッシブイコライザーのメリットでデジタル化されたEQでも再現できるのか?
ということが非常に疑問なのだが、どうなんだろう?


もちろん実機のPasseqの振る舞いをモデリングして、
プラグインで再現しているのだろうが、
マスタリングEQはアウトボードの方が良いので、
やっぱりアウトボードが欲しいなぁ、と思ってしまう。




慣れないうちはアナライザーを見ながら使う。


意味がわかってしまえばただのEQに過ぎないので、
何の問題もなく使えるが、
慣れない内は具体的にどんなカーブを描いているのか?を
補助ソフトなどを使って視覚的に確認するのも良いかもしれない。


MSモードでのマスタリングEQというのがメインの使い方だけれど、
Q幅の設定が出来ないので、
そこはsplを信じて、機種に依存という感じになる。


プラグインなので何処までアナログでの
パッシブの振る舞いを再現出来ているかは
難しい部分だと思うけれど、
Passeqで大雑把な型を取り、
後段にもう一つもっと緻密な処理ができるEQを入れても良いかもしれない。



ミックス用に実機にはないモノラルバージョンもあります。


プラグイン版には実機にはないモノラルバージョンもあるので、
ミックスでも使うことができる。


ネット上にはあまりレビューもなく、
知名度もいまいちパっとしない感じだけれど、
個人的にはプログラムで再現されたパッシブの質感や
既定のQ幅などがなかなか良いEQだと感じているので
ご興味がおありの方は是非体験版を試してみて欲しい。




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Sonnox OxfordのElite bundleを導入した。


7つのプラグインがセットになったもので
WAVES同様にスタジオ御用達のプラグインなのだが、
なぜか今まであまり購入しようという気にならなかった。


 Oxford EQ


その理由は「デザインが古臭く感じるから」というものだったのだが、
実際に使ってみると、
デザイン性は置いおき、その性能だけに着目すると
相当使いやすく、また音も素晴らしいと感じた。


 Oxford Reverb


元々Sonnox Reverb目当てで、
Reverbだけ単体で買おうとも思ったのだが、
どうせならまとめてということでバンドルで買った方が得なので、
Elite Bundleを購入。



お目当てのOxford Reverbは色々な雑誌や動画などで
エンジニアの方が愛用しているので、
ずっと気になっていたリバーブだったのだが、
物凄い細かいところまで追い込むことが出来て、これは凄い!と感じた。


既にたくさんのリバーブプラグインを使っているけれど、
演算系のリバーブプラグインとして今後のメインとして使っていきたい。


長かったリバーブ探しの旅もこれで一応終了だと思えるくらい良く出来ている。



コンボリューションリバーブはほかにも色々使っているけれど、
演算系リバーブはもうこれで満足できる。


ほかにも地味に良かったのが、
SuprEsserInflatorだ。


 Oxford SuprEsser


SuprEsserは基本的にはディエッサーなのだが、
WAVESなどのディエッサーと違い掛かる範囲を細かく設定できるし、
掛かり方も現時点で所有しているディエッサーよりも自然?に感じる。


便利なのが周波数だけでなく、
そのバンド幅まで設定できることだ。


WAVES Renaissance DeEsser


この辺りは好みの問題かもしれないが、
現在メインで使用しているWAVESのRenaissance DeEsserと
組み合わせて使っていきたい。



周波数とそのバンド幅を設定出来るのが良いのか、
元のボーカルトラックによるが、
Sonnoxの方はデェッッサーにいちいちオートメーションを書かずに
入れっぱなしでも結構いい感じなる。


 Oxford inflator


inflatorはリミッターとエンハンサーが合体したようなプラグインだが、
立たせたいトラックにガンガン挿していくだけで、
大いに効果を発揮してくれるので、
これはなかなか良かった。


特に難しい操作が必要なわけではなく、
基本的な僅かなパラメーターの操作だけで使えるお手軽プラグインなのだが、
その実用性はかなり高い。


あとは個人的に「おぉ!」と感じたのだ、
Oxford dynamicsで主な用途はコンプレッサーだが、
なかなか機敏で言うことを聞く感じなので気に入っている。


Oxford dynamics


変な色付けがあるわけでもなく、透明な感じだが、
物凄く細かくコントロールが効くので、
ヴィンテージ系の色付けの濃いものではなく、
純粋にダイナミクスのコントロールを行いたい時は
今後はこれもメインで使っていきたい。



ほかにもトランジェントとイコライザーとリミッターがあるが、
EQはもちろん素晴らしいEQであることには違いないが、
昨今のたくさんのメーカーが参入してきた現状では、
ちょっと個性が弱いかもしれない。


昔から愛用しているエンジニアさんにとっては
この上なく素晴らしいプラグインなのだろうが、
これから使い始める方にとってはほかにもたくさんの選択肢があると思う。


Sonnoxはどちらかというとプロユースなプラグインに入るが、
一昔前ならいざ知らず昨今は比較的に安価で手に入るので
(昔に比べてという意味です)
「デザインが野暮ったいけどどうなの?」と思っている方には
ミックスでの実用性はかなり高いプラグインなので結構お勧めです。





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Plugin Alliance【maag EQ4】導入した。

Plugin Alliance【maag EQ4】

6バンド仕様のEQで、このEQの売りである
AIR BAND以外は周波数が固定になっている。


限定的で一見使いにくそうだが、
まるでそんなことはなく、非常においしいポイントを押さえた
良くできたEQだと感じた。


このEQの面白いと感じた部分は、通常の人間の可聴領域外から
変更ポイントを加えることによって、
全体的なサウンドに今までと異なる質感を与える点だ。
(人間の可聴領域は20Hz~20kHz。個人差は大きくある)


10Hzのローバンド

AIRBANDも面白いが、このEQにはなんと10Hzの超ローバンドEQも付いている。
実際にこの10Hzのバンドを動かしたところをプリントスクリーンしてみた。


10Hzのツマミを右に2回した状態。(クリックで拡大)


10Hzのツマミを左に2回した状態。(クリックで拡大)


ツマミの数字はdBとはリンクしておらず、
またブーストとカットでも数字によってゲインの幅はまるで違う。
(場所によっては4倍くらい違う)


ブースト時は右にツマミを5回せば17dBくらいブーストされるが、
カット時は左にツマミを5回しても4dBくらいしかカットされない。



ボーカルに関してのレビューが多いのだが、
キックやドラムのミックスバス、あるいはループ素材などにインサートしてみると、
この10HzのシェルビングEQは「おぉ?!これは!」という
言葉で表現するのが難しい効き方をする(もちろん良い意味で)。


シェルビングタイプなので、10Hzをブーストすれば、
もっと上の周波数まで持ち上がるのだが、
なんというか今まであまり経験したことのない効きで、
今後ミックスの低音コントロールの選択肢が一つ増えた感じだ。


40Hzのバンド

160Hzのバンド


10Hzのほかに40Hzと160Hzのバンドがあり、
おいしい部分を抑えているので、
この3バンドで十分音が作っていける。


見ての通りQ幅などは設定できないが、
かなり絶妙な設定になっていて、
使っていて「Q幅とか設定できないけど、これいいじゃん!」という感じになるので、
その辺はさすがMaag Audioという感じだ。
本当に良く出来ている。



650Hzのバンド

2.5kHzのバンド


中域と高域は650Hzと2.5kHzの2バンドがあるが、
これは主にボーカルを意識したバンド設定に思える。

もちろんソロ楽器全般に当てはまる周波数ではあるけれど、
ドンシャリ気味にしたいときは650Hzをカットすると
200Hzから2kHzに掛けてのやや広めのQカーブで
絶妙なカット具合を聴かせてくれる。


650Hzのツマミを左に5回した状態。(クリックで拡大)


こういう風に視覚化してみることができれば
自分でパラメトリックEQを使うときの参考にもなる。


2.5kHzのシェルビングEQも高域を持ち上げるのに最適だが、
大体400Hzあたりからの滑らか、且つ自然なシェルビングで
ブースト量が多いとそれに応じて400Hz以下の低音もブーストされて
自然なカーブを見せてくれる。


この高域も掛かり方はとても気持ち良い感じだ。


2.5kHzのツマミを右に2回した状態。(クリックで拡大)


周波数は変更できないけれど、
考え込まれたセッティングなのでやはりこれで十分に対応できる。


対応できるというよりは「聴覚的に自然なEQカーブ」を得たいなら、
多くの場合にほとんど最適な結果を得ることが出来ると感じた。


自然さを追求するのではなく、
もっと極端な音づくりをしたい場合は任意で
別途パラメトリックEQを使えば良いと思う。



AIR BANDは周波数が可変


そしてこのEQの最大の売りであるAIR BANDだが、
こちらは2.5kHz、5kHz、10kHz、20kHz、40kHzと周波数が変更出来る。


アナログアウトボードのEQだと20kHz以上の周波数に対する変更が
可能な機種もあるが、
プラグインでは比較的珍しい40kHzへのアクセスはなかなか興味深い。


これを十全に活かすには
セッションファイルのサンプリングレートを高いレートにする必要があるし、
ヘッドホンやスピーカーもそれなりのものを良いしないといけないが、
40kHzを弄ることによって得られる可聴領域(20kHz以下)への影響が
これも言葉にするのは難しいが、
まさに自然な空気感だと感じた。


AIR BANDは40kHzでゲインのツマミを右に4回した状態。


アナライザーの画面が20kHzまでしかないので、
40kHzの振る舞いを視覚化してみることは出来ないが、
音の空気感や立ち上がりは非常に素晴らしく、
ボーカルに限らずどんな楽器でも有効だと感じた。


シンセやギター、あるいはでミックスバスでも使ってみたが、
音を自然に立たせたい時には今までは
EQではなく真空管やエンハンサーを使うことが多かったが、
この掛かり方はとても自然な空気感が出せるので
私の中のEQによる高域調整の考え方が少し変わった。


ハードウェア版のmaag audio EQ4

ハードウェア版のmaag audio EQ4は使ったことがないので、
プラグインの差異は比べられないけれど、
プラグイン版のAIR BANDによって得られる音像感は
非常に自然な立ち上がりと空気感も持った
自力ではなかなか出せないニュアンスなので、
これは購入して本当に良かった。


今まではミックスでEQで高域を上げる→シャリシャリして耳が痛い、
ということもあったので、なかなか調整が難しかったが、
このAIR BANDはそんなケースでの新しい選択肢の一つとして使えそうだ。


ハードウェアがあればボーカルの掛け取りも出来るので、
将来的にハードウェア版が欲しいくらい気に入ってしまった。


ちょっと特殊な使い方かもしれないが、
マスタリングでAIR BANDを使っても良いかも?とも思った。


ちなみにVSTではステレオで使えるが、
RTASではモノラルでしか使えない。
(Prootools10環境)


Fx PansionのVST to RTASでもなぜかRTASにコンバード出来ないので、
現状Protools上でステレオで使うことが出来ない。
(現在試行錯誤中)


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イコライザーは誰でも直感的に使えるプラグインであり、
慣れてくると「どんな楽器」の「どのくらいの周波数」に
「どんな楽器の音色」が含まれているのかがわかるようになるが、
なかなかイコライジングカーブを視覚的に確認できない
ヴィンテージタイプのパラメトリックEQが苦手という人が多いので、
今回はQ幅について書いてみたい。



現代のPC上で動くパラメトリックEQは
イコライジングカーブを視覚的に確認できるものが多く、
これのお蔭で初心者の人でもQ幅を視覚的に確認しながら
使うことができる。


WAVES H-EQ


T-Racks Classic Equlizer

Vienna Equlizer


こういった現代のEQのメリットは何よりも、
目でイコライジングカーブを確認できることだ。

パソコン上で動くプラグインエフェクトの恩恵とも言える。


ところが実機が存在するいわゆるヴィンテージタイプのEQは
現代のDAWで動作するEQのようにカーブを目で確認することが
出来ないタイプが多い。

アウトボードEQにもQ幅をグラフィカルで表示してくれる画面など当然ない。


WAVES SSL EQ

WAVES SSL G-Channel

ABBEY ROAD TG 12412



概ね実機が存在するヴィンテージタイプのEQプラグインは
Q幅そのものが設定できなかったり、
出来ても数値で細かく設定できるのではなく、
3~5段階くらいでQ幅を大雑把に設定できるものが多いが、
「目でカーブが確認できないと使いにくい」という理由で
こういったヴィンテージタイプを敬遠する人も多いように思う。


やはり目でカーブが見えたら安心だし、
直感的に使うことが出来るからだ。


しかし、そういう選択の仕方で長年多くのエンジニアたちに愛用されてきた
ヴィンテージEQの質感、味をまるまる捨ててしまうのは勿体ない。


もちろん現代的なカーブを目で確認できるタイプでも
ヴィンテージっぽさを残している素晴らしいEQもたくさんあるが、
「目でカーブが確認できないと使いにくい」という理由で
そのヴィンテージEQを使わないのは惜しいと言わざるをえない。



この時にヴィンテージタイプの敬遠の原因の一つになるのが
Q幅を目で確認できないことだ。




SSLコンソールのEQの設定画面。


上の画像はWAVESのSSLコンソールのEQ設定画面だが、
フリケンシー(周波数)とゲイン(dB)はわかっても
Q幅が非常にわかりにくい。

「1,44」とか「0.92」とか「8,7」のように数値で指定しても
いまいち自分が指定している周波数を実感しにくい。

Q幅が広いのか?狭いのか?どのくらい広がっているのか?が
目で確認できないと安心できないという人も多いかもしれないが、
これはQ幅の意味を理解してしまえば完全に「慣れ」の問題で
使いこなせるようになる。


というわけでQ幅の意味を
ちょっと整理してみたい。



Q幅(バンド幅)の数値はとはブースト(カット)のピークから
3dB上(下)の帯域の幅を指す数値を指す。



例えば1000Hzを3dBブーストしたら、
そのピークの3dB下(ここでは0dB)のバンド幅の広がりを
数値化しているのがQ幅の数値だ。



数値が大きいとQ幅が狭くて、
数値が小さいとQ幅が広いくらいのことは
多くの人が知っているだろうし、説明書などにもよく書いてあるが、
ここからもう一歩進んで、
さらにQ幅への理解を深めてみたい。


実際にはちゃんとした数式があるのだが、
面倒なのでそれは省略して
Q幅の数値と広がりの関係のみを数値で考えてみる。


Q幅が「1,44」の時はオクターブのバンド幅を持っている
というのを基準で覚えると良いと思う。


2オクターブなら半分の「0.67」、半オクターブなら2倍の「2.9」だ。


ここでは2オクターブがとても考えやすいので、
Q幅「0.67」で設定したときのイメージ図を鍵盤を使って書いてみたい。


Q幅「0.67」時のバンド幅のイメージ図。



仮に中央ドの長6度上のラの音をイコライザーで
3dBブーストしたとする。


Q幅「0.67」は2オクターブ分のバンド幅を持っているので
この場合はQ幅の両端である上下のオクターブのラの音が
0dBの部分の大きさになっているということだ。


五線譜によるQ幅「0.67」時のバンド幅のイメージ図。


周波数でいうならば
中央ドの長6度上のラは440Hzなので、
3dBブーストした時はイコライジングカーブ0dBの位置が
オクターブ下のラの220Hzとオクターブ上の880Hzになっているということになる。


こうやって考えると特に難しくないはずだし、
イコライジングカーブを視覚的に確認出来ない
ヴィンテージEQも頭の中で大体のカーブをイメージできるはずだ。


もう少しQ幅の数値と番バンド幅の広さをまとめてみたい。


Q幅 バンド幅

115.4 1/80oct
57.7 1/40oct
17.3 1/12oct(半音)
2.9 1/2(半オクターブ)
01.44 1oct(1オクターブ・基準値)
0.67 2oct
0.40 3oct
0..267           4oct
0.182              5oct
0.127            6oct
0.089              7oct(概ねピアノの全鍵盤の広がり)


上の表はQ幅の数値とバンド幅の広がりを数値化したものだが、
私は「1オクターブ=0.144」基準にして覚えている。


どのくらいのQ幅を設定できるかはEQの性能によるが、
大体100~0.1くらいのものが多い。
(EQの性能によって数値は変わります)

Q幅 バンド幅
115.4 1/80oct
なのでQ幅が100ということは計算しやすくするために
上の表で一番近い数字である115.4と考えるとオクターブの1/80の狭さ、
半音0.15個分の狭さになる。



半音1個分の幅のみをピンポイントでブーストしたいならば
Q幅 バンド幅
17.3 1/12oct(半音)
なので、Q幅を17.3にすれば良い。


実際によく使うのが
Q幅 バンド幅
2.9 1/2(半オクターブ)
01.44 1oct(1オクターブ・基準値)
0.67 2oct
0.4 3oct
あたりの設定で、半オクターブの広さなら2.9、
2オクターブなら0.67、3オクターブなら0.4と覚えておくと楽だ。


Q幅 バンド幅
0.089              7oct(概ねピアノの全鍵盤の広がり)

0089まで設定できるEQはあまりないが、
この場合はバンド幅が7オクターブになるので、
ほとんどピアノの全鍵盤をカバーする広がりになる。


Qの数値とバンド幅が頭の中で一致すれば
視覚的にイコライジングカーブを確認できない
ヴィンテージEQも怖くないはずだ。



また別の話になるが
マスタリング専用EQだともっと狭いQ幅しか設定できない場合が多く、
WAVESのLinear Phase EQの場合は
6.5~0.65の設定までしか出来ない。

WAVES Linear Phase EQ


小数点が面倒なので大雑把な数値になるが、
6.5は大体1/5オクターブなので
長2度と短3度の間くらいの狭さ。

0.65は約2オクターブだ。


マスタリングで過剰に帯域を破壊しないために、
このようにQ幅が制限されているタイプが多い。


ヴィンテージタイプのEQはQ幅の設定が出来なかったり、
出来ても段階的にしか出来ないものがあるが、
そういうタイプは最初から美味しいポイントを押さえていたり、
あるいは適切な動作(ゲインに応じてQ幅が自動で変化するなど)をするものもあり、
慣れてくるとヴィンテージタイプの味を上手く使えるようになる。


いずれにしてもちゃんと知識があれば
なんでも使うことができるのだ。

私は普段WAVESのSSL channelを使うことが多いのだが、
最初の頃は下の画像のように目盛の位置とバンド幅を
画像データ化していた。


SSL channelのQ幅と数値の表。



わからなくなったら自分で作った表を見ればいいし、
ずっと使っていれば嫌でも覚えてしまう。
そうなってくるとSSLの良さみたいなものがわかってくるので、
使うのも楽しくなってくるのだ。


個人的な好みの問題としては
現代的なEQも時と場合に寄りけりで好きなのだが、
色々ミックスしているうちにSSLのようなヴィンテージタイプのEQのほうが、
良い結果を得られることが多いので、
個人的にはヴィンテージタイプに重きを置くようになった。


一見Vienna EQみたいな現代最先端のほうが便利に見えるし(実際便利だし)、
もちろん求めている音や効果によっては大いに有用なのだが、
SSLを始めとするヴィンテージタイプは
音楽の世界で長年使われてきて、評価も高いわけであり、
それにはちゃんと理由あるということが最近わかるようになってきた。



EQのカーブ特性1つをとってもそこに長年ポップス・ロックで愛用されてきた
味や特性があり、そういうのを丸きり無視して使うのも悪くはないけれど、
その理由を考え、感じ取り、そして自分でも使ってみるということに
最近は意味を感じている。



WAVES SSL G channel


WAVESのSSLコンソールのようなタイプは一見使いにくいし、
現代的なタイプよりも出来ることは少ない場合があるけれど、
こういうタイプの方がミックスが上手くいくことが多い。

もちろんこれは私の場合がたまたまそうだというだけであって、
全員に当てはまるということはないけれど、
やっぱりSSLっていいなぁと最近は思うようになった。


こういったヴィンテージタイプでは対応できない場合のみ、
Vienna EQのような現代最先端のプラグインを使うようにしている。


昔の著名なエンジニアさんはみんなこういうタイプでやっていたわけだし、
TGシリーズやSSlシリーズは慣れてくると、
普通に使えるようになるので、
現代的なEQばかり使ってミックスしている方で
新しい方向性を模索している方にはお勧めの方法です。


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