ラヴェルの水の戯れの楽曲分析(アナリーゼ)本を書かせて頂きました。

 

 

このブログで行っているようにポピュラー理論を土台に楽譜にコードネームとディグリーを付けて一曲通してアナリーゼしています。
ポピュラーの知識でアナリーゼし、コードスケールなどを駆使して応用出来るように書かれていますので、ラヴェルの和声や作曲技法にご興味をお持ちの方や演奏家の方でラヴェルの水の戯れについて作曲的な視点から理解を持ちたい方へお勧めです。

 

 

また単なる楽曲分析分ではなく、作曲家に役に立つアドバイスなどがたくさん盛り込まれていますので、自分の作曲にラヴェル風の和声を取り入れてみたいという方にもお勧めです。そのやり方やアドリブ(即興演奏)への応用方法なども書かせて頂きました。

 

 

こちらから体験版をご覧頂けます。

 

大作曲家のアナリーゼ(1)~水の戯れ(ラヴェル) 

楽譜はIMSLP/Petrucci Music Libraryの著作権フリーの楽譜を利用しております。
(出版社情報 Paris: E. Demets, 1902年. Plate E. 12. D. )。
パブリックドメイン。

 

 

ブログで散発的に、断片的に書くよりもちゃんと1曲通して形に残した方が良いかもしれないというのと、レッスンでこういった大作曲家の作品を取り上げることも多いので、試しに書かせて頂いた次第です。、

 

 

こういった内容の本が社会に対して有益であるのか、ニーズがあるのかどうかわかりませんが、少なからずより深く勉強したいという方はいらっしゃると思いますので、また別の作曲家の別の作品を取り上げて書かせて頂こうかなと思っています。

 

 

ご興味がおありでしたら体験版をお読み頂ければ幸いです。

 

 



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 大作曲家のアナリーゼ(1)~水の戯れ(ラヴェル)

ポピュラー理論を活用したラヴェルの水の戯れの楽曲分析(アナリーゼ)本です。 
 

 汎用アレンジ~専門学校のカリキュラムに基づいて~

(様々な楽器のアレンジの基礎を専門学校レベルで学べる本です)
 

 作曲基礎理論~専門学校のカリキュラムに基づいて~

(作曲の基礎理論を専門学校レベルで学べる本です)

パソコンで始める日本一簡単なDTM作曲本

(初心者向けの作曲導入本です)



DTMマスタリングのやり方(マスタリングのやり方を基礎から解説した本です)

    
DTMミキシングのやり方
(ミキシングのやり方を基礎から解説した本です)

AD

作曲基礎理論の改訂をさせて頂きました。

 

いくつかの誤字脱字、画像のミスの修正と「Chapter 27 作曲理論に関する補遺」に「オスティナート」「エオリアの7」「反復進行」「偶成和音」が加えられています。

 

 

DLsite様などで登録ユーザーとしてご購入下さった方は再ダウンロードして頂けますが、ゲストユーザーなどで再ダウンロードが出来ない状態の方は書籍に最後にあるメールアドレスに「あとがき」の部分をコピー&ペーストして下さいましたら、個人的にWEB経由でお送り致します。

 

何卒宜しくお願い申し上げます。

 

AD

 

基本的に物持ちは良い方で使ってる音楽機材が壊れるということは今までほとんど経験がないのですが、それでも完全にゼロというわけには行かず、最近APIのプリアンプが不調になってきました。

 

 

 

 

最初に1chから音が鳴らなくなり、次に4chからも音が鳴らなくなって、今は2chと3chを使っています。

 

マルチトラックレコーディングは自宅ではやらないので2chあればとりあえず十分なのですが、原因が何かわからないかと蓋を開けてみました。

 

 

 

明らかにコンデンサーなどの部品が焦げ付いているとか、液漏れして基板が汚れているとか、そういった分かりやすい原因がないかと中身を確認するものの、見た目は綺麗で外見からだけでは原因はわかりません。

 

 

オペアンプ(2520と書いてある黒い正方形の部品)など接触不良かと思って、付け直してみましたが、特に変化なしです。

 

 

 

 

ラックに入れて大事にしているし、強い衝撃を与えてからおかしくなったのではなく、ある日突然こうなったので、断線とかではなく何処かの部品の劣化であり、残っているチャンネルは正常に動くので電源回りの故障ではないのですが、とりあえず2ch残っていれば個人的に使う分には困っていないので修理に出そうかどうか迷っています。

 

 

気に入っているので手放すつもりはないのですが、実際に修理するかどうかは置いておいて修理して下さる業者さんを探さなければいけないので、今ネットで探している状態です。

 

API3124+はヴィンテージではなく現行で新品で購入出来るものですが、古い機材は(新しい機材であっても)どうしても多少のメンテナンスや故障の問題が付きまといます。

 

その点ソフトウェアのプラグインであればプラグイン自体が故障することはないですし、当然メンテナンスもないので楽ではあるのですが、レコーディングスタジオや自宅での作業環境でアウトボードの優位性が消えるのはまだまだ先のようです。

 

例えば1176一つ取っても、個人の好みがあると思いますが、私にとってはどう考えてもアウトボードのほうが音が良いと感じるわけで、なかなかソフト上で100%完全再現は難しいのかもしれません。

 

細かい精密な動作が出来るという点においてプラグインの方が有利な面もたくさんあり、それぞれ両方の良い所を都合良く使って行けば良いのですが、最近であればapolloのUnison機能のようにプラグインでも、オーディオIFの入力インピーダンスを可変するような新しい試みもあり、時代とともにどんどん良くなっていくのではないかと思っています。

 

現に10年前、20年前と比べれば飛躍的な進歩を遂げているわけで、今後も技術者さんたちに期待しています。

 

 



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AD

レッスンに来て下さる生徒さんで何人かの生徒さんが以前に書いた作曲基礎理論などの本をプリントアウトして使って下さる方がいらっしゃるのですが、作曲基礎理論汎用アレンジもA4サイズで500ページを越える量であり、プリンターのインクや紙の量も馬鹿になりません。

 

 

勉強するには紙の本が良いという方やそもそも電子書籍自体があまり好きでもないという方も多く、私自身も雑誌ならともかく、ちゃんと勉強するなら紙の本のほうが好きだったりします。

 

 

とある生徒さんに教えて頂いたのですが、今は一冊から製本してくれる製本直送ドットコムのようなサービスがあり、PDFをWEB経由で送れば売り物の本のように1冊でも製本して送ってくれるそうです。

 

 

サイズ、紙の種類、ページ数など色々な指定項目がありますが、一般的な内容であれば500ページで二千円以下(送料別)なので、これからプリントアウトをご検討の方は良ければ調べてみて下さい。プリンターで印刷するの比べて高く付くか、安く付くかは分かりませんが、綺麗に製本して普通の本のようになるのが魅力です。

 

 

私の本が製本されて本屋に並ぶことは多分ないと思いますので、プリントアウトして下さる方は、用紙やインク代、製本かプリントアウトかの完成の状態などを製本サービスと是非比較なさってみて下さい。

 



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PSP preQursorがver.2になったのでダウンロードしてみました。既存のユーザーには無償で提供されます。

 

公式ページはこちら

 

はるか昔に買ったときはsQuadというセット売りだったのですが、今は個別バラ売りしているようです。

 

開発元のPSPaudiowareはショパンの国であるポーランドのメーカーでGUIはちょっとオモチャっぽいので好き嫌いが分かれるところですが、私は結構好きだったりします。

 

 

 

 

ちなみにPSPの会社があるのはワルシャワのすぐ南にあるピアセチュノという町で、ワルシャワは大都会ですが、そこから少し離れた郊外の町という感じです(町並みはGoogleMapでも見られます)。

 

PSPとショパンは関係ありませんが、早速使ってみた感想を書いてみたいと思います。

 

 

・アナログプリアンプのシミュレート

 

ver.2になってアナログプリアンプのシミュレートが付いたのが変更点の1つです。

 

アナログスイッチOFF

 

歪みのないクリーンなイコライジングをしたい時はアナログスイッチをOFFにしておきます。

 

アナログスイッチONで倍音付加

 

アナログスイッチONでフィルターが掛かる

 

 

アナログスイッチをONにすると倍音付加と100HzあたりからHPFフィルターが掛かります。ハイエンドも多少カットされています。

 

 

説明書にはアナログプリアンプを模した倍音付加とフィルターが掛かると書いてありますが、結構倍音が出ていて思い切り掛けると良い感じに歪みます。

 

±15の範囲で可変ですので少しだけ、または思い切り汚すことが出来ますが、歪み方はどちらかというと真空管のように偶数・奇数関係なく出ており音はかなり立ちます。単なるイコライザーというよりはプリアンプ&イコライザーという感じです。位相反転スイッチも付いています。

 

・MS処理が出来るようになりました。

MS処理でも使えます。

 

 

 

よくMS処理でミックスでもマスタリングでもMSのSのローだけをカットすることがありますが、Sの箇所にスライダーを合わせればお手軽にS成分だけのローをカットすることが出来るので、ローエンドの不要なステレオ感をコントロール出来ます。このスイッチはEQ全体に掛かるので特にミックスでのMSコントロールに活用出来そうです。

M成分とS成分に別の設定を1つEQで行うことは出来ず、S成分をイコライジングしたいときはM成分をイコライジングすることは出来ません。

 

・グライコのような4バンドEQ+HPF

 

肝心のイコライザーとしての性能は幾分かトーンコントローラー的な色合いを残していて、自由自在というわけではありませんが、上の画像のようによくミックスで行うハイを伸ばして、不必要に溜まりがちなミッドを削るようなイコライジングは可能であり、使った印象としてはミックスでよく使う美味しいポイントに絞っているように思えます。

 

 

HPF:OFF~250

LF:30 Hz, 60 Hz, or 120 Hz

LMF:200 Hz, 350 Hz, 500 Hz, or 900 Hz

HMF:1500 Hz, 2500 Hz, 4300 Hz, or 7200 Hz

HF:10 kHz, 16 kHz, or 25 kHz.

 

 

HPF+4バンドのイコライザーですが、選べるポイントは各バンドにつき3~4種類だけで自由周波数を設定出来るのはHPFだけです。

 

美味しいところは押さえてあるのでこれはこれでOKですが、ローもハイもシェルビングには出来ず、すべてピークディップであり、Q幅もボタンのONとOFFで2段階のみの可変です。あまり自由度は高くなくヴィンテージ系のイコライザーといった感じです。

 

 

ヴィンテージイコライザー風なのですが、元になっているモデルはよくわからずPSPのオリジナル設計なのかもしれません。一応アコースティック楽器用のイコライザーという触れ込みですが、極端なセッティングでなければほかにも色々使えそうです。

 

・サチュレーション機能付き

 

最終的なアウトプットと共にサチュレーション機能も付いていて、奇数倍音が付加されるテープシミュレーターのように汚すことも出来ます。プリアンプのシミュレーターと合わせ得て使えば、かなり汚すことも出来ます。

 

 

・グループ機能付き

ほかのEQとまとめて連動できるグループ機能付きです。

 

私はあまりこういうのは使いませんが、大量にインサートしてグループ化すれば、DAWのフェーダーのグループ化みたいな感じでEQすることが出来そうです。

 

 

・旧バージョンとの比較

旧バージョンと比べると、MS処理が可能になったこと、プリアンプ機能が付いたこと、位相反転スイッチが付いたこと、GUIがカッコ良くなってオモチャっぽさが減ったこと、などがありますが、今風に使えるイコライザーとしてバージョンアップした感じです。

 

 

世の中にプラグインメーカーは山ほどありますが、かなり昔にVintage Warmerで有名になったものの、日本ではPSPはあまり知られているメーカーではなく、フックアップさんが日本代理店だった時期もあったようですが、今は撤退しているようです。

 

 

個人的にはわりと好きなので、今後も貴重なポーランドのメーカーとして頑張って欲しいところです。

 

最後までお読み頂き有り難う御座いました。

 

 



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前作の作曲基礎理論の本に続いて、アレンジの基礎テクニックについてまとめた本を書かせて頂きました。 

 

 

キーボード、ドラム&パーカッション、ギター、ベース、ストリングス、ブラスについて、あらゆるジャンルの基礎となるアレンジのテクニックについてMP3データ付きで書かれており、分量としては前回とほぼ同じ500ページ越えの分厚い本になっています。 

 

 

 

 

販売ページはこちらです。 

 

 

BGMやボーカル曲を作るためのキーボード、ドラム&パーカッション、ギター、ベース、ストリングス、ブラスの基礎的なアレンジ技術の習得に重きを置いていて、ジャズ、ロック、フュージョン、クラシックなどの特定されたジャンルの内容ではありませんが、将来的に色々なジャンルを学びたい方にとっての基礎的な土台となるように書かれています。 

 

 

タイトルの汎用アレンジの【汎用】は「一つのものを広くいろいろな方面に用いる」という意味でドラムやベースやキーボードを色々なジャンルでのアレンジで使うための土台となるよう内容を学ぶことが出来ます。 

 

 

体験版で250ページくらい読めるようにしてありますので、宜しければどうぞ。各Sectionの最後にはボカロ曲やBGM的な曲を作るための器楽的なお手本曲も付いています。  

 

アレンジの基礎を学びたいと思っていらっしゃる方のお役に立てば幸いです。

 

 



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コンプレッサーは向き不向きや音の好みを度外視して、単純なコンプレッサーとしての性能のみを考えるならハードウェアが有利だと感じていますが、現実のDTMの作業ではプラグインなしというのは考えられない状況であり、UAD-2のコンプレッサーはかなり気に入っていますので手持ちのものを自分のために整理して把握する目的でいつもの倍音の画像制作と検証を行ってみました。  

 

Universal Audio 1176

まず1176ですが、最近実機の1176の現行品が欲しくなってきました。

 

実機と言ってもUreiではなくて、ちゃんと新品でメンテナンスも容易そうな現行品で購入できるUniversal Audioの1176ですが、どうも製造年代による違いのほかにも色々なバージョンがあるらしく、エンジニアさんたちの間では○○は△△で~のように拘りがあるらしいのですが、私は1176の微妙な違いを語れるほど詳しくはないので、とりあえず無難に新品で買える現行品が良いかなと思っています。 

 

 

プラグインではRev A, Rev E, AEがあり(レガシーは除外)、RevはRevision(リビジョン)の略で改訂とか修正みたいな意味合いで、よくソフトウェアのVer.2.1とかVer.2.2みたいな小数点の違いのようなものです。 

 

AEのような例外を除けば1176は基本的にレシオが4、8、12、20であることやINPUTをスレッショルド代わりにするなど基本構造は同じで、微妙に中身の部品が違うそうです。

 

 

ちなみにサウンドハウスさんで現行で売っているのは1176LNと末尾にLNが付いています(多分LNはLow Noise?REVはわかりませんでした)。  

 

 

・ 1176 Rev A(ブルーストライプ) 

 

 

公式に【高めに設定されたディストーションレベル、および独特のFETゲインアンプの特性を有する~】と書いてありますが、これが一番好きです。

 

適度に良い感じに汚れて、アタックやリリースの効きもハッキリ分かりますし、いつもレシオは4:1で使っていますが、時々必殺の全押しやレシオボタン組み合わせを使うこともあります。

 

 レシオボタンを組み合わせ使うと(足し算か?)どんどん高いレシオになって全押しはリミッターモードなので、リミッターとして使うことも可能です。 

 

またレシオボタンを解除して(アタックもOFFにして)単にプリアンプ的な使い方も出来ますが、コンプレッションが掛かっていなくても音にはちゃんと色が付くので面白いです。 

 

万能ではないかもしれませんが、キャラが立っていて個人的にはかなり気に入っています。

 

 説明書にはアタックは50μsec~800μsecとアタックが速く、一番遅い設定でもミリに直すと0.8msecなのでもう少しアタックを遅くしたい、あるいはレシオを低くしたい時はAEの出番となります。 (日本語訳されたマニュアルだとミリとマイクロが混同されてますが、UA本家の英語説明書ではマイクロ表記ですし、速いアタックは1176の売りでもありますのでマイクロだと思います。670の説明書も同じく)   

 

1176は代表的なFETコンプですが、速いアタックと幅の広いリリースでトラッキングして音を作っていけるコンプとして個性的で、且つ優秀なコンプレッサーです。

 

 

・1176 Rev E(ブラックフェイス) 

 

 

公式には【ローノイズ時代を代表するモデル、リニア・コンプレッション・レスポンス、トランジスタ・ゲイン・アンプ、さらにプログラムベースの調整に移行した時期でもあります】とあり、ややrev Aと比べると倍音スペクトラムも大人しく、rev Aと全く同じ設定にしてもリダクション値は少し違い微妙に大人しい印象です。 

 

同じ1176なのでそこまで違いはありませんが、個人的にはrev Aが荒々しい感じでrev Eはちょっと優等生的な印象です。

 

 Rev A(AEも)と全く同じ設定にしてもリダクション値が変わる理由はおそらくRev Eはプログラムベースのリリース設定が異なるせいで、説明書にはRev AとAEはRev Eよりも遅いアタックタイムを持っていると書いてあるのは、ノブの位置だけじゃなくコンプによくあるオートリリースのプログラムがRev Eではより短く最適化されているという意味だと思います。 

 

一応リリースは20msec~1100msecまでノブの位置で決められますが、1176のリリースはプログラム依存にリリースメカニズムを使用しているそうなので、実際はセミオートなのかもしれません。 

 

 

・1176 AE 

 

 

AEの最大の特徴はレシオに2:1と遅いアタックが付いていることです。

 

ほかにも色々あるらしいのですが調べきれません。1176のキャラクターで2:1の低いレシオで使いたいソースに対して出番がある感じです。 

 

アタックタイムのノブもほかの機種にはない「SLO」の位置にすると10msの遅いアタック(1176の中では最も遅い)を得られますので、遅いアタック+低いレシオというナチュラルな感じを得られるのが最大の特徴です。 

 

Rev AやRev Eでは最も低いレシオが4:1、最も遅いアタックが0.8msecなのでレシオ2:1、アタック10msはいわゆる一般的なイメージ1176らしからぬ印象です。弦楽器や管楽器で自然な感じを残したいときは試しています。   

 

 

プラグインの1176はUreiのモデリング多いですが、(UreiもUniversal Audioも創業者は同じです)、本当にあらゆるメーカーから1176のモデリングプラグインが出ています。DTM初心者の方でも「なんか見たことある」という感じだと思うのですが、プラグインのみならずハードウェアでもパチもんと言っては可哀想ですが、この1176を低価格で再現している機種もあり、それだけ人気があり、音も素晴らしいものがあります。 どんな音が欲しいかはその人によって千差万別ですが、ネイティブで動くものと比べるとアナログらしい雰囲気を多いに持っているので、とても気に入っています。 

 

 

Fairchild 670

   

超有名な真空コンプレッサーですが、デフォルトの設定のままだと音の印象はちょっと大人しい感じです。

 

WAVESのPuigchild670は相当倍音が出ていますが、UADの670はそのままではあまり音が立ちません。 これはヘッドルームの設定次第で歪むようになっており、突っ込んでやると歪みが増えていきます。

 

  670のヘッドルームを最大まで歪むように調整 

 

ヘッドルームを調整すると如何にもコンプ掛けてます的な挙動になり、味のある音になるのはほかのメーカーと同じです。 

 

個体差なのかわかりませんがWAVES製のものとは倍音増幅がまた違った感じですが(UADの方が大人しい)、MS処理が可能なこと、HPFのサイドチェインが付いていること、パラレルコンプであること、KNEEが可変であること、歪みの特性をコントロール出来ること、etc…、使い勝手はなかなか良いです。 

 

 

細かい設定が出来ないのはヴィンテージの常ですが(UADの670はかなり弄れますが)、最初から美味しい設定になっているのもまたヴィンテージの常ですので、パラメーターを上手く弄ればかなりカッコ良い音を作ることが可能です。  

 

 

Teletronix LA-2A

1176、670と並んで超知名度が高いオプトコンプのLA-2Aですが、こちらも数え切れないくらいたくさんのモデリングプラグインが出ています。 

 

UA社からはオリジナルとグレイとシルバーの3つがリリースされていて(レガシーは除外)、現行品でも新品を購入出来ますが、1176の2倍近い価格で1chのコンプとしては値段も音も最高クラスです。 光学式のヌルんと遅い感じのコンプレッションが人気で、歪ませることなく独特のゲインリダクションが得られます。

 

 

ほとんど歪まないところや掛かり方が好き、という方は多いのではないかと思いますが、個人的にはLA-2Aのモデリングプラグインはもうお腹いっぱいで、UAD-2の製品が一番音が良いように思えますので、これでLA-2Aは決まりにしたい感じです。  

 

 

 

 ・LA-2 オリジナル

 

 

 

3つのLA-2Aの中で最も遅いレスポンスを持つこのオリジナルは左下のEMPHANSISがHPFのツマミになっていて、サイドチェイン機能が付いています。 

 

ほかにもコンプレッサー(レシオ3:1)とリミッター(レシオ∞:1)の両方の機能を揃えていますが、実際のレシオは周波数や波形に依存するので可変になっており、クリアで自然なコンプレッションを得られます。 

 

オリジナルは3つの中では最も反応が遅いそうですが、ボーカルやストリングスやブラスなどクリアなコンプレッションが欲しいトラックに使っています。サイドチェインがあること、リミッターモードがあること、振る舞いもほかとは多少異なることなどがポイントです。   

 

 

・LA-2A Gray 

 

 

Grayは3つの中では中くらいのレスポンスを持っていてHPF機能がなくなっています。 

 

 

・LA-2A Silver 

 

 

Silverは最も速いレスポンスを持っており、ドラムなどアタックがハッキリしているトラックによく使います。HPFも付いています。 スペクトラムで確認しても倍音は僅かしか出ていません。

 

 

特にオリジナルとシルバーが好きですが、その理由はHPFが付いていることと、3つの中で最も遅いものと速いものの違いを使い分けたいからです。 

 

ほとんどパラメーターがないように見える反面、色々なトラックに使えるかなりお気に入りのコンプレッサーです。  

 

 

Neve  33609

Neve 2254 コンプレッサーから派生した33609ですが、2254の方はWAVESやPlugin Allianceなどを始めとしてたくさんのメーカーからモデリングプラグインがリリースされています。 

 

基本的には操作も音も2254と似ていてその音色は割りと地味な感じです。 元々はコンソールから抜き出したステレオのバスコンプがモデルなので、バスコンプらしく過剰な色付けはありません。素直で綺麗にまとめてくれてくれる感じです。 

 

 

・33609 コンプモード 

 

 

1176も670も派手なので、キャラが全く異なるという意味において33609のようなタイプも重宝しています。

 

トラッキングすることもよくあります。 2254と同じでコンプモードは地味ですが、リミッターモードになると多少音が立つようになります。説明書にはコンプモード時のアタックタイムが書いてないのですが、昔書いた記事のこちらと似たような感じだと思います。   

 

 

・33609 リミッターモード 

 

 

リミッターモードのアタックはやや遅めでFASTが2msec、SLOWが4msecで、ルックアヘッドのマキマイザーという意味でのリミッターのような使い方ではなく、レシオの高いコンプみたいな感じです。 

 

 

アナログ的なリミッターなので、デジタルプラグインと比べると自由度が低いと感じてしまいますし、元々バスコンプなので1176みたいな音色を作れるコンプではなく、どちらかというと全体を綺麗にまとめるための用途です。    

 

 

SSL 4000 G Bus Compressor

WAVESのSSLバスコンプを使っていましたが、UADの方が全然音は良いように感じます。これも実機がいくつか出ていて、将来的には欲しいと思っています。   

 

 

バスコンプなので過剰な色付けがあっては困るのですが、綺麗にまとまってくれるので好きです。バスコンプはマスターの録音時に使えるのでやはり実機が欲しいです。 

 

ほかのコンプに比べてアタックは遅く設定が可能で最短0.1msec、最長30msecとなり、よくマスターやドラムバスなどに挿しています。  

 

 

API 2500

 

APIの2500はWAVESのモデリングが有名ですが、これも実機が欲しいです。こちらもバスコンプなので倍音増幅はありませんが、SSLとは正反対に振る舞いは多種多様で本当にバスコンプか?というくらい設定が色々あります。 音作りに多種多様な可能性があり、UAD製品はパラレルコンプにもなっています。

 

最近出たばかりですが、体験版を使う限りかなり良いので(これは持っていません)そのうち導入しようと思っています。   

 

 

 

ここからはおまけで手持ちのテープとチャンネルストリップを見てみます。  

 

 

Oxide Tape Recorder

OxideはUAD-2の購入特典でもらった製品群中では最も低価格なテープシミュレーターですが、これはこれで味があって気に入っています。

 

テープ特有の奇数系の歪みもそうですが、ネイティブで動くちょっとレトロな Kramer Master Tapeやマスタリングで使えるVTMともまた違うキャラなのでお手軽に歪ませたい時はトラッキングしています。動作が軽いのもメリットになっています。  

 

 

NEVE 88RS

 

 

API Vision Channel Strip

 

88RSとVisionに内蔵されているコンプです。これはやらなくても聴けば分かるくらいハッキリしていますが、音はあまり立ちません。 

 

Unison対応のプラグインはやはりUnisonだからこそ活きてくるのであって、普通に使うだけならUnisonの恩恵は得られません。 

 

チャンネルストリップは好きなのですが、UADはキャラが立っているので個別のものでやった方が楽しかったりします。 

 

 

これからもUADはかなり強力なツールなのでこれからも増やしていきたいですし、コンスタントに新作プラグインを出しているメーカーなので今後も楽しみです。 またそのうちに記事を書かせて頂ければと思います。

 

 

最後までお読み下さって有り難う御座いました。  

 


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最近レッスンでフォーレを扱うことが多いので、フォーレの和声法の理解のために、個人的にも色々な作品を見直しています。 今回はヴァイオリンソナタ2番を少しアナリーゼしてみたいと思います。

 

 

wikiの解説 

 

楽譜(imslp) 

 

この曲は全体的にかなり半音階化された調域の広い和声法で作られていて、同世代のフランクや後の世代のドビュッシーやラヴェルを連想させる箇所がたくさんあります。  

 

 

   

 

冒頭は和声を伴わない旋律のみの主題から始まります。一応KEY-Emなのですが、古典的な楽曲のようにトニックが強調されることはなく、主和音のEmコードはむしろ意図的に隠されています。 

 

 

いつものように上にコードネーム、下にディグリーを付けていきます。最近は瞬間的に移調して、似たようなフレーズを作ったりするのに、ディグリーだけを見て移調しようとすると転回形がわかりにくいので、和声学の和音記号みたいにディグリーに転回形の記号を使っても良いような気がしてきました。そのうちまた考えます。 

 

 

 和声のポイントとしては、私にとってはフォーレと言えば3度、3度と言えばフォーレなのですが、このヴァイオリンソナタでは半音階がテーマになっているせいか、3度のみならず半音階的な和声連結がかなり出てきます。 

 

 

始まってすぐに転調するのはフォーレに多いですが、5小節目2つ目の和音のFがKEY-Emにとってのナポリの和音、KEY-Dmにとっての♭Ⅲの和音になってピボットコードを経由した半音上への転調になっています。   

 

 

そのあとすぐに戻ってきますが、6小節目のDmB7のところでラを共通音にして転調しています。この曲全体で使われる音使いとして掛留音がありますが、レの音がB7に入っても掛留しており、(この場合は#9thのテンションコード)全体を通してギリギリの不協和を好むような和声法で作られてます。

 

 

弦楽四重奏も似たようなコンセプトですが、その辺をうまく真似るのかフォーレっぽい曲を作るポイントの1つになります。フォーレっぽく作る必要はなくても、示唆に富んだ技法です。   

 

 

フォーレは様々な箇所でaugコードをトニックやドミナントで対応しますか、 7小節目のGaugに見られるように短調であることを強調するために、♭Ⅲよりも♭Ⅲaugを使うこともあります。   

 

 

普通の♭Ⅲだとコードスケールとしてはアイオニアンになってしまい長調のⅠと区別が付かず明確な短調感を出しにくいですが、♭Ⅲaugにしてリディアンオーグメントやアイオニアン#5にすれば明確に短調感を出すことが出来ますので私も良く使います。 最後のGaugA7B(Bは単音ですが)はフォーレ終止ですね。  

 

 

   

 

次に主題確保の部分ですがピアノのオクターブ奏法の低音フレーズによって反復進行のような第一主題の変形が上行で奏され、ヴァイオリンはそれに3度でハモっています。  

 

 

 

 

単純化すると上の譜例のようになります(上がヴァイオリン、下がピアノ)。2声対位法というよりは3度のハモリ中心のフレーズですが、メロディー+和音伴奏というスタイルではない線的なスタイルは面白いです。 

 

 

フォーレは教会旋法の影響なのかモードっぽい箇所がたまに出てきたりするのですが、和声を伴わないモードっぽいフレーズもたまに出てきます。   

 

 

 

 

短い推移部分を伴って副次的主題に向かいます。 フォーレはナポリの和音をあらゆる場面で愛用していますが、この短い推移中にもフォーレらしいフレーズや和声の特徴が見られます。

 

 

 例えば掛留を多用をして不協和を楽しんだり、古典的なカデンツを意図的に避けていたり、Ⅱ度の和音がⅡm-5ではなくⅡmになっている点です。

 

 

 言うまでもなくこのⅡmはメロディックマイナースケール出身の和音ですが、メロディックマイナーやハーモニックマイナーの活用がフォーレの和声法の大きな特徴の1つです。 

 

 

Ⅱm→♭Ⅵ→Ⅳm→というサブドミナントの代理の後に主要三和音のⅣに進んでいますが、これも古典和声と隔絶したフォーレに普遍的に見られる発想です。ドミナントも避けられていて(特にⅤ)フォーレが愛用する♭Ⅶの和音が最後に現れます。 

 

 

 

 

スコアマーク「1」に入ると副次主題がスタートしますが、同時に転調の嵐の始まりです。 基本的にはバスが2度進行の和声で 1小節ごとに所属キーが変わっている非常に色彩感に富んだ和声です。クルクルと回る万華鏡のように私には見えます。 

 

 

まずKEY-Em部分はF#m→F#m7/E→GM7/F#とドミナントを伴わないフレーズが始まり、特に面白いのがGM7/F#のⅠ7の第3転回形です(ポピュラーならⅠM7の第3転回形)。 

 

 

 

 

KEY-Cに直すと上の画像のようなボイシングなのですが、バスの第7音と根音が短9度とでぶつかります。 

 

 

ビバップ以降のジャズでよく見られる和音ですが、フォーレがこの和音を分析に書いてあるとおり♭ⅢM7の第3転回形として使っているのか、あるいはオルタードドミナントコードとして使っているのかはわかりません。 

 

 

オルタードドミナントコードとして考えるならばF#7sus4(♭9th,♭13th)となり、次のFに対する裏コードのドミナントモーションになります(アッパーストラチャー♭Ⅱ)。 和音の形態からはどちらであるか?はわかりませんが、フォーレが オルタードドミナントとして使っていた可能も正直捨て切れません。

 

 

 sus4のオルタードドミナントとかジャズの時代に生まれた理論なんじゃないの?と思われるかもしれませんが、sus4のオルタードドミナントにフリジアンやドリアン♭2を使ったりするテクニックは確かに名称が決められて万人にわかるように理論化されたのはバップ期かもしれませんが、用法自体はすでにドビュッシーやラヴェルの作品に見られることは既に何度かこのブログでも書きました。  

 

 

マイルスデイビスもモードジャズを作るのに際して、近代フランスのラヴェル等を研究したと言っていますし、いわゆる音楽理論はほとんどクラシックに端を発しています。  

 

 

 この和音は♭ⅢM7の第3転回形ともとれますが、アッパーストラチャー♭Ⅱとも取れるため、判断がなかなか難しいところです。弟子のラヴェルの世代にこういった技法が既にあるわけですからその師匠のフォーレの時代になかったとは断定できません。

 

 

この部分がオルタードドミナントのF#7sus4(♭9th,♭13th)でなかったとしても、フォーレがこの技法を知っていた可能性は大いにあります。 そこまでフォーレマニアというわけでもないので、今後もフォーレの作品を見ていく中で何かわかればまた書かせて頂きます。

 

 

 

 次に冒頭と同じ転調調域であるKEY-F(またはKEY-Dm)に向かい、FFM7/EDmと和声進行が進みます。当たり障りのない、ポピュラーでもよく出てくる進行ですが、これも即座に転調します。 

 

 

その後は3度転調の連続で、これはフォーレ和声の根幹をなす音程です。これはある種の反復進行と取るべきで、KEY-FからKEY-Aへ3度転調、KEY-AからKEY-Cへまた3度転調、KEY-CからKEY-Eへさらに3度転調、最後にKEY-EからKEY-Gへ3度転調と連続する3度転調です。

 

 

ACEGでコードで言うとAm7を形成する転調領域です。 転調部分は基本的に全てピボットコードとして解釈することができます。フォーレに突然転調がないわけではありませんが(むしろいくつもありますが)、フォーレの転調の特徴として同主短調の所属和音を使用するという彼の傾向がここにも現れています。

 

 

 

転入和音はフォーレの愛用の和音である♭ⅢやSDMのⅣmが多用されています。   

 

基本的には反復進行なので、和声進行自体は同じものですが、徐々にクレッシェンドしながら盛り上がっていきます。最後に出てくるKEY-Gは主調のKEY-Emの平行調ですし、その後出てくるA7やF#mはKEY-Emのメロディックマイナー出身の和音のようにも聞こえるため(副属7とも取れますが)、グルっと回って帰ってきた感じです。   

 

 

 

 

そして流れるような美しいフレーズが開始されます。F#7は一応KEY-Gでディグリーが書かれていますが、冒頭と同じKEY-EmのメロディックマイナーのⅡ7と取りたいところです。 

 

 

♭13thの音がヴァイオリンで伸ばされて、次のラ#をシ♭とエンハモしてシャラン的転調(フォーレがよくやるパターン)し、KEY-Ebmへ進んで曲は続いていきます。

 

○7で♭13thを伸ばすのはほとんどジャズのような音使いも面白いですね。   

 

 

アナリーゼはここまでですが(気が向いたら続きを書かせて頂きます)、僅かこれだけでも難しいと感じる方がいらっしゃるかもしれません。フォーレの後の世代のドビュッシーやラヴェルに比べるとまだ簡単な方ですが、ポップスの歌ものと同レベルの知識でアナリーゼできるのはシューマン?(もうちょっと遡ってシューベルト)くらいまでで、その後のブラームスやフォーレ以降は割と真面目に勉強しないと難しいというのが多くの方にとっての現実的な問題なのではないかと思います。  

 

 

アナリーゼを和声学ではなくポピュラー理論でこのブログでは行っており、どちらでやっても別に自分がわかれば良いとは思うのですが、いわゆる古典和声が通用しない作風ですので、ロマン派の和声や近代フランスの和声を「和声学」というアプローチから学ぶよりも、「ポピュラー理論」から入っていった方がわかりやすいと思います。  

 

 

 私が以前に書いた音楽理論の基礎本に書いてあること(+ちょっと和声の知識)がちゃんと理解出来れば大抵はアナリーゼすることが可能で、フォーレ(またはほかの作曲家)が好きであるとか、ハーモニーやコード進行についてもっと技術の幅を広げたいとか、純粋な作曲技術の向上を目指しているとか、自分の演奏する曲に対して理解を持ちたい演奏家の方など、色々なケースがあると思いますが、ちゃんと理解して音楽を受け取るというのは、結構楽しかったりします。   

 

 

作曲という見地からも別にフォーレのコピー機になる必要はなく、またなることも不可能ではありますが、こうして得られる様々な知識、技術はやればやるほど膨大な量となって自分自身の作曲技術のバックボーンになってきます。 

 

 

音楽はどちらかというと閃きが大切だと私は思っていますが、こういった知識・技術的な側面を無視することもできないのもまた事実であり、知識・技術はあればあっただけ得ですので(必要ないと感じたら使わなければいい)、作曲をなさっている方には大いにオススメです。   

 

 

演奏に関しては、もちろんアナリーゼして作品の本質を理解していた方がいいと思うのですが、少なくとも日本と演奏家さん達はあまりこういったことに力を入れていないようで、個人的に知り合う様々な楽器の演奏家さんの方たちはこのあたりに関してはあまり明るくない方が多いです。   

 

 

演奏家さん達に意見できるような立場ではないので何とも言えませんが、基本的には譜面に書いてある通り音を鳴らせば音は鳴るものの、楽器の演奏能力の向上と共に知性を発達させて、例えばフォーレならフォーレの作品が理解できるレベルまで発達した知性を持った演奏家が増えたときに演奏家さんたちの世界がどう変わっていくのか、また作品の演奏に作品を理解できるレベルの知性の有無がどのような変化となって現れるのかは個人的にちょっと興味があったりします。   

 

 

テレビに出ているようないわゆる超一流の演奏家さん達は、多分こういったを理解して演奏していると思いますが、理解したからといって分かりやすく結果に現れる分野でもないと思いますので、なかなか難しいです。   

 

 

フォーレの作品が全部が全部こういった高度なものではなくもっと親しみやすい、例えばシシリエンヌのようなわかりやすく美しい作品もありますので、フォーレに興味がおありの方は、まずはとっつきやすいところからスタートしみるのも良いかもしれません。  

 

 

私自身も作曲のレッスンで、フォーレ(やドビュッシーやブルックナーやラヴェルやベートーヴェンなど)っぽいフレーズのお手本を生徒さんに作ってあげたり、あるいはその中身の解説をしたりするので、私自身もこうやって日頃から勉強をしないといけないわけですが、私自身としてもやればやるほど成長していく実感がありますので結構楽しかったりします。 

 

 

それと同時にこういった大作曲家たちとは異なるアプローチ、異なる考えで、出来ればもっと進んだ私の時代なりの方法で曲を作ってみたいという気持ちも段々強くなってきます。 私は昔ドビュッシーやラヴェル、あるいはフォーレやベートーヴェンやバッハなどが好きでした。それは今でも変わっていません。 

 

 

しかし、漠然と感じていた格好良さが理屈としてある程度までは理解出来て、自分でもその和声法を(ある程度まで)使えるようになると、なんだか種のわかった手品みたいで、種のわからない手品を見ている時の面白さはなくなってしまいました。   

 

 

手品に高度な技術が必要で、また練習も積まなければいけないことはわかっていますが、少なくとも種がわかればそれっぽくすることは誰にでも可能であり、漠然とした憧れや尊敬以外の感情が生まれます。 種がわかると見方は変わってきますが、純粋に高度なものは技術として面白いですし、自分でもやってみたいという気持ちが起こります。   

 

 

 

特に後期ロマンや近代フランス音楽がそうでしたが、自分では理解できなかったものに対する憧れは、内容の意味が分かり、自分でもある程度真似出来るようになると「かっこいい、こんな曲を作ってみたい」という初歩的なレベルを脱出してもっと別の感情が生まれてきます。   

 

 

要するに「真似でいいのか?」ということですが、自分なりの作風の確立というのはかなり難しく、またいちいち考える事でもないと思いますが、この辺は私自身の課題としてじっくり取り組んでいきたいと思います。  

 

 

個人輸入で海外から楽譜を買ってみました。

 

外国の出版社の本というのは基本的に専門書であれ楽譜であれ、日本国内で買うのと比べて多少高額ではありますが、この手の楽譜やテキストを買おうと思うと品揃えの点ではアカデミアさんが国内で1番強いと思います。

 

私も学生の頃よくお世話になりましたが、今回はアカデミアさんに在庫がなかったのでディアレッツォさんというネット輸入楽譜専門店でいくつかの楽譜を購入してみました。

 

 

Henri Challan - Mélodies instrumentales à harmoniser

 

 

注文したのはシャランが書いたバッハ、モーツァルト、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェルなどの和声のテキスト(楽譜)合計7冊ですが、ネットショップの価格を見るとアカデミアさんよりかなり安いです。

 

 

この手の特殊なテキストはアメリカのAmazon (amazon.comで日本のアマゾンじゃないです)でも取り扱っていませんし、日本国内では販売されていないことが多いので、楽器屋さんに頼んで取り寄せてもらうのが常であり、学生の頃から何度かやったことがあります。

 

 

ディアレッツォさんはフランスのパリにある会社のようですが、日本語にも対応しており、メールでの問い合わせなどももちろん日本語で対応してくれます。

 

 

今回私が買った和声のテキスト(楽譜)はアカデミアさんでは5,000円程度で販売されていますが、ディアレッツォさんでは3,000円程度で販売されています。

 

 

普通に考えたら安い方で買った方が得だと思うのですが、実際に一通りの手続きをしてみると必ずしもそうではないので、思ったことを書いてみたいと思います。

 

【送料】

今回はとりあえずディアレッツォさんで買ってみましたが、取り扱いとしては個人輸入になります。今回楽譜を7冊購入しましたがまず送料だけで4,000円程度です(フランスからの国際便)。

 

 

今回の送料

 

価格が上がるほど送料が増えていくシステムなので、今回はこの値段になりました(価格が一定額を超えると強制で追跡サービス付きの値段の高いほうになります)。日本のようにたくさん買ったら送料無料のようなサービスはなく、むしろ逆にたくさん買うと送料が割り増しされていきます。詳細はこちら

 

 

送料だけで1冊本が買えてしまいます。さらにここから関税、通関手数料、消費税が掛かります。

 

【関税】

税関のページでは、 20万円以下の個人輸入は簡易率になると書かれていますが、今回私が買った楽譜の総額は2万円程度ですので簡易税率になります。

 

 

このうち関税がかかるのは本体価格の60%だそうです(課税価格が1万円以下の貨物の場合、原則免除)。

 

 

 

楽譜の場合は「7」のその他のものに分類されると思いますので関税率は5%です(多分)。

 

 

つまり商品価格(送料別)×0.6(60%)×0.05(5%)=関税となります。

例えば今回の楽譜2万円であれば課税対象は60%の1万2千円ですので,「¥12,000×5%=¥600」が関税になります。

 

 

【通関手数料】

通関手数料は通関手続きに支払う手数料ですが、以下のようになるようです。

 

1.国際郵便・EMSの場合:200円。

 

2.FedEx「500円(非課税)」または「関税・消費税の合計額の2%」のどちらか高い方

 

3.DHL
①関税+消費税の合計額が700円未満:無料
②関税+消費税の合計額が5万円未満:1,000円(外税)
③関税+消費税の合計額が5万円以上: 手数料は立替額の2%(外税)

 

4.UPS→「540円(税込)」か「関税+消費税の合計額の2%」のうちの高いほう

 

個人で輸入する数千円から数万円程度のものであれば通関手数料は千円程度でしょうか。

 

今回は輸送会社がChronopostなのでまだ厳密な価格が解りません。多分1,000円くらいだと思います。

 

【消費税】

消費税に関しては言うまでもなく今の日本では8%なります。これは日本の場合は価格に併記されていることが多いですが、海外のショップだと当然日本の消費税のことは書いてありませんので、その分だけ安く見えてしまいます。

 

今回は「¥20,000-×8%=¥1,600」です。

 

 

これは海外のショップで支払った額とは別に後から請求されますが、個人輸入といっても基本的にはネットショッピングと変わりありませんのでほとんどの場合はクレジット決済になると思います。

 

お店の決済で2万円だったとしても、そこには日本と違って消費税は含まれていませんので、後から請求されると感覚的に割高のように思えてしまいます。

 

【まとめ】

非常にざっくりとした計算ですがディアレッツァさんなどで個人輸入で3,000円の楽譜を7冊購入した場合、¥21,000になります。

 

アカデミアさんの場合は同じものがおおよそ1冊5,000円ですので¥35,000になります。

 

消費税に関してはどちらで買っても同じ額がかかるので考慮の対象外ですが、個人輸入の場合この¥21,000に関税と通関手数料と送料がかかります。(ちなみにアカデミアさんは5,400円(税込)以上は送料無料です。)

 

 

送料¥4,029+関税¥600+通関手数料(Chronopostで多分千円くらい?)=¥5,600なので、¥21,000+¥5,600=¥26,600(+消費税)が私が支払う総額になります。

 

 

こうを計算すると国内価格¥35,000と個人輸入¥26,600で差額は¥8,400にになりますが、ものすごく大雑把に考えてこの差額が国内で販売する業者の儲けです。

 

実際には商品を同時にたくさん仕入れたり、保険の問題なども入ってくるのでこんな単純計算ではないと思いますが、概ねこういう商売なのでしょう。

 

 

海外に居住経験がある人であれば、海外のものを安く仕入れて日本で売る、また逆に日本のものを海外で売るという商売も考えられますが、面白いなと思いました。

 

 

そして、これも大切なポイントなのですが、個人輸入で考えなければいけないのが様々なトラブルです。

 

以前EASTWEST製品で有名なsoundonlineという海外のショップでソフト音源をパッケージで4つ買ったことがあるのですが、届いてみると3つしか入っておらず、当然アメリカのショップに英語メールで文句を言ったのですが、ちゃんと送ったの一点張りで取り合ってもらえませんでした。(明細には4つ送ったと書いてありました。)

 

 

ダウンロード販売だとこういったトラブルはありえないと思いますので、海外で音源やプラグインを買うときはダウンロード販売がお勧めです。

 

結局1万円程度でしたので泣き寝入りしたのですが、こういったトラブルは日本との対応とは全く別物と考えなければなりません。海外の場合は日本のように丁寧な対応をしてもらえる事はあまり期待しない方が良いと思います(海外と比べると日本は非常にサービスが丁寧です)。

 

 

こういった業者とのトラブルの他にさらに輸送中のトラブルも考えられ、途中で荷物を見失うという可能性もゼロではありません。

 

 

海外から個人輸入するわけですから、他にも予測できない何かが起こるかもしれません。

 

Amazonでヤマト運輸や佐川急便で配送されるのとはかなり勝手が違い、トラブルがあったときの対応もかなりめんどくさいです。日本語以外の語学が要求される場合も当然あると思います。

 

 

価格としては今回のケースの場合は個人輸入の方がざっくり計算で¥8,4000-円安いわけですが、こういったすべてのリスクや手続きを丸ごと飲み込んでくれるのがアカデミアさんのような輸入楽譜ショップであり、アカデミアさんで買えば普通に日本のお店で売ってる楽譜を買うのと変わりませんのでこういっためんどくさい事は全てお店がやってくれます。

 

 

配送も国内の配送会社ですからトラブルがあったときも対応は楽だと思います。万が一荷物が紛失しても国内の問題であればヤマト運輸や佐川急便や日本郵便は当然丁寧に対応してくれます。

 

 

まとめると多少のリスクを背負って数千円安く買うか、そういったリスクを上乗せした額を国内のお店に払うかどちらかになると思います。個人輸入でも国内で買うのと変わらずスムーズに購入できる場合ももちろんあるでしょうし、むしろその方が多いと思います。

 

 

ただトラブルが発生した場合、海外のショップ相手だと言葉が通じないなどのリスクも当然でてきますので、何かあったときに面倒臭いです。日本のような誠実な対応を期待できない場合も多々あります。

 

今回はディアレッツォさんが初見だったので、個人輸入で買いましたが、過去にトラブルがあったことなどを考えると人それぞれですが、アカデミアさんで買っても良かったかな?思いました。

 

 

ビジネスとしてやっているなら話は別ですが、個人レベルでたまにしか買わない小さいものなら多少高くても輸入に関するすべてのことはショップに任せた方が楽だと個人的には思います。無事に届いたらまた記事を書いてみます。

 

 

お読み頂き有り難う御座いました。

 



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長管トランペットの話。

テーマ:

ロマン派までのオーケストラでは現在のような短管トランペットではなく、長管トランペットが用いられていたという記述をよく見かけます。

 

 

 

 

写真を見て分かるとおり通常のトランペットよりも大きいです。管も太く、長さも明らかに現在の短管トランペットに比べると長く見えます。

 

現代のトランペット奏者が使うトランペットは基本的に短管のB♭管ですが、古典時代からロマン時代初期にかけてはたくさんの種類の管があり、そのどれもが長管トランペットでした。

 

歴史的にはハイドンやモーツァルトの時代には実に様々な種類のトランペットがあり、替管を用いることによっていろいろなキーに対応していました。C管のトランペットは8フィート(2.4384m)もあったそうです。

 

 

当時はまだ現在のようなバルブシステム(バルブシステムの発明は1815年)はなく替管によって様々なキーに対応し、後は唇の緊張だけで様々な音を出すことによってフレーズを演奏するという現代人から見れば不便この上ない方法が行われていました。そのため古典時代のオーケストラでは、盛り上がる部分なのに突然トランペットがいなくなるなどの現代人から見ると違和感のあるオーケストラションが行われていることが多々あります。

 

 

これらは現代のCDを聞くと親切心からという意味なのか、聞き映えがするという意図なのか、指揮者が楽譜を書き換えて「本当はこうを書きたかったのだろう」という古典時代の作曲家の意図を想像してレコーディングされており、楽譜に書いていないことが鳴っていることもよくあります。

 

このようにたくさんの種類のあるトランペットですが、1800年代初頭近くになって色々あったトランペットの管はF管のトランペットに統合されていきます。これはウォルター・ピストンの管弦楽法によれば管長約6フィート(1.8288m)だそうです。

 

 

 

ブルックナー交響曲7番のトランペットパート

 

 

いま個人的にブルックナーの交響曲7番を勉強しているのですが、やはりトランペットはF管で書いてあります。

 

 

もちろんこの時代の作曲家のすべてがF管のトランペットを想定してスコアを書いたということはありません。例えばブラームスはトランペットパートに様々な管を用いています。ただブラームスはバルブシステムがあるにもかかわらず、ベートーヴェンの時代のような自然ホルンのようなフレーズをあえて書く作曲家なので、意図的に古い時代のトランペットを使っていたと言う可能性もありますが(私の偏見です)、ブルックナー以外だとマーラーや交響曲やドビュッシーの管弦楽にもやはりF管のトランペットが使われています。

 

 

面白いのが、この方の記事サン=ジャコメの教則本(1870年出版)にトランペットのパートをコルネット(短管)で移調読みする練習があると書いてあるので、当時の作曲家がF管以外の様々な管で楽譜を書いても、実際にF管で演奏されていたかどうかはわからず、現代のように別の管で吹くという風習はこの時代から始まったのかもしれません。

 

 

現在の短管トランペット

 

現在のような短管トランペットがいつ作られたのは正確にはわかりませんが、19世紀の終わりの時期なのではないかと言われています。

 

このトランペットの長さは現在のメインであるB♭管であれば、約4.3フィート(1.3mちょっと)なので、古典時代のトランペットと比べると約半分の長さということになります。

 

 

歴史な事は置いておいて、私が最も興味があったのは音色の側面で、管の長さが2倍近いのであれば基音も当然1オクターブ下になるはずであり、それで同じ音を出そうと思えば当然音色が変わってくるということです。

 

 

実際に長管トランペットの基音は現在の短管トランペットの1オクターブ下であり、当時の長管トランペット奏者は楽譜に書いてある事をそのまま吹いていると考えるのであれば、現在の短管トランペットよりも高次の倍音を吹いているということになります。

 

 

長管トランペットの倍音列(C管)

 

 

C管の場合、長管トランペットの基音は中央ドの2オクターブ下の音になります。例えば中央ドの1オクターブ上のドをならしたいと思ったら8倍音を吹かなければならないということになります。

 

 

 

短管トランペットの倍音列(C管)

 

 

しかし現代の短管トランペットであれば中央ドの1オクターブ上のドを吹きたい場合は、5倍音を鳴らすということになります。管の長さが半分なので基音も1オクターブ上になるわけです。

 

 

いろいろな本あるいはネット上の記事を読んでいると長管時代から短管時代に移り変わる際には、トランペット奏者の戸惑い・不満も当然あったようですが、現在では多くの人が知っている通り短管に統一されています。総合的な面を見て短管の方が有利なのでしょう。

 

 

管の長さが約2倍なわけですから、もっと深みのある音が出るように思いますが、こればかりは聞いたことがないので何とも言えません(ひょっとしたら何かのCD聴いているのかもしれませんが)。

 

 

古典時代の長管トランペットは12倍音(C管の場合は中央ドのオクターブ+完全5度)まで使用するのが一般的な常識だとウォルター・ピストンの本には書いてありますが、現代の短管トランペット奏者は8倍音、9倍音あたりまで使うのが基本となります(管によって高い音が出にくい出やすいというのがあります)。

 

 

つまりモーツァルトやベートーベン、あるいはブルックナーあたりまでが生きていた時代に演奏されていたオーケストラの金管楽器の音と現代の金管楽器の音は厳密には違うものであり、当時どんな音色で演奏されていたのかという点に非常が興味があります。

 

 

DTM音源では当然、長管トランペットの音色などあるはずもなく、基本的にはすべて短管トランペットの音です。古楽器をフューチャーした音源であれば長管トランペットもあるかもしれませんが、一般的では無いというのが現状です(個人的にはDTMで使ってみたいと思っています)。

 

 

(長管トランペットについてはこの方の記事が詳しいです。)

 

お読み頂き有り難う御座いました。