公式サイトのサンプルBGMの更新をしました。

こちらからお聞き頂けます。

 

最近お仕事で作った曲をまとめて30曲くらいアップしましたが、

特に出来が良いのはページ内一番上の「お勧めサンプルBGM」にまとめてあります。

 

近いうちに過去のボカロ曲などもやり直してアップロード予定です。また作曲の本に続いてアレンジの本を書いていますので、こちらはまだまだ時間が掛かりそうですが、完成しましたらまたブログ内で告知致します。



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DTMマスタリングのやり方

(マスタリングのやり方を基礎から解説した本です)

    
DTMミキシングのやり方
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最近改訂させて頂いたDTMマスタリングのやり方にトゥルー・ピーク・リミッターのことを少し書いたのですが、ブログでもうちょっと考察してみたいと思います。

 

 

昨今はトゥルー・ピークに対応したリミッターは珍しくなくなりましたが、トゥルー・ピークとはデジタルデータのサンプル間を繋ぐ時に現れるデジタルデータの振幅よりも大きなピークのことです。

 

 

インターサンプルピークとも呼ばれますが、デジタルデータはいわずもがない方眼紙の目のようにアナログ音声をビットレートとサンプリングレートの数値に従って保存しています。ご存じの方も多いと思いますが、簡単におさらいしてみましょう。

 

 

02

波形を極限まで拡大

 

 

波形編集ソフトで波形を最大まで拡大すると上の画像のように1サンプル単位まで拡大することが出来ます(出来ないソフトもあります)。

 

例えばCD音質の44.1kHz/16bitなら一秒間に44,100回画像のようにポイントを取って保存していることになり、1秒間に何回サンプリング(標本化)するか?を決める単位をサンプリングレートと呼びます。

 

上の波形データは44.1kHzのものですので、横軸方向の点一つ一つが44,100分の1秒になり、この点が44,100個横に並ぶと一秒分のデータということになります。

 

次に音の大きさをどれだけ詳細に(何段階で)保存できるかはビットレートという単位で決まります。16bitなら2の16乗で65,536段階となります。上の画像では縦方向の細かさが見られませんが、16bitのデータなので縦軸には65,536段階の区切りがあることになります。

 

 

方眼紙の目の細かさと同じで細かいほど実際の音声を正確に保存することができ、数値が小さいと、イメージとしてはドット絵のようになって荒い低音質な音になっていきます。

ここまではデジタル音声の基礎知識で、ここからがトゥルー・ピークの話になります。

 

 

 

truepeak

 

この記事の最初の画像は点と点の間が繋がっていますが、あれはあくまでデジタルデータの点同士を疑似的に繋いでいるだけであって、実際のアナログ化された時の波形ではないはずです。

 

 

実際のデジタルデータは上の画像の左側の青い点のように保存されており、44.1kHz/16bitなら横軸の目盛り一つが44,100分の1秒であり、縦軸の目盛りは65,536段あるわけですが、我々がこのデジタルデータを音として聴くためにはスピーカーやヘッドホンからアナログの空気振動に変換する必要があります。

 

 

変換される際は右側の画像のように点と点を繋ぐわけですが、0dBを越えてクリップと書いてある部分のようにデジタルデータの青い点そのものは0dBを越えていなくても、実際に再生される際はには右側の緑の線のようになって再生されるのでクリップしてしまう場合があるわけです。

 

 

03

アナログデータはこのように波の状態になっています。

 

 

デジタルデータ上ではクリッピングしていないため、データをどれだけつぶさに見ても発見することは出来ず、アナログに変換されて初めて起こることですので、私もデジタルデータ上ではDAWのフェーダーにクリップランプが付かないのに、なぜかスピーカーで聴くと「ブチ」っと音割れしてしまった経験があります。

 

 

このようにアナログ変換された時に生じるピークをトゥルー・ピークというわけですが、このトゥルー・ピークをリミッッティングしてくれるのがトゥルー・ピーク・リミッターなわけです。

 

05

Nugen Audio ISL 2 True Peak Limiter

 

04

Flux:: Elixir

 

05

Waves WLM Plus Loudness Meter

 

06

Sonnox Oxford Oxford Limiter V2

 

 

Nugen Audio ISL 2 True Peak LimiterFlux:: ElixirWaves WLM Plus Loudness MeterSonnox Oxford Oxford Limiter V2などほかにもトゥルー・ピーク・リミッターが今はたくさんあり珍しくない状態です。

 

私が使っているのはOxford LimiterとElixirがメインでWAVESのWLM Plus Loudness Meterは一応トゥルー・ピーク・リミッターが付いていると言えば付いているのですが、このプラグインはあくまでメーターリングソフトでリミッターはおまけくらいに考えています。

 

 

この記事を書くに差し当ってElixirの最新版のインストールをしようとしたら、旧バージョンのアンインストールが上手くいかず、新しいバージョンも入れられず、使えなくなってしまったのでメーカーに問い合わせ中ですが、とりあえず残りのOxford LimiterとWLMでちょっと比較画像を作ってみました。

 

 

001

オリジナルの矩形波

 

まずオリジナルの矩形波です。綺麗な直線を描いています。これにのOxford LimiterとWLMのトゥルー・ピーク・リミッターを使ってみます。

 

WLM Plus Loudness Meter

001

WLM Plus Loudness Meter 拡大

 

 

0001

WLM Plus Loudness Meter

 

 

WLMはかなり波形の形が変わって「かまぼこ」みたいな形になっています。実際の音楽の波形は言うまでもなくこんな単純ではありませんが、原音をどれだけ歪めてしまうのか?という参考にはなります。

 

 

音質的にはWLMは専用のリミッターではありませんので、最終的に使おうという気持ちにはなりません。あくまでメーターリングソフトの付加機能という感じであり、音の質感もあまり好きにはなれません。

 

 

オリジナルの矩形波に比べて波形(音)がかなり変わってしまっている点がポイントです。

 

Oxford Limiter V2

001

Oxford Limiter V2 拡大

 

 

001

Oxford Limiter V2

 

Oxford LimiterとWLMを比べると明らかにOxford Limiterの方が波形(音)の変化が少ないのがわかります。多少「かまぼこ」っぽくなっていますが、WLMに比べると変化量が少ないのが見てわかります。音質的にはOxford Limiterが好みです。

 

 

0001 使用するかどうかは選択できます。

 

 

トゥルー・ピーク・リミッター機能が付いているのはOxford Limiterの「V2」からですが、使い方云々というよりは完全にプラグインの性能依存の問題なので色々試して自分が良いと思ったものを選ぶ感じになります。

 

 

トゥルー・ピーク問題はこれで一応の解決なのですが、そもそも極限まで音圧を稼ぐ事で発生する問題ですので、トゥルー・ピークが発生すること見越して、ほんの少しだけ(0.5dB程度)予め音量を下げておくという方法を個人的には取っています。

 

 

MP3などの圧縮フォーマット変換時の問題

MP3やOGGなどに変換する際の波形の乱れから音量が僅かに大きくなってしまう問題もトゥルー・ピーク・リミッターを使えばある程度までは押さえ込めるようです。

 

 

01

オリジナルの矩形波(-2.5dB)

 

 

オリジナルの矩形波はピークが-2.5dBです。これを320kbpsと192kbpsのMP3フォーマットに変換してみます。

 

 

01

MP3 320kbps 少し崩れる

 

 

320kbpsでは多少波形が崩れてます。-2.5dBを少しだけオーバーしている(画像の右下が顕著)のがわかりますが、これくらいな大丈夫と思えます。

 

 

 

01

MP3 128kbps かなり崩れる

 

 

128kbpsだとかなり波形は乱れ、0dBに届きそうなくらい音が大きくなってしまいます。

 

もし元々のマスタリング済みの波形が0dBまで大きくなっていた場合に、MP3にエンコードしたらどうなるかは説明するまでもないですが、トゥルー・ピーク・リミッターを使えば、bpsが低くてもそれなりに押さえ込めます。

 

 

どれだけ波形が乱れるかはエンコーダーの性能やフォーマットやbpsに依存するので、一切の例外なくどんな劣悪なbpsでも大丈夫かどうかは今のところ明言は出来ませんが、bpsが低いほど波形の乱れが大きくなり、私が実験する限りでは、トゥルー・ピークを0dBにした場合、無劣化のWAVEの状態では大丈夫ですが、128kbpsや96kbpsなどの低音質にエンコードするとピークメーターはクリップしなくてもトゥルー・ピークは0dBを越えてしまいます。

 

 

 

01

トゥルー・ピークを0dBにして128kbpsのMP3にエンコードした場合

 

 

色々実験してみて確実に言えることは0dBまで音圧を上げる場合、トゥルー・ピークリミッターを入れたほうがMP3変換時のクリップを避けるには有益であるということです。

 

 

こういうことがあるので0dBまで挙げずに多少天井にスペースを作っておくことを私個人としては推奨したいです。

 

もちろんエンコーダーの性能もあるでしょうし、MP3よりもOGGの方が波形の乱れは少なく高音質です。bpsによる劣化具合も関係するので一概には言えませんし、トゥルー・ピークもDAコンバーターの性能に依存する部分があると思いますが、そもそもMP3化された後のことをどれだけ私たちが考える必要があるかも疑問だったりします。

 

 

作品の形態をMP3が最終形態なのか、CDが最終形態なのか、それとも動画の各種フォーマットやOGGが最終形態なのかはケースバイケースなので、私たちが作品を作るときに192kbpsのMP3に変換したときに音割れしないようにしようと考えて、作業する必要はあるのかどうかは難しい部分です。

聴いてくれる方がもっと低いbpsで変換することがあるかもしれませんし、何処を下限と考えるかは人それぞれ違うと思います。

 

そもそも音楽のダイナミクス表現を潰して、極限まで音圧を稼ぐせいでこんな問題が発生するわけで、私個人としてはいわゆる音圧戦争的なものには反対であり、多少こういったことを考えつつも音が大きければ良いという風には考えずにトゥルー・ピークやMP3エンコードを常識的な範囲で見越して作業しています。

 

 

もちろん音が大きいほど良いという風に考える方もいらっしゃり、人それぞれですが、何処を上限にし、何処を下限にするかを考えるのはなかなか難しい問題です。

 

 

ちょっと天井を空けておくだけで問題の大部分は解決するので、個人的にはそのほうが良いのかなと、やはり思ったりもします。

 

最後までお読み頂き有り難う御座いました。

 

 



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DTMマスタリングのやり方

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DTMマスタリングのやり方の改訂が終了しました。

 

初版の執筆時とプラグインの発達などのDTM製作を取り巻く状況の変化や

私自身の知識・技術・手法に照らし合わせて、

大幅な改訂をさせて頂きました。

 

主に後半の具体的なマスタリングのやり方についての

手法・視点の解説がメインです。

 

DLsiteにてユーザー登録でご購入下さった方はDLsiteにて再ダウンロード可能です。ゲストユーザーでご購入または、それ以外のご購入方法で販売元からダウンロード出来ない場合は「あとがき」の部分をコピーして頂いて「DTMマスタリングのやり方」の最後のメールアドレスに改訂版ご希望の旨をお伝え下さい。

ダウンロードリンクをこちらからお送りいたします。

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IRCAM Solo Instrumentsを導入しました。

 

 

ircam01

 

 

IRCAM Toolsやクラシックの現代音楽でお馴染みのフランス国立音響音楽研究所(Institut de Recherche et Coordination Acoustique Musique)とUVI社がコラボして作ったという16種類のソロ楽器音源です。

 

 

Vienna社の音源同様に完全ドライの音なので、リバーブの品質によって大きく音が変化しますが、1つ1つの音はとてもリアルで表情的です。

 

 

ソロ楽器集なので室内楽でも、オケのソロパートでも、ポピュラー系のBGMでも汎用性が高く実際に使ってみたところ結構なんでもいける印象です。

 

 

DAW側からの操作における演奏の表情の追い込みはViennaには負けてしまうかもしれませんが、収録されているパッチがかなりリアルで、ほかの音源では聴くことの出来ないニュアンスの生々しさが特徴です。

 

 

公式サイトでオーディオデモが聴けますが、色々な表情のパッチが収録されており、演奏者の息遣いが感じられます。

 

 

ircam02

 

 

例えばフレンチホルンなら上の画像のように「Classical(一般的な奏法)」「Extended(特殊奏法)」「Muted(ミュート・弱音器付き)」「Transition(音の変化のある奏法)」の4つに分かれていて、パッチを読み込んで使うのですが、このうちキースイッチがあるのは「Classical(一般的な奏法)」だけで、2つ以上のパッチを組み合わせて使う場合は複数のMIDIチャンネルが必要になります。

 

 

この辺は好きな奏法を自由にセルを作って組み合わせることが出来るViennaに使い勝手の点で負けており、2つのパッチを組み合わせてクロスフェードしたり、キースイッチで「Classical」以外のパッチを自由に切り替えることも出来ません。

 

 

しかしサンプリングされた波形に対してADSRは効くので、ニュアンスの調整はVienna同様可能ですし、ViennaでいうところのVelocity X-FADEもあり、Expressionで音量の変化をつけていくことも出来ます。

 

cuivré やフラッターツンゲなどの特殊奏法はなかなか活きが良いというか、ViennaやEASTWESTでは聞こえてこないニュアンスなので、使ってみてデメリットとメリットが割とハッキリわかってきました。

 

 

デメリットというか、Viennaのエンジンが良く出来過ぎているので、比べるべきではないのかもしれませんが、エンジンの操作性で劣る分、各楽器の収録パッチの表情が気に入っており、サンプリング音源を買って初めて、楽器奏者でかなり変わるんだなぁと感じました。

 

 

もちろん音程が外れているとかは論外ですが、ただ機械的に上手いというわけではなく、表現が適切でないかもしれませんが、過剰に人間らしいというか、奏者の個性みたいのが伝わってきます。

 

 

アルトサックス演奏:Claude Delangle
楽器:SELMER Serie 2nº434775(金メッキ)+ハイレジスターキー、マウスピース:Vandoren Strenght 3,5
指揮:Fabien Levy
サウンドエンジニア:Vérène Valat
編集:C¬écile Lenoir、Gérard Delia

 

 

わざわざ上のように説明書に楽器ごとの奏者や使用楽器の詳細や収録エンジニアまで記載されており、IRCAMとUVIの自信が感じられます。

 

 

価格面でも16種類のソロ楽器をここまでリアルに収録しているなら、機能性ではもっと高い音源はありますが、値段以上の価値があるように個人的には感じています。

 

 

IRCAMの名前もそうですが、デモを聴いてソロ楽器の生々しさ・表情の豊かさに惹かれて買ったのですが、色々と出番がありそうです。

 

 

ircam03

 

 

個人的に特筆したいのが、クラシックギターのパッチがかなり表情豊かな点で、クラシックギターを単にナイロン弦やガット弦のギターとして捉えているのではなく、sul pon 、sul tasの区別やピチカートやラズゲアード奏法まであり、クラシックギターの曲を作る時にはかなり表情的に出来る点です。

 

 

 

Viennaのソロ楽器パックを買ってVienna Instrument Proで打ち込みを深く追い込んでいったり、Spitifire Audioなどのハイエンドな音源を使ってらっしゃる方にとっては、使い勝手が微妙に感じる部分があるかもしれませんが、IRCAM Solo Instrumentsは音の良さ・表情の個性が売りの音源で、Vienna やSpitifire Audioなどのハイエンド音源とはちょっと方向性が違うかもしれません。

 

 

また既に書きましたが、収録音がドライなので公式デモで聞こえてくるような音にするには相当リアルなリバーブが必要かも?と思います。

 

 

Spitifire AudioやEASTWESTは完全ドライに出来ないホールの響きがセットのが売りですが、IRCAM Solo Instrumentsはドライで良かったと思える音源です。

 

リバーブなしで使っているとビックリするくらいショボイですが、ちゃんとリバーブを掛けてやればデモに近い音になります。

 

 

かなり追い込めますが、リバーブの音作りが音色の決め手になるので、どんなリバーブが手持ちにあるか?そのリバーブの各種パラメーターを何処まで理解して使いこなせるか?でIRCAM Solo Instrumentsを何処まで活かせるか?が変わってくると思います。

 

 

既にBGMで使っていますが、あらゆる場面で活躍してくれそうな音源でかなり気に入っています。UVIエンジンは使い勝手・追い込みは甘いと言えば甘いですが、その辺りは収録楽器数とサンプリングの質、値段を考えればむしろお買い得と思える内容であり、UVIエンジンの改良は今後に期待ということで活用していきたいと思っています。

 

 

サンプリング音源は①収録されるサンプル(楽器の量と質や演奏者の実力)と②エンジンの機能性、そして③動作やデータ容量の軽さで決まりますが、IRCAM Solo Instrumentsはサンプル質がほかの音源にはない独自のクオリティーを持っているのが特に気に入っています。

 

最後までお読み頂き有り難う御座いました。

 

 


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DTMマスタリングのやり方(改訂中)

DTMミキシングのやり方

 

 

 

UADのUnison Preamps対応マイクプリのうち、私が所有しているのはNeve1073、Neve88RS、API visionとapollo製品を購入すると最初からもらえる UA 610 Tube Preamp & EQの「B」だけですが、特に1073は久々に感動したプラグインでした。

 

 

私はNeve1073も UA 610も実機は持っていませんが、API3124+やFocusriteのRED1を自宅で使っています。同じ機材ではないので、過去の経験からの「大雑把なアウトボードの質感」と「今まで感じてきたプラグインの限界」の感覚的な比較になりますが、ユニゾンのマイクプリの出来の素晴らしさとEQの効きの良さにかなり驚かされて、マイクプリというフィールドでプラグインでここまで出来るなら手間とお金のことを考えるなら、今後はアウトボード離れしてもいいんじゃないかと思い始めています。

 

 

BGM系のお仕事だとどうしてもリテイクが存在するのが常ですが、アウトボードは基本的にリコールが出来ないですし(最近のUSB接続機能があるのはそうでもないようですが)、実時間録音で手間が掛かりますので、リテイク時の手間もその分大きくなります。

 

 

さらに同時にいくつも挿して複数のトラックを聞き比べながら微調整を重ねるというミックスで行うことも出来ません(全く出来ないわけではないですが…)。

 

あくまで「録り」で使う+「後のミックスを見越して下処理」というのが私の使い方です。

大規模なレコーディングスタジオなら別でしょうが、一般家庭では何十ものアウトボードを同時に立ち上げて、プラグインのツマミを弄る感覚で実機を操作して最後に録音というのは非現実的であり、複数のトラックに同じアウトボードを使いたければ、高額なアウトボードを欲しいチャンネル数分用意しなければなりません。

 

 

その点プラグインの場合はかなり楽なのは言うまでもないと思いますが、その分音質的なデメリットがあり、どうしてもアウトボードを通したほうが(というか一度PCから出してアナログ機器を通した方が)音質的には有利です。

 

 

 

その辺の印象を大きく覆されたのがUADのUnison Preamps対応で、「こんなに良くなるの!?」と驚きました。

 

Unison Preampsは録音時のインピーダンスをapollo側で可変することでデジタル技術だけでは出来なかった質感を再現出来るのが売りですが、普通にプラグインとして挿すだけでもかなり違うように思えます。

 

 

もちろん録音で使わないとUnison Preampsの恩恵を100%受けられないので、Integra-7やマイクの録音、リアンプなどで使いますが、それだと実際に実時間録音するなら手間はアウトボードと変わらないわけで、Unison Preampsの恩恵を100%受けられなくても、その辺の時間短縮や微調整に有利且つ高音質なのがUnison Preampsシリーズのプラグインだと感じています。壊れる心配もなく、メンテナンスの必要もないのも魅力です。

 

 

さすがに実機と同じだとは言いませんし、ガチンコの商業スタジオでは当分アウトボードが消えることはないでしょうが、作家さんや宅録DTMをやっている方にとっては実機は高額過ぎるし(AMS Neve/1073DPD なら50万円近い)、メンテナンスも難しい、でもこれまでのプラグインだとアウトボードと比較して音質に不満があるという方にとっては、かなり高いレベルでの妥協点となり得るのではないかと思います。

 

実機の購入と維持というお金と手間を考えるなら、Unison機能は少なくとも私にとっては「自宅でやるならこれで十分」と思えるクオリティーです。

 

歌ってみたなどの歌い手さんがたまにボーカルのミックスレッスンに来て下さいますが、「自宅で」「低価格で」「納得出来る高いクオリティーで」という注文でしたら、これはかなりお勧め出来ます。DTM主体でやってらっしゃる方にもUADのDSPパワーが許せばミックスで挿しまくるのもありだと思います。

 

自宅で本当にただ歌を録るだけなら(ほかは依頼する)、Apollo solo,duo(WinならUSB)で十分ですし、実機のマイクプリやチャンネルストリップを購入するのもありですが、Unison機能目当てでApolloをというのもありなんじゃないかと思います(結局は好みですが)。

 

 

これから購入を検討なさる方のためのお役に立てばと、なるべく主観を捨てて、私なりに客観的な立場からそれぞれのポイントを述べてみたいと思います。

 

どうしても好みが入りますので主観的な台詞は聞き流しつつ、youtubeや公式などでデモ音源をメインに参考にしてみて下さい。

 

 

いつものどんな歪み(ハーモニック・ディストーション)特性を持っているのか?というのをメインに見ていきたいと思います。

 

 

001

1000Hzのサイン波です。

 

 

マイクプリはインピーダンスによる質感もありますので倍音特性がすべてではありませんし、実際に使ってみると倍音特性に表れない音質の変化も多々あります。

 

 

 

チャンネルストリップはコンプやEQの音も関わって来ますので、これだけですべてを論じることは出来ませんが、デモ音源を聞いて耳だけで判断するということを除けば、視覚的・論理的に解説できる目安がこれしかありませんので判断材料の1つとして多いに参考にしつつ見ていきましょう。

 

 

特性を画像で見たときに分かりやすくするために、意図的に突っ込んだ設定にしている点を前もって含んでおいて下さい。ローゲインで使えば、これらの倍音特性は緩くなっていきます。

 

 

 

○Neve 1073 Preamp & EQ

neve1073-2

 

 

neve1073

スペクトラム特性(特性を分かりやすくするためにかなり突っ込んでいます)

 

 

私が一番気に入っているのが1073です。今まで使った1073のモデリングの中でダントツの良さで、他社製は比べものにならないという表現が正しいかもしれません。

 

音の輪郭が明確になるのがハッキリわかります。また倍音もかなり豊富で2倍音、3倍音がかなり多めに出ているため音がかなり立ちます。

 

しかし高域は優しい、聞きやすい滑らかさを持っています。

 

 

通常EQ部分と合わせて使いますが、音の輪郭の明瞭さに加え、低音は力強くくっきりと出るのに、高音の透明感もしっかりと出せる不思議な効果を持っています。

 

絶妙なバランス感覚で作られており、こういうのが欲しかったという私の好みのど真ん中です。強めに歪んだギターなどに使うとボヤけた輪郭が明瞭になります。

 

特に目立つ倍音構成としては2倍音はオクターブ上、3倍音はオクターブ+5度上ですが、適度に透き通り、適度に歪む感じがします。実機のNeveはもっと凄いんでしょうか。

こんなにもクオリティーが高いならレコーディング業界で長年愛されていることに多いに納得が出来ます。

 

 

透き通るという言葉を私は真空管のように偶数系の倍音が出る、つまり2・4・8倍音のようにオクターブ関係の音が加わるという意味で使っています(真空管は偶数も奇数も両方出ます)。

 

ドの音に対して2オクターブ、3オクターブ上のドが加わるので濁らずに音が立っていきます。

 

 

歪むという言葉はテープのように奇数系倍音が出る、つまり3・5・7倍音のように和音として濁っていくという意味で使っています

 

(テープは偶数倍音があまり出ず、奇数がメインで倍音が加わる特性を持っています)。ドの音に対してソ(3倍音)やミ(5倍音)やシ♭(7倍音)が加わっていくので、透明なまま音が立つのではなく、少しくすんだ感じでトラックに馴染んでいく感じです。

 

 

下のAPI Vision Channel Stripやそれ以降のものと見比べると比べると分かりやすいですが、ここまでクッキリオクターブ上の2倍音が綺麗に出ているのは現行のUnison Preampsシリーズのプラグインでは1073だけです。高次倍音との配合も素晴らしいです。

 

 

これが輪郭の明瞭化の秘密かもと思っており、EQでも同じ特性で倍音が増えるのか、それとも別回路で別の特性を持っているのか、それは設計図を見ないとわかりませんが、現行のUnison Preampsシリーズの中では1073だけが持っている特性です。

 

 

これは買って本当に良かったと思っており、ユニゾンでも普通にプラグインとしてでも多用していきたい感じです。

 

ただデメリットとしてかなり重いので、octoでも8個しか使えないため、ミックスでそれなりに使いたいならocto2つか、今後出るであろう12コアや16コアの製品を待つしかありません。私はoctoを2個でやる予定です。

 

 

 

 

 

 

○API Vision Channel Strip

0101

 

api

スペクトラム特性(特性を分かりやすくするためにかなり突っ込んでいます)

 

 

APIのVisionのマイクプリはどちらかというとテープ的な特性で1073と比べると偶数系(オクターブ関係)が弱く、テープに近い倍音特性です。

 

3倍音が大量に出ていますが、これはドが基音なら1オクターブ+5度上のソであり、7倍音は2オクターブ+短7度上の音となり、音がクッキリと立つというよりも、ミックスで馴染んでいくのに有利なアナログ感を感じさせるタイプです。

 

 

1073のような分かりやすいインパクトよりも、ミックスでトラックが増えて行くにつれてジワジワと効いてくる、よく馴染む素晴らしいプラグインです。

 

EQ、コンプ、ゲート、エキスパンダーも付いていますので、これだけでそのトラックのインサート処理を行えるのは1073にはないメリットです。

 

 

実機の3124+も持っていますが、(DSPパワーの許す限り)プラグインで自由自在に挿せるのはかなり魅力的です。1073が好きなのは単に私の好みであり、Visionの方が好きという方もたくさんいらっしゃると思います。結局最後は好みの問題となります。

 

 

 

 

 

 

 

○Neve 88RS Channel Strip

 

88rs


neve88rs

スペクトラム特性(特性を分かりやすくするためにかなり突っ込んでいます)

 

 

Neve1073に加えて、こちらは同じくNeve88シリーズコンソ-ルのチャンネルストリッププラグインです。APIのVisionと同じくコンソールのチャンネルストリップなので、これ1つでトラックのインサート処理が出来ますが、1073とは全くキャラクターが異なり、APIのVisionと同じで綺麗に馴染んでいくタイプであり、こちらは耳で聞いても(1073と比べれば)地味な印象です。トータルで効果を発揮するタイプのマイクプリです。

 

 

それは倍音スペクトラムにもそのまま現れていてクラリネットや三角波を連想させます。1073と88RSは両方ともNeve製品なのですが、マイクプリ部分だけを見てもキャラが全然違いますので両方持っていても使い分けが出来ます。

UA社もそれを含んで88RSを選んでいるのではないかと思います。

 

 

visionよりもさらに偶数系の2倍音、4倍音が少なくほとんどゼロと要っても良いほどで、よりテープっぽい特性になっています。

 

倍音特性だけ見るなら、1073と88RSが両極端でVisionがその中間にいるような印象です。実際にはAPIのプロポーショナルEQやコンプはNeveと異なりますので、1073とvisionを対比するのが正しいと思いますが、88RSも特有のキャラを持っているでyoutubeなどでデモを聞いてこういう音が好みであれば、選択肢としては多いにありえますし、出来はかなり音が良く素晴らしいです。

 


1073はすべてに使うというよりも、明瞭化したいトラックに極めて効果を発揮するので、あまり強烈ば倍音特性はちょっと…という場合や地味に馴染ませて仕上げて、立たせるところとそうでないところのミックスのコントラストや奥行きを出したいなら88RS Channel Stripのほうが良いかもしれません。

 

 

 

○Manley VOXBOX Channe Stip

 

voxbox1

 

 

voxbox

スペクトラム特性(特性を分かりやすくするためにかなり突っ込んでいます)

 

 

VOXBOXは名前の通り、ボーカル録り用のチャンネルストリップを主眼に設計されています。しかしDTMでは何でもありなので、ギターやベースやドラムやシンセに使うのも良いかもしれません。

 

 

印象としてはかなり薄くて、倍音もあまり出ておらず、ここまで紹介した中では一番地味な印象です。むしろコンプやEQやディエッサー部分がボーカルに特化しており、もっと言えばボーカルの録りはあまり音に対して色付けが強いと後ろの作業をする方から文句が出たりもしますので、控えめに使ったほうが良いという理由から敢えて控えめにしているのかもしれません。トラッキングというより、レコーディング用途性が強い感じです。

 

 

1073の音は綺麗に音が立ちますが、逆に言えばそれが好みに合わない場合、一度録音してしまうと元に戻すことが出来ません。ですので録りの段階では下地処理程度の控えめにしておいて、ミックスでガッツリ自分好みにするのがリカバリーが効くので保険にもなります。

 


あまり地味過ぎると、そのアウトボードを使うメリットがなくなってくるので、自分で録音して、自分でミックスするならせっかく使う高級機の性能をフルで活かしたいところですが、VOXBOXはボーカル録りという用途ならこれ一台で済んでしまうので一点特化型の宅録ボーカル録りユーザーを狙っているように感じます。

 

 

ボカロで使うなら、別にこれでなくても好きなものを各エフェクトを個別に選んでいけば良いように思えますが、歌ってみたなど宅録ボーカリストさんにとってはボーカルのセッティングが最初から出来上がっており、あまりコンプなどに詳しくなくてもイージーオペレーションで使えますのでお勧めかもしれません。

 

 

印象は用途に則しているという点で良い意味で地味だと感じでいます。ミックスでの音作りで使いたいならほかの選択肢が浮かんできます。あくまでUnison Preamps機能を活用して、自宅で歌録り向けという印象です。

 

 

○UA 610 Tube Preamp & EQ

610

 

ua610a 

 

ua610b

スペクトラム特性(特性を分かりやすくするためにかなり突っ込んでいます)

 

 

UA-610はUA社製品ですので、そのモデリング度は高そうです。AとBの2つのタイプがあり、銀パネルのB(上の画像右)はapollo製品を購入すると無料で貰えるプラグインの1つです。

 

 

 

neve1073

1073と610を見比べてみましょう。

 

 

突っ込むと倍音が非常に豊富でゲインを上げると音が立ちまくりますが、1073に対してかなり高域が暴れる印象で高域の滑らかさの印象が異なります。

 

どちらも音は立つのですが、個人的には1073は上品に綺麗に美しく立つ感じで、610は1073と比較するとやや荒っぽい印象を受けました。

 

 

1073と4倍音以降の高次倍音をよく見比べてみましょう。4~7倍音はかなり多めですし、それ以降も同様です。聞こえてくる音もこのままです。突っ込んだときのガツンとくる感じはロックのボーカルやギターに個人的には用途を感じます。

 

突っ込まなければアナログ色が強めのオールマイティーな感じです。実機は真空管ですが、まさにこれぞ真空管だ!というサウンドですね。

 

 

現行のUnison Preampsシリーズの中では最も荒々しい真空管らしさを持った強い個性のプラグインとも言えます。

 

 

実機も有名ですが、分かりやすい意味での真空管サウンドが欲しかったり、奇数倍音のテープ系のプラグインとの対比や統一という発想において、加えたり除去したりしています。

UAD公式でデモが聞けます。

 

 

 

○まとめ

全体的に大雑把に見て行きましたがこれは意図的に突っ込んだときの画像で、実際はローゲインで使えばあまり歪みも加わらずもっとクリーンに使うことも出来ます。

 

 

610%ef%bc%88low%ef%bc%89

UA-610のローゲイン使用時。ほかも同様です。

 

 

ゲインを下げれば下げるほどそれぞれの持っている倍音特性は弱まっていき、時には特性が変化することもあります。普通に使うような設定なら倍音がアナライザーに現れないくらい小さいものもあります(MANLEYがそうでした)。

 

 

冒頭に書かせて頂いた通り画像はすべてわかりやすさを目的としていますが、弱めに使ってもチリも積もれば山となり、十分過ぎるくらいUAD-2の音質の恩恵を受けることが可能で個人的にはかなり気に入ってしまいました。

 

5つあるUnison Preampsシリーズはキャラが被っているものは1つもなく、それぞれちゃんとキャラクターを持っているのも素晴らしいですね。

 

 

shpere Townsend Labs Sphere L22

 

 

既にデモが出ているマイクモデリングプラグインのTownsend Labs Sphere L22も凄そうですし、今回のプリアンプシリーズなど年々プラグイン業界の性能が高まってきて嬉しい限りです。今後も多いに期待しています。

 

 

しかし音が良い分だけ重いのが難点です。自由に使うならoctoでは全然足りないので、DSPが今後は12コア、16コアと増えていく方向にシフトしていくのかもしれません。

 

 

音の傾向は完全に好みの問題なので、欲しいとお感じの方はデモを良く聞いたり、UAD-2を購入すればすべて2週間体験版で使えますので、じっくり耳で判断なさって下さい。

 

 

 

今後のUAD-2では個人的にUnison PreampsならAvalonのvt737が出ないかなぁ~なんて思っています。Unison PreampsではなくてもAD2044やAD2055やAD2077(特に2077)などはかなり魅力的です。

 

 

この記事がどなたかのお役に立てば幸いです。

 

 

最後までお読み頂き有り難う御座いました。

 



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DTMマスタリングのやり方(改訂中)

DTMミキシングのやり方

 

VIENNA SYMPHONIC LIBRARYが有名になり始めた当初、私にとっては8~9年くらい前ですが、当時(2008年くらい?)は今ほどリアルなオーケストラ音源のラインナップがなく、そんな中で「これはかなりリアルだ!」と入門用としてVIENNA SPECIAL EDITIONシリーズを買いました(当時は今ほどリアルなオケ音源はありませんでした)。

 

 

 

当時の内容のSPECIAL EDITIONは既に廃盤になって今はリニューアルされていますが、メーカー公式で聞くことの出来るデモ音源みたいのが自分でも作れると思っていたら、あんまりそうでもなく、打ち込みテクニックだけでなくリバーブをオーケストラに合う相当良いものを、しかも上手に使わないとメーカー公式のデモみたいにならないことがわかり、VIENNA音源で作るオーケストラに合うリバーブ探しの旅をしていました。

 

 

今でもオケ音源=リバーブ命という考えは変わっていませんが、色々と彷徨っている中、3年後(2011年)、同社からVIENNA SUITEというVIENNA社が作ったオーケストラホールを想定したコンボリューションリバーブがリリースされたので、今度はそれも購入しました。

 

 

これはかなり良く、VIENNA社の音源にVIENNA社のリバーブですから「相性」というと変ですが、ウィーンにあるコンツェルトハウスの大ホール、モーツァルトホール、シューベルトホールなどのコンボリューションのリバーブで使うVIENNA社の音源は当時としては満足の行くものでした。

 

 

しかし、それでもメーカー公式のデモとそっくりという音にはならず、やっぱり同時期にリリースされたVIENNA MIR PROを買わないと駄目なのかなぁ~と思っていました。

 

 

しかし仕事で使うのが目的であって、メーカーデモ音源そっくりにする必要はなかったので、 MIR PROとは疎遠でずっと長いこと放置してきました。

 

なんだかいまいちよく分からないソフトの割りに高額でもありましたし、ほかのメーカーのオケ音源も強くなってきたのでそちらにも目移りしていました。

 

VIENNA製品はかなり活用させてもらいましたが、半年くらい前に購入したVIENNA MIR PRO(ミアプロと読みます)で、これはすごい便利ソフトだということに気づき、MIR PROも加わってやっとメーカーでもと同じような音が出るようになりました(音だけです、曲がではありません)。

 

 

mir01

VIENNA MIR PRO

 

 

レッスンで生徒さんにオケ音源のご相談を頂くこともありますが、VIENNAシリーズの製品そのものはお勧め出来ます。しかしSPECIAL EDITIONだけを買ってもメーカーデモ曲のようにはなりません。MIR PROを使わないとなかなか難しいです。

 

 

多分ですが、私がそうであったようにオケ音源を検討していてVIENNA社のデモ曲を聴き、「VIENNAの音源は凄いリアルだ、これを買えばこんな感じの曲が作れるんだ!」と期待して、詰め合わせお買い得パックであるSPECIAL EDITIONを買う方は多いのではないかと思うのですが、実際に使ってみると「なんか公式のデモ音源みたいにならない…」なんてことも多いです。

 

 

メーカーは広告塔たるデモ音源製作に当然自社製品をフル活用しているわけで、MIR PROも多いに活用されているはずです。

 

VIENNA SUITEはリバーブやコンプやEQなどの詰め合わせなので代替が効くという意味でなくても構わないかもしれませんが、VIENNA 音源の性能をフルに発揮するにはMIR PROと組み合わせて使わないとフルパワーは発揮出来ないのだと実際に使ってみて思いました。

 

 

また突き詰めると寄せ集めののSPECIAL EDITIONではなく、単体パックも買わないと駄目だと使っている内に限界が見えてきたので、ソロストリングスやチャンバーストリングスは単体バージョンを買って使っていましたが、最後にMIR PROを買ったので、これはもっと早く買えば良かったと思います。

 

 

VIENNA音源をお使いで、いまいちメーカーデモ曲みたいにならないという方はMIR PROの体験版を使ってみると、「なるほどね」と納得出来る部分があるかもしれません。

 

 

私も昔は普通にVIENNA SUITEのリバーブで十分だと思っていたのですが、通常のコンボリューションではなく、仮想空間をシミュレートしたMulti Impulse Response ConvolutionでこそVIENNA音源はフル活用出来ますし、それ以外の曲でもMIR PROは活用出来るので普通のリバーブの進歩系として持っていても損はありません。

 

 

私が使っているのは24トラック制限の安い機能制限版のMIR24ですが、これで十分です。それ以上なら普通に通常のリバーブで対応すれば十分事足ります。

 

 

ow

UAD-2のOcean Way Studios

 

 

MIR PROと似たようなことが出来るのが、UAD-2のOcean Way Studiosですが、こちらは全トラック個別にパンニングやステレオイメージングをコントロール出来るわけではなく、オケ用という感じではありません。

 

 

Ocean Way StudiosはBGM系では大活躍ですが、文字通りスタジオの響きであってフルオーケストラを演奏する大ホールでの響きではないため、用途も音も違います。

 

 

mir02

 

 

ステージ上に自由に各楽器を配置し、そのパンニング・距離感・ステレオイメージングをすべてコンボリューションで行うという現時点では私の知る限り類似製品のない珍しいプラグインです。

 

分類としてはリバーブなのでしょうが、仮想空間での二次元的な配置やマイキングをしつつ音を作っていけるので普通のセンドで使うリバーブとはかなり毛色が異なります。

 

 

言うなれば「もの凄いたくさんのポイントでインパルス・レスポンスデータを用意したコンボリューションリバーブ」と「ステレオイメージャー」と「パンニング」が一体になった楽器の発音位置を指定できるプラグインです。

 

 

普通のコンボリューションリバーブだと何処か特定の一カ所固定でマイキングしたものになりますが、MIR PROはマイクとの距離や発音の位置をステージやスタジオの内部であれば何処で好きに設定出来ます。

 

最近は「擬似的に」リバーブを付けるよりも、spitfire audioのように最初からホールで綺麗に残響が付いたまま録音されたものの方が良いという方にシフトして行きましたので、MIR PROに頼り切りではないですが、これはこれで面白いというか、オケ以外での用途で活躍することもあります。

 

 

 

mir03

 

 

オケで使うよりも普通のBGMでアコーディオンやアコースティックギターやピアノ音源に使うことで、実際にマイクを使ってそのスタジオで録音したかのような質感が出るので、むしろこちらの方がMIR PROのメインの用途になってしまっています。

 

 

 

mir04

 

 

もの凄い綺麗にショートリバーブが掛かるというか、マイキングの具合の調整でかなり良い感じになってきます。

 

 

打ち込みっぽさがかなり消え失せていくので、ケースバイケースですが選択肢として買って良かったプラグインです。

 

「実際にマイクを立てて録音した」というリアルな音になるのが、BGMだと絶対に良いというわけではありませんが、薄く使ってみたりして活用しています。

 

 

こうなってくるとOcean Way Studiosと用途が似てきますが、設定出来るパラメーターやそもそもの目的が異なりますので、出音も違い、どっちが良いのか悩むことも多々あります。

 

リアルさならMIR PROかと思いますが、BGMなどオケ以外で使う場合にはリアルなのが必ずしも良いというわけでもないので、悩ましいところです。

 

 

MIR PROを使うには「MIR PRO本体」だけではなく、追加で「ルームパック」を買う必要があり、リバーブ本体とインパルス・レスポンスが別売りになっている形態になっています。

 

現状ではコンサートホールのパックが2つ、教会のパックが2つ、レコーディングスタジオが1つで、例えば『ROOMPACK 1 VIENNA KONZERTHAUS』を買うと、コンツェルトハウスの大ホール、モーツァルトホール、シューベルトホール、新ホール、ロビーの5つがバンドルされています。

 

mir05

『ROOMPACK 1 VIENNA KONZERTHAUS』のGrosserSaal(大ホール)です。

 

 

オケ曲や室内楽を作るときはもちろん活用出来ますし、それ以外のBGMやポップス的な曲でもOcean Way Studiosと並んでセンドで使うタイプの普通のリバーブとはちょっと異なる方式のリバーブとしてマルチに活用出来ます。

 

 

 

思うにサンプリングタイプのオーケストラ音源は、製作にも多大な費用が掛かるので、大手メーカーが製作するのがメインになると思うのですが(物理モデリングは別)、ヴァイオリンやトランペットなどの楽器そのものの値段・音の良さや演奏者の腕はそこまで大きく変わらないと思います。

 

 

例えばVIENNAが雇ったヴァイオリン奏者はストラディヴァリウス、ガルネリ、アマティとまではいかなくても、数千万円の楽器や高価な録音機材や一流のエンジニアを使っているけれど、EASTWESTが雇ったヴァイオリン奏者や録音機材やエンジニアにケチって三流の楽器、演奏者、録音環境という風には思えません。

 

 

どちらも最高レベルのものを使っていると思うのですが、出てくる音は全然違います。もちろんサンプルの数、サンプル同士を繋ぐ技術、Velocity Xfadeなどの特殊技術など、それ以外の技術も多いにあると思いますが、音色の核となる楽器や奏者のレベルはそれほど変わらないはずです。

 

 

では、なぜメーカーごとに全然音が違うのか?というと、価格帯が全然違うものはサンプル数や技術レベルが異なるので単純比較できませんが、残響をどう考えているかだと思います。

 

 

完全に後付けのVIENNAやIRCAM Solo Instrumentsはどうしても擬似的に付けるので不自然さを完璧に免れることは出来ません。しかし残響を自分で好きに付け足せるというのは製作においてはかなり自由度が高くなります。

 

 

オーケストラサウンドは楽器個別の音以外に、そのオケが演奏されているホールの響きもセットで一つの音色と我々は感じるので、元音がドライな音源に対してはどれだけ良いリバーブプラグインが用意出来るか?がオケ音源における重要項目になってきます(制作時のサンプリングの質も大切ですが)。

 

 

オーケストラにおいてはロックやポップスのセンドで使ういわゆる一般的な意味でのリバーブでなく、もっと高いレベルでのリバーブ技術が必要になると思うのですが、リアルさを追求したいなら、2016年の現在においては、MIR PROのようなホールのすべての位置でインパルス・レスポンスを収録するような大容量マルチコンボリューションか、spitfireやEASTWESTのように最初から残響ありで収録されているものの2つが選択肢になるのではないかと思います。

 

 

未来においてはもっと進んだ技術が生まれるのでしょうが、オケ音源を購入検討なさる方は同時に残響をどうするのか?も一緒に考えることが、より良い音を得るポイントなります。

 

 

MIR PROは価格が比較的高額であり、あまり世の中に用途が理解されていない感じですが、とても面白いプラグインなのでご紹介させて頂きました。

 

 

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DTMミキシングのやり方

 

よく使用する音源や自作のパーカッションをKontakt音源化しておくと色々便利なので、私なりの方法をご紹介したいと思います。

 

 

kontakt01

 

 

特に利便性が高いのはIntegra-7などのハード音源や自分でマイクを使って収録したパーカッションなどで、Kontakt音源化しておくとボリューム、パンニング、エフェクト、ピッチ変更、そして高速書き出しなどメリットがたくさんあります。

最近はライブラリー化していくようになりました。

 

 

例えば3分のBGMでハード音源から5種類のパーカッションを使った場合は個別にWAVE化する場合3分×5トラックの時間が掛かり面倒ですし、それぞれの個別のトラックに、最終的に行う予定のエフェクト処理がどれくらい行えるかは音源の性能に依存し、VSTエフェクトで行うような何でもアリというわけには行きません。

 

 

例えばIntegra-7ではRPN・NRPNを使ってDrum Inst PanやDrum Inst Levelなどの調整は出来ますが、1つのチャンネルのドラムキットの中のスネアのみ、キックのみに個別のインサーションエフェクトを掛けることは出来ないため、大抵は個別に録音した後でトラックごとに編集を行います。

 

たった1つのパーカッションのためだけに1ch(1trackではなく)潰しても良く、エフェクトのRolandのインサーションエフェクトで良いなら個別のパーカッションにエフェクトを掛けながら製作することは可能ですが、ベロシティーレイヤーの数が少ないものであれば、Kontakt上で扱ったほうがミックス処理が遙かに楽だったりします。

 

○具体的なやり方

やり方は簡単で、まずは音源化したい楽器・声などをWAVEで録音します。個人的には効果音系で使いたいものに対して行うことが多いです。

 

 

wave01

 

編集時には0秒発音にすること、ノイズの混入などに気を付けましょう。

冒頭に不要な無音部分があると無音部分も再生されるためMIDIの発音タイミングと音が鳴るタイミングがずれてしまいます。

 

ノイズ処理に関しては、生録音した場合や何らかの特殊な事情でノイズは入ってしまっている場合はノイズリダクション系のソフトでノイズを除去しておきます。

 

 

znoise

WAVES Z-noise

 

 

Kontakt上で波形の何処から再生するかは実は設定出来るのですが、特別な意図がないなら綺麗に処理しておいたほうが賢いです。

 

 

音源によってモノラル・ステレオ、あるいは16bit・24bit、44,1kHz~96kHzなどを決めていくと良いと思います。私の場合はモノラルかステレオかは音源次第ですが、基本的には簡単なパーカッション系やSEにしか使わないので44,1kHz/16bitで作っています。

 

ハイレゾに拘る方は高いレートで行うのもありですが、そもそも発音元の音源側がハイレゾでなく、受け取り側だけをハイレゾにしてもあまり効果的でありませんし、生録音の場合もマイクの価格帯やアウトボードの性能に依存するので一概に録音ソフト上のみでハイレゾだから良いとは言い切れないと感じています。

 

 

ともあれ、とにかく音源化した波形を片っ端から録音していきます。ここで問題になるのがレイヤーをいくつにするか?ということですが、自分がその波形をどういう風に使うのか?によって1つで良かったり、4つくらい欲しかったりするのでまちまちです。

 

 

wave02

必要に応じてベロシティーレイヤーを考えて録音します。

 

 

ボリュームフェーダーを書くことでベロシティーレイヤーがあるかのように聞こえさせることは音源によっては可能ですが、生楽器の場合は複数のレイヤーがあったほうがリアルです。例えたった2つだけだったとしても1つしかないよりは全然マシです。

 

 

シンセで作った1発もののFX系であればレイヤーは1つで良いでしょうし、生録音時に強弱を付けにくい、あるいは付ける意味があまりない楽器もありますので、その辺りはケースバイケースです。

 

 

例えば楽器屋でタンバリンを買ってきて、それをKontakt音源化するなら、レイヤー数よりも鳴り方のバリエーションの方が大切なので、レイヤーは2つもあれば十分な表現力を持っています。

 

もちろん曲中でどんな使い方をするかによって変わりますが、左右にパンを振ってサイドで小さく聞こえる脇役程度の扱いであれば、レイヤー数よりも鳴らし方のニュアンスが多い方が重要です。

 

 

wave03

色々なニュアンスを録音しておきます。

 

 

録音したものをそのまま使うこともありますが、この時点でコンプやEQ、あるいはその他のエフェクト処理をして音作りを行うこともあります。

 

 

例えばキックの音であれば、思う存分波形に対してエフェクト処理を行い思い通りのキックを作ってしまえば、それを使うことが出来るのでクラブミュージック系を製作するときはよく過剰なコンプやEQやディストーションなどを予め波形に対して行ってから使うことが多いです。

 

 

出来上がったらWAVEファイルをKontakt上にドラッグ&ドロップします。

 

 

 

kontakt02

 

 

ドラッグ&ドロップするだけで普段DAWで使っているソフト音源と同じように使うことが出来ますので、エフェクト処理やパンニングやフェーダーを調整しつつ使うことが可能です。

 

 

 

 

1つの波形をドラッグ&ドロップした状態では中央ドの位置が元のピッチになっていますが、敢えて多少高い・低いピッチを使うことで異なるニュアンスを活用することもあります。

 

 

kontakt03

 

 

1つのWAVEファイルだけで良い場合はこれだけでOKなのですが、レイヤーを作ったり、キーごとに異なるサンプルを割り当てる場合は「スパナのマーク」をクリックして「Mapping Editor」と「Wave Editor」で設定を行います。

 

 

 

kontakt04

 

 

ファイル名が日本語だとKontakt上では「????」と表示されてしまいますので、複雑なものを作る場合は半角英数にしておきましょう。

 

 

キーマッピングしたいファイルをドラッグ&ドロップしていきます。ピッチの変化のニュアンスを残したい場合は1つのキーにつき3~5半音当てれば十分ですが、純粋にそのまま使う場合は鍵盤1つのみにします。

 

 

kontakt05

 

 

レイヤーを作るときもマッピングエディター上でのマウス操作で簡単に作れます。

 

 

kontakt06

 

完成したらKontakt上部のファイルメニューから保存をします。「.nki」という拡張子のファイルが出来ますので、2回目以降は一度作ったものをそのまま使えます。

 

 

一度作ってしまえばハード音源やいちいちマイクを使って録音をする手間が省けますので、こういったライブラリー化は時間の短縮という意味で便利ですが、個人的には時間の短縮よりも、ピッチの変化やエフェクトでの音作り、波形の途中や逆再生などの面白い効果を活用したクリエイティブな側面が面白いと感じています。

 

 

たった1回しか使わない音であっても、Integra-7などのハード音源から録音したり、あるいはソフト音源から1つの音だけを書き出して、あれこれ弄くることも多々あります。

 

 

ソフト音源だったらいちいちそんなことをする必要はないのでは?と思われるかもしれませんが、これもケースバイケースで例えばSUPERIOR DRUMMERの場合はクラッシュシンバル用のマイクが個別にないため、クラッシュシンバル類に対する個別処理が上手く出来ません。

 

 

sd2

SUPERIOR DRUMMERのミキサー画面

 

 

ですのでシンバル類のみを別に書き出しておいて、Kontakt上で前述のような方法で扱えばエフェクト処理やパンニングもかなり明確に行えるので、SUPERIOR DRUMMERの欠点を補うことが出来ます。

 

ほかにもその時々の意図でいちいち1つの音だけを書き出して面白い効果音的な音を作っていくことはよくあります。

 

波形をそのままDAWのオーディオトラックに貼り付けるということも昔はよく行っていましたが、Kontakt上でMIDI管理した方が編集の幅が大きいので最近はその場での生録音以外は積極的にKontaktのライブラリー化を行うようになりました。

 

面倒と言えば面倒ですが、1回やってしまえば2回目以降は楽ですし、例え1回しか使わないとしても面白い効果を得られる場合が多いので面倒がらずにやっています。

 

お勧めなのが楽器屋さんでカスタネットやタンバリンなどの簡単な打楽器を買って自分で録音する方法で、これによって自分の思い通りのニュアンスの音源を作ることが出来ます。

 

ソフトorハード音源にもカスタネットやタンバリンなど楽器は入っていることが多いですが、「自分の思い通りのニュアンス」でなくて不満がある方は自分で録音してしまうのが一番です。

 

 

「やっているうちにフリーのKontakt音源ってこうやって作っているんだなぁ」という風にやり方がわかってきますし、規模が大きくなれば製品として販売されている音源もやっていることは基本的には同じだということがわかってきます。

 

 

もちろんレガート機能のようにサンプル間をうまく繋ぐプログラムを組んだり、入力ベロシティーの変動によって選択するサンプルを変えたり、ギター系のコード検出機能などのように特定の組み合わせのキーが鳴った時は○○のサンプルを再生するなどのように入り組んで来ると素人にはお手上げですが、ただサンプルを鳴らすというだけでも十分過ぎるくらいクリエイティブな効果を上げることが可能です。

 

 

とくにソフト音源のプリセットだけで作っている方にとっては他者との違いを出すための有力なツールにもなり得ます。

 

 

実はこういった手法は遙か昔から存在するのですが、ソフト音源の充実と共に自分で録音してサンプラーで使うということをしなくなって来たという方も多いのではないかと思いますし、最近DTMを始めた方であれば音源が充実しているのでこんなことをしなくても大抵欲しい音は手に入るため、そもそもやらないという方が多いのではと思います。

 

 

マイクで録音するのは面倒ですし、録音するにはある程度の道具も必要になるため録音環境を揃えるのも面倒だったりします。

 

しかし職業作曲家が担当したBGMなどでomnisphereなどのプリセットの音がそのまま使われていたりする時代なので、他者の差を付けるという意味で音源が充実してきた今だからこそやる価値があるのではないかとも思います。

 

パーカッション系はKontakt音源化するのが楽なのですが、最近は慣れてきたのでウクレレなどの音源にも挑戦してみようかと思っています。

 

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DMG  AudioのEQuilibriumを随分前に購入したのですが、当時あまりのイコライザーの効きの良さに感動したのを覚えています。

 

 

プラグインイコライザーで感動したのはこれで2度目ですが、思うに現時点におけるデジタルイコライザーの決定版とも言って良いほど私にとっては素晴らしい出来で、これがあればもうデジタルイコライザーは当分要らないと感じています。

 

 

dmg

特に効果を発揮するのがブースト量が増えた時で、かなりがっつりブーストしても全然行けるじゃんと思えるのがEQuilibriumのすごい所です。

 

正直色々あり過ぎて、プラグイン業界は飽和状態になってるような気がしますが、アウトボードのアナログEQを別とすればこれは特に気に入っています。

中川統雄様のみみにっきというブログでかなりEQuilibriumについて色々書かれていますので、面白そうだなぁと思われた方は参考になるかと思います。

 

 

良くも悪くも音が崩れないので、あるトラックでイコライジングをかなり行いたいけれど、崩したくない時のEQとしては手持ちの中では一番良く出来ているように感じています。

 

 

DMG Audioはワンマンカンパニーらしく DTM業界ではもはや一般的な○○%OFFみたいなセール販売なども私が知る限りほとんどやっていないみたいなので、特売セールに慣れている感覚からすると£174.99(ポンド)という価格はEQ一つとしてはやや高額な部類に入るかもしれませんが、そのぶん音は素晴らしいです。

 

 

買うだけ買って、結局使うことがなくなってしまうプラグインが結構ある一方でEQuilibriumはデジタルEQが欲しいという時にほとんど必ず出番があります。

 

圧倒的に音色が崩れない、アナライザー付き、MS処理が出来るetc…など便利な点がたくさんありますが、EQそのものの設定をかなり弄れるのが特徴です。

 

 

 

eq2

 

 

カスタマイズ出来る部分がたくさんあり、IIR(Infinite impulse response無限インパルス応答)、FIR(Finite Impulse Response(有限インパルス応答)の選択から始まり、デジタル信号処理の専門用語が出てくるため、正直完璧に理解出来ません。

 

 

イコライザーは音波をフーリエ変換して行う原理ということくらいは知っていますが、通常プログラマが弄る所までユーザーが設定出来るようになっています。

 

 

CPUパワーが少ない環境で作業なさっている方でもCPU使用率によるEQのクオリティーまで設定出来るので、ミックスでたくさん挿すときは軽めに、マスタリングではフルパワーで、のように使い分けることも出来ます。

 

 

GUIやアナライザーの詳細な設定もかなりカスタマイズ出来るので、慣れたらこれが一番良いと思えるかもしれません。

 

 

eq3

 

EQポイントを好きなように追加出来るタイプですが、PEAK、HPF、LPF,SHELFなどには見慣れた4kg(SSL4000G)、110(ISA110)、550(API550)、Pultecなどの設定を選ぶことが出来て、自分好みのEQをざっくり作っていけるタイプです。

 

 

ハイシェルビングはSSLが良いとか、ローのブーストはPultecが良いとか、中域のカットはAPI550が良いかと、自分好みで使っていけます。

 

 

04

 

 

使い始めた当初は色々出来るから結構動作は思いのかな?と思ったのですが、意外と軽くうちのcore i7980XXという型遅れのCPUでも上記の設定で相当挿せます。

 

 

もちろんご自身のパソコンのCPUや同時に使っているVSTたその他のプラグインの種類・数にもよりますが、ご興味をお持ちの方は体験版があるので使ってお試しになると良いかと思います。

 

 

普通に使うだけでも十分効果的ですが、普通の一般的なイコライザープラグインと違い設定を追い込めば追い込むほど、それに応えてくれるというある意味で上級者向けのイコライザーという感じです。

 

 

実務では多種多様な用途があるのでこれ以外使わないというわけではありませんが、プラグインイコライザーで1個だけ選べと言われたらEQuilibriumがかなり多機能且つ高品位なので、これをお勧めしたいです。

 

 

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バルトークは作曲は全く教えませんでしたが、ピアノ教育にはかなり関心を持っており、教育目的の作品をたくさん残しています。

 

ミクロコスモス」「子供のために」が代表的ですが、ほかにも「10のやさしいピアノ小品」など子供が音楽に親しむための簡単な作品をいくつも残しており、これらに触れているうちに私も作ってみたくなりました。

 

 

小学校低学年あたりの子供が弾けるような、複雑な和音やオクターブの出てこない(手が小さいから弾けない)簡単で20秒~60秒くらいの短いピアノ曲をたくさん作っています。

 

 

 

forchild

1曲目 DLリンク

 

 

子供が喜びそうなタイトルで作っているのですが、まだ始めたばかりなので10曲ちょっとしかないものの、いつものように作曲そのものよりもFINAREでの浄書に時間が掛かります。

 

 

とりあえず30曲くらい溜まったらセットでA4サイズでまとめようかと思っていますが、作曲3分、FINARE30分以上の手間が掛かり、手書きの汚い楽譜なら速攻ですが、浄書はいつになっても面倒です。作曲よりも、子供たちにどんなことを覚えて欲しいか?指使いはどうするか?のほうが考えるのが難しいです。

 

 

鍵盤で弾くと単純な曲でも、子供たちに様々なアーティキュレーションやディナーミク、音楽用語などを覚えてもらうために書き込むことが多くなるので、上の画像の1曲目もピアノ弾いたら超絶単純のただのスケール上行ですが、楽譜に書き込むとなると文字や記号がどうしても増えていきます。

 

 

ピアノが下手くそなので、技術的な専門性の高いものは私には無理ですが、BGMのように様々な雰囲気を表現して、楽しい、悲しい、不気味、コミカル、綺麗、間抜けetc…、のような表現性の高い小曲はネタが山ほどありますので、それらを子供向けに単純化して、指使いと楽典的な内容の習得に絡めて作っている感じです。

 

 

私には潰せるよな暇はありませんが、ちょっとした時にささっと作って溜めていけばそのうち曲集みたいに出来るかもと考えています。

 

 

悩むのが、何処まで難しいことを曲に取り込んで良いのか?で少しずつレベルアップしていくように考えていますが、アイデアはたくさんあるのである程度まとまったらまた記事を書いて紹介したいと思います。

 

 



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人は誰しも自分が育った背景というものがあり、音楽においては自分が聴いたり、学んだりして育った音楽が多くの場合、その人の背景・土台になります。

 

 

例えば今のアニソンやボカロを聴いて育った世代はそれを一つの基準として考えるでしょう。

 

それがビートルズだったり、洋楽ロックだったり、あるいはクラシックだったり人それぞれですが、そこをスタート地点としてより進歩向上していくというのが一般的に起こっていることです。

 

これはあらゆる音楽ジャンルに起こっているので各ジャンルの成り立ちや進歩の歩みをご存じの方には言うまでもないことですが、バルトーク(1881年生まれ)の場合は、彼よりも前の世代であるブラームスやシューマン、リストやリヒャルト・シュトラウスたちの音楽が彼のスタート地点となっています。

 

 

言ってみればこの時代の作曲家が誰もがそうであるようにロマン派音楽からスタートしているわけですが、バルトークはある時からハンガリー独自の音楽を作り出すための足がかりとして自国の民族音楽に関心を持ち、それを自分の土台として音楽を作るようになっていきます。

 

 

すべての芸術はそれより前の世代に根を持っていなければならないとバルトークは言っていますが、彼の場合はドイツ・オーストリア圏のロマン派音楽に根を持って良いなら、それがハンガリーの民族音楽でも良いはずだと考え、自ら(あるいは仲間たちと一緒に)苦労して収集したハンガリー(ルーマニア、スロヴァキア、ブルガリア、トルコ、アラビアetc…)の音楽を研究し、徐々にオリジナリティーを築いていきます。

 

 

シェーンベルクが調性を放棄して12音を使うのに対して、バルトークは調性を拡張して12音を使うので、聴いていたり、楽譜を見ていて「綺麗に聞こえるけど、これは何?」という部分がたくさんあります。

 

 

中期以降のシェーンベルクの場合はシステムさえわかってしまえば誰でも理解できる12音技法というテクニックで書かれていますが、バルトークの場合はそういった分かりやすい統一原理みたいなものを見い出すのが難しいので、それがバルトークの不人気の原因の一つなのかもとも思います。

 

 

 

機能和声を逸脱した技法を用いているにも拘わらずバルトークは自分の作曲技法の種明かしをせずにこの世を去りましたが、バルトークの著作やバルトークが研究していたと言われる民族音楽を同じく研究してみると意外とヒントになることがたくさんあり、バルトークのアナリーゼでお困りの方は何よりもハンガリー、ルーマニア、スロヴァキア、ブルガリア、アラビアなどの民族音楽を学んでみるとヒントがあるので、それらの勉強は非常にお勧め出来ます。

 

バルトークの理解には必須と言った方が良いかもしれません。

 

 

 

単にバルトークへの理解が深まるというだけでなく、民族音楽(民族でなくて普通のクラシックやロックやポップスでも)の研究の仕方やその技法をそのまま使ったり、模倣して作るという単なる習得ではなく、高いレベルで自分の作曲の中に取り入れたりするにはどうしたら良いのか?という良いお手本を手に入れることも出来ます。

 

 

一番勉強になったのは、バルトークがどんな角度や姿勢で音楽を研究していたか?で、これはあらゆる勉強に応用が効くため、単なるバルトークの作品のアナリーゼを越えて大いにためになりました。

 

 

バルトーク以外に民族音楽を似たようなレベルで活用したのは、ムソグルスキーやストラヴィンスキーが個人的には気になりますが、ムソグルスキーは非常に才能ある作曲家ですが、惜しくもアカデミックな研鑽を積む機会がなかったため論理的な思考の欠如が彼の音楽をさらなる高みへ昇らせる弊害になっていますし、ストラヴィンスキーはこの点をカバーしているように思えますが、民族音楽を体系立てて研究してはいないため、真にロシア的な作曲家かと言われると、どちらかというと有名なロシアの民謡やリズムなどを取り入れているだけで、その背景はロシア的なものが混じりつつロマン派的なもの(新古典主義)が大きいように感じます。

 

 

また前置きが長くなってしまいましたが、要するにバルトークは私が知る限り非常に深く民族音楽に根を張っており、その点においてロマン派の影響を完全に脱しているドビュッシー・ラヴェルの近代フランス楽派、12音技法のシェーンベルクなどの新ウィーン楽派、あるいは神秘和音(というか属7の多様化)で新境地を開いたスクリャービンと同等に重要視されるべきであり、音楽の進歩に大きく寄与しているためもっと注目を浴びても良いと思いますし、彼の技法は作曲家にとっての必須の勉強にしても良いのではと感じているくらいです。

 

 

書きたいことがたくさんあるのですが、今回はバルトークの曲でよく出てくる「?」と感じた部分を1つだけ取り上げてみます。

 

 

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管弦楽のための協奏曲 1楽章序奏部分(ピアノリダクション)

 

 

上の譜例のようにバルトークはスケールが上がっていくときはある音が#なのに(半音高められるという意味)、下がっていくときは♭(半音下がるという意味)するという(同じ音が半音下がっている)、上行メロディックマイナー、下行ナチュラルマイナーのような動きをあらゆるフレーズで使用しています。

 

あらゆる曲で多用されるのでバルトークと付き合ったことがある方ならお馴染みのフレーズなはずです。

 

 

 

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管弦楽のための協奏曲 2楽章冒頭のバスーンのsoliの部分

 

 

こちらは6度のハモリなのでさきほどの例よりも複雑ですが、やはり上がっていくときに赤の①部分なら「レ→ミ→ファ→ミ♭→レ」、赤の②部分なら「ファ#→ソ#→ラ→ソ→ファ」のように上がる時は#、下がる時は♭という動きです。

 

 

単に転調やスケールの差し替えと考えることが出来ますし、バルトークの特徴あるフレーズだと長年考えていたのですが、ハンガリー民謡を見てみるとこれと非常に近いしいフレーズをたくさん見いだすことが出来ます。

 

 

 

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①~④のフレーズはすべてハンガリー民謡ですが、バルトークと同じく上がって行くときは長音階で下がっていくときは短音階という動きが見られます。

 

これを知らないとバルトークのこのフレーズは一体なんだ?となってしまいますが、ハンガリー民謡の旋律作法をそのまま模倣したり、あるいはもっと複雑高度化して使っているだけで、根っこはここにあるんだということがわかり、それ以来納得出来るようになりました。

 

 

④がわかりやすいですが「ド→レ→ミ→ファ→ソ→ファ→ミ♭→レ→ド」のように上行ではミが♮で長音階なのに、下行ではミ♭で短音階になっています。そしてバルトークがよく使うdurmollの和音もここから来ているのでは?と思いました。

 

 

先の例なら前半Cメジャーコード、後半Cmコードという風に和声付けが可能ですが、これらの音程を和音化すればdurmollの和音の出来上がりです。

 

もちろんこれは単なる推測で出典があるわけではありませんが、バルトークは民族音楽の旋律の音程を和音化するということをよく行っており、著作でもそう述べているので、そこまで的外れでもないように思えます。

 

 

この考えが発達してくると、単に和音の長短を決める第3音(CメジャーコードとCmコード)だけでなく、メジャースケールの第6音(Ⅵ度)とマイナースケールの第6音(♭Ⅵ度)が同時に出てきたり、あるいはもっと別の音が同時に使われるようになります。

 

 

端的に言えば異なるキー出身の音が同時に使われるということでこれは以前書いた本で述べたいわゆる復調ですが、露骨に、あるいは隠されてこのようなフレーズがバルトークの曲にはたくさん登場します。

 

 

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10のやさしいピアノ小品より「 トランシルヴァニアの夕べ」

 

 

上の譜例はバルトークの子供向けの作品である「トランシルヴァニアの夕べ」ですが(トランシルヴァニアは森の彼方の国という意味)、左手がソ#なのに、右手はソ♮です。

 

 

普通に機能和声で考えると「?」という音使いですが、これもdurmollの和音から発生する中心軸システムに基づいた復調と考えると納得がいきます。

 

 

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管弦楽のための協奏曲 2楽章冒頭のバスーンのsoliの部分

 

 

管弦楽のための協奏曲の2楽章の青い四角の中も見てみましょう。いかにもバルトークらしいフレーズですが、①の赤い部分では「レ→ミ→ファ→ミ♭→レ」とハンガリー民謡の技法の応用に見えます。②も同じ考えです。

 

 

さらに青い四角の部分では「ファファファレ」でファが♮なのに、下は「ラララファ#」でファが#です。

 

調判定が機能和声で考えたら出来ないはずですが、これはハンガリー以外の民謡の応用でdurとmollが混在しているような不思議な旋律です。ハモリを固定化したフレーズですね。

 

 

ハンガリー民謡の中にバルトークと同じ音使いやその萌芽を見いだすことで、少なくとも私個人がこの長音階と短音階がミックスしたような合成音階のフレーズが一体何処由来なのか?を納得するには十分ですし、durmollの和音も民謡から来ていると推測することでほかにもそこから繋がって色々と納得することが出来る部分がありました。

 

スロヴァキアやルーマニアやブルガリアやアルジェリアも同じです。

 

ヒントの多くは民謡の中にあり、バルトークが民謡の中にある素朴なフレーズを如何に発展させて使っているかはとてもためになります。

 

中心軸システムについても一体どういう根拠や由来でバルトークがそれを思いついたのか?はまだ明らかになっていませんが、バルトークの楽譜に出てくる「なんだこれは?」という疑問に対する回答が彼の研究していた民族音楽に隠されているので、案外民族音楽をつぶさに研究すれば回答が得られるのかもしれません。

 

 

そしてこれが私にとって一番重要なのですが、バルトークがハンガリーの民族音楽から彼が使っている様々なテクニックを導き出したように、私もまた世界中のあらゆる民族音楽から同じようにたくさんのヒントが得られるのではないか?ということです。

 

 

日本の雅楽や箏曲や民謡もそうですし、日本に限定するどころか、民族音楽やクラシック音楽にすら限定する必要はないと個人的には考えているため、やり方次第では得られるものがありそうです。

 

 

もっとも私はそこまで民族音楽に深い関心がなく、日本に限定するなら雅楽や箏曲は好きですし、BGMのお仕事で行うようなレベルのジャンル製作としては習得していますが、バルトークのような研究姿勢は取っていませんし、また取ろうとも思っていません。

 

 

日本の音楽は好きですが、私が最も興味あるのは箏曲や雅楽よりももっと前の時代、例えば大陸から文化が入ってくる以前の日本古来の和箏や古事記や日本書紀に出てくる時代の人たちの音楽であって、雅楽は世界的に見れば世界最古の合奏音楽であることは知っていますが、約1400年前から伝わる雅楽ですら最近の新しい音楽と感じてしまいます。

 

 

私の関心はさらに古い上古の時代にあって残念ながらそれらに関する音楽的な記録は僅かな断片的記述しか残っていません。

 

比較的最近の飛鳥・奈良時代の歌がたくさん載っている万葉集には当時の天皇から名もなき一般庶民まで実にたくさんの歌が載っていますが、たったの1500年~1400年前すら残っているのは言葉だけ(歌詞)だけであって、当時の人たちがそれをどのように歌っていたのかは全くわかっていません。

 

 

籠もよ、み籠持ち、掘串もよ、み掘串持ち、
この丘に菜摘ます兒、家聞かな、告らさね、
そらみつ大和の国は、おしなべてわれこそ居れ、
しきなべてわれこそ座せ、われにこそは告らめ、家をも名をも

 

 

これは有名な万葉集の一番最初の第21代雄略天皇の歌ですが(雄略天皇が畑仕事をしている娘をナンパしている歌です)、「歌」というくらいですし、楽器があり、音階があるので、何らかの音楽的なものがあったと推測が出来ますが、理論的な記録はゼロでバルトークのように自分の足で集めるということも絶望的です。

 

 

音階、和音、調弦、歌詞、歌詞と旋律の関係、楽節構造、楽器の伴奏法、リズム、etc…研究したいことはたくさんあり、当然現代なりに応用も可能でしょうが、比較的新しい時代の雅楽で我慢するしかありません。

 

 

これに関しては完全に歴史に埋もれてしまっており、私がもっとも興味を持つ対象を学術的に学ぶ手段が全く閉ざされているというのはとても残念です。普通の方法では可能性がゼロです。

 

 

日本最古の歌として素戔嗚尊の有名な「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」という出雲八重垣の歌がありますが、和箏を弾いている記述や西洋のドレミファソラシのように音に名前があったりするので、なんらかの音楽的な内容があったはずです。大変興味がありますが、こればかりはどうにもならないのが残念です。

 

 

とりあえずはあるもので我慢したり、ドビュッシーの台詞ではありませんが、「想像で我慢するしかありません」という感じです。

 

最後までお読み頂き有り難う御座いました。

 



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