菊池一族の歴史と巨木
旅に出ると、その土地の人々の生活や文化、時を越えた人々の営み、歴史などを、
肌で感じることができ、とても刺激を受けます。
今回の九州ドライブでも、たくさんの刺激を受けることができました!
ホテルのロビー見えた大木。
この木は、いったいどんな人々の営みを、歴史を眺めてきたのでしょうか。
ここ、菊池温泉は、中世に活躍した菊池一族の本拠地でした
元は、平安時代に荘官として赴任してきた下級貴族だったとようです。
(地方に根を下ろした貴族は多いですよね。平氏も源氏も同様です)。
菊池一族は中世の肥後の国を統一し、
南北朝の動乱時期には、菊池武光公は後醍醐天皇の皇子と共に、九州統一を果たし、
歴史の表舞台に立ったこともあるそうです。
菊池一族の長い歴史の中で、この武光公が特にヒーローとして人気があるようです。
お部屋に置いてあった「菊池一族の歴史」漫画にも、その活躍がたっぷりと紹介されていました。
参照記事 http://ameblo.jp/petittrain/entry-10338889323.html
ロビーから出て、すぐお隣に正観寺というお寺があります。
そこに、この巨木がすくっと建っています。
正観寺は菊池一族の菩提寺で開山は興国二年(1341年)肥後主菊池武光が大方上人を招いて創建されました。
かつてはかなり大きな寺で15世紀半ばには全国十刹のひとつに数えられ、
寺領は六十六町歩(198,000坪)、僧侶は2,000人からいた大寺院であったといわれています。
現在も付近一帯は「正観寺」という地名なのだそう。
この大きな楠は、正観寺の境内にあって、菊池武光公の墓標に植えたものと伝えられています。
幹囲7.5m、樹高3.4m、樹齢約600年と推定されています!!
この下には武光公の墓碑がありますが、これはずっと後世1782年に建立されたものです。
墓碑は亀の背に乗ったもので神道碑といい中国から伝わった珍しい型式。
神道碑の代表は同じ南朝の忠臣として有名な楠木正成のもので、
ここの神道碑はそれを模してつくられたものと言われています。
武光公は、楠木正成と同様南朝方の英雄なんですね。
その歴史を知ってから眺めると、より一層趣深く感じます。
地元の方にいろいろとお話を聞く機会があったのですが、面白かったのが、菊池氏の今。
今では、全国に「菊池さん」「菊地さん」がいらっしゃいますが、
元をたどれば、ここ熊本の菊地出身ということになるそうです。
出所は1つだ、とおっしゃいます。
というのも、菊池家を継ぐものの人数は限られていることと、
中世において、特に南北朝時代には、山伏などに身をやつし、全国で情報収受をしたり、
連絡を取り合ったりしていて、全国をまわっていたが、
そのうちに地方に根を下ろしていった方々も多かったそうです。
岩手県の遠野には、菊池家末裔の方がかなり多く住んでいらっしゃるとか。
高校野球で活躍した、花巻東の菊池投手を応援している!とうれしそうにおっしゃっていたのが印象的でした。
各都道府県の菊池さんの人数なんかもご存知で、とっても面白かったです。
故郷の歴史を愛し、故郷を愛することができるなんて、幸せな方だな、と感じました。
お祭りが開かれていた広場の菊池武光公の銅像。かっこいいですね!
泊まったホテルのサイトには、詳しく菊池一族の歴史についての説明がなされています。
ご興味のある方はどうぞ 菊池温泉観光ホテル