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Kierkegaard

「昏い、昏いよ・・・」

ごぽ、ごぽ、ごぽぽ・・・、真澄は、幼き頃の夢を見る。

あの日から、俺の心は、凍った。

嫌だ、どうして、今頃。

ふわり、体が浮いた、素魚のように透けた体、透明な手が俺の手首を掴んだ。

真澄は、面を上げ、その顔(かんばせ)見た、緑の黒髪をした少女だった。

少女の薄紅の唇がゆっくり動いた。

「だ・い・じ・ょ・う・ぶ」

黒い大きな瞳は優しく光った、俺は、彼女に抱き寄せられ、水面目指した。

水しぶきが上がって、少女は消えた、俺は意識を失っていた。

***

「真澄さん、真澄さん、こんなところで寝ると風邪を引きますよ?」

真澄が閉じていた目を開けると、夢でみた少女の顔(かんばせ)があった。

「眠っていたのか」

「珈琲を淹れたの、どうぞ」

「美味いな」

「良かった、水城さんみたいには、まだまだだけどね」

「うん、美味しい」

真澄がにっこり笑う、マヤもにっこり笑う、あの昏い海の底から、俺を助けてくれたのは、天女だったんだ。

真澄は、そう思った、だから、抱きしめて、お礼をしようとしたら、びんたが飛んだ。

「真澄さん!」

「ケチ、つぶやくぞ」

「うー」

某つぶやく社長は、マヤを優しく抱きしめて言うのだ。

「アイシテイルよ、おくさん」

「ワタシモ、アイシテイマス」

新婚夫婦は、今日ものんきである。



***

某所で別花と単行本のネタバレを読んだ。うちとこは、単行本は遅れるのでお預けである。
別花は、明日手に入る、楽しみである。(予告通りの再開、HC刊行に、奇跡だと思った)