<21st Aug Tue>

窓を開けた上に裸でも寝苦しかった不快な夜は土曜と日曜だけで終わり、北国イギリスのひんやりさが戻ってきたばかりではなく、なんだか一気にもう秋の気配。今週末はバンク・ホリデー3連休なんですが、「そういう時に限って肌寒くてグレーなんだよなあむっ」、とイギリス人が自虐的に言うような雰囲気になるらしいですくもり

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London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

ROHのオペラシーズンが終わった途端にオリンピックがはじまって、急にすっかりスポーツ・モードに切り替わってしまったのですが、最後のほうに観たオペラも写真だけは準備してあったので、無駄にせずに記録しておくことにします。どうでもいいことを色々書いてますが、オペラの備忘録が一応メイン・テーマですので。


とは言ったものの、果たして7月24の日オテロ最終回(私は3回目)のことを書き残す価値があるのかしら? だって、できれば忘れてしまいたいパフォーマンスだし、第一、あなた半分寝てたでしょ?


はい、たしかに沢山眠りましたが、それは嫌な部分を聴きたくないがための自己防衛が成功したってことです。
えーっ、今回のオテロ、7月12日と18日のパフォーマンスは興奮して褒めちぎってたのに(こちらこちら と)、一体どうしたの? ほら、思い出し泣きしてないでガックリ、何があったかちゃんと説明して。


はい、一番怖れていたことが起こったんです、シクシクしょぼん。考えてみれば、起こるべくして起こったことなんですが、私はともかく、お誘いした友人二人に申し訳なくて・・・。


オテロ夫人のデステモーナ役のアーニャ・ハルテロスは、ROHが余程嫌いなのか、今シーズンは2度もキャンセルしたんですが(プッチーニの三部作とラ・ボエーム)、いつも「個人的な理由で」。それって、ただ嫌だわってことじゃないですか? なので、果たしてオテロには出てくれるのか直前までハラハラしてたんですが、幸い出てくれて、素晴らしいオテロ夫人だったので、2回観られた私はラッキーでした。


でも、もうあと一回で皆勤賞というところまで来て、なんと又「個人的な理由で」ドタキャン。せめて嘘でも良いから「体調崩しました」とか言わなきゃ。しょっちゅう「食中毒です」と謝るゲオルギュー姐さんを見習って欲しいです。ほんと、これじゃあもう信頼感ゼロですよね。ROHも堪忍袋の緒が切れたんではないでしょうか。今シーズンは特にキャンセルが多くて、先日も又ROHから謝罪のメールが来たんですが、病気でもないのに平気で降りちゃうハルテロスは責任大だぞパンチ!


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

いえ、歌手のドタキャンには悲しいかな慣れっこだし、何度も観にいく私にとっては違う歌手を聴く良い機会で、実際福に転じることもたまにはあるので悪いばかりではないのですが、今回最悪だったのはもちろん代役が大嫌いな歌手だったからです。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
Giuseppe Verdi – Composr

Elijah Moshinsky – Director
Timothy O’Brien – Set designs
Peter J. Hall – Costume designs
Robert Bryan – Lighting designs
Michael Popper – Movement Director

Sir Antonio Pappano –Conductor

Otello – Aleksandrs Antonenko
Desdemona – Marina Poplavskaya
       (Anja Harterosの代役)
Iago – Lucio Gallo
Cassio – Antonio Poli
Emilia – Hanna Hipp
Rodrigo – Ji Hyun Kim
Montano – Jihoon Kim
Lodovico – Brindley Sherratt
A Herald – Bryan Secombe


くぐもった声とえらの張った真四角な顔に異常なおちょぼ口、と歌もルックスもハンデの大きいマリーナ・ポプラフスカヤは、一年前に日本でドン・カルロスの代役をやったのでご存知の方も多いでしょうが、ロンドンのオペラ仲間は彼女のことを高く評価してる人は一人もいなくて、皆で「なぜ彼女がこんなに売れっ子なのか理解できない。ロシアン・マネーの大金持ちの情婦か?」とか言い合ってるんです(長い金髪は美しいし、横か後ろから見ると美人だから)。


彼女が色んな新しい役に挑戦したり、あちこちで代役やってありがたがられる存在であることは尊敬しますが、ロンドンの聴衆は十分苦しんだので、お願いだからどこか他所で活躍して下さい。


まあ、彼女を少し弁護すれば、私は彼女が歌う場面は幸いほとんど寝てたので意見を言える立場ではないですが、彼女のデスデモーナは、実は去年ドミンゴ先生のガラ公演でひと幕だけ観てるので(→こちら )、彼女がここでやったものの中では一番ましなんだろうと思うし、真実味溢れる演技はハルテロスよりも上手。少なくとも、この直前に聴いたROH若手アーチスト10周年記念コンサートのロッシーニよりは百倍ベター。軽く転がさなきゃいけないのに勿論できなくて呆れるほどひどかったから(→こちら )。なんて書いてたら、また不快なことを思い出してしまったじゃないの・・汗


ガーン今からロンドンのオペラ仲間がもっとも怖れているのが来年5月のドン・カルロスで、ハルテロス出演予定なんですが、この調子では又キャンセルしそうじゃないですか? そうすると、代役がポプラフスカヤになる可能性極めて大叫び。 だって、2008年も2009年も彼女だったから、きっとROHのことだ、お手軽に又彼女にしようって思うに決まってる。どんな上手な歌手だって同じ役で何度も聴いたら飽きるのに、すでに何度も味わった苦痛をまた繰り返すのかと想像するだけでヘドが出そう・・・プンプン


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

そう、横向いてりゃそう悪くないのよ、貴女は。  あ、でも、こっち向いちゃあお終いよ・・


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

アントネンコ様が今日も好調だったのは大きな救いだったけど、相手が悪いと足引っ張られるちゃうよね。


私が3度目で多少飽きたということはあるにせよ、他の皆さんもなんだかぱっとしないような気がして、やっぱり上手な歌手が揃うと相乗効果で素晴らしさが何倍にもなるという当たり前のことを再認識。


古めかしいプロダクションなのに、そんなこをは気にならず、オペラはやっぱり歌唱力が最重要とばかりに盛り上がった今シーズン最後のオペラが最後の最後にこんなことになって残念無念しょぼん




London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)        London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)




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