綺麗な華ほど…… 1 | ぺんぎんの戯言ブログ

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スキビファンが今まで読専だった駄文を書いてみました。

出版社、原作者、関係者には関係ない趣味の二次駄文です。
二次が嫌いな方や、悪戯、嫌がらせ等はご勘弁下さいませ。

因みに、基本的に尚ちゃんが好きではないので、尚好きな方は申し訳ありません。

既に本日、予告した通りsei様リクの連載になります。
どうなる事やら、あくまで私の妄想の産物ですので、宜しくお願い致します!

<綺麗な華ほど…… 1>

*****

朝からキョーコはラブミー部でウキウキする心が止まらなかった。

「くれぐれもLMEの俳優として、二人とも頑張ってくれよ」

そう椹さんに心配そうに言われたが、初めての事ばかりでも全く心配どころか今回のドラマは飛び上がりたい気分だった。
そして最もキョーコのテンションをあげているのが・・・・

「ねえ、アンタ、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫よ、任せて! モー子さんを守るためなら、どんな苦労も厭わないわよっ!」
「だからって・・・・まあ、あんたが主役だから文句は言えないけど、無理はしないでね」
「モー子さん、ありがとうぅぅぅっ!」
「あー、もーっ、抱きつかない!」

赤い顔をして抱きつくキョーコを引きはがそうとしている奏江も、キョーコの演技に対する情熱をわかっていたから心配しているのだ。

今回、キョーコは主役に抜擢された。女子校に通うお嬢様役の奏江を守るボディガード役なのだ。監督の話を二人で聞きに行ったところ、キョーコは何の迷いもなく実体験しないとわからないから、とその機会を求めたのだ。

そして忙しい芸能生活の合間をぬってローリィに紹介された女子校に短期入学を果たした。
○×女子校、普段紹介されているのは大らかながら、トップの大学に入る学生もいる面白い学校というだけだった。

と・こ・ろ・が、やっぱりローリィが選んだのは普通の学校というだけではなかった。

*****

最初にセバスチャン氏が演劇専攻の短期大学の入り口まで案内してくれた。
2年間、みっちり基礎を教わるからだろうか、この学校出身の芸能人も結構多いらしい。教務課に案内されると社長と同類な二人が待っていた。

「初めまして、最上キョーコと申します。これから3ヶ月間、宜しくお願い致します」
「そんな堅くならないでいいわよ。みんなその道を目指す同士だからね、一緒に頑張ってやっていこうね」
「そうそう、俺は武道系担当の飯島。そちらは舞踊担当の星野」

あまり武道と言われてもピンとこない感じだけど、よく見るとしっかりと筋肉がついてる。ラッパーの様な格好をした細マッチョって感じ?

「宜しくね。私は舞踊と同時に合気道も教えてるから。後は最上さんがスケジュールと受けてみたい授業を選んで申請してくれればいいから。聴講生と同じね」

星野先生は凄く綺麗な女優さんって言ってもいいくらいな感じなんだけど・・・・着物を着ていらっしゃるのはその所為なのかしら。

「教師陣はみんな君の事を学長から聞いてるから、何でも言ってきてね」
「え? 学長さんから直接ですか?」
「うん、何でも君んところの社長さんと飲み仲間らしくてね」

そういう繋がりだったんですか・・・・

「まあ、学長も君をしごけるとうきうきしてたから」
「はっっっ????」
「え? 知らないで来たの? うちの学長、あの世界の伊那庭さんだよ」
「ええええええっ!!! し、知りませんでしたぁぁぁっ! え、しごき? 直々にですかっ?」
「わかんないけど、あんなにご機嫌だったの久しぶりだから、なぁ」
「確かにねぇ。踊り出しちゃいそうだったし」

何だか本当に社長との接点が一杯出てきそう・・・・
世界に通用する演出家が学長なんて聞いてないわよっ!

「じゃあ、後は高校の方に案内しようか」
「はい、宜しくお願いします」

どれだけ遠くたって自転車があれば・・・・

「はい、ここ入ってね」

5m程歩いた先の扉を開けて先生が待っている。
やっぱり女子校って言うだけあって、お嬢様学校で車で送り迎えとかになっちゃうなら、はっきり断らなくちゃ!
むんっ、と拳を握りしめてる先に先生が飛んでもないことをおっしゃった。

「はい、ここ高校の校長室だから」
「はっ?えええええっ!?」
「同じ敷地だから便利でしょ。失礼しま~す」
「えっ、えっ、あっ、え???」

お嬢様学校の心得は教えてくれないんですかぁ!?

*****

いきなり校長室に案内されてドキドキしたけど、優しそうな校長先生にほっとしてしまった。

「じゃあ、最上さんはこの学校で3ヶ月、学ぶと言うことでよろしいですか?」
「はい、よろしくお願いします」
「うちの学校は学生の自立心や個性を大事にしています。勉強は学生の本分ですが、絆や行事などにも積極的に参加してこその学生時代ですから」

母にしてもそうだけど、大抵の学校は勉学が一番。それ以外は考えなくていい、と言うところが多いと思うんだけど、さすが社長さんの選んだ学校は違うわね。

「ぜひよろしくお願いいたします。でもお邪魔になるようでしたら・・・・」
「それは大丈夫です。うちも結構大会や芸能活動をしている子がいますんで慣れたもんですから」
「はぁ・・・・」

つまり短大で武道や殺陣、アクションの授業を受け、通常はこの女子校で雰囲気作りに励めるという、一石二鳥のお話だった。
勉強もできて演技の稽古や武道まで習える。

いいとこづくめな環境に幸せを感じていると、校長先生のため息が聞こえた。

「な、何かいけないことでもありましたか?」
「あ、いえ。女子校とは結構特殊な環境なので、染まって頂くのがいいものなのか、ちょっと・・・・」
「え? そうなんですか?」
「まあ、やってみなければわかりませんから。それじゃあ職員室に案内しましょう」

お嬢様学校で『ごきげんよう』とか言っちゃったりして! 白いパラソルにふわふわドレスに・・・・
メルヘンの国に旅立っていた私は、最後のその台詞が後になって自分に跳ね返ってくるとは、全く思っていなかった。

***** つづく

うん、女子校とは女の園。
いいんだか、悪いんだか。
ここでこの経験をばらしていいんだろうか……
全部が事実ではありません!(^_^ゞ