あの子の喜びが、私の喜び。
あの子の笑顔が、私の幸せ。
私の元で、何の疑いや不安も抱くことなく
毎日をイキイキと過ごすその姿は本当に美しくて
だけど、私がどんなに大事に思っていても
「病気」には勝つことができませんでした。
泣いて縋っても、あの子の旅立ちを止める事はできなかった。
チコの瞳の光が消えた瞬間、私の心の「灯」も消えてしまいました。
だけど、その頃の私には一つだけ希望がありました。
今、この辛さを乗り越えさえすれば
「チコは必ず生まれ変わって帰って来てくれる」という希望です。
電子書籍「これからの永遠」 にも書きましたが
私はチコが旅立つ日、あの子を抱いたまま姿見の前に立ち
しっかりと言い聞かせていたのです。
「あれが、チコを抱いているのがお母さんよ。しっかり覚えていてね。
そして生まれ変わったら必ず見付けてね。
もう一度、お母さんの子供になってね。約束よ。」
そう信じることで、私は日々を送れていました。
ちょうどその頃、大きな手術を受ける事になってしまい
弱っていた心身に「とどめのパンチ」を喰らったような気分になりましたが
「チコとの再会の日」を心の糧にして、前を見続けました。
・・・でも、いつの頃からでしょうか
私は「チコは生まれ変わって帰って来ることはないかも」と思い始めました。
・・・・違います。
「生まれ変わって来る必要がない」からです。
9年という時間を精一杯、立派に生き抜いたチコたんは今、
お空の上の「最高に快適な場所」にいます。
そこは常に暖かで、美味しい食べ物が沢山あって
そこでお友達と楽しく駆け回っているだろうチコたんが
私の為なんかに、わざわざまたここに降りて来なくていいんです。
チコたんはもう十分、私の傍にいてくれた。
それに、たとえ手で触れる事ができなくても
チコはいつもお母さんの傍にいる。
「楽しい思い出」として
「繋げてくれたお友達との温かい御縁」として
「私の中でしっかり根付いた、犬達への愛情」として。
そんなふうに思った時
「無理して生まれ変わらなくていい、ひたすら楽しくゆっくり過ごしなさいね」
とチコに言える事ができたのです。
その体に触れたくて、抱き締めたくて泣ける日もあるけど
「おっと、ぜいたく言っちゃダメだよね」って思います。
9年も私の子供でいてくれ、こんなに沢山の幸せを残してくれたんだから。
最近「子犬のチコを抱っこしている自分」の写真を見付けました。
・・・・笑いました。めっちゃ若くて。ほうれい線がないもん。
「たった9年」と、あなたの人生を不憫に思った時期もあったけど
そこそこ若かった私が、こ~んなに老けるまでの永い月日を
共に、めいっぱい楽しく生きてくれたのよね。
今もなお、募り続けるチコへの想い。
もう少し、聞いて下さい。
「PECO[ペコ] 公式ブログ」