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O, Mensch! Gib Acht! Was spricht die tiefe Mitternacht?


三浦弘行九段の冤罪事件(不正疑惑ではなくあえてこう書く)について、第三者調査委員会が結論を出した。明らかに竜王戦が終わるのを待っての発表で、いかにも姑息である。結論は「不正の証拠なし」というもので、心ある将棋ファンは初めから分かっていたことだ。何を今さらである。

 

これを受けて将棋連盟幹部は「謝罪会見」なるものを開いたが、あきれたことにTVカメラは入場不可だったという。テレビであれだけ三浦九段がクロであるかのような報道を垂れ流し放題にさせておきながら、自分たちの謝罪会見はなるべく見せないでおこうというわけだ。

 

話は逆で、必要なのは会長以下、内部理事全員(外部理事はこの際関係ない)がTVカメラの前で揃って頭を下げる動画映像を公開することだ。それで初めて三浦九段の名誉がいくらかは回復されよう (100%は不可能) 。本当に三浦九段の名誉回復を図る気があるのなら、最低限それぐらいはしないといけない。莫大な金銭的損失の補填やA級の地位保全、出場機会を奪われた他の公式戦の補償などはそのあとでいい。

 

 頭を下げるときは起立すべきだと思う

 

もう一つ、理事三名の減給処分というのも大甘だが、一方の告発者には何のお咎めもないのか。告発の理由となった離席時間や回数、指し手のソフトとの一致率。調査の結果その悉くが全く根拠のない、いわば「言いがかり」であったことが明らかになったのだから、スルーはおかしいだろう。 まして告発者は直接の利害関係者であり、ゴシップ誌の記者にべらべら喋った張本人でもある。棋界がまともな社会であるならタイトル剥奪、過去の記録の抹消、永久追放でもおかしくない。現にチェスの世界では、不正が厳罰の対象であることはもちろんだが、告発が虚偽であった場合には告発者に厳罰を科す規定がある。連盟はやっぱりただのムラ社会に過ぎないのか。

 

疑惑が取り沙汰されていたころ、テレビや週刊誌は三浦九段の態度のぎこちなさを「挙動不審」と極めつけ、不正をしたが故の不自然な態度と言わんばかりに彼の映像、画像を世の中にこれでもかとバラ撒き続けた。しかし心ある将棋ファンは、それが三浦九段の不器用さ、世間擦れしていないナイーブさに由来するものと知っていたから、逆に反発した。

 

「あれは三浦のデフォ。おかしいことなんかなんもねぇ」
「三浦はいつもあんな感じじゃねーかw」
「キョドってない三浦なんか見たことねーよ」

 

某匿名掲示板で多く見かけた書き込みの一部である。言葉こそ上品とは言い難いが、三浦九段に対する温かい擁護であると同時にマスコミの皮相な報道姿勢に対する憤りと侮蔑が感じられる。同じ掲示板で、処分撤回を求めるネット署名活動が行われたことを知る人はどれだけいるだろうか。

 

これを見るかぎり、私は将棋ファンは信じられる。しかし日本将棋連盟よ、お前はダメだ。ファンの声を完全に無視し、一部の人間の利益のために大口スポンサーに媚び諂い、そのために無辜の棋士を晒し者にした罪はあまりに重い。公益法人を返上し、任意団体としてゼロからやり直せ。

 

 みうみうが心から笑える日がまたいつか来るだろうか

 

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